ふたりの絆⑤

第2章 アカリとの出会い

ヒカルがアカリと出会ったのは、ホタルが天国に旅立つ1ヶ月前のことだ。

ヒカルの勤める会社に、大卒で新入社員として入って来たのである。

「アカリといいます、宜しくお願いします。」

大きな声で、挨拶をしたのを覚えている。

ヒカルも、まだこの時期は、(少し変わった子だな)としか思っていなかったのだ。

それが、ホタルの死をきっかけに、ヒカルにとって大切な存在に変わっていったのだから

世の中は何が起こるか判らないことだらけだ。

アカリが入社して1ヶ月ほどが過ぎた頃、当のヒカルは、ホタルがいなくなった寂しさから

毎日落ち込んでいたのである。

そんな時に、声をかけてきたのがアカリであった。

「どうしたんですか?元気ないですよ。」

笑顔で励ましてくれたのだ。

(優しい、いい子だな)

ヒカルは、そう思った。

男は本当に単純な生き物である。

そんな会話を数回繰り返したある日のこと・・・

「今度、晩御飯を食べにいかないか?」とアカリを誘った。

「いつでもいいですよ。空いてますから。」

うれしそうな顔で答えるアカリだった。

数日後、ヒカルはアカリをつれて晩御飯を食べに行ったのだった。

しかしこの時はまだ、2人は単なる友達程度の仲でしかなかった。

それが、アカリの発したある言葉が引き金となり、2人の絆は深くなっていったのだ。

その言葉は、ヒカルがアカリを初めてのデートに誘ったときに生まれた。

                                    →「第3章 運命の言葉」をお楽しみに。  12/23更新

                                    ヒカル:アカリは、世間でいうと天然な女の子なのでしょうね。
                                        ヒカルとアカリの絆がどのように深まっていくのか気になります。
                                        そしてヒカルの想いとは・・・
                         -5-

ふたりの絆⑤

ふたりの絆⑤

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-23

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND