世界の真理

 物語はいつも知らいうちにどこかで始まっている。俺はただ普通に生きていたかった。別に人生に刺激が欲しいとか今の生活に不満があるわけでもない。寧ろ面倒なこと嫌いでこれ以上、問題ごと増やしたくなかった。そんなだから逆に面倒なことによく遭遇するのであろうと勝手に解釈する。勝手に話し始めたが俺の名は・・・・・ここでは名乗らないようにしよう。この後、分かってくることだろうから。そんな主人公らしくない俺の物語はここから始まった。
 朝起きる為に目覚ましをセットしているが
いつもセットした時間の五秒前に起きってしまう。起きてすぐ目覚まし止めることだから丁度いい時間なのかもしれない。それが毎日だという事は変なことでだと初めはそう思った。
しかし・・・何十年も経てば違和感はなくなっていた。でもここ最近は何かを察知したかのように絶妙なタイミングで危機を避けたり運がいいことがある。普通の人でもこんなこと何回も起きればすごい違和感を感じていた。俺は普通の生活が好きだから周りに絶対にこのこと話すことは無かった。嘘だと疑われるのまだ良いが大ごとになり騒がれると面倒だと思い、自分だけの秘密にしておくことを決めった。秘密を隠すという生活を数か月が過ぎ少し自分でも気にならなくなった。
 そんなある日・・・・とある人物から声をかけられた。
「ほんの少しだけど・・・・時間を早く感じてない?」
 俺は一瞬、何を言っているのかわからなかった。自分に言っていることにも気づかなかった。本当に一瞬の出来事で・・・・・・・そいつは前を見て歩きながら言った。どこで見たことがある顔だったかもしれないが一瞬のことだったので見間違いの可能性もある。
俺は気のせいだという事にして。このことを忘れることにした。本当に忘れたかった。自分でも薄々は感じていたが今の現状は普通で
ないことは。心の奥では気づいていたが気づかない振りしていた。気づいてしまったら今まで築き上げた日常が壊れてしまうのではないかという恐怖があった。俺は普通の日常がなにより好きだからである。
しかし、あの一言により忘れようとしていたことを思い出してしまった。よく分からないこの力についてよく知っていた方がいいと思った。このこと誰に話せば良いかなんて全く見当がつかない。こんなのゲームやアニメではあるまいし実際にはあり得ないものであるから。やはり・・・あいつに聞くしかないと思った。いくら思い出そうとしても全く顔が思い出せなかった。
仕方なく街を歩いてみた。町中どこを探しても見つからなかった。もしかしたらこの街に住んでいない可能性があることを必死に探していて忘れていた。それでも見つけないことには今、自分に起きている現状は解決しない。可能性として考えられることはこの世界で何かが起きている。その起きていることを
知らない方が知っていることより怖いことだと思った。
「世界の真理を知りたくはない?」
 あの時と同じ声がどこからか聞こえた。今度は姿も見えなかった。周りを見回してもそんな人はいなかった。その人に聞くことはできなかったが一歩は近づいた。
「世界の真理」その言葉で。
 やはりこの世界のどこかで何かが起きている。この時、俺はもう普通の日常に戻ることはできないことを覚悟した。

世界の真理

世界の真理

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-22

Copyrighted
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