紙の公園 36~40

でも1つだけ残念な点があった。
それは、小説にならなかった事だけが、少し残念だった。
そう思い、遼人は、思いきってテーマを心機一転しようと思った。
テーマと言っても、そんな簡単に思いつくはずもなく、しばらくの間、手が止まってしまった。
でも、まず小説を書くとしても、それなりの知識が無いと書くのは、難しいと思った。
自分の趣味や体験した事を中心に考えていこうと思った。

考えるうちに、ふと思いついた。
自分の生きた道をそのまま語れば、いいのでは、ないかと。
方向性は、定まり今年1年の事柄から、書き始めようと思った。
次は、主人公の名前だが……

主人公の名前は、「颯馬遙人」と自分の名前を使う事にしたが、普通の人なら決して自分の名前を使わないと思ったが、やはり自分の物語、自分の人生の事だから、自分にしか過ごす事が、出来ないと思ったから、恥ずかしいとは、なんとも思わなかった。

とりあえず、方向性は、春からの事を思い出しつつ、素直に心の赴くままに書き始めた。
そして、公園を見つける場面が、来た。
やはり、その場面は、公園に行って書いた方がいいと思い学校の後に行くことにした。
そして、学校が終わり、公園に向かった。
そして、いつものベンチに座り本では無く、紙と鉛筆を取り出し、初めてベンチに座ったことを、思い出しながら書き始めた。
そして、隣のベンチの少女は、不思議そうにこっちを見ていたのには、気づいたが気づかない振りをしておこう。

公園に初めて来た時の事を書き終えた所で、空が、暗くなりかけてるのに気づいた。
もうこれ以上書くのは、無理だと思い、片付け始めた所で、声をかけられた。
「先程は、何を必死に書いたてたんですか?」
まぁ、そりゃあ気になるだろうなと思い遼人は、素直に答えた。
「昨日から小説を書き始めたんだ、外の方が捗る気がしてな。」
「小説ですか凄いですね!出来たら見せて貰えませんか?」
「凄くはないが、完成するか、分からんからなんとも言えんな。」
「では、出来たら是非読ませて下さいね。」
まだ、書き始めたばかりなのに読ませる約束をしてしまった。
まぁ読ませるか、どうかは、別にしてどんどん書かなきゃなと思い公園を離れた。

紙の公園 36~40

紙の公園 36~40

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-21

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