金曜日

週に一度だけ早起きをする日。まだ外は薄暗くて寒いので布団から出るのがしんどいけどいろんな欲求が私を起こしてくれる。
お腹を空かせたまま駅に向かう。早朝なうえ空腹でエネルギーがなくなっていて余計寒い。直したばかりの自転車はスイスイ進むからなんとか心地よい。
高校生の通学タイムの車内は混雑していて懐かしい話も私の知らない話も飛び交っている。私は音楽を聴きながら隣に座っている可愛くもブサイクでもない顔が私の好みである女子高生につられてウトウトした。
人混みを掻き分けながら電車を降りるとチラチラと舞っているものがあって、もちろん雪。今年の初雪は寒くて1人でお腹を空かせている味気ないにもほどがあるシチュエーション。雪より何より朝ごはんが食べたい。
決まり切った朝ごはんは100円で食べられる破格の学校の朝定食で、特別なものは何もないけどお腹いっぱいに白米が食べられるだけで超しあわせ。しあわせ噛み締めながらゆっくりご飯を食べる。
今年二つしかないうちの一つの授業は陶芸で、ラジオのBGMのおかげで年中お正月のような気分なのに石油ストーブのあたたかさや時期的なことも
ありいよいよまじでお正月であるかのようにしか思えない。
みんなマイペースに登校するので私の友達はまだ誰も来なくて、集中できるけど淋しい。どんどんさみしくなってきて、21歳になって群がったり人の目を気にしたり友達の数=自己評価ではなくなった頃、やっと本質的にさみしいっていうのを感じられるようになった気がする。
30分ほどで数少ない歳下の仲良しの子が来て、無駄にテンションが上がってちびまる子ちゃんについて語ったりしちゃう。終わり頃に最近私の中でかなり仲良しと格付けされている子も来て余計ハイテンション。
あーこんな日常って全然悪くないとか思いながらでもやっぱり今日もどこかで夢を見ている。

金曜日

金曜日

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-18

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