メインキャスターⅡ
オフィス冴
藤堂冴子二十六歳、(オフィス冴)の社長兼タレント、所属タレントは藤堂玲奈二十二歳、
二人共アナウンサー、他に後籐晋平、東田塔子、茂木沙紀が所属している。
社員で運転手木崎孝介七十歳、事務の小宮麻代二十二歳、細野敦四十歳、マネージャーで干野明七十一歳、加山誠二十八歳、岸田希十九歳、浜中めぐみ二十一歳、福山繁三十歳が(オフィス冴)のスタッフだ。
一年年前冴子が、立ちあげた法人組織、それをこの夏、社員を雇って本格的な会社にした。
一年間は節税対策を主に投資の為の会社として設立したのだ。
木崎と、干野は「こんな年寄りを使って頂いて感謝しています」と涙を流して喜んだ。
冴子は益々人気の上がったて経済 情報 番組 (藤堂冴子のクイック11)のメインキャスターを務めている。
いつの間にか番組の冠に冴子の名前が使われていた。
特に冴子の特選銘柄は当たりに当たって、そのコーナーの視聴率が跳ね上がる位だ。
今ではスタッフも交代して、サブキャスター下部に代わって後藤晋平が努めて、世の女性の人気も上昇している。
二枚目後籐と才色兼備の冴子、そこにこの秋から妹の玲奈がアシスタントとして馬淵の後釜に起用されたのだ。
スタジオに花が二つ咲いた様に成った。
夏から独立した冴子の希望で玲奈、後籐、塔子がフリーに成った形だ。
小堺常務はこのまま番組を続けて、くれるならと許したのだ。
特に冴子が他の局には出演をしないのなら、と云う条件付だ。
小堺も小野も下田も冴子の銘柄で莫大な副収入を得て居たから、金の卵を産む鶏の条件は殆ど飲むのだ。
勿論冴子自身も相当な利益を得ている。
それも有って、法人の設立に成ったのだ。
昨年から、個人と法人の両方の口座を持って運用をしていたのだが、法人に余裕が出来たので、独立をした。
冴子の収入は株式の運用、タレントの収入、著書の販売、各地の講演会。
近くの時は木崎の車で移動、浜中が化粧、衣装の担当、福山がそれ以外の事を仕切っていた。
事務所は干野以下小宮と細野が株式の連絡から、仕事、経理を三人で纏める。
加山、岸田の二人が他の三人の面倒を見るのだ。
「限界です、二人では無理です」「テレビ局の仕事だけだから無理かな?」「玲奈さんが出演してから、もう、駄目です」塔子、沙紀、玲奈は統べて自分で衣装も化粧もしていた。
「じゃあ、二人程増やすかな?」「はい、お願いします」喜ぶ岸田と加山。
事務所は局の直ぐ近くの最近出来た十五階建ての最上階を借りていた。
敷金家賃も半端で無い金額だろう、資本金一億で設立した会社、当初は投資だけの会社だから、事務所も統べて自宅に成っていた。
今は社員も沢山雇って冴子は立派な社長さん。
干野の知り合いの会計事務所、馬籠泰三の助言でもあった。
馬籠も株式をする馬籠には息子雅治が居て、この息子と冴子を結婚させたいのだ。
二人は同じ事務所で働いて居る。
冴子には結婚は全く眼中に無い、家には玲奈と二人で住み、お手伝いに山田と富永の二人、「姉ちゃんの家は凄いよ」と三重の自宅で玲奈が喋って、両親が見に来て、呆れて帰った程だった。
弟修平も時々東京に来る時は此処に泊まるのだ。
さて、本来の持ち主だった新藤司は何処に行ったのだろう?
涙の訴えの冴子の映像に涙を流した新藤、だが世間に出られる身体では無かった。
公的なお金は自己破産で終わりだが、黒いお金も沢山、彼の資金の中には有った。
闇の金融筋も相乗りをしていたから、その損失は半端では無かった。
連中は血眼で新藤を探していた、殺す為に。
冴子に会いたいでも会えば彼女に被害が及ぶ新藤の苦悩は続いて、新藤は必死で海外脱出を試みる、海外なら多少は安心。
冴子の涙の訴えの後、新藤は耐えられなく成って、冴子に放送終了後
(海外で落ち着いたら、連絡する、待って居て欲しい)(連絡、ありがとうございます)(それまで、仕事を頑張れ、愛している)そのメールから二ヶ月後、香港のホテルで二人は会った。
「先生、会いたかった」「僕も!だよ」ホテルの部屋で二人は長いキスをする。
新藤は逃亡の為か相当窶れていて、冴子は新藤にお金を渡して使って欲しいと言った。
遠慮していた新藤だったが、冴子の好意に甘えた。
これから何年続くか判らないからだ。
先日も危うく闇金の手の者に見つかる寸前だったのだ。
新藤は事情を話して、冴子の理解を得て、冴子も巨額の資金の中にはその様な闇のお金も相乗りしている事は理解出来た。
久々の冴子は新藤に抱かれて燃えた。
新藤も久々の冴子の肉体は最高で、この夜の冴子の乱れ方は普通では無かった。
もうこれで会えないかも知れないと云う不安に身も心も燃え尽きたかった。
連休で土曜日に飛んで来て、日曜日の最終で帰る冴子。
ベッドで縺れる二人、久々のSEXの二人、長い、長い、お互いの愛撫、冴子は燃えた。
「先生、いれてー」新藤の愛撫に燃えた冴子が発する言葉、新藤は興奮の中、ペニスを挿入する。
「ああーいい」「もっと、もっと」と言う冴子、白い乳房が揺れる。
腰が激しく動く「だめー、だめー、逝く、――」「あああーーー」と痙攣を起こして、失神をする.
新藤もベッドに倒れ込む、何と、相性が良いのだろう、今更ながらに思う新藤.
意識の無い冴子の白い乳房の小さな乳首を摘むと、びくびくとする、冴子の身体、また当分は会えないのかと思う新藤なのだ。
しかし、新藤はその後、逃亡の疲れから病に倒れてしまった。
肺炎を併発して帰らぬ人に成ったのだ。
冴子が知ったのは亡くなって半月後、その頃の冴子は失意の底だった。
木崎と干野に支えられて漸く立ち直った。
一時番組も辞めたいと何度も下田に話していたが、時間と新藤の遺言が彼女を蘇らせたのだ。
冴子、私は君を愛してはいけない人間だった、もうすぐ私はその罰で死ぬだろう、私の想像以上に冴子は相場が上手だ.
何十年もこの世界に居る私が感心させられる事が多かった.
冴子はまだ若い、私の事は忘れて、仕事、相場で大きな花を咲かせて欲しい、天国から君の成功を見ている.
それから、子供は残念だったね、私は冴子に嘘をついていた、加藤女医の事は統べて知っていたのだ、許して欲しい。
新藤は冴子に自分を忘れさせる為に事実を仄めかした.
冴子が手紙を受け取った時、この文章に真実が何処まで有るのだろう?
私を立ち直らせる為かも知れないと、前向きに考えた、そして立ち直ったのだ.
新藤に自分を見せたい気持ちも有った、今、新藤が亡くなって二年の歳月が流れていた。
関西の丸田と甲斐は有罪で服役、鴨居と碕山は執行猶予付き、斉藤医師は警察に逮捕されて、医師の免許を剥奪、一年の実刑となった、加藤達四人は逃亡が成功して今も逮捕されずに関西に潜伏していた.
五千万のお金も使えば早い四人が二年半逃亡生活で殆どが無くなっていた。
斉藤は冴子を恨んでいた、自分が警察に捕まったのは冴子の通報だと信じていたのだ。
出所すると冴子は有名人、人気は最高に成って居た。
携帯で加藤女医に連絡をする。
加藤は、だから危険だと忠告したのに、だが何も仕事が無くなった斉藤、加藤も今は身を隠す生活。
何か良い仕事が有れば連絡をする事で話しは終わった。
数日後、盗撮ビデオの医者役の仕事なら有りそうだと連絡をする。
加藤、自分もその仕事が見つかったのだ。
盗撮とは銘打っているが、売れないAV女優が、病院で盗撮される。
暈かしが入って本物の様に見える。
医者物は本物の医者とか看護師でなければ、盗撮感が出ない、始めからドラマの仕立てだから、少々の事は役者も承知している。
鴨居の仕事の関係からの依頼、結局、鴨居も元の仕事に戻って居た。
もう二度と危ない仕事はやらないと決めている。
関西の暴力団兼定会がビデオの仕事も影から支えて居たが、表向きはビデオの制作会社はAFS企画制作、盗撮物、フェチ物を中心に制作販売をしている会社だ。
興味を持つ兼田会長
13-2
斉藤医師には堪えられない屈辱の毎日だった。
顔は出さないが、僅かな給料で撮影をする。
この仕事よりも良い仕事は無いのか、妻と子供は離婚して実家に帰り、関西で孤独な毎日、小さなマンションと云うよりアパート住まい、
でも生活するには仕方が無かった。
テレビでは毎日、華やかに藤堂冴子が人気を博している。
講演会は超満員、著書は売れる、財産は凄い状態に成っている。
新藤の予言した通り、素晴らしい相場感と度胸、そんな噂は証券界では常識に成りつつあった。
各証券会社は(オフィス冴)を詣でて何とか講演会をして貰おうと必死だった。
MIS証券の森も例外ではなかった。
片山支店長と何度も事務所まで来るのだ、今も大口の顧客だから、講演会と取引のお礼も兼ねて、東京の事務所まで今日もやって来た。
土曜日、祭日、日曜日は冴子の本来は休息日だが、最近は講演会とかで忙しいのが現状だ。
今日は午後から墓参りに行く予定で、新藤の命日なのだ。
亡くなって二年、新藤には子供も妻も居ない、勿論両親は随分前に亡くなって、兄弟に一人姉が居る様だが、自己破産で顔も見せない。
冴子が新藤の墓を建てて菩提を弔っているのだ。
干野と木崎の三人で行く予定だ。
玲奈は何故?姉がそこまでするのか?理解出来なかった。
株の先生だとは、知ってはいたが、お爺さんの墓まで建てて、毎年命日、彼岸、盆にはお参りに行って居る。
自宅には仏壇、確かにこの家は新藤さんから貰った物だが、四十歳も離れた人と、恋人だったとは考えられない玲奈なのだ。
玲奈はあの日から、男性恐怖症に成っていて、恋愛も出来ないし、勿論SEXは絶対に出来ない。
あの痛さが記憶に残って男嫌いの女子アナで有名だ。
顔もスタイルも洗練されて益々綺麗、人気も急上昇だが、男性が声を掛けても見向きもしないのだ。
その事務所にMIS証券の二人がやって来て
「藤堂さん、来月支店の二十周年なので、是非講演会をお願いします」そう言って、鰻の蒲焼きを持参してきた。
今日は事務所には、干野、木崎、玲奈、小宮五人のみの出社
「そうね、片山さんとは長い付き合いだから、受けようか!小宮さん、来月開いている日有る?」
「祭日の、夜なら」
「その時間でも大丈夫なら」
「はい、会場を探します」
「有難うございます」
「ところで、ご存じですか?」
「何が?」
「新藤さんの別宅売れたのを」
「いいえ、知りませんが」
「高い物件だったので、長い間買い手が無かったのですが、先月関西の人が買いましたよ」
「私は、藤堂様が買われるのかと思いましたよ」
「あの家には思い出が有りすぎますから、買えませんわ」
「そうでしたか」
「どの様な方ですか?買った人は」
「手広く商売をしている人だと聞きましたが、今工事をしていましたね」
「また、調べて置きますよ」
「別に、興味は有りませんわ」とは言ったが、もし玲奈の事件が無かったら、買っていただろう、それ程思い出は有った。
午後、三人は車に乗って海老名に向かった。
新藤の別宅に近いお寺に墓を建てたのだ。
立派な黒の御影石、高台の墓は遠く富士山が見えて、素晴らしい環境の墓、毎年多額のお布施をするから、冴子はこのお寺ではVIP待遇だ。
今日も事前に話して居たので、住職が弟の坊主を伴って待っていた。
勿論冴子の美しさも手伝っての事だが、持参した花を供えて、線香をたてて、三人が手を会わせる。
お経が、終わり、いつもの事だが、気を利かせて二人は車に戻る。
冴子は新藤と二人で話がしたいのだ。
一人に成ると「先生、二年が過ぎました、早いですね」と涙ぐむ。
「先生との子供が居たら、今頃どうなっていたでしょうね」
「ひとりで寂しく有りませんか?」
「先生の教えの通りに相場はしていますよ、最近は忙しくて、中々出来ませんがね」
「実はこの九月に、お盆に話した、法人の会社を、今までは株の為だけの会社でしたが、人を雇って沢山の人が居ますのよ、妹も一緒に働いて居ますわ」
「来年には、大きく成ったと報告に来ますね、これから寒く成りますね」
冴子はもう語らなかった、唯、涙が流れていた。
「先生、寂しいわ」そう言って墓を後にする冴子。
木崎が突然言う「近いから、立ち寄ってみますか?」
「別宅ですか?」
「嫌なら、行きませんが?」
「玲奈の事件が無かったら、私が買ったのですが、妹には思い出したく無いでしょう」
「そうですね、あの事件から男性不信に成っておられる様です」
「困った事です」
「社長もこれから、恋もして、結婚も子供も?でしょう?」
「さあ、忘れられるかしら?」
「二ヶ月程ですよね、先生とは?」
「二月の末に始めて有って、亡くなられたのが十月、私が最後に会ったのは九月、半年ですね、でもその半年は私には一生より長い半年でした、統べてが、変わりましたから」
「お金も、人生観も、相場も覚えました、テレビのキャスターも不動の物に成りました、統べて、先生のお陰ですよ」
「そう言われれば、そうですね」話しをしていると別宅に到着した。
車から見ると、
「変な感じの人が多くないですか?」
「あれは、暴力団では?」
「じゃあ、この家を買ったのは暴力団?」
「高いですからね、中々一般の人は買えなかったのでしょう」
「干野さん、また、調べて下さい」
「はい、判りました」と話して居ると、車の方に一人の男が近づいてきて「お前ら、何を見ているのだ」とチンピラ風の男が車の窓を叩いた。
冴子が「何も見てないわ、大きな家ねと思っただけよ」
サングラスの冴子を見て、何処かの組の親分の女かと思ったのか
「此処は兼定会の会長兼田定吉のお宅だ、今度は近づくなよ」
そう言われて急に冴子は車を降りた。
「わあー、凄い別嬪、でスタイル良い、お姉ちゃんだ」とチンピラが呆れる。
「関西の人?」
「知らないのか?」
「始めて聞いた名前だわ」
「お前、組の人間では無いのか?」
「違いますよ」と話して居たら、向こうから少し歳上の男がやって来て
「兄貴、何処かの組の女かと思ったのですが、違った様です」
その男は冴子を見て「あっ、藤堂冴子さんですよね」と言った。
「よく、判りましたね」
「テレビ見ていますからね判ったよ、此処は相場の神様と云われた新藤先生の家だからですね、俺も株をするので知っているのですよ、内の親分に勧めたのも俺ですわ」
男は名刺を差し出した、兼定会、課長真木五郎、最近は課長とか部長と呼ぶらしい。
「番組で使おうかと、見に来ただけです」
冴子は軽く会釈をして、車に乗り込んだ。
家のベランダから、この様子を兼田定吉が見ていた。
兼田は六十八歳、一代で兼定会を作り上げたやり手の親分だ。
この家は今後関東に進出の為の出城の様な物だと考えていた。
関東の五経連合は殆ど壊滅状態で、神明会の天下に成っていた。
その五経の後釜を狙っての進出なのだ。
既に神明会は事実を掴んでいたが、今は静観の構えなのだ。
清水大治は無駄な争いは好まない男なのだ。
今では、芸能界にも進出して、映画も制作をすれば、今度娘のサンセットブライダルも上場をする。
暴力団の顔を見せない清水だがその実力は業界では驚異なのだ。
警察にもコネクションが有る、正に無敵の存在に成っていた。
部下には厳しい、悪い事をすれば即破門、即ち死ぬのだ。
その為、部下は絶対服従、一般人には優しく接する事を基本にしている。
「今の良い女は誰だ」
「会長ご覧に成っていたのですか?」
「見ていた、久々に見る、良い女だったな」
「あれは、テレビでも有名な藤堂冴子と云って、夜の経済番組のキャスターですよ」
「あれが、藤堂冴子か?」
「そうですが?」
「生で見たが、良い女だ、あんな女を縛ってみたいな」
「会長それは、難しいと思います」
「何故だ」
「直ぐに、警察行きに成ります」
「何故?此処に来たのだ」
「多分この家が、天才相場師新藤の家だったからでしょう」
「そうか、若しかして弟子?」
「ああ、そうかも知れませんね」
真木は会長に言われて、始めて気が付いたのだった。
闇金のボス
13-3
兼田会長はこの家を買った最大の理由は、地下室の設備を見た時に決めたのだ。
美容エステの天井板を外すと、滑車が有って、過去此処でSMプレーをしていたと判ったからだ。
会長も大好きなのだから、この部屋なら外に聞かれずに遊べるから、今後此処に女を連れ込んで遊ぼうと考えていた。
関西から此処まで連れて来る女も今後居るだろう。
飽きたら、風俗で働かせる、麻薬を使えばもう逃げられない、過去にも数人その様にして、自分の関係する店で働かせていた。
海外に送った女も何人かは居た。
地下室の改造をして、畳を敷いて、本格的なSMプレー用の部屋を作る計画、隣の診察室はそのまま残していた。
「ここは、例のビデオの撮影にも使えるだろう」
「はい、今まで、病院を借りて居ましたから、此処なら安く、自由に使えます」
「隣の部屋とは、別にしておけ」
「はい、」
以前の鑑賞の部屋が無くなって、病院の待合室と受付のセットを造る。
カメラのスペースを用意して完璧な病院の感じに作り変えた図面を見せた。
エレベーターから出ると、奥に機械室と書かれた扉、それがSMルーム、手前は病院の受付のセットに成っている。
約一ヶ月掛けてこれから作り変えるのだ。
冴子は三人の探偵を雇って加藤女医の行方を去年から捜していた。
新藤と子供の仇を討つ為、勿論妹玲奈の復讐、自分の復讐も有った。
昨年から既に三人の探偵を二度変更して、それは、何の成果も上がらなかったからだ。
あの新藤を死に追いやり、子供を流産させられた憎しみは深かった。
殆どの人が新藤は相場の失敗で破産したと信じていた。
冴子は先生の威厳を取り戻したかったのかも、先生は相場で失敗する様な人では無い、天才相場師だった事を証明したい。
兼田会長が新藤の自宅を買った話しを聞きつけて、関西の闇金融のドンと言われた梅田銀也が手下と共に兼田の自宅を訪れたのは半月後だった。
梅田は六十歳位の禿頭の体格の良い男、昔はラクビーをしていたらしい。
「会長がこの家を買うとは思いませんでしたな」
「中々、大きいし、面白い仕掛けも有ったのでね」
「此処は、わしが貰っても良い位の物件だったのだが、世間の目が有ったので辞めたのだよ」
「新藤には相当持って行かれたらしいな」
「半端な金額では無いですよ」
「新藤は外国で死んだ、もうどうしょうもないな」
「本当に悔しいです」
「知っているか?テレビで有名な藤堂冴子」
「知っていますよ、有名ですから、美人で相場に精通している」
「その、藤堂が新藤と関係が有ったのでは?」
「本当ですか?」
「半月程前に此処に来たのだ、新藤の家だと知って」
「えー、それでは、新藤の弟子?愛人?お金も貰った?」
「そうかも知れませんな」
「それは、許せん、早速調査をしてみよう」
「それより、此処の地下室今改装しているのだが、趣味を楽しむには最高の設備だ」
「例の会長の好きな?」
「お前も、好きじゃあないか」
「はははは」
「お互いだ」
二人はその夜は、酒盛りで楽しんだ。
(オフィス冴)に新人が二人、スタイリスト兼メイク担当で坂田真由二十二歳、佐藤礼子二十三歳が入社してきた。
二人共、綺麗なタイプでタレントでも出来る感じだった。
会社は全くの無借金経営、資本金の一億は冴子が統べて出して、このビルの事務所の家賃も相当高いと思われていた。
それぞれの給与も相当多い、冴子のギャラも高額だが、テレビ局は何も言わずに支払う、視聴率は高い、幹部は冴子の銘柄で儲けている。
番組関係の本、取材その版権は相当テレビ局にも恩恵が有る。
秋から妹の玲奈の人気も手伝って深夜の視聴率としては破格な数字を叩き出していた。
十一月に約束のMIS証券の講演会が夜七時から、市民会館の大ホールを貸し切りで開催された。
六時から藤堂冴子の新刊のサイン会が中ホールで行われた。
大盛況で本は瞬く間に売り切れ、本を買った人百人にはサインと握手会が有った。
此処にあの兼田と梅田が揃って来ていた。
株の話しだから、年寄りも多い、冴子は何も考えて居ない、
兼田が冴子と握手して、暫く離さないので、係の者が側に行って漸く離した。
梅田も同じ様な感じだったが、係が来る程では無かった。
同行の福山が「変な人でしたね」と言うと冴子が「暴力団の匂いがしたわ」と言った。
株の世界は暴力団も来れば主婦も居る。
いちいち、気にしていたらこの仕事は出来ないが冴子の信条だ。
新藤を失ってから強く成ったと自分でも思う冴子だ。
講演会の後、このホテルに部屋を用意していますが?と言われた冴子。
思いでの海老名、人生を変えた場所、新藤の墓も有る。
木崎、福山、新人の佐藤と四人で宿泊する事にした。
闇金の梅田の部下が数人見張っていた。
先月から冴子の廻りを調べていたのだ。
翌朝早く冴子は木崎の車で新藤の墓に向かった。
見張りの連中は冴子の行動を見ていない時間だった。
福山と佐藤が食堂に来た時二人が居ない事に気が付いて、勿論尾行のチンピラ達も慌てた。
携帯に掛ける福山
「少し朝の散歩がしたかったのよ、もうすぐ帰るわ」
「はい、心配しました」
「ごめんなさい」、
佐藤は新人でホテルの中を探し廻っていた。
チンピラが冴子の部屋を探っているのに出くわしてしまった。
佐藤は、誤解して、冴子が拉致でもされたのかと、
「貴方方は何者?」
二人は顔を見られたので、逃げ様とする。
追い掛ける佐藤、別の男が合流して「捕まえろ」と逆に佐藤が窮地に成った。
捕まる寸前でホテルの従業員がやって来て、三人は逃げ去った。
「大丈夫ですか?」
「はい、何者ですか?社長の部屋を見ていました」
「見た感じでは暴力団ですね」
「恐いわ、社長大丈夫かな?」
心配の佐藤。
暫くして、冴子は帰って来た。
「大変だったのね」
「そうですよ、変な連中が社長の部屋を調べていました」
「昨日の講演会の時に居た人と関係が有るのかも?」と福山が言うと
「考えすぎ?」と冴子が苦笑いをしたが、胸騒ぎがしたのも事実だった。
翌日、テレビ局に三時過ぎに入ると小堺常務が
「藤堂君、来年の正月なのだが、四日が相場の初日で五日六日が休みなので、特番を編成する事にしたよ」
「特番ですか?」
「今年の有望職種、とか銘柄、日経平均の高値、安値の時期とかをゲストを交えて放送するのだよ」
「はあ」
「時間帯は九時から十一時半か、十二時迄だ」
「えー、長いですね」
「勿論お正月らしく、着物でお願いしたい」
「着物ですか?大変だ、苦しいですよ、三時間の生放送」
「取材も入れるから、適当に休めるよ、君と妹の着物姿に視聴者はうっとりだよ」
「常務、こちらは、ぐったりですよ」と笑う冴子。
「頼むよ、ギャラは弾むよ」
「沙紀にも良い仕事下さいよ、拗ねていますよ」
「判った、君の会社が潤う様にするから、頼むよ、引き受けてくれ」
「判りました、でも私も、妹も着物は着られませんよ」
「判っているよ、統べて任せて貰えば大丈夫だから」
「仕方がないですね、中身を見せて貰って、前向きに検討しますわ」
「ありがとう、下案は作るから、無理な処は直すから」小堺は嬉しそうに企画室に向かった。
珠恵のお願い
13-4
「社長、大変な事が判りました」
「何だ!」
「藤堂冴子が住んで居る自宅は、元は新藤の本宅です、それも、新藤が失踪する前月、冴子に無償で譲っています」
「何処に住んで居るのだ」
「NCNテレビの近くの高級住宅街の一角で時価五億以上する、豪邸です」
梅田銀也はその話を聞いて確信した。
冴子が新藤の愛人だったと、自己破産を仕組んだとは思わなかったが、それだけの代物を譲る関係は愛人しか、あり得ないと思った。
「あの、藤堂冴子は、自分の会社も持って居ます」
「売れているから、フリーに成ったのだろう」
「会社自体は去年の春に作っていますが、活動は殆どしていませんでした」
「税金逃れか?」
「今年の夏から、本格的にプロダクションとして、従業員も雇って活動をしています、事務所もテレビ局の近くに最近出来たビルの十五階を統べて借り切って居ます」
「相当な借り入れだろう」
「それが、無借金経営です」
「何!そんなに手広くして、無借金?」
「会社の資産も何十億とも何百億とも言われています、勿論個人資産も莫大との噂です」
「恐ろしい女だな、美人で若くて、スタイルも良い、そして大金持ち?あの手の感触は最高だった」
「社長何を思いだしているのですか」
「そうだった、新藤のお金を取り戻せるのか?」
「無理でしょう、新藤の愛人も憶測ですから」
「一度あんな女を泣かせてみたい、もっと調べろ、穴の毛の数までしらべろ」
「判りました」
「あんな、別嬪でも穴に毛が生えているのか?」
梅田は想像しながら涎が出そうに成っていた。
人は見られると綺麗に成ると言われるが、冴子が正にその格言通り、年々美しく綺麗で、大人の女に変身していた。
誕生日で二十七歳一番美しい時期かも知れない、玲奈も可愛いから綺麗に変わって来た。
相変わらず男の噂は皆無、冴子も全く無い。
唯、顧問会計士の馬籠泰三だけが、冴子に会う度に自分の息子雅治と付き合って欲しいと思っていた。
冴子はその雅治を一度も見ていない、泰三は一度も連れて来ない。
雅治はそんな父の言葉に耳を貸そうとしていなかった。
泰三は事有る事に「美人で、商売の才能が有って、特に株は天才だ、一度会って来なさい」と何度も言う、テレビで見ているから、よく知っている雅治、芸能人は嫌いだが口癖で、泰三の話には全く興味を示さないのだ。
数日後、小堺が冴子に「正月の特番決まったよ、三時間だ」
「本当に三時間は疲れるなあ」
「ゲストのアメリカの有名な投資家シュナイダーさんを招待する事にしたよ」
「えー、日本に?ですか?」
「日本の正月を楽しんで貰おうと、夫婦で招待したら、富士山、温泉で承諾したよ、唯、夜遅くなるのは困ると云うので、温泉旅館から中継で参加だ、妹さんにインタビューで、行って貰うと喜ぶよ、英語得意だから、それに日本人形の様な女性が好みだから」
「でも、よく、承諾しましたね、インタビュー嫌いで有名なのに」
「腕だよ」と拳を見せる小堺
「それと、もう一人ゲストに正月十日に新規上場の会社の社長に来て貰う予定だ」
「サンセットブライダルですね」
「流石知っているね」
「あそこの社長は若いですがやり手ですよ」
「君より?」微笑む冴子。
「それで、藤堂君に一度会いたいと云うのだよ、時間作って会って貰えないか?」
「良いですよ、私も興味が有りますから」
「そうかね、いつ?」
「今週の土曜日でも良いですよ」
「判った、連絡してみる、これで決まりだ」嬉しそうに小堺は自分の部屋に戻って行った。
冴子はサンセットブライダルに興味が有った、
新規上場の株式購入も視野に入っていたのだ。
サンセットブライダルは珠恵の父親清水大治の好きだった保科由里子が大きくした。
その由里子の自殺の後を託されたのが娘、珠恵。
ラブサンセット結婚相談所の阿倍と二人三脚で大きくした。
珠恵は阿倍の息子と結婚が決まっていた。
サンセットの創始者とも云うべき阿倍達子と上手に仕事が出来たのも珠恵の才覚だ。
達子の息子は実の兄の次男を養子に迎えていた。
達子の協力を得る為に姻戚を考えたのだ。
達子は珠恵が社長でも軈ては孫が継承する安心感で新参者の珠恵を大いに盛り立てて、サンセットグループを大きく発展させた。
勿論珠恵の才覚も相当な物で、清水大治に、自分の跡目は娘だと言った事も何度も有った。
そのサンセットグループがいよいよ株式上場と結婚式を間近に控えて居たのだ、
清水大治も喜び様は半端では無かった。
関東の巨大暴力団神明会の大会長の顔では無かった。
冴子が横浜のサンセットグループの本社を訪れたのは土曜日の午後だった。
三十歳を少し超えた珠恵、美人とは言い難い、父親に似ている。
冴子は父親が暴力団の会長だと知っていた。
しかし、会長は人情味が有って優しい、と評判は良かった。
「初めまして、清水珠恵です」と名刺を差し出す。
「藤堂冴子と申します、どうぞ宜しく」挨拶が終わって珠恵は本題を切りだした。
「実はお願いが有りまして」
「何でしょうか?」
「来年我が社の上場はご存じだと思いますが、私も上場を機に結婚をします、勿論当式場で」
「それは、重ね重ねおめでとうございます」
「今日は二つの事をお願いと、お聞きしたいのです」
「はい」
「ひとつは我が社の将来性、と株価の見通しです」
「結婚式と結婚相談所の融合、メディカルブライダル、そしてテレビ局とのタイアップ、最近では熟年見合いも盛況とか?私は相当将来性を買っています、上場の日に買おうと思っていたのですよ」
「わー、天下の藤堂さんにお褒め頂いて光栄ですわ」
「私は相場には私情は挟みませんから」
「もう一つのお願いはアナウンサーとして、私達の結婚式の司会をお願いしたいのです、宣伝用も兼ねて」
「えー、私が司会ですか?」
「是非お願いします、上場後の日曜日の予定です、無理でしょうか?」
「今、スケジュールを持って居ませんので、返事は出来ません」
「ギャラは未公開株をお分けします、簿価で」
「えー、簿価で?」
「はい、一千円です、一株では有りませんよ、五十万株、但し安定株主に成って頂きたいのです」
「そんな、大金を、何故?」
「貴女の番組を毎日見ています、とても良いです、それと父がプレゼントだと申しておりました」
「あの、神明会の会長さんでしょう?」
「はい、父から贈る様に云われている方が 他に三名ございまして、サラリーマンの方ですから、多くは買えませんので千株程度ですが、お譲りしますの」
「何方ですか?差し支えが無ければ教えて頂けませんか?」
「妹さんのお友達の伊藤久美さんと野平美優さん、佐山次郎さんですよ」
「静岡県警の方ですね」
「はい、父が大層、世話に成ったと、これ位しか返せないと申しまして」
「予想株価ご存じでおっしゃっているのでしょうか?」
「大体は」
「最低でも五千円以上の値段に成ると思いますが」
「五倍ですか?」
「藤堂さんは、安定株主としてお願いします、他の方は自由です、唯、この三人の方がすんなり受け取って頂けるか、判りませんので、お口添えをお願いしたいのです、無料では無いので」
「判りました、必ずお話致します、司会の件は事務所に戻りまして、ご連絡を致します」
二人は握手をして別れた。
女医の企み
13-5
冴子は驚いていた。
安定株主だと五十万株もの大金をくれた珠恵に興味が湧いた。
確かに、保科由里子は子供が居ない。
阿倍は親戚、幹部にも株式は渡っているだろうが、銀行とかが無ければ、個人の有力な人に安定株主を頼むのも得策かも知れない。
だが三人に与えた一千株は間違い無く最低でも五百万以上の価値が有る。
受け取るのだろうか?
清水珠恵は三人に父の手紙を添えて案内文を送っていた。
「これ何よ?サンセットブライダルの珠恵さんから、来ているわ」
「何が?」
「来年上場する、サンセットブライダルの株を千株買って欲しいのだって」
「幾らだ?」
「百万円だって」
「わー、高い五ヶ月分の生活費だな」
久美と伊藤の会話と同じ様に佐山の自宅でも英子と佐山が話していた。
「これって、未公開株よね」
「そうなるな、百万捨てたつもりで協力してやるか、清水の親父には世話に成っているから」
「そうよね、貴方も随分助けて貰ったわね」
新婚の佐山と英子は今がラブラブ、もうすぐ還暦が近い佐山は毎日が楽しいのだ。
美優も一平と「百万か!協力するか?断るか?」
「一平ちゃん、顔を合わすと、困るよね」
「確かに、俺の娘を応援してくれないのか?」
「そう云われるわね、百万痛いなあ、美加のミルク幾つ買える?うーん」と思案のまっただ中に
「美優さんご無沙汰しています、玲奈です」と電話。
「お久しぶり、珍しいわね、テレビは見ているわよ、綺麗に成ったわね、髪も長く成ったし、どうしたの?何か有ったの?」
「姉から聞いたのですが、サンセットブライダルの株の購入の依頼が届いていると思うのですが?」
「来ているわよ、悩んでいるのよ」
「遠慮しないで、買って下さいと、姉が申していました。久美さんにも、佐山さんにも届いて居ると思います」
「知っている処にばらまいたのね、困っているのね」
「姉が言うには、株価の事だから判りませんが、五千円以上には成ると申していました」
「大きな損に成るのね、寄付ね」
「違いますよ、一株五千円ですよ」
「一株五千円で千、ぎゃー!五百万!」
その声に驚いてトイプードルのイチが鳴き出す。
美加も目が覚めて泣き出す。
「どうしたのだ?大きな声を出して」
「一平ちゃん、驚いたら駄目よ、この株百万が五百万に成るのだって」
「えーーーーー!」今度は一平の大声に、イチと美加の大合唱に成った。
「ありがとう」
美優が電話を切って、美加を抱っこして
「驚きね」
「五倍は美味しいね」
「犯罪には成らないの?」
「帳簿の値段だから、違法ではないよ」
「久美さんに教えてくるわ」
美優が出て行くと、一平は佐山に電話で教えた。
「俺は、始めから、買う予定だった」
「知っていたの?」
「知らない、親父の頼みだから」
「佐山さん、中々だね」
一平は佐山の気持ちに感激をしていた。
兼田の地下室が完成して、ビデオの撮影も隣の病院セットで行われる。
斉藤医師が撮影の時には呼ばれて、売れていないAV女優を相手に撮影を始めたのだ。
隣にも部屋が有る様だが一度も見た事は無かった。
そんな斉藤が加藤に電話で、「新しい、職場と云うか仕事で海老名の地下室で撮影ですよ、AV女優相手で楽しくもないです」
「斉藤君海老名に行って居るの?」
「大きな家の地下に、婦人科のセットが有って、病院らしく、受付も作られて、雰囲気は良いのですか、タレントが全く駄目で、綺麗な女は少ないし、慣れているから全く楽しみがない」
「それって、三階建てで地下に二部屋有る?」
「はい」
加藤は、新藤の別宅だ、私が居た場所だわ、暴力団が買ったのか、意外と隠れるには良い場所かも、警察も元の場所に居るとは思わないだろうと考えが閃いた。
「斉藤君、本物の看護師とか、要らないか聞いて貰える?」
「加藤さん、此処に来るのですか?」
「貴方一人より、心強いわよ」
「先生が来られたら、私は、楽しいですが、会長がどう言うか?」
「じゃあ、藤堂冴子と遊ばせてあげる、そう言って見て下さい」
「それは、喜ぶでしょうが、上手く出来ますか?」
「兼田会長はSM大好き人間だから、多分承知するわ、関西も飽きたのよ」
「はい、明日にでも聞いて見ます」
「頼むわ」
斉藤も今は一人で弱い立場だが、加藤達が合流すれば、発言力が増す、今の撮影の看護婦はタレントだから、リアル感が無い、それも斉藤の面白くない一つだった。
翌日、頃合いを見計らって、斉藤が会長に尋ねると、最初は聞く耳を待たなかった会長が急に態度を変えた。
「その女医を雇えば、藤堂冴子を縛れるのか?」
俄に信じられない兼田、だが真実みが有るのか一度呼んで話しを聞こうで決着をした。
最後に会長は独り言の様に「あの冴子を縛れるなら」と呟いた。
数日後加藤医師と三人の看護師は荷物を持ってやって来た。
もう引っ越す準備を整えて、丁度その日関西から闇金の梅田も来ていた。
応接に二人が居る処に加藤が一人で通された。
普通なら怯む筈が加藤は全く動じる事が無く「会長さん、お招きありがとございました」と会釈をした。
「来て貰ったのは、藤堂冴子と遊ばせてくれると言うから来て貰ったのだ、もし、何も無ければ直ぐに帰って貰おう」
「会長、私があの冴子も妹の玲奈も調教したのですよ」
「何、それは本当か」
「初心な冴子のSM調教もクリトリスの皮を剥いたのも私です」
「えー、あの冴子のクリトリスは剥けているのか?それも先生が?」
「それは、凄い話しだ」梅田が身を乗り出した。
「妹の処女を奪ったのも私ですよ、まだ調教までは進んでいませんがね」
「妹も先生が?」二人は生唾を飲む。
「いつ頃だね」
「もう二年半以上前ですよ」
「じゃあ、もう調教の成果は消えているな」
「大丈夫ですよ、一度覚えた身体は忘れません」
「そうなのか?」
「それで、どの様に捕まえるのだ」
「一人、先に捕らえて我々の味方にして、冴子達の情報を掴むのです」
「うんうん」
「比較的簡単に捕まえられそうな妹を捕まえて、冴子を呼び出すのよ」
「出来たら、お金も取り戻したい」
「上手く行けば両方手に入るかも知れません」
「加藤先生、気に入った!今日から此処に住んで、計画を実行してくれ」
「最初のスパイを作らないと行けません、何人か貸して下さい」
「何人でも好きなだけ使って良い」加藤の作戦は見事成功した。
三人の看護師は昔住んでいた部屋に加藤も以前の一人部屋に戻って、斉藤より優遇された。
斉藤は近所のワンルームマンションからの通いだから、その優遇が判る。
加藤は三人の看護師を使って冴子の現状を調査した。
闇金梅田からの情報の提供も受けて、計画を作った。
十一月も下旬で、寒さを感じる季節に成っていた。
隠し撮りの写真を見て、加藤が「この女の子にしましょう」と坂田真由を指さした。
条件が一番良い、二十二歳、加藤は写真と経歴を見て、坂田に決めた。
地方の出身、東京でメイクとスタイリストの勉強をして、一人暮らし、最近少し付き合った彼氏と別れた。
顔もスタイルも良い、何より調教向きのタイプで恥じらいも有るから、決定したのだ。
自宅近くで待ち伏せの四人、チンピラ一人に三人の看護師。
十一月の日暮れは早い七時で辺りは真っ暗、地下鉄の駅から、徒歩で五分、坂道を上がれば自宅のマンション。
道にワゴン車が止まっている。
真由はその横で友田に「この辺りに坂田さんと言う、女性の住んで居るマンションは?ご存じないですか?」
「えー、坂田は私ですが」
「まあー偶然ですね、このワゴンの中の方が用事だそうです」とスライド扉を開くと、いきなり手首を引っ張られる。
後ろから友田が身体を押し込んだ。
倒れ込む真由、百六十二センチのスリムな身体が、シートに前のめりに転んで、素早く扉を閉めると、直ぐさま発信した。
手首に手錠がされて、足首にも足枷が「何をするのですか?」
「大人しくしないと、その顔に傷が付く」とナイフを目の前に出す、鈴木、恐怖に怯える坂田真由。
「おい、小便の匂いがしてないか?」運転のチンピラが言う。
「本当だ、この子お漏らししているよ」
「ははは」
「助けて、下さい」
「大人しくしていたら、無事に帰れるよ」と笑う亀井、また藤堂姉妹に恐怖が訪れようとしていた。
真由の全裸
13-6
冴子も若い女性、仕事は男勝りでこなすが、肉体の寂しさはどうしょうもない、時には新藤との夜を思い出して、オナニーをする。
元々感じ易い身体に調教をされ、クリトリスの皮を剥かれて、一段と感度が良い、その夜は久々に庭園露天風呂に一人で入って居る。
昔此処で新藤と結ばれた日を思い出していた。
自然と乳房から陰部に手が行く、「あっ」と恍惚の表情に成る冴子。
ロングの黒髪をアップに留めて入浴していたが、解けて長い黒髪が湯船に浸かる。
この露天風呂は二つの部屋からしか、見えないし入れない。
今夜の玲奈は友人と渋谷に出かけて遅い。
乳首を摘んで、クリを触ると、益々興奮の冴子「先生、入れて」と口走る。
バスタオルを巻いて、布団に向かうともう止まらない、布団で悶える冴子、軈てオナニーが終わる。
山田も富永も現場は見ていないが、一人で露天に入る時は必ず布団を敷くのだ。
それも二枚、先生との事を懐かしんでいる。
可哀想な冴子を知っていて、今でも忘れてないのねと二人は暗黙の了解だった。
捕らえられた真由は九時に兼田の家に連れ込まれた。
「私をどうするのよ?」
兼田と梅田が今夜は揃って来ていた。
「結構可愛い顔しているじゃあないか」
「帰してよ」
「用事が終わったら帰してやるよ、いや帰って貰わないと困るのだが、連れて行け」
二人の男に抱えられて地下室に連れられて
「会長先に、一本打ちましょう」加藤が言う。
「此処は何よ」
「見れば判るでしょう、病院よ」
足枷を外して、手錠も外して上着を脱がすと左腕を捲った。
加藤が注射器を持って居る。
「何をするのよ」
「気持ち良く成るのよ」
「いやー」と暴れるが男に持たれて、友田が腕に消毒をして、加藤が真由の腕に注射をした。
「これで良いわ、連れて行って」
隣の機械室の扉を開けて、畳の上に真由を転がした。
スラックスにセーターの真由起き上がろうとすると目眩がする。
「おお、どうしたお嬢さん」と兼田が言う。
「何を注射したの?」
起き上がろうとする、真由の身体を梅田が持って、兼田がセーターを脱がす、ブラウスを友田が脱がす。、
「帰りに着ないといけないからね」と丁寧にボタンを外す、身体を持たれて動けない。
フラフラするから、立ち上がれない真由、友田がブラウスを脱がせて、スラックスを脱がす。
「もう。。。。」真由の言葉がはっきりしていない。
綺麗に撮影しろ、梅田がブラジャーの上から乳房を揉む。
「柔らかい、オッパイだ」
「あっ」と反応をする真由、友田がパンティも脱がすと「薄いわね」と陰部を見て言う。
早速指で触る兼田、梅田がブラを外して、真由は全裸にされる。
「そこに吊せ」
手架せを填められて、天井からのチエーンに結びつけて引っ張ると両手を挙げて吊された。
右膝に縄を巻き付けて引っ張ると、片足が上がって真由の陰部が剥き出しに成った。
撮影をするカメラが全身を舐める様に写す。
真由は目が虚ろで言葉がはっきりと喋れない。
映すと電マを持って、二人が陰部胸を責めだした。
「ああー」と少し声が出ている。
「反応の少ない女だ」と怒る兼田、バイブを持ち出して挿入する梅田「ああー」で反応が少ない。
軈て畳に布団を置いて、真由を寝かせて、梅田が自分の衣服を脱ぎ捨ててペニスを挿入する。
「ああー、」
「ああー」と感じている様には見えるのだが反応が少ない。
チンピラにSEXをさせて撮影をする。
三人の男に次々と犯された真由、ぐったりして寝ているのを「向こうの診察台に連れて行って、洗浄しましょう、妊娠も困るから」真由は直ぐさま全裸で診察台に寝かされて、加藤の膣内洗浄が始まった。
睡眠薬が注射されて、衣服を着せられて、連れて来た四人がマンションまで送り届けて、終わった。
時間は深夜の二時に成っていた。
翌朝、目覚めた真由は、誘拐されて、注射をされて、その後の少しの事以外忘れていた。
唯、下半身には違和感が残って居て、それは強姦されたと云う証だった。
誰が?あの恐いお爺さん達か?何故?不思議な事、真由は朝からお風呂で身体を洗って、昨日の事を忘れ様としていた。
携帯に電話が掛かったのは、真由が出掛ける少し前
「目が覚めた様ね」
「貴方は誰ですか?」
「昨日楽しませてあげたでしょう」
「えー、切ります」と電話を切る真由。
暫くして、メールが届く「何、これ!」驚く真由、
それは自分の裸の写真
「自分の身体は、どう?」
「止めて下さい、警察に言いますよ」と切ると、再びメールが届く。
今度は自分の膣に入ったペニスの写真。
明らかに顔が判るから「きゃー」、と携帯を落とす。
「警察に言えば、この写真が会社にも、実家にも公開されるわよ」
「止めて下さい」
「私の云う事を素直に聞けば、この画像は消してやる」
「何をすれば?」
「簡単な事だ、
藤堂姉妹のスケジュールを判る範囲でメール連絡すれば良い」
「それだけで、公開はされないのですか?」
「約束するわ、期間は一ヶ月程度で終わるわ、その後は自由よ」
「社長に何をするのですか?」
「お前が心配しなくても良い、株の話しだ」加藤の電話はそれで切れた。
(今日の行動と、今後のスケジュールを毎日、連絡するのだ)とメールを送った。
真由は警察に行こうと思ったが、あの写真を公開されたら、実家の両親は卒倒する。
今の職場は気に入っているから、何事も無ければ、穏便に過ごしたかった。
加藤の作戦は軌道に乗った。
「流石、加藤女医だ、これで、チャンスを待つのだな」兼田が嬉しそうに言う。
「冴子は中々機会が無いと思いますが、妹はチャンスが有ると思います」
「妹も姉以上に綺麗で可愛い」
「調べたら、男嫌いだそうです、
最初のSEXが悪かったのが原因でしょう」
「先日の女の様なマグロは駄目だ」
「大丈夫ですわ、最初此処で調べた感じでは良い身体で感度も姉程では無いですが良かったです」
「先生、姉はそんなに感度が良いのかね」
「身体も、顔も女性自身も最高だと思いますわ」
「益々楽しみだ」
「アナルは嫌いの様です、アナルを責めると、一気にしらけます」
「わしは、アナルは嫌いだ」
「会長は立派な物をおもちですから」
「そうか、ははは」
「冴子の好きなのは剃毛プレーとバイブ、それもGスポット用です、これですよ」と細くて曲がったバイブを見せた。
「これは特注品です、彼女の長さに合わせて作りました」
「それは凄い、早く泣かせてみたいよ」
兼田はすっかり、加藤の術中に填ってしまった。
(今日は、三時から局で打ち合わせ、その後は夜十二時迄、仕事です)真由からのメール
(それで良い、先の予定も調べて送れ)
加藤は真由が予想通りの行動をしたので満足した。
(十二月は月初めから、特番の打ち合わせが沢山入って居ます)
(特番?何!それは?)
(大発会の夜、九時から十二時迄の特別枠で生放送が有ります)
(内容が判れば、連絡を)
一月四日の金曜日がチャンスが有るかも知れないと考える加藤。
冴子はサンセットの社長の結婚式の司会を引き受けた。
珠恵は大いに喜んで、株式譲渡も直ぐに手続きを行った。
勿論、美優、久美、佐山の三人の手続きは完了していた。
局に清水大治が直接電話でお礼を言ってきた。
冴子は驚いたが、気さくな人柄の滲み出た言葉に感動を覚えた。
貧乏炭鉱夫の孫で、暴力団の娘が大きな会社の社長として結婚する。
喜びは大治には天にも昇る気持ちが良く現れた言葉の連続だった。
露天風呂の玲奈
13-7
十二月に入って、特番の打ち合わせが始まって、冒頭小堺常務が「人気の経済情報番組、藤堂冴子の(クイック11)の正月特番、三時間の長丁場、それも生放送だ。
番組構成は次の様にする。
オープニングの後、本日の経済指標。
次に目玉の企画アメリカの大物投資家シュナイダー氏の紹介。
これは箱根の温泉旅館から、藤堂玲奈君がするのだが、始めは旅館と箱根の紹介。
これは、近日中に玲奈君に取材に行って貰って、録画を流す。
茂木沙紀君も一緒に撮影に、九時半から生放送でシュナイダー氏のインタビュー、彼は遅くまで起きていないから、この時間にした。
十時からは経済評論家と各証券会社の女子社員に着物で登場して貰って、今年の有望銘柄、日経平均の高値、安値 時期を四十五分間放送。
その後海外情報と今年の海外市場の見通し。
十一時から、待望の藤堂冴子の特選銘柄、今年版と毎週版の二本立てで頼む。
二十分から、正月第一弾の新規上場会社サンセットHDの社長清水珠恵氏との対談。
正月からおめでたい銘柄なので取り上げた。
此処で視聴者プレゼントをラブサンセットお見合いパーティの招待。
そしてその番組に藤堂冴子君も出演して貰う予定だ。
最後に、海外市場の状況で終わりだ」
「えー、私がお見合い番組に出るのですか?」
「相乗効果狙いだよ」
「希望者殺到ですね」と下田部長が笑う。
「当日は、女性は全員着物、男性も着物は後籐君、頼むよ、それから藤堂姉妹は、箱根に行く関係も有るので、十二時前には髪とか着付けをして、 着付けは一流の師範の女性に来て貰う、玲奈君はシュナイダー氏の希望も有って日本髪で頼むよ」
「えー、日本髪ですか?」
「玲奈君の魅力が画面一杯に出て、人気が沸騰だよ、普段見てない人も見るからね」
「そうですか」玲奈はその言葉で乗り気に成る。
「半日着物か、疲れそう」
「二人には高級な着物を着て貰う予定だ」
「わーあ、楽しみ」
「来週ロケに行ってくれ、温泉と料理を楽しんで来て」
「泊まりですか?」
「茂木君とデレクター、撮影スタッフで頼むよ」
「はい、たまには本物の温泉に行きたかったです」と大喜びだ。
「来週の休みは小出君でカバーを頼む」
その後は詳細の打ち合わせに成った。
翌日玲奈が嬉しそうに、箱根取材を話す、沙紀と玲奈付き人で浜中と佐藤が同行する事に成った。
早速メールで情報を送る真由、加藤がこれはチャンスが早くも到来だと、誘拐計画を考え始めた。
珠恵の株は個人と会社で半分ずつ取得した。
冴子、特選銘柄は好調、最近では推薦だけで、上昇する自然現象に成って、局の人達は事前に買えるから、インサイダーそのものだ。
あくまで予想なので、会社とは無関係なので、インサイダーには成らない。
買い時も売り時も銘柄名も放送していない、視聴者が当てるだけなのだ。
翌週、局の車で、沙紀、玲奈、佐藤、浜中の四人は箱根温泉に向かった。
午後の到着、十二月の箱根は寒い
「早く、温泉に入りたいね」
「温泉は撮影ですよ」とデレクターの声に「えー、入浴シーン映すの?」
「はい、聞いていませんか?」
「「聞いていませんよ」怒る玲奈。
「大丈夫よ、水着にバスタオルだから」
「私、持って無いよ」と言うと、佐藤が「準備していますよ」
「あれ!知らないのは私だけ?」
「今の時間客が入れませんから、先に映します」
「早速なのね」
「これ、台本です、簡単です、覚えて下さい」
仕方無く沙紀に連れられて、着替えに向かう玲奈。
セパレートの白の水着で肩紐を隠して、バスタオルを巻き付けて、準備をする二人。
「玲奈さん、肌綺麗ね!」
「そうですか?」
「それより、バスタオルで入ると熱いわよ、覚悟してね」
「熱いのですか?」
恐る恐る、露天風呂に来る玲奈、慣れた感じの沙紀だ。
「素晴らしい、露天風呂ですね、沙紀さん」
「玲奈さんは、箱根は始めて?」
「はい、この旅館さんの露天風呂は素晴らしいですね」
「それでは早速入りましょうか?」
台本通りに進んで、入浴をする二人。
「熱いわ」
「でしょう、我慢、我慢」
台詞を少し喋って終わると、玲奈は直ぐにバスタオルを取って、水着に成ってと思ったら、ブラも一緒に外れていた。
「あれ、きゃー」
その声にスタッフが玲奈を見る、両手で胸を隠して、 湯船に浸かる玲奈、今度は湯船に漂うバスタオルを漸く手にして、身体に巻き付ける「ふー」と大きな溜息。
スタッフの一人が「何か浮いている」と湯船から拾い上げる。
「ブラだ」玲奈は既にバスタオルで脱衣場に入って、着替えていた。
初めての温泉で、ハプニングだった。
その後は館内案内、夕方からは料理の紹介と忙しく、次々とスケジュールをこなす、明日は箱根の観光地の取材に成る。
沢山撮影しても放送は二十分程度に編集される。
加藤達は、旅館に宿泊して、機会を伺っている。
チンピラも二人来て、車で待機、中々機会が無い。
玲奈の黒髪はもう三十センチ以上の長さに伸びて、昔の綺麗な姿に戻っていた。
今度は、本当に露天に入ろうと向かう玲奈の後を、鈴木と亀井が尾行する。
浴衣を脱ぐ玲奈が鈴木達を見たが、僅かな時間しか、 会っていないので中々判らない。
タオルで前を隠して、露天に向かう玲奈。
玲奈も最近では人の目を気にする。
有名人に成ったから、時々声をかけられる、悪い気はしない、でも風呂場で裸を見られるのは良い気はしない。
露天には三人入浴していた。
二人が入って五人、あの二人が出ればチャンス、と二人は虎視眈々、二人の三十代の女性が上がって行った、近づく二人。
急にこちらを向く玲奈、後ろから襲う予定が狂う、まだ、脱衣場には先程の二人が居る。
様子を見ながら、襲いかかろうとした瞬間「玲奈さん、此処だったの」と浜中と佐藤が入って来た。
「玲奈さん、肌も綺麗ね」
「本当、天は二物を与えず、は嘘ね、二人共綺麗、頭は良い、身体も綺麗」
「お姉さんはお金持ちで天才相場師」
三人の会話に諦めて上がる鈴木と亀井、後ろ姿を見て玲奈は何処かで見た記憶が有るのだけれど、思い出さない。
翌日も機会を伺う四人だったが、結局はチャンスが無かった。
スタッフの男も体育会系の男が数人居たのも、四人は困難だと思うのだ。
次回はあの真由を使わないと成功しないのでは?
加藤は諦め顔で帰って行った。
心待ちで待って居た兼田が悔しがった。
兼田の傍らにあの乾が来ていたのに加藤が驚いた。
「知り合いだって、な!乾は以前から時々縛りを手伝って貰っていたのだよ、察に捕まって、久々に電話が有って、来て貰ったのだよ」
「久しぶりね、大変だったわね」
「静岡の刑事達に騙されました。偽の死亡診断書だったのに気づかず仲間を売ってしまった」
「仕方無いわ、私も一時は騙されたから」
「あの姉妹をまた、襲うらしいですね、私も憎いですよ、今度は会長もいらっしゃるから、心強い」
「闇金の梅田も居るから、復讐も出来るぞ」と笑う。
次の方策を考える加藤。
玲奈が自宅に戻って、「大変だったわ、温泉の取材はもう要らない」と今夜も休みの姉の番組を、自分の部屋で見る。
見終わってから、「この部屋、いつも鍵が掛かっているけれど、何が入って居るの?」と山田に尋ねる。
「判りませんが、多分元の持ち主新藤様の部屋だと思います」
「もう、亡くなって居るのでしょう、姉に話して、掃除をすれば?」
「そうですね、一度聞いて見ます」
大きな部屋が開かずの間に成っている不思議さを玲奈が指摘した。
玲奈誘拐計画
13-8
翌日富永が冴子に、昨夜の玲奈の話をした。
「そうね、部屋も掃除をしなければ、朽ちるのが早いわね、もう先生は戻らないから、片づけましょうか、私も見たいから、 今度の土曜日にしましょう、鍵を外す道具用意してね」
「はい、掃除をしましょう、客間に出来ますよ」
一足早い大掃除に成りそうだった。
土曜日、鍵を壊して、中に入ると蜘蛛の巣と埃の中、 マスクをして、掃除を始める三人、勉強机とベッド、本棚、無数に有る、相場の本、経済雑誌 「凄いですね、勉強されていたのね」と富永が言う。
机の下に段ボールの箱が有る。
冴子は何がと少し開けると、自分の写真が見えたので、慌てて、段ボール箱を抱えて、 自分の部屋に持って行った。
もう、ベッドは使えない、粗大ゴミとして、捨て様、 部屋は半日がかりで、綺麗に掃除がされた。
この経済書は読みたいわと思う冴子、掃除が終わった夕方、部屋に戻って、段ボール箱を恐る恐る開けて見る。
一番上に、冴子の大きな写真が入っていた。
中には、自分の若い時の日記、冴子の入局からの出演番組の台本。
天気予報の原稿まで、冴子の入社から、此処に修行に来るまでの記録の様に入っていた。
中には録画ビデオだろうか?
この様なガラクタを先生はテレビ局で貰ったに違いない。
一般には手に入らないから、小堺常務に特別に貰った?
冴子はもう、涙で文字が読めなく成っていた。
先生は自分が入局して間もなくの時期に私に会ったのだ。
それから好きに成っていたのだ。
自分をキャスターに推薦したのも先生だ。
ビデオを見る冴子、七年前の懐かしい映像が蘇った。
一本のテープに沢山の天気予報、 短いニュースの棒読みが細切れの様に納められていた。
冴子は新藤を思い出していた。
七年も前から愛されていたと思うと尚更感慨深い、先生とは自分が過ごしたのは僅か半年程。
先生は四年間も自分を見つめていたと思うと、何故もう少し早く巡り合わなかっただろと、走馬燈の様に半年間が蘇っていた。
この段ボール箱は冴子の宝物に成った。
翌日、無性に海老名に行きたくなった。
先生と話がしたい、木崎を呼ばないでタクシーで向かう冴子、 誰にも見られたくなかったのだ。
寒い墓地に一人佇むコートの美女、住職が見かけて、声を掛けようとしたが、 泣き崩れる姿に側に行かなかった、いや行けなかった。
何か有ったのだろう、彼岸、盆、命日以外で今年は二度目だと住職はあの有名な藤堂冴子も愛した人には弱いと思った。
夕方まで、墓地に居て、漸くタクシーで帰る冴子、何を新藤に話したのだろう?
その後、誘拐のチャンスが無く時間が過ぎ去って行く、加藤の元に真由から、正月の特番の段取りが届いた。
それを見てこれなら、誘拐が出来ると自信を深めた。
四日の日に玲奈が箱根の旅館にシュナイダー氏のインタビューに行く、 その時の付き人が真由に成っていたからだ。
中継のスタッフと別れて、番組終了に間に合う様にスタジオに戻る予定に成っていたから、この時、局の運転手と入れ替われば、誘拐が成功する。
真由の協力が有れば間違い無いと自信を持った。
「会長、決行日は来年の四日です、準備をお願いします」
「おお、今度は間違い無いか?」
「大丈夫です」
「正月から楽しい宴が有るのだな」
「はい、玲奈を人質に冴子を誘き寄せます」
「警察は大丈夫か?」
「深夜に成りますから、上手く行くと」
「梅田も呼んで宴会の段取りだな、そうか、あの女を縛れるか」
もう兼田は冴子を縛って遊ぶ自分を想像していた。
「前回の失敗は、玲奈の体内に体液を残したのが、逮捕に成りました、遊ばれる時は必ずゴムを着けて下さい」
「そうか、そんな事で刑務所に入るのはゴメンだ」
「二人は遊べば解放しなければ、社会問題となって大変な事に成ります、冴子は人気が有り過ぎます」
「誘拐は罪が重い」
「日曜日には解放するのです、写真を沢山撮影して、口を封じるのです」
「一人なら、訴えますが二人に成ると中々訴えません」
「お互いが庇うからな」
「二日も遊べば充分でしょう?」
「梅田がお金を取り戻す事を考えて居たが?」
「どちらかでしょうね、お金を貰うなら冴子は襲えません、玲奈の為にお金は出すでしょうから」
「わしは金より身体だな」
「それは、お二人で話し会って下さい」
「それから、二人は当日着物ですから、お忘れなく」
「着物?尚更良い指向だ、そうか、着物の冴子を縛るのか、ワクワクする」と上機嫌。
今年の最後の放送は二十八日の金曜日、来年は特番から始まる。
連日の様に特番の打ち合わせ、三時間の生放送は大変なのだ。
ス タジオも一番大きなホールで当日は一般公開に成って、応募のお客を七十人程見学させる事に成った。
その話を聞いた玲奈がお父さん達を見学に呼ぼうと言い出した。
恥ずかしい冴子だったが、一度位両親を呼んでも良いかと考えた。
会計士の馬籠も着物姿の綺麗な冴子を生で見せると息子の考えも変わるかも知れないと考えて、冴子には自分が見たいので席をひとつお願いしますと頼んでいた。
予想通り応募は殺到したが、冴子の要望だけが認められて、他の人は応募が多すぎて、却下に成った。
十二月の二十日迄に招待者には招待状が発送された。
秋の相場は一進一退で殆ど全体は上昇していなかった。
唯、冴子の銘柄は必ず一割から二割以上の値上がりをしていた。
去年迄の年末はゆっくりと自宅で寛いで、実家に帰る冴子達、新年の三日に東京に戻るのが通常だ。
冴子はこの番組以外には出演していない出来ないのだ。
祭日が無ければ月曜から金曜迄毎日だから、今年は昨年と異なって、実家には帰ら無い予定。
元旦に玲奈と近くの神社に初詣に行くのみ、例年は地元で家族揃って初詣に近くの神社に参拝する。
去年は有名人に成っていたので、神社でサインを求められて困ったのだ。
総ての準備が整って大納会の夜の放送を迎えた。
番組の途中に特番のCMが流れて、正月の特番を盛り上げる。
番組の終わりに 「今年一年この番組をご覧頂きありがとうございました」 と全員が揃ってお辞儀をして、放送が終了した。
明日から、四日迄は完全休暇で仕事は皆無、六日間の休養、リフレッシュに成った。
土曜日朝から、庭園露天に入る姉妹、 二人で入るのは久々だ。
「お疲れ様だね」
「本当に疲れたわ、一年間休みが殆ど無いからね、玲奈彼氏は出来ないの?」
「男は嫌いよ、獣だから」
「優しい人も居るわ」
「お姉ちゃんは?好きな人は作らないの?」
「彼より良い人が見つかれば考えるわ」
「まだ、愛して居るのね」
「そうね、忘れるまで、結婚は無理かも」
「お金も地位も会社も、ほんとにお姉ちゃんは凄い、尊敬する」
「あの人に巡り会わなかったら、今の私は無かったわ」
「一体、幾ら持っているの?お金」
「判らない、会社の株は貴女の名義も修平の名義も有るわよ、だから玲奈も経営者だよ」
「私、沢山給料貰っているでしょう、株でもして、お姉ちゃんの様に成ろうかな?」
「男嫌いの玲奈には無理よ」
「何故?」
「好き嫌いが有ると本当の姿が見えないからよ、良い物、悪い物の選択の目が必要よ」
「男と関係無い様に思うけれど」
二人の美人姉妹の入浴、男が見たら涎を流す光景だった。
二人の正月
13-9
元旦に二人で近くの神社に初詣に出掛ける。
毎年は自分達が実家に帰るから、富永達が居なくても困らないのだが、三十一日から三日迄交代で来てくれた。
日頃からお世話に成っているからと、無理をしてくれたのだ。
三十一日と元日は山田が休みで富永だけで、雑煮、お節料理を作ってくれた。
元旦から三人でお酒を飲んで盛り上がって、 二人で初詣にほろ酔い気分で出て来た。
二人揃って歩くと目立つ、直ぐに「藤堂冴子よ、綺麗」
「横の女の子妹さんね、綺麗」と駆け寄って来て、サインと握手を求められる。
ほろ酔い気分なので次々とサインをする二人。
小さな神社だから、人数も少なくて良かったが、大きな処だと大変な騒ぎに成っていただろう、写真にも気軽に応じる二人、携帯でもの凄い数の撮影だっただろう。
参拝が終わって自宅に戻るともう、夕食の支度がされて、三人は再び飲み直し、最後は三人揃って、露天風呂に入る。
「始めて、ご一緒させて頂きましたが、 お二人とも素晴らしいお身体ですね、シミひとつ無いですね、 世の殿方が放って置きませんわ」と褒め称えた。
もう二年以上一緒に生活しているが、露天風呂に一緒に入ったのは始めてだった。
翌日も昼前に二人が起きると、雑煮が作られて、テレビでは駅伝が放映されていた。
和やかな正月を過ごす二人は最高のバカンスだった。
翌日、いよいよ明日ね、真由を呼びつけて加藤が段取りを話す。
真由は嫌がるのだが、お前がやらなければ、 即刻実家にも局にも例の画像が流れると脅した。
「一緒に車に乗って、途中で忘れ物で降りれば、お前は自由だ、そのまま消えても怪しまれない、運転手がすり替わって居るから、後は私達がする」
「何をするのですか?誘拐ですか?」
「そうだ、誘拐だよ」
「玲奈さんを?」
「そうよ、身代金目的だ」
「会社に要求するのですか?」
「一億位、今の会社には痛くも痒くも無いのだよ、判る?」
「お前の仕事はそこまで、誰にも疑われないから、安心しな」
「本当ですよね」
「間違い無い、安心する事だ」
真由は脅されて、写真を再び見せられて、恐怖に成った。
冴子と玲奈は「明日ね、頑張ろうね」
「三時間頑張ろう」二人はそう言って眠りに就いた。
明日十一時に迎えの車が美容室に連れて行く予定、髪をセットして、着物を着付けして、局の車で玲奈は箱根に、 インタビューが終わって、最後にスタジオに戻る予定。
冴子は局に入って最終打ち合わせから本番の予定。
翌朝、興奮で早く目覚める冴子、同じく玲奈も早く目覚めて
「露天に入ろうか?」
「うん」
二人仲良く朝風呂、今夜は入れないから、 多分帰りは、深夜二時頃に成るだろう、ゆっくりと湯に浸かる二人。
「玲奈も濃いね」
「似ているのね」 とお互いの下腹部を見て笑う、 この後の恐怖を知ってか知らないのか、陰毛の話しをしていた。
冴子は急に思い出した。
昔あの乾に縛られて、剃られた事を、そして、失神する程責められた事だ。
「何、ぼんやりしているの?」玲奈に言われて我に返る冴子、もう二年以上SEXをしていないと思うと時間の経過を感じていた。
バスローブを着て、長い髪を乾かして、 食堂に行くと野菜ジュースが作ってあった。
「これ?」そう、新藤が毎日飲んでいた物と同じだ。
一気に飲む二人、パンとコーヒーを食べて、ゆっくりと衣装を探す。
「そうだ、洋服は必要無かったわ」 簡単にブラウスにカーデガンを着る二人。
ジーンズ、二人は色違いのお揃いの服装、上にコートを羽織る冴子、ジャンパーの玲奈。
局の車が迎えに来て、ワンボックスの車だ。
「これで、箱根まで行きます、お二人を美容室に運んだら坂田さんを時間に迎えに行って、 玲奈さんをお迎えに行きます」
「お願いします」
「今日は大忙しですね、僕らも移動で大変です、帰りは別の人に成るかも知れませんね」
「権藤さんもう何年?」
「三年です」
「早いわね、三年か」
二人が乗り込むと、車は美容室に向かって走り出した。
テレビ局から少し離れた美容室に到着したのは昼前。
「少し離れているのね」
「此処の美容師さんが日本髪結えるのですよ」
「着付けの先生も此処に?」
「少し五月蠅い叔母さんですよ、師範と聞いていますがね」
「何度か?」
「一昨日も二人タレントを連れて来ました、晴れ着を着せる為に、色々五月蠅いお婆さんだったって文句を話していましたよ」
「どんな?」
「着物を着る心構えとか、下着に文句を言われたとか」
「恐そうな叔母さんね」
「でも、超一流の方ですよ」
大きな美容室、二人が入ると客が「あれ、藤堂冴子さんよ」
「妹さん、よく似ているわね」
「美人よね」
「此処使っているのね」と囁きが聞こえる。
先月末にこの日の為に顔剃り、
項から背中の見える部分を剃って準備をしていた二人、 日本髪も前準備が大変だ。
シャンプー台に座る二人、冴子の方が髪は長い。
二人共輝く様な黒、四十センチ以上の黒髪ロングの冴子は放送の日は毎日近くの美容室で洗髪をして貰う、自分では大変だから、横に成って、気持ち良さそうに洗髪をされる二人。
権藤は車を局に向かわせて、食事をして真由が来るまでは局内の雑用、 真由が来るのが三時、四時過ぎに美容室に玲奈を迎えに行って、 箱根に六時前に到着予定、十時に箱根を出て十一時半に局に戻る予定で、最後のご挨拶は全員揃っての予定。
メイクをする二人、日本髪の玲奈と振り袖用サイドアップの髪型の冴子とは異なる。
メイクが終わると十二時過ぎから、玲奈の髪を結い始める美容師、付け毛を加えて、上手に結い上げていく「わー、日本髪なの?」と客が言う。
冴子が「これで、着物を着たら、舞妓さんよね」と言う。
「割れしのぶと云う髪型です、若い舞妓さんの髪型ですね」 と美容師が説明した。
髪型に組み込まれている布 (手絡:てがら)や 和紙(丈長:たけなが)が違うだけでも若々しく見えたり、 ぐっと落ちついて見えたりする。
櫛にかんざしを付けて完成。
「終わりですよ」 美容師がお疲れ様と云う様に玲奈の肩を叩いた。
「重いよ、これで半日は辛いな」
「まだ、着物着るからもっと大変よ」
冴子はサイドに纏めた髪を髪留めで留めて、上品な髪型に仕上がって、二人揃って着付けの部屋に向かう。
衣桁(室内で衣類などを掛けておく道具。 木を鳥居のような形に組んで、台の上に立てたもの) に豪華な衣装が掛けて有る。
「わー、凄い、綺麗だわ」
「本当ね、高級品ね」
「これが私だね」と振り袖を見る
「お姉ちゃんの、中振り袖だわね」
「だって、動き廻るから」
そこに、いかにも口五月蠅そうな初老の女性が二人の中年の女性を連れてやって来た。
女性達は手に衣装盆をそれぞれ持っている。
その頃、真由が権藤の車に乗って、メールで車の形、ナンバーを加藤に連絡をしていた。
(何時に到着だ)
(六時頃の予定です)
(帰りは?)
(十一時半には局に戻りますから、十時過ぎには旅館を出ます)
(段取りが変わったら連絡を忘れずに)
メールをして溜息をつく真由に 「どうしたの?溜息をついて」
「変な友達は困るわ、着物の二人の写真を送ってと、言うのよ」
「そりゃあ、綺麗からだろう」と真由は誤魔化して、発射した。
怖い着付け
13-10
「初めまして、着付けを担当します、篠瀬と申します、助手の佐伯と垣内です、 私の指示通りにして貰わなければ中止しますので宜しく」
と会釈をした。
「私は藤堂冴子、妹の玲奈です、宜しくお願いします」
「それでは、始めますか、じゃあ全部脱いで」
「は、はい」と躊躇する二人。
「体型見なければ、着付け出来ないでしょう、人間みんな何処か違うのだから、女性だけだから、お風呂だと思えば恥ずかしく無いでしょう」そう言われて、ジーンズを脱ぐ二人。
カーデガンを脱いでブラウスを脱いでブラジャーとパンティ姿で前を押さえていると「それも脱いで」
「えーこれも!ですか?」
「当然でしょう、着物にブラジャーとパンティは変でしょう、着物用の下着が此処に有ります、早くして下さい」
渋々脱ぐ二人、直ぐに裾よけを佐伯と垣内が二人に着せた。
「はい、胸を張って、手は脇に」 そう言われて胸から手を外して、胸を張る
「二人共良いおっぱいね、大きくもなく小さくもなく、佐伯さん、その肌襦袢を姉に着せて、垣内さん右の襦袢を妹に」
漸く恥ずかしいのが終わって、流石に師範で有名な人だ。
細かい部分を見て、ヒップに補正の入った物を妹に着せた。
玲奈に腹にタオル入りの布を巻く。
振袖の補整は、初々しさを出すために、肩から胸にかけてふっくらと仕上げる事が大切だから、その為には、肩の下のくぼみ、胸の薄さをカバーするための補整をして、この補整をしないと長襦袢や着物の衿元が落ち着かないので工夫をする。
直線裁ちのきものは、体型の凸凹を無くす事できれいに着あがる。
長襦袢の着付けで統べてが、決まる。
冴子は淡い水色系、玲奈は小紋柄、衣紋の抜き加減やえり合わせは、長襦袢の着付けで決まります。
背中のシワは、左右に振り分け脇でタックを取ってスッキリ始末し、下へシワを引いて着物の上にひびかないようにします。
衿合わせは、振袖は両前衿が深く、 のどのくぼみをかくすように合わせ胸紐を当て、 結んだら両脇の袖付け(身八つ口)を前後合わせて下に引く、 伊達締めを締め、前で交差して挟む。
その時にバストの下のシワを下にゆっくり引いて整えて、着物が着せられる。
着物は振り袖を着せかけ長襦袢と着物の振りをきれいに揃えて、両襟を前におき、とも襟と、とも襟を合わせて背中心を決めて衣紋抜きを決める。
淡々と着付けが進む、流石に五月蠅いだけ有って素晴らしい出来映えに成って行く、着物を着付けて伊達締めをして完成したら帯結びに入った。
「帯結びは苦しくなく、ゆるまないこと、帯の位置は高く気をつけるのよ」と指示が飛ぶ。
「どうですか?苦しくないですか?」
「はい」と答えたが、もう既に苦しい二人だった。
その頃権藤と真由が美容室に到着して、着付けの部屋にやって来た。
「こんにちは、わー綺麗」
「ご苦労様」と冴子が真由を見て言った。
「玲奈さんも、社長も、見違える美しさですね」
「そうなの、着物慣れて無いから、苦しいわ」と玲奈が言う。
「はい、最終確認を」と篠瀬が言うと、佐伯と垣内が読み上げた。
o最後にチェックは少し離れた場所からしましょう。
o後から、襟の抜き加減。重ね襟が後ろから見えていませんか。
o背中心が真ん中にありますか。
o背中のシワは両端に寄せて整えていますか。
o帯は立体感があって布目が通っていますか。
o裾線は床にスレスレでしょうか(礼装着)。
o前から見て、長襦袢の襟は3センチ位(指二本)でていますか。
o前から見て、半衿中央はひし形で均等になっていますか。
oおはしょりは横一直線になっていますか。
oおはしょりは5~6センチの幅がありますか。
o胸元のシワたるみが無いでしょうか。
o重ね襟は五ミリ程出ていますでしょうか。
o帯は高い位置にありますか。
o袖は着物と長襦袢がきれいに重なっていますか。
o裾上前の下から裾下前がのぞいていませんか。
「はい、確認終わりました」
と二人が声を揃えて言うと
「お疲れ様でした」と篠瀬が冴子と玲奈に言った。
「有難うございました」と会釈をすると
「これから、半日頑張って、私も帰ってテレビで見るわ」と笑った。
「時間だ、急がないと」
玲奈が慣れない、足袋に花柄の草履を履く玲奈。
「お姉ちゃん、行ってきます」
「頑張ってね、慌てて転んだら駄目よ」
手を振って、笑顔で玲奈が美容室を後にした。
着てきた荷物を片づけて、冴子は、木崎の車を待った。
もうすぐ来てくれる時間だ。
そう考えていたら、木崎がやって来て 「遅く成りました、寒いですね、山は雪が降るかもしれませんね」
「箱根大丈夫かな?」
「社長、着物も素晴らしいですね、綺麗ですね」と木崎が思い出した様に言う。
「ありがとう、慣れていないから、疲れそうだわ」
冴子は荷物と一緒に局に向かった。
玲奈は車の中で
「何か変だわ」
「どうしたの?」
「着物の時って下着はかなでしょう?」
「そんな事ないわよ」真由が言う。
「でもね、先程の恐い着物の叔母さん、下着は駄目って言われて、履かせて貰えなかったのよ」
「下着のラインが見えるからでしょう、最近は良いのが有るから、大丈夫よ」
「お婆さんだったからだね」
「でも上手よ、着せ方」
「そう、綺麗?」
「とっても、綺麗です」
「姉とどちらが綺麗?」
「今日は玲奈さんですね、舞子さん見たいで可愛いです」
二人は、楽しそうに話しながら、箱根に向かう。
「雪が降るかも知れませんね」権藤が言う。
「帰り大丈夫かな?」
「積もらなければ」雪が風花の様に舞っていた。
真木が手下を三人連れて、玲奈誘拐に向かう事に成っていた。
局の車を襲って、真木が運転手に成りすまして、玲奈と真由を乗せて、旅館を出る。
捕らえた局員は三人が車に乗せて、駐車場に放置する、勿論盗んだ車に。
真木と真由、玲奈が乗って二キロ程で、忘れ物に気づいて真由が車から降りる。
遅れるから真木と、玲奈は東京に向かうと言って海老名の家に行く。
真由は後から来た車で、旅館に戻る計画だ。、
兼田の自宅には、闇金の梅田が来て待ちかねて居る。
加藤女医を始めとして、三人の看護師は、二人の料理の準備に、 器具、薬の点検をして、段取りを話し会っていた。
縄師の乾も地下室で縄と縛る構成を考えて、またあの女とSEXが出来ると待ち構えて居た。
誘拐秒読み
13-11
「あけましておめでとう」
「おめでとう、綺麗ですね」」
「おめでとう」
冴子が局に行くと口々に声が掛かる。
着物姿の冴子は銀色の草履で、内股でゆっくり歩く。
下着が無いのが違和感を、感じる、最終打ち合わせの会議室は華やかだ。
女性陣は振り袖、後籐は着物に羽織、「皆さん、明けましておめでとう」と冒頭小堺常務が言う。
全員が「おめでとうございます」と声を揃えて言う。
「さて、今夜に迫った生放送、万全の体制で行う様に、各人の確認をこれから行う」
そう告げて、デレクターの金子が次々と確認作業をして行った。
八時に成って、一般の見学者がホールのスタジオに入って来る。
その中に、馬籠泰三の息子雅治も居た。
「俺は、スタジオ見学に興味が有るから、行くのだよ、藤堂さんが目的では無いからね」と念を押す様に泰三に言って見学に来ていた。
泰三は理由はともあれ、一度冴子さんを見れば、雅治の気持ちも変わるのでは無いのかと考えていた。
雅治の考えが芸能人は遊んでいて、好きに成れないのが会わない理由だ。
綺麗な顔と身体は整形、心はお高くとまっている。
沢山の異性と遊んで居る、尻の軽い女、そんなイメージが常に有った。
冴子と玲奈の両親、修司と直実も最高の衣装でスタジオに来ていた。
子供の晴れ舞台だ、初めての参観日に行った気分、心臓は高鳴り、落ち着かない二人。
玲奈も旅館でスタッフと打ち合わせ、シュナイダー氏に挨拶に行くと、舞子?ビュティーと絶賛を受けた。
玲奈は旅館の客にもサインを強請られて、気軽に応じる。
インタビュー用の部屋の外は観光客と旅館の従業員で埋め尽くされた。
旅館の外で待つ予定の権藤も中に入って見学をしていた。
これは真木達には計算外の出来事だった。
捕らえて車に押し込む事が出来ない、もうすぐ本番が始まる。
焦る真木が加藤に連絡をする。
加藤が考えて真由に権藤には、九時半に車を指定の場所に移動させる様に言わせた。
荷物を積みたいが理由、真由に適当な荷物を作らせる加藤は玄関先では無い場所を指定した。
客が玲奈に殺到して、抜け出せないからが理由だった。
権藤には肝心の部分が見られないと残念がったが、仕事だと諦め顔に成る。
加藤は離れていても常に状況を把握していた。
今夜を逃せば二度とチャンスは無いだろう。
待機の真木達にはその事が伝えられて、駐車場の中で、四人もテレビを見始める。
ホールのスタジオに出演者が出て来て、お辞儀をして、また控え室に消えていく。
「見た!綺麗ね、」
「華やかだったわね」
「藤堂冴子の美しさが光っていた」会場の中で客が口々に話す。
馬籠雅治は整形美人が綺麗に決まっているよと心で笑っていた。
唯、着物を着た冴子の美しさには流石の雅治も多少心が動いていたのも事実だった。
ホールスタジオに緊張が走る中、フロアーデレクターが合図をして、番組が始まった。
着物姿の藤堂冴子が、静々と登場して、会場から拍手が沸き起こる。
打ち合わせの通りだ。
「みなさま、新年あけましておめでとうございます」と深々とお辞儀をする冴子は頭を上げると「本年最初の、情報経済番組 (藤堂冴子のクイック11)は特別枠でこれから三時間、今年の経済の見通しを中心に、ゲストを交えて公開スタジオから生中継で放送致します。最後までみなさま、ごゆっくりとご覧下さい」
ここで再びお辞儀で拍手が入る。
「それでは、私も本日は綺麗な着物を、着させて貰っていますが、レギュラーのメンバーも着物姿で登場です、アシスタントの小出さんに紹介をお願いしましょう、小出さん」と呼びかけると、小出祥子が着物姿で登場して「明けましておめでとうございます、それでは順番に登場して貰いましょう、最初は着物もお似合い美男子アナウンサー、後籐晋平さん」
後籐が着物姿で登場して「明けましておめでとうございます」とお辞儀をして、次々と同じ様に登場して席に座った。
「さて、もう一人のアシスタントの藤堂玲奈さんは、今、箱根の温泉旅館に居ます、玲奈さん」と呼びかけると画面が切り替わって
「明けまして、おめでとうございます、私は今箱根の温泉旅館に来ています、世界の有名な投資家シュナイダーさんに後程インタビューをする為です、私も今夜は舞子さんの様なスタイルです」
「綺麗ですね」小出が言う。
「はい、この着物を着る為に大変だったのですよ」そう言ってくるりと回って着物全体を見せた。
「可愛いですよ、後程お願いします」
全員が所定の位置に座って、冴子が「それでは早速、本日大発会の経済指標を増本君に伝えて頂きます、私のコーナーでは、本日は今年の特選銘柄、年間を通じて右肩上がりに成りそうな銘柄と今夜はお年玉の特選銘柄を発表しますよ、お楽しみにね」
増本が今日の指標を発表して、解説の細野と為替アナリストの小野寺が今日の市場の解説をした。
「それでは、箱根の玲奈さん、お願いします」と小出が言って画面が切り替わる。
「はい、先ずは玲奈が先日、この箱根の町を散策してきました、茂木沙紀アナと温泉にも入って来ましたよ、ご覧下さい」
此処で録画放送に切り替わった。
スタジオの大きなスクリーンに玲奈と沙紀が映し出されて、修司と直実は二人の成長を喜んで見て居た。
入浴のシーンには、スタジオのみんなも、玲奈の肌に「肌も綺麗ね」
「冴子さんと遜色無いわね」
「あんな、美人を二人も産んだお母さんは、綺麗なのでしょうね」と聞こえて、思わず顔を隠す直実。
「お父さん、恥ずかしい」と小声で言う。
約二十分の紹介が終わって玲奈が「恥ずかしい、入浴シーンが意外と長かったですね」と笑って
「さて、こちらに、世界的に有名な投資家シュナイダーさんに、今年の世界の経済、株価、日本の株価の行方なぞを聞いて参ります」
ここでCM、玲奈は英語が得意その為に抜擢された部分も有った。
CMの後流暢な英語でインタビューを始める玲奈。
権藤は後ろ髪を引かれながら、車に向かった。
駐車場には誰も居ない、みんなが中継を見て居る。
車に乗ろうとするのを、後ろから真木達が襲いかかった。
四人が一気に暗闇から襲ったので、一瞬で権藤は倒れた。
手には車の鍵を持っている真木が取り上げて車に乗り込む。
三人が自分達の車に権藤を連れ込んで、加藤から貰って、睡眠薬を注射した。
「これで、朝までお休みだ」
盗難車の後部座席に寝かせて、布を被せて、判らない様にして鍵を掛けると、車の鍵を遠くに投げるチンピラ。
乗って来た車に待機する三人、またテレビを見始める
「可愛いな」
「会長、この女とやるのか?」
「羨ましい」と三人は玲奈の舞子姿に興奮をしていた。
この放送を見ていたのは、佐山達も同じだった。
各自自宅で正月の特番を見て居た。
「綺麗に成ったわね、玲奈さん」
「此処に来た時とは比較に成らないわね」
「私達が年取る筈よね」
美優も元の綺麗な黒髪ボブに戻って、一平も「ボブの美優は素敵」
「私は、素敵じゃあ、ないの?」と美加が言う。
「美加はもっと、素敵だよ」
「パパも素敵だよ」そう言って頬にキスをする。
伊藤久美も待望の妊娠をしていて、今年の夏には産まれるのだ。
黒髪はセミロングに成って、綺麗な美人妻だ。
佐山は英子と仲良く暮らしていた。
子供は無理な様だと思っていたが、「次郎ちゃん、出来たのよ」
「何が?」
「私達の子供よ」
テレビを見ながら飛び上がる佐山、正月から喜び一杯に成った。
「何故?今頃判るのだ?」
「知らないの、今薬局で売っているのよ」
「医者、要らないのか?」
「馬鹿ね、来週行ってきますから、でも確実よ」と微笑む二人。
舞子姿で吊される
13-12
玲奈のインタビューが終わって「これから、スタジオに帰ります、外は雪が降っていますね、箱根から藤堂玲奈がお届けしました」
「気を付けてね、雪なら慌てて戻らなくても良いわよ」
「はーい」と手を振って画面が切り替わって、スタジオに沢山の人が座って、「これから、各証券会社の美人女子社員が経済評論家を交えて、
今年の有望銘柄、日経平均の高値、安値、時期を討論して頂きましょう」
会場に着物を着た女性が二十人程座った。
経済評論家三人の討論会が始まった。
玲奈は真由に連れられて、移動を開始した。
「こちらよ、裏口」
「何故?」
「ファンが待っているから、出られなく成るわ」
「そうね、着物は歩き難いな」そう言いながら車に乗り込む。
「権藤さんは?」
「他の応援に行きました」
「お見かけしない方ですね」
「はい、先月入りました、真木です、よろしく」
「こちらこそ、よろしく」
「急いで」
真由が乗り込んで車は走り出して、暫くして「止めて、忘れ物した」
「戻りましょうか?」
「いいわ、私後から行くから、先にスタジオに戻って、間に合わなく成るから」
コンビニで降りた真由。
「行きますね」
真木は車を走らせて、真由が加藤に成功しました半時間程度で着きます、とメールを送った。
加藤が「半時間で到着です」と兼田に伝えた。
「おお、上手く行ったのか」
「はい、成功です、玲奈で遊びましょう」
「それは、良い、あの着物姿で来るのか?」
「はい」
「趣向は?」
「男嫌いの玲奈にたっぷりと男の良さを味合わせてあげましょう」
「いいな、」
「呉々も、体液を残さない様に気を付けて下さい」
「判った」とワクワクしている。
兼田は直ぐに梅田に話して、二人はテレビを見ながら「この、冴子も今夜此処に来るのですか?」
「そうなる、だろう」と笑う二人。
「真木さん、疲れたから、少し眠るわ、着いたら起こして」
「はい、判りました」
玲奈は緊張の中の中継が終わって疲れが出た。
目を閉じると直ぐにうたた寝をしていた。
夜の小雪が舞う道路は空いていた。
通常なら四十分から五十分が半時間少しで到着した。
チンピラが数人出迎えた、眠って居た玲奈が「もう、着いたの」と目を開けた。
「地獄に着きました」
「えー」
扉を開くと、男が玲奈の身体を抱えて、降ろした。
「何、貴方方は?」と言う間もなく足を持たれて、身体を抱えられて、屋敷の中に連れ込まれた。
「此処は」と広間に寝かされて、起き上がる。
「いらっしゃい、久しぶりね」
「貴女は加藤、此処は、新藤先生の家ね」
「そうよ、この前は、痛いので、男嫌いに成ったそうね」
「何を言っているのですか?この人達は?」
「貴女と遊びたい人達よ」
「帰して下さい、警察が来ますよ」
兼田、梅田、加藤、とチンピラに囲まれて、後ずさりをする玲奈。
「折角綺麗な着物を着ているのだ、そのまま、連れて行け」兼田がチンピラに言うと、三人が再び抱き抱える。
「止めて」と騒ぐ玲奈、地下室に連れ込まれると、友田と鈴木が小型のボンベを持って待って居る。
畳の部屋に連れ込まれる玲奈。
「貴女は」と友田の顔を見て叫ぶ、酸素マスクを持つ鈴木。
仰向けに押さえ込まれる玲奈手も足も押さえられて、鈴木が玲奈の口にマスクを当てた。
「うぅ、何を」
酸素が流れて、軈て麻薬が玲奈の気管に流れて、時間を測る加藤。
「もう良いわ、これ以上は危険よ」
マスクを外す、玲奈の瞳がトロンと成っている。
チンピラが地下室から出て行くと、兼田が玲奈を抱き起こして、いきなりキスをした。
口を開けて舌を滑り込ませる。
「可愛いな」
いきなり着物の前を手で触る、玲奈は意識が有っても判らない状態、。
「縛り上げろ」と言われて乾が胸に縄を掛ける。
後ろ手に縛って滑車の縄に結ぶと引っ張りあげる。
手際が良い、舞子姿の玲奈の身体が少し浮いた。
今度は着物の裾から手を入れて膝に縄を巻き付ける乾。
その縄を別の滑車の縄に結ぶと引っ張った。
左足が着物からはみ出して、吊り上がって、今度は右膝に巻き付けて同じ様に引っ張ると、Mの字に成って、下から見ると丸見えに成った。
「パンツ履いてないのか」
そう言うと兼田が「先生、本人は何をされているのか、判っているのか?」
「何も判らない、夢の中ですよ、大人しいでしょう、でも身体は覚えてしまいますよ」
「これで感じるのか?」
「もの凄く性感は上がっていますよ」
「そうか」
兼田が剥き出しの陰毛を手で撫でると「うぅ」
「本当だ、これは面白い、あれを持って来い」と電マを指さす。
「会長これを先に、尻から注入しましょう」とガラスの注射器と云うか浣腸器の細い物を持って言う。
「俺は浣腸が嫌いだ!」
「会長違いますよ、もっと感度をあげる媚薬ですよ」
「そうか、これ以上あがると狂うのでは?」
「大丈夫ですよ、意識は無いですから、頭は考えません、この子二回しかSEXしていません」
「そうか、それなら、良さは判らんな」
「その内の一回が、乾さんですよ」
「乾、処女を奪ったのか?」
「はあ、二番目でしたが、痛がるのを無理矢理でしたからね」
「そうか、お前が男嫌いにしたのか、今日は男好きにわしがしてやろう」と笑う兼田、梅田が加藤の突き刺す注射器を凝視していた。
梅田が浣腸プレーは好きなのかも知れないと加藤は思った。
「うぅ」
アナルに入れられて、反応をする玲奈、日本髪のかんざしが揺れる。
「終わりました、会長どうぞ」
手に持った電マをいきなり、陰部に当てる兼田。
「ああー」と大きな声を出す。
顔を天井に向ける玲奈。
「おお、感じているな」
「この子は、電マも殆どしていませんから、お手柔らかにね」
もう兼田は聞いていない。
電マ攻撃に玲奈の陰部から愛液が溢れだしたて、仰け反る玲奈。
「ああー」
「ああー」と大声が地下室に響き渡って、かんざしが畳に落ちる。
髪が少し乱れてきた。
頭を上下に振るから、見て居る乾も梅田も興奮している。
「降ろせ」「はい」乾が玲奈を宙づりから降ろしていく。
ぐったりとしている玲奈、陰部は愛液でべたべたに成っている。
「乾、綺麗にしてやれ」
疲れたのか、見学に廻る兼田、畳に横たわった玲奈の着物の中に顔を埋める乾、舐め始めて「ああー」「ああー」と大声の玲奈。
後ろ手に縛られて両膝には縄が結ばれたままで、舐め続ける乾。
「止めろ」の兼田の声に、乾が驚いた様に股間から離れた。
「おい、ビールを持って来い」と電話で言う。
畳に着物の裾が乱れて、股間の見える状態で、ぐったり成っている玲奈、時計は十一時を過ぎている。
スタジオでは討論会が白熱の中で終わり海外市況の後の冴子の特選株に成っていた。
「先ずは今年年間を通じて上昇が期待できる銘柄は不動産の銘柄から、小出さん発表して下さい」
フリップを持った小出がアップに成って「八××六です」と微笑みながら言う。
「続いて、お年玉銘柄の発表です、来週から急騰が期待されます、小出さん」
またフリップを持って小出が微笑んで「二×三×です」と発表した。
スタジオでは書き留める人が沢山居た。
両親は娘達の活躍に目を細めて眺めて居る。
今夜は冴子が銘柄の解説をしたので、殆どの人は銘柄名が判っていたのだ。
微笑みながら「もう、銘柄を発表したのと、同じですね、次のコーナーでは、来週十日に新規上場のお正月に相応しい、結婚式場、結婚相談所で有名なサンセットHDの若い女社長清水珠恵様をお招きして、対談を致します、社長からお年玉が有りますよ、期待して下さい」
ここでCMに成った。
随喜で仰け反る
13-13
「乾、素っ裸にしろ」
「はい」
乾が縄を解いて行く。
「この子の陰毛は多いな」
「そうですよ、姉の方がもつと硬くて、濃いですよ」
「そうなのか、毛に付いてべたべたしているな」
「この子も後で剃りあげて、クリトリスを剥いてやりましょう」
「おお、面白い、それでどうなる?」
「今より感じ方が良く成りますよ、普段でも、オナニーをして、喜ぶでしょう」
「冴子は、剥いていると話していたな」
「姉はこの子より数段感度は良いですよ、剃毛プレー、バイブ、縛られるのも好きですね」
「楽しみだ」
「この子も調教すれば、良く成りますよ、現に今でも燃えていたでしょう」
「先日の女とは物が違うな、この姉妹は男には最高の女だ」
乾が悪戦苦闘で着物を脱がし始めた。
亀井と、鈴木がたまりかねて、手伝う。
上手に着せてあるので脱がすのも大変。
振り袖が取り払われて、長襦袢姿に「おお、中々色っぽい」と梅田が始めて言葉を発した。
長襦袢を脱がせて、肌襦袢と色っぽい裾よけに成って、乾が肌襦袢を脱がすと、白い綺麗な乳房が乳首を立てて露出した。
「縛れ」と会長が言うと乾が縛ろうとしたら「会長、長襦袢を着せて、縛った方が色っぽいですよ」と梅田が言う。
「そうか、そんなものか、じゃあ、それで、やれ」
両膝には縄がそのまま巻かれている。
乾が長襦袢を着せて、乳房の上と下に縄を掛けて、谷間で縄を捻ると、玲奈の乳房が長襦袢の隙間から露出して艶めかしい。
後ろ手で転がされて、膝の縄が滑車で引っ張られる。
裾よけが二つに割れて、白い太股が露出して、一杯に足を広げられて、固定された。
「腰にクッションを入れて」加藤が言う。
大きく浮き上がる玲奈の陰部。
「おお、綺麗なマンコが丸見えだ」
「殆どSEXをしていませんからね」と言う加藤。
木の桶に湯を溜めて、友田が側に持って来た。
「此処で、剃るのか?」
「違いますよ、時間が有りませんし、手術をすれば使えませんよ」
「そうかそれは、駄目だ!最後に、最後に」と会長が桶を覗き込む。
「これは何だ?」
「これは、随喜のサックです、これでこの子の中をかき混ぜるのですよ」
「どうなるのだ、男が欲しく成ります」
「ほほー、それは面白い、始めろ」
「会長も準備をして下さいよ、この子が燃えたのを消すのは、殿方ですからね」
「判った、おい、ゴムを持って来い」と嬉しそうに言う、会長。
スタジオでは冴子と珠恵の対談が終わりに近づいて、小出が「此処で、全国の恋人欲しい方、お付き合いを始めたい方にサンセットさんからのプレゼントです、社長に発表して頂きましょう」
「私共の運営致します、ラブサンセットのお見合いパーティに、ご招待致します、全国八カ所に、各四十歳以下の方百名、男女二百名様、
そして四十歳以上の方同じく百名様男女二百名様をご招待致します」
「それじゃあ、全国で三千二百人ですか?」
「そうです」
「大盤振る舞いですね」
「はい、目出度くご結婚の時はサンセットブライダルでお願い致します」
「この四十歳以上と云うのは?」
「はい、上は百歳の方でも大丈夫です、連れ合いを亡くされて寂しい老後を送られて居る方の参加をお持ちしています、勿論初婚の方も大丈夫でございます」
「尚、場所と応募の方法は、字幕スーパーにて、ご覧頂くか、番組のホームページをご覧下さい」と小出が伝えた。
後籐が「実はもうひとつ、ビックな話が有ります。今この場所に座って居ます、藤堂冴子さんもお見合いパーティに参加されます。藤堂さんは仕事が忙しく恋人も作れないと、日頃からぼやいていまして、この機会に恋人を、その思いから局が用意致しました。この模様はテレビで中継致します、但し開催は東京ですので、ご応募お待ちしています」
頬を赤くして冴子が「わー、大変な事に成りました、私がお見合いをさせられちゃいましたね、こんな私でも良いとおっしゃる方お待ちしています」と会釈をした。
「最後に、清水社長は第二日曜日に、サンセットブライダルで結婚されます、私藤堂冴子が僭越ならが、司会を務めさせて頂きます、社長おめでとうございます」会場が万雷の拍手に包まれた。
一平がテレビを見ながら
「あんな、美人が見合いに出るの?」
「応募者殺到ね」と美優が言うと「私も応募をしょうかな?」と美加が言うので大笑い。
CMの後
「早いですね、もう三時間が過ぎたのですね、玲奈が戻ってきませんね、箱根は雪でしたから、遅れているのでしょう、では最新のアメリカ市場の動きをもう一度、田代さんに伝えて貰いましょう」画面が切り替わる。
会場で見て居た馬籠雅治も、三時間の間に次第に冴子の人柄に親しみを感じ始めていた。
お見合いパーティに出るのだから、恋人は居ないのか?
親父が忙しくて恋をする暇も無いよと笑っていたのを思い出した。
そして親父が昔の恋人が忘れられないから、恋人は作らなかったと、僅かな期間で、もうその恋人は死んでしまったと聞いていた。
玲奈の膣に加藤の随喜サックが挿入される。
「うぅ」と反応をする玲奈、。
指を動かし始めると「ああー、ああー」と大きな声が出て、身体が大きく動く、日本髪の櫛が取れて畳に飛ぶ。
「いいー、ああー」
何度も仰け反る、胸に電マ、クリトリスし小さな電マを友田と鈴木が当てる。
逝きそうに成ると止める、寸止め状態を繰り返す。
加藤の指が二本に成って、せせりの最高潮、玲奈の口に猿轡がされて、大声に驚いた乾がしたのだ。
髪は完全に崩れて、髪に付けられていた布も外れて、髪から長く垂れ下がっている。
「会長、準備は良いですか」
もう裸の兼田、ゴムを被せたペニスが今にも暴発寸前。
「みなさま、長時間のお付き合い有難うございました、今年も情報経済番組(藤堂冴子のクイック11)をどうぞ宜しくお願い致します」でレギュラー陣のお辞儀で終わった。
「お疲れ様」
「長丁場ご苦労様」とスタッフが労を労う。
「玲奈さん、間に合いませんでしたね」
「そうね、沢山雪降っているの?」
「東京は寒いだけです、箱根は降っているのかも」
スタジオの客も次第に家路を急ぐ。
両親も冴子に声を掛けたかったが、中々会えないので、ホテルに帰って行く。
明日でも話せば良いから、疲れているでしょう、と思っていた。
名残惜しそうに見て居たのが馬籠雅治だ。
端正な顔立ちに百七十五センチの体格、親父の思う壺に填ったか、冴子に興味を持ってしまった。
玲奈の膣に兼田のペニスが挿入される。
長襦袢の間から乳房を引き出して揉む兼田
「ああー、いいー」兼田が腰を動かすと猿轡の中からでも聞こえる。
「だめー」仰け反る玲奈。
「もう、番組終わった時間ね」
そう言って時計を見る加藤、携帯を取り出して、冴子の番号を探すと、呼び出し音が響く。
冴子は、携帯をバックに入れていたので、聞こえない。
木崎さんに乗せて貰って帰って、着替えたいとバックを明けると電話が切れた。
誰だろうと着信履歴を見た冴子の顔色が変わった。
次々と強姦される
13-14
玲奈の腹に顔を埋めて兼田が疲れた顔で「良かった」と横に仰向けに倒れた。
縮んだペニスに着いたコンドームの中に兼田の体液が溜まっていた。
兼田が退くと、梅田が「膝の縄を外してくれ」と乾に言う。
乾が縄を解いて足が自由に成ったが、玲奈は意識朦朧で、されるままの状態、梅田が俯せに玲奈をさせて、腰を持ち上げる。
濡れきって緩んだ膣に梅田の元気なペニスが挿入される。
再び感じる玲奈「ああー」と聞こえる。
梅田が横から手を回して、乳房を揉む、大きく腰を動かす梅田。
身体に力が入ってないので突き出す梅田の勢いで倒れそうに成る玲奈。
日本髪が完全に崩れて大きく動く。
「うぅ」
「うぅ」
ピストン運動が長い梅田に合わせる様に呻き声が聞こえる。
冴子の携帯に再び掛かった加藤の電話。
「久しぶりね」
「加藤さん、今頃何の用事ですか?警察から上手に逃げましたね」
「今夜は特別にご招待のお電話をしましたのよ」
「何の招待ですか?」
「気が付きませんか?」そう言われて、背筋が凍り付いた。
玲奈が帰って居ない事は直ぐに冴子に判った。
「判った様ね、私の心配より、妹の心配をすれば?」
「妹をどうしたのですか?」
「私の仲間が捕まえて居るわ、帰して欲しければ貴女一人で貰いに来る事よ」
「お金ですか?」
「欲しいわね、一億程、でも今から一億用意する間に妹さんはオオカミに食べられてしまいますわよ」
「どうしろと、言うの?」
「今から、直ぐに車で西行きで、首都高三号に乗りなさい、また指示をする、警察に言えば妹の命は無いと思いなさい、私も捨て身よ」で電話が切れて、玲奈の泣く顔が浮かぶ冴子。
大変な事に成りましたと直ぐに木崎に電話をする冴子。
「車を直ぐに回します」
木崎が言った場所に急ぐ冴子。
その様子を不思議そうに見て居た雅治。
「何か?変だ」
機会が有れば挨拶をと思っていた雅治の目に冴子の行動は不思議に思えた。
もう一人、冴子にお礼を言おうと待っていたのが、清水珠恵だ。
急いでどうしたの?変ね?珠恵は不審に思って後を追った。
「社長、誰にも言わないのですか?」
「この局にもスパイが居るわ、玲奈の行動が加藤に知られていたから危険よ」
「大丈夫でしょうか?」
「命まで取らないでしょう」
「何を企んでいるのでしょう」
「逃亡資金かも?」
「この前の玲奈さんの様な事は?」
「お金が欲しそうでした」
車は高速に向かっていた。
その後をタクシーに乗った馬籠と同じくタクシーに乗った珠恵が追い掛けていた。
白目を剥いて倒れる玲奈に乾が襲いかかっていた。
もう反応が無くなって、綺麗だった日本髪は完全に崩れて、長い髪が顔に汗で張り付いて居た。
それでも、乾は玲奈の中で果てるまで続けていた。
殆どダッチワイフの様な玲奈、それでも乾は満足をした。
加藤が、地下に戻ると男達は満足そうな顔で寝そべっていた。
玲奈も気を失っている。
加藤は睡眠薬を玲奈に注射して、長襦袢を綺麗に着せて縛って座らせる、冴子に見せる為だ。
「冴子が捕まったのか?」兼田が起き上がって加藤に尋ねた。
「もうすぐご到着ですよ」
「そうか、」と着物を着る兼田。
「おい、お前達も起きろ、もうすぐお姫様の到着だ」と起こす。
二人は疲れた様子から、起き上がって服装を整えだした。
「先生、わしはもう今夜のSEXは出来ない」
「私も無理だ」と梅田も言う。
乾も自分は出来ても言えないので、何も言わない。
「今夜は冴子の喘ぎ声を聞いて、明日に頑張るよ、先生」
「見応えは充分に有りますよ、お楽しみに」
玲奈は柱に縛られて、眠って居る。
「この子、今度は、男が好きに成っているのか?」
「以前の様に毛嫌いは無くなっていると思いますよ。
加藤は高速に乗った頃を見計らって「もう、高速に乗った?」
「はい」
「じゃあ、海老名に来なさい」
「えー、若しかして、先生の家?」
「そうよ、待っているわ、警察の姿が見えたら、その時点で妹は殺す」
「居ないわよ」と言うと電話が切れた。
「木崎さん、先生の家よ、暴力団が購入した」
「えー、社長危険なのでは?」
「でも玲奈を助けなければ」
「しかし、罠を仕掛けていますよ」
「私が入って、半時間で連絡が無ければ、警察に連絡をして頂戴」
「判りました」
「話が進んでお金に成っても、月曜日でなければ用意出来ないわ」
「幾ら位の要求ですか?」
「一億とか、言っていた」
「大金ですね」
「一億で玲奈が無事なら、安いわ」
車は海老名を目指す、尾行の雅治も何か変だ?事件の匂いを感じていた。
珠恵も不審なタクシーが追い掛けて居る事と何故冴子が慌てて、こんな夜分に遠方まで行くのか?これが気掛かりだった、
もう時計は深夜の二時に近い。
「会長もうすぐ、到着しますよ」
「お前達、不審な人間とか車が尾行しているかも知れない、冴子が到着したら、辺りを探せ」
「会長、車は家の前には着けませんから、近くの路地に見張らせて、捕まえ無ければ、警察に連絡されます」と加藤が助言をする。
「よし、路地を見張れ」組員が数名真冬の路地に出張った。
二時を少し過ぎて、新春の住宅街は静まりかえって、時々冷たい風が音を立てて吹く。
「木崎さん、少し離れた場所に止めて、近づくと木崎さんも危ないわ」
「寒いですから、気を付けて下さい」
「それでは、半時間で連絡を」
「判りました」
冴子は、首に高級毛皮のショールを羽織って、真夜中の道を歩いて、元の新藤の家に向かった。
それを、いち早く組員に発見されて、数人が木崎の車に集まって来て、引き摺り出された。
馬籠のタクシーは、木崎の車ではなく、冴子を見つけて付いて行った。
冴子が兼田の家に入るのを見届けて、待機をした。
その、車の数十メートル後ろに珠恵のタクシーは止まった。
木崎を連れ込む組員を見た珠恵が、これは?直ぐさま携帯で親父に掛ける。
何度鳴らしても親父が出ない、焦る珠恵。
家に案内された冴子を兼田と梅田、そして加藤が出迎えた。
「まあ、こちらに」と居間に案内した。
玄関には気絶した木崎が運び込まれていたから、冴子に見られない様にしたのだ。
「玲奈は何処なの?」
「今は可愛くお休み中よ」
「お金が欲しいの?」
「お金も欲しいけれど、このお二人が冴子さんも欲しいそうよ」
「馬鹿な事を、玲奈の無事を見せてよ」
「そう、見たいの?」
「当たり前よ、本当に此処に居るの?」
「おい、見せてやれ」
兼田が言うと友田が玲奈の着物を冴子の前に置いた。
「どう?これが此処に有る訳は判るでしょう」
「玲奈に乱暴をしたのね」
「本人は判らないわ、男嫌いは治ったかも知れないわよ」
「そんな、気が付けば暴れるかも知れないわね」
「惨い事を、貴女それでも女?」と恐い顔の冴子。
「それでは、ご対面と行きますか」兼田が言って、友田が冴子の背中を押した。
「良いショール着ているね、もう必要ないでしょう」と獲ろうとすると「何をするの?」と怒る。
「綺麗な着物も要らなくなるわ」
「馬鹿な事を、警察に逮捕されますよ」
「警察がこんな深夜に来ますかな」と大声で笑う兼田、地下室に向かう五人。
めでたいワカメ酒
13-15
「懐かしいでしょう、此処で手術したでしょう、此処を」と冴子の着物の前を触る。
「病院らしく、成っているでしょう」と改造された診察室を指さす。
「妹は此処よ」と機械室の扉を開く。
「玲奈!」
柱に長襦袢姿で縛られて意識の無い、玲奈の側に行く冴子。
廻りを見廻すと、縄、滑車と見るのも恐い道具が揃っていた。
「貴方は」と乾を見て冴子が叫ぶ。
「お久しぶりですな」乾が不適な笑いで近づく、後ろに下がる冴子。
珠恵が何度目かの電話で漸く父親大治が電話に出た。
「誰だ、今何時だと思っているのだ」と開口一番怒鳴った。
「親父さん、私よ」
「珠恵か、時間を考えろよ、テレビの感想なら、明日にしろよ、良かったよ、大変良かった」
「違うのよ、そんな話しじゃあ無いのよ」
「何だ!明日では駄目か」
「今ね、海老名に来ているのよ」
「時間は二時だ、何故?そんな場所に」
「冴子さんが、大きな建物に血相を変えて入って行ったのよ、出て来ないのよ、何か有るのでは?変だったので局からタクシーで尾行したのよ、変じゃない?」
「珠恵、それは関西の暴力団兼定会の会長の家だ」
流石に大治は把握していて、大治が一瞬で眠気から覚めていた。
「藤堂さんが危ない、直ぐに部下を行かせる、わしも行く、珠恵、乗り込むな、殺される」
「判ったわ、待機しているわ、早く来てよ、冴子さんが大変な事に成るかも」
「殺しはしないが、変態の噂が有るから危険だ」
大治は部下に号令をかけて、全面戦争は覚悟の上だ。
近くの組員を叩き起こして、珠恵の警護に行く様に指示した。
だが乗り込むな!人質が危険だから、大治は直ぐさま車に乗り込むと、佐山刑事に電話をする。
佐山は長年の経験で、直ぐに飛び起きて、一平と伊藤に連絡をする。
一平が中々起きない。
自宅に行くか、佐山も車に乗り込み一平のマンションに向かう。
「冴子さん、もう諦めるのよ」
「何を言っているの、早く帰らないと、警察が来るのよ」と言い放つ。
「残念ね、木崎さんは、もう捕らえられて、眠って居るわよ」
「えーー」驚きの表情に代わる冴子。
「この会長達が貴女と遊びたいのよ」
「嫌です」
「そうなの、それじゃあ、違う遊びをしましょうか?」
乾が玲奈に近づくと「今から、玲奈の剃毛そして、クリトリスの手術を行いましょう」
「おお、それは面白い、乾玲奈を連れて行け」
乾が縄を解こうとした時
「止めて、玲奈に手術をするのは」
「冴子さんも手術で良く成ったのに?」
「お前が身代わりに成るなら、助けてやってもいいが、な!」兼田が言うと項垂れる冴子。
玲奈をこれ以上この人達の遊び道具に出来ないと、諦めの表情の冴子。
「決まった、玲奈は助けてやれ、美しい姉妹愛だ!」と嬉しそうに言う兼田。
「じゃあ、これは要らないわね」
友田が毛皮のショールを冴子から取り上げた、
携帯の入ったバッグも取り上げて誇らしげな顔。
乾が冴子に縄を持って近づく、冴子の腕を後ろに持って後ろ手に縛る。
「観念したか」
「。。。。。」
今度は着物の胸に縄を巻き付ける乾。
「藤堂冴子は、変態プレーが好きなのだって、な!」
「。。。。。。」無言の冴子。
「此処のオケケを剃られるのが好きなのか?」と着物の前を触る兼田。
「そうですよ、これも好きなのですよ」とバイブを見せる加藤。
冴子の顔の側に近づけると「いやー」と顔を背ける冴子。
乾が縛り終わると畳に転がす。
「押さえて」
乾が身体を押さえて、友田と鈴木が足首を持つ。
「いやー、やめて」
亀井が着物の裾を左右に開くと二人が足首を持って広げた。
「諦めて、ご開帳するのよ、私達も久しぶりよ」
「いやー」
「やめてー」
加藤が身体を足の間に入れて、着物を大きく捲り上げた。
裾よけが左右に広げられて「パンツ履いてないわ」
「ほら、赤いのが見えるでしょう」
「どれどれ、良く見えないな、毛が多くて」と兼田が横から覗き込む。
「後で剃りあげますから」
着物を捲り上げて、下半身が露出した、
白い肌に黒い股間の陰毛がはっきりと見える。
「おめでたいので、会長お酒でも飲みませんか?」
「何?」
「剃りあげる前に此処でワカメ酒は如何ですか?」
「おおー、それは目出度い」
「何をするの?」
「此処にお酒を入れて会長と社長に飲んで貰うのだよ」
「嫌です」
「おい、酒を持ってこい」
「さあ、溢すと、玲奈に交代だよ」
「そんな、」着物を捲り上げられて、「足を閉じないと溢れるわよ、溢したら、妹の出番だ」
「いやー、こんな事」
腰にクッションを入れて、準備をする加藤の処に日本酒が届いた。
冴子に足を閉じさせて「冴子さん、溢すと交代だよ」と日本酒を瓶から注ぎ始める。
「会長早く飲んで下さい、溢れる前に」
兼田が冴子の陰部に顔を埋めて飲むが殆どは溢れている。
「これは、正月から、美味い酒だ」と笑う兼田、目を閉じて我慢をする冴子。
「梅田さんも一杯」
冴子は目を閉じて、歯を食いしばる。
注がれる酒、今度は梅田が顔を付けて飲む。
「ハハハ、美味かったですな、会長」と上機嫌に成る、床は酒で濡れている。
冴子の表情を見て「気分が乗ってないわね」と加藤が言う。
「例の物を」と指示をすると、注射器を友田が持参して、冴子の首に注射をして「痛い」と叫ぶ冴子。
「冴子さんも久々に楽しまないとね」注射を終わる加藤。
両足の白い足袋の上に足枷を足首に付けて居る亀井、乾が縄の留め金をそれに填める。
冴子は顔が火照って来て、下半身は乱れている。
薬が効果を現すのを待つ加藤。
「どう?薬が効いてきたかな?」
「何を注射したの?」
着物の下半身は捲りあがったままで、クッションの上に腰を置いて、冴子は身体が暑く成って居た。
屋敷の外で様子を伺う馬籠雅治、その時、警備のチンピラに見つかってしまった。
逃げるが直ぐに三~四人に取り囲まれて取り押さえられた。
捕らえられて、直ぐに屋敷に連れ込まれる。
清水が今は大宮に住んでいるから、急いでも九十分は掛かる。
静岡からは約二時間、お互いが海老名を目指して走る。
近くの部下が四~五人来るのが半時間との連絡が珠恵に有った。
この人数では乗り込めない、珠恵は親父を待つ以外に方策は無かった。
雅治が捕らえられて、地下の兼田に連絡が入った。
「縛り上げて、その辺りに転がしておけ」
「はい」
そのやり取りを聞いた加藤が「冴子の彼氏かも知れませんよ」
「そうか、面白い、連れて来い」
「はい」
雅治を縛り上げて、地下に行こうとすると「藤堂さんは何処だ」
「もうすぐ会わせてやる」暴れて逃げ様とする雅治。
冴子の目が虚ろに成ったのを見て、加藤が合図すると両足が大きく広げられて、上に上がった。
冴子の身体は肩が畳に付いて居る状態。
下半身が大きくライトに照らされて、陰部が丸見え状態着物は帯から下が捲れあがった状態。
足を吊り上げられ手、丸見えに成って、左右に目一杯に足が広がっている。
「さあ、剃毛を始めるわ」
「もう、感度が良くなって、よく判らないのよ」
全員が立ち上がって、冴子の股間を見て居る。
「綺麗でしょう、此処」
「本当だ」
「SEXの回数が少ないのよ」
「もう、愛液が見えているでしょう」
膣に光る液体が見える。
亀井がシェイビングクリームを刷毛に付けて、冴子の股間に塗りだすと「あっ、あっ」と声を出す冴子。
亀井が冴子の黒い陰毛にクリームを刷毛で何度も塗ると「あっ、早く、剃って」と言う。
「聞いたか、お強請りしているよ」
友田が剃刀で剃り始めると「ジョリ、ジョリ」と下腹部を剃刀が移動すると「いい、きもち」と言う。
「此処を見て下さい、愛液が沢山出ているでしょう」と加藤が指を指す。
友田がクリトリスの廻りを剃ると「ジョリ、ジョリ」「ああー」と声が大きくなる。
「知的美人のこの姿は格別だな」と会長が微笑みながら言う。
「このスタイルは剃り易いですね」と友田が膣の廻りの肉を引っ張って剃ると「いゃー」「いゃー」と言いながら感じる。
「ジョリ、ジョリ」と小陰唇の陰毛を剃りあげて「肛門にも生えているわ」と刷毛でクリームを塗る。
やがて友田が綺麗に剃りあげて、つるつるの陰部をタオルで拭き取った処に雅治が連れて来られた。
「おお、良い処に来たな、ほら、見てみろ、マンコが良く見えるだろう、惚れ直したか」そう言って笑う。
「パンツ一丁にして、そこに縛って見学させてやれ」
直ぐさま、脱がされる雅治、そして縛られて、柱に、雅治の股間は大きく成って、余りにも刺激が有ったのだ。
暫くして、冴子は足を降ろされて、「苦しいだろう、脱がせてやれ」三人係で帯を解いて、着物を脱がせる。
着物が脱がされ長襦袢に、上半身だけ肩から脱がせて、肌襦袢を脱がせると、綺麗な乳房が乳首を立てて、みんなの目に入る。
「おお、たまらん」兼田が直ぐに乳房を揉みにいった。
「ああー」と反応する冴子。
「本当に感度の良い女だ」
「この冴子は今まで二人の男と数回しかSEXをしてないのですよ」
「そうなのか?」
「前の男が亡くなって三年近くしていません」
「何と、勿体ない」後ろを向いて
「お前はまだ、この女と寝てないのか?」と雅治に尋ねるが、猿轡で喋れないが、頷く雅治。
「そうか、今から先生がこの女の凄い処を見せてくれる、よく見ておけ、明日には俺が遊んでやる」兼田が雅治に向かって笑う。
燃える冴子
13-16
「先程の注射で理性が無くなるのよ、彼女は元々名器で感度も良かったのよ、それを開発してあげたのよ」
「「薬は何時間程効力が有るのだ」
「二時間程です、玲奈のガスも同じです、ガスは何度も使えません、中毒に成ります」
「冴子の薬は?同じ様な物です、これは効かなく成りますね、三年振りだから、効果が高いのです」
「殆ど覚えて無いのか?身体は覚えますよ、何をされたか、私達の話は理解が出来ないのです、聞こえて居ますよ」
冴子を寝かせて湯桶に随喜サックを入れて持って来た。
「猿轡をして」
乾が口を開けて布をねじ込む、日本手拭いで口を覆って、後ろで縛る。
「大きな声でも外には聞こえないのに」
「暴れて、舌を噛みます」
「成る程」
「押さえて下さい」
亀井と、友田が膝を押さえる、肩を乾が押さえる、
加藤が裾よけを捲り上げて足を開いて、指サックが一本挿入されて「うぅ」と反応をする。
「これをされると、男性のペニスを入れてやらないと狂いますよ」
加藤の指が動く、仰け反る冴子。
「あーあ」と聞こえる声、綺麗にセットされた髪は無残に乱れて、首が反り返る、腰が動く、梅田がたまらないと乳房を揉みながら、 見とれて居る。
指が二本に成り膣の中をかき混ぜられる。
もう冴子の身体は押さえていても動き、四人で押さえている。
「見えないか、見せてやろう」
雅治を冴子の姿が見える場所に連れて来る。
「おおー立派に成っているじゃあ、ないか」
兼田が雅治の股間を握る。
「うぅ」益々仰け反る冴子。
「誰が、静めますか?」と加藤が聞いた。
本当は乾が手を上げたいのだが、会長に遠慮して言えない。
「この男に思いを遂げさせてやろう、我々は明日だ」
加藤が股間から離れて、裾よけを外されて、全裸にされた冴子。
まだ余韻で身体が動いている。
猿轡が外されると、唾液でもう布の形が無くなっている。
外されると大きく息を吸う冴子。
兼田が乳房を触ると「ああー」と身体をびくびくと動かす。
雅治のブリーフを一気に脱がすと、立派なペニスが隆起している。
身体を押さえられて、加藤がペニスを持って、冴子の膣に挿入する。
「あああーーー」
「先生、いいわー」と声を上げる。
腰を動かせと言われる雅治、興奮で腰を動かす雅治。
気持ちではすみません、と思いながらも身体は動いてしまう。
「ああー、行くーー」
「逝っちゃうー」
「だめーー」と仰け反って痙攣を起こして、失神した冴子。
同時に雅治も発射して、冴子の胸に顔を埋めた猿轡の雅治。
「中々、だった」
雅治が冴子から引き離されて、再び柱に全裸で縛られた。
先程までのペニスはお辞儀をして、項垂れていた。
漸く清水大治が到着した。
「親父遅い」
「これでも急いで来たのだ」
沢山の部下を連れて来ていた。
「その辺りに居る、チンピラを始末して来い」
十数人が路地に居た連中を次々と片づけて乗り込もうとした時、佐山達がやって来た。
「遅く成ってすまん」
「乗り込もうと思うのだが」
一平が
「今の、状況から考えると、藤堂さんは陵辱された可能性が高いと思われます」
「そうよね、藤堂冴子さんは有名人よね、此処で事件が発覚すると彼女には命取りに成るわね」と珠恵が言った。
「我々も管轄外だから、防ぎ様が有りませんね」と佐山が言う。
「じゃあ、此処は暴力団同士の交渉で救い出しますわ」大治が言う。
「どうしても返さなければ、最終手段で行くしかない、命には代えられませんから」
「救急車を手配して、何人捕らえられているか判らないから二台呼べ」
「はい」伊藤が呼ぶと、大治が手下と共に、玄関に向かった。
取り巻く兼田のチンピラ、一目で親分と判る大治に襲いかかっては来ない。
「会長、大変です」
「どうした?」と内線の電話に応対する兼田。
「会長が来ています」
「会長は俺だ、アホか」
「違いますよ、神明会の会長ですよ」
「えー!」兼田の声が裏返る。
「こんな時間に殴り込みか」
「兎に角来て下さい」
驚きながら身支度をして「また、明日だ」と加藤達に言って地下室を出た。
「適当に着る物を持って来て、風邪でも成ったら、 明日からの楽しみが無くなるわ」
冴子に簡単に着物を着せるが、意識はない。
加藤はまさか、地下室の人達の救出に来たとは思っていないから、「冴子にも睡眠薬を」と友田に指示した。
「おい、誰か居るか?」と真木の声「はい」と加藤が電話に出る。
「地下のみんなを帰す、準備してくれ」
「えー」
「仕方が無いのだ」
「判りました」
「睡眠薬は中止だ、帰らす準備をして」
「はい」
何が何だか判らない加藤、救急車の止まる音。
大治と兼田のやり取りは
「兼田さんよ、わしがこんな時間何故此処に来たか判るか?」
「変わった時間起こしで驚いています」
「実は、わしの娘の結婚式の司会をお願いしている、 藤堂冴子さんが此処に来ていると聞いたので、迎えに来たのだよ」
「何の話しだ、知らないな」
「娘が、局からタクシーで着いてきて、此処に入るのを見たと言うのだよ」
「えー!」 兼田はしまったと云う顔をする。
「何なら、探さして貰おうか?」
「待ってくれ、その様な女が遊びに来ていたかも知れません」
「そうか、会長は物分かりが良いな」
「おい、調べて来い」と真木に言う兼田。
「救急車が来た様だ、隊員に入って貰え」
救急隊員が担架を持って四人入って来た。
「他にも、関係者が居る様だが、運転手とか」
「連れて来い」
チンピラが木崎を連れて来た。
救急隊員が、二つの担架を持って、 屋敷を出て行った。
遅れて馬籠雅治も担架の後に付いて、屋敷を出て行った。
「会長、邪魔したな、関東圏では大人しくしてくれよ、頼むよ」
そう言って清水大治は子分を連れて出て行った。
「くそ!腹が立つ男だ、お前ら何を見張っていたのだ、尾行の連中が居るか調べて始末だと言ったのに」
「会長、残念でしたね」と加藤が言うと「訳の判らない男に楽しませてやっただけだ!くそ!」と興奮する。
「会長、またチャンスは有りますよ、目の保養は出来たし、玲奈とは出来たじゃあ、有りませんか?」
「いや、まだ遊び足りない、玲奈の手術も見たかったし、冴子としたかったから、実に残念だ」
「会長、乱闘に成らなくて良かったですよ」と真木が言う。
「あれ位の人数なら」
「いいえ、警察が来ていました」
「何故、入って来なかったのだ」
加藤が「藤堂冴子さんが困るからでは?」
「有名人だから?」
「多分、スキャンダルが恐い」
「撮影はしたのか?」
「していません」
「間抜け、め!」
兼田はふて腐れて、寝てしまった。
救急車で運ばれた二人、木崎と佐山達が付き添いで、「一応今後の事も有るから、調べて貰って 、体液が有ればお願いします」と医者に頼んでいた。
婦人科に運ばれた冴子は、意識は戻ったが放心状態。
玲奈は眠った状態、冴子が先に診察台に衣服を脱がされて、全裸にされて、傷とかを調べる。
看護師も医者も藤堂冴子と知っている。
有名だから、 乳房の上下に縄の後と診断書に書かれて、婦人科台に乗せられて、大きく足を開いて、 「剃毛をされていますね」
クスコを挿入すると「あぅ」と声が出る。
「何か、薬を飲まされて居るか、注射されていますね」
中を調べて「体液が残って居る、採取して、洗浄」
冴子の治療と検査が終わって、鎮静剤で眠ると、入院に成った。
記憶が無いのが幸い
13-17
玲奈も同じ様に診察を受けた。
「乳房の上下に縄の跡、両膝にも縄の跡が有ります」
「相当膣が傷ついて居ますね、経験が少ない状態で襲われた様ですね、SEXの跡は有りますが、体液は有りませんね、ゴムを着用していた様です」
玲奈は睡眠薬を打たれて居たので、そのまま入院に成った。
「二人共、レイプされたのね」
「そうよ、変態にレイプされたのよ」と看護師が話していると医師が「今の話しは、絶対にしては成らない、気を付ける様に、暴力団が関与している、君たちも危ないから」
「はい、判りました」と二人の看護師は驚きの表情に成った。
馬籠雅治は、一人始発電車で東京に戻って行ったが、頭の中には、強烈な構図が次々と蘇って来て、落ち着かないで自宅に帰った。
「雅治、朝帰りか?」と不思議そうに泰三が見て言う。
「具合が悪いから、寝るよ」と自分の部屋に入ってしまった。
翌日、玲奈が目覚めたのは十時、自分は何故?病院に?
「あっ」と加藤達に捕まって、ガスを吸わされた。
その後の事は何も覚えていない。
パジャマの中に手を入れて、陰部を確かめる、以前は剃毛されたから、気に成ったのだ。
「あ!大丈夫だ」
助け出されたのか助かったのね、安心したのか、お腹が空いて居た。
そこに看護師が来て
「目が覚めたのね、お腹空いたでしょう」
「はい、鏡有りますか?」
「じゃあ、食事と一緒に持って来ます」
玲奈の髪から、布とか飾りは無くなっていたが、とても変な髪型だったのだ。
鬢付け油で固めて居たから、鏡を見て「わー、何この髪は?」と看護師の前で言う。
「食事が終わったら、院内の美容室に行けば良いですよ、ガウン着れば行けますよ」
「そうなの」そう言うと無心に食事を始めた。
同じ病院に冴子が入院している事は知らない玲奈だ。
冴子が目覚めたのは、午後に成ってから、 冴子の記憶は加藤達に捕まって、縛られて、ワカメ酒を二人の男に飲まれて、首に注射を打たれた。
その後の記憶は殆ど無い、病院で治療を受けたのは微かに覚えていた。
玲奈と同じくパジャマに手を入れる冴子「無い」
あれから、悪戯をされたのだ、どの様な事をされたのだろう。
SEXを誰かとしたのだろうか?あの暴力団の人達?わー、嫌だ。
でも何故、病院?誰かが助けてくれた?玲奈は無事?と考えていたら、看護師がやって来て
「お目覚めですか?」
「お世話に成っています、妹もこの病院でしょうか?」
「はい、元気に成られて、食事をされて、今、院内の美容室に行かれていますよ」
「そうですか、良かった」
「食事されて、藤堂さんも美容室に行かれたら?」
「はい、私が此処に入院している事、妹は知っているのですか?」
「いいえ、知らないと思いますよ」
「お願いです、言わないで下さい」
「はい、判りました」
冴子もその後、食事をしたが、誰が助けてくれたのか?
誰かとSEXをしてしまったのか?それが心配だった。
大病院は設備が凄い、
理髪店、美容院、喫茶、食堂、クリーニング、軽い運動の場所、本屋と町の様だ。
冴子も玲奈に会わない時間に美容室に向かった。
余りにも変な髪型だったから、意外と店は空いて、二人の美容師が応対している。
「シャンプーとセットお願い出来ませんか?」
「シャンプー台どうぞ」と言われて腰を掛けると
「今日は似た様な人が多いですね、何か有ったのですか?」
「何が?」
「先程も日本髪の乱れた女の子が来ましたから、綺麗な子だったな」
「何か言っていました?」
「昨日飲み過ぎて、運ばれちゃったって言っていましたね」
冴子は思わず笑いを噛み殺した。
上手に言うものだわ、結婚式の二次会で飲みつぶれて運ばれたのか!
シャンプーが終わって、セットに成って、鏡を見て 「お客さん、何処かで見た事有るのだけれど思い出さないわ」
「世の中に三人似た人が居ると言いますから」と笑う冴子に「お客さんも髪をセットしたら、美人に成ったわね」と言ったので 「ありがとう」と言って店を出た。
病室に木崎が頭に包帯を巻いて来ていた。
「木崎さん、大丈夫?」
「大丈夫です、社長は大丈夫ですか?」
「何とか回復したわ、玲奈には会った?」
「いえ、まだ会っていません、
お二人のお洋服を取りに帰っていました」
と袋を二つ差し出した、
「着物は?」
「帯と着物は家に持ち帰りました、玲奈さんのも一緒に」
「ありがとう、私が着替えたら、
一緒に玲奈を迎えに、来た事にしましょう」
「はい、外でお待ちします」
木崎が病室を出ると、着替える冴子。
気が効くわ、センスよく揃えて有る、山田さんかな?ハイヒールを履いて完成、颯爽と病室を出て、玲奈の病室に入った。
「お姉ちゃん、木崎さん、その包帯は?」
「いや、頭をぶつけてしまいまして」
「そう、気を付けてね」
「玲奈、身体は大丈夫?」
「加藤と乾に襲われたけれど、誰かが助けてくれたみたい、何処も悪く無いのよ」と嬉しそうに言う。
「だって、あそこの毛、何も成ってなかったから」と冴子の耳元で囁いた。
「これ、着替えよ、外で待っているわ」と紙袋を二つ渡して二人は病室の外に、着替え出す玲奈。
パンストを履きなが 「あれ?膝に何か?」と独り言を言う。
今度はブラジャーを着けながら、同じ様な形が残って居る。
部分的に縄の跡が残っていたので、よく判らない玲奈。
痛く無いので、そのまま上着を着ると病室を出て 「はい、帰りましょうか」
木崎が支払いをしたので、玲奈には判らなかった。
三人が出て行くのと入れ違いに佐山と一平が病院を訪れて、昨日の診察の医師の見解を聞いて帰った。
「佐山さん、僕はあの家に加藤が居たのでは無いかと思いますが?」
「俺も、そう思った手口が似ているからな」
「二人共怪我が無くて良かったですね」
「もし、加藤が居たら、また何か仕掛けて来るな」
「我々は管轄外ですから、監視は出来ませんが、恐いですね」
「先日刑期を終えた連中がまた繋がっていたら、復讐をする可能性が有るな」
「危険ですね」
病院の検査結果は一応署に保管に成った。
もし次の犯行が行われた時に使えるからだ。
数日後乾が
「会長、私の友人の甲斐社長が面白い物を制作したので、 是非買って欲しいと言って明日来るそうです」
「今は面白くないから、余程良い物で無かったら買わない」
「一度見てやって下さい」
あの日、神明会の清水に藤堂姉妹を取られた事と言いたい放題言われた事が腹立たしいのだ。
翌日一月十日いよいよサンセットHDの上場日に成った。
冴子は売買用に五万株の買い物を入れた。
冴子の予想を上回る買い物で、気配値がどんどん上昇していく、対談の放送の影響かも知れない。
固唾を飲んで見て居るのが、佐山英子、伊藤久美、そして美優だ。
普段、株は見た事無い三人が必死で見て居る。
暫くしても寄らない、七千円の大台を超えてもどんどんあがって行く。
「嘘でしょう、七百万超えたわ、子供の服が沢山買えるわ」と美優が言うと
「美優さん七百万よ、服ではないわ、宝石よ」
暫くして「八千円よ、待って八百万よ、嘘でしょう、八倍よ」
結局前場はそのまま引けた。
「値段が無くなったわ」
「嘘でしょう」
「だって、消えたから」
訳の判らない興奮の二人。
SEXマシン
13-18
後場もどんどん上昇してゆく株価、 もう美優と久美は気が変に成りそうだった。
「一平の給料が次々と増えるのよ」
「違うでしょう、百万が今、一千万よ!」
「ワオー一千万って退職金?」
「もう少し有るでしょう」
「今、辞めたら」
「そんなに無いわ」
「今、退職金を超えた?」
訳の判らない話しで興奮の二人、 後場の終了間際に一万一千八百円の価格が付いて終了した。
冴子は六億で購入した事に成る。
二人を助けてくれたのが、珠恵と知って、感謝の初値だったのかも知れない。
あの時助けて貰えなければ今頃自分も玲奈もどの様に成っていたのかも知れなかった。
自宅に帰った夜電話が「清水珠恵です、お身体大丈夫ですか?」
「えー?」
「あの日、夜お礼を言う為にテレビ局で待って居ましたら、血相を変えた冴子さんが車で行かれるのを見まして、後を尾行したのです」
「えー珠恵さんが?」
詳しい経緯を始めて知る冴子。
「もう一人、尾行の車が有りましたが、私ひとりではどうする事も出来ずに、父を呼びました。もう少し早ければ良かったのですが、すみません」
「助かりました、妹も私も命も危ない処を助けて頂き感謝しています、ご存じの様に私の父は暴力団の親分です、ご迷惑が掛かると思い、病院には行きませんでした」
「そうですか、気を使って頂きありがとうございました」
「妹さんを助けに行かれたのですね」
「はい、でも妹は知りませんので、よろしくお願いします」
「判りました、早く回復されて、結婚式でお会い致しましょう」
「あの、先程もう一人テレビ局から尾行された方はどうなりましたか?」
「屋敷を覗っていて、捕らえられて、中に連れて行かれましたが、 何方なのか、判りません」
「そうですか?」
「三十歳前後の男性でした、端正な顔立ちの」話しはそれで終わった。
冴子には感謝以外の言葉は無かったのだ。
助け出される迄の時間、何をされたのかは?時間的に一時間程。
剃毛をされているから、その時間を差し引くと僅かかも知れ無いと、 自分に言い聞かせて立ち直っていた。
三十歳位の端正な顔立ちの男性?後籐君は着物を着ているから、直ぐに判る。
それにもっと若い、自分を知っていて、タクシーで海老名まで追い掛けて来る人?
そんな人に心辺りが無い、タクシー代も膨大だ。
兼田の味方なら、様子を覗って連れ込まれる事は無い。
その日の夜はそれを考えると、眠れなかった。
日曜日には、 玲奈が一緒に露天に入ろうと誘ったが断った冴子、陰毛が無い説明を出来なかったからだ。
日曜日には着物で司会の予定だったが、流石に洋服に変更した冴子だった。
式場の打ち合わせを金曜日の午前中に済ませて、三時に局に入った。
今日は全く株を見て居なかったので、携帯で始めて調べる。
殆ど全体は小動き、冴子のお年玉銘柄は新値街道を上昇していた。
驚いたのはサンセットHDの株価だった。
何とストップ高に成っていたのだ。
珠恵の親父の工作で、、知り合いに買わせていたのだ。
少しでも沢山集まれば恐ろしい力に成る事を実証したのだ。
結婚式の引き出物代わり、株価は一万四千八百円を付けていたのだ。
目を丸くしたのは、久美と美優だった。
「美優さん、一日に三百万よ」と叫ぶ久美、美優は一平の年間の稼ぎが二日?と泡を吹いていた。
二人には全く売り時が判らない。
そんな久美に夕方冴子が電話で 「サンセットはそろそろ売りですよ」と話した。
「何故?知っていらっしゃるの?」
「私も同じく分けて貰いましたので」
「そうだったのですか、相場の先生の教えですから、 月曜日に売ります、ありがとうございます」
冴子は三人には感謝していた。
真夜中に駆けつけてくれて、救急車の手配、病院の手配、事件にしなかった事に感謝していた。
もし事件に成っていたら、今頃自分は大変な事に成っていた。
妹は命を絶つかも知れない恐怖があった。
此処でも冴子の頭に出て来るのは三十歳の男性だ。
もし週刊誌の記者なら、スクープに成って来週、発表されるからだ。
そうなれば二人は終わりだから恐い、今の処、全く接触は無い。
もう一人あの日から人が変わってしまった男が馬籠雅治だ。
毎日あの情景を思い出して、興奮と冴子に対する恋をしていたのだ。
「雅治、お前あの朝帰りから変だ、どうしたのだ、仕事は上の空、何処か具合が悪いのか?」
「別に」
「藤堂冴子さんは良い人だっただろう、お前が考えて居た様な、芸能界の人では無いだろう」
「はい」と元気の無い返事。
「生で見ると全く違うだろう、今度公開見合いパーティに出演するらしいが、若しかして決まってしまうかも知れない、後で後悔しても遅いぞ」
「親父その見合いって、俺も出られるのか?」と急に元気に成る。
「抽選だから難しいかも」
「親父が頼めば一人位行けないか?」
「お前は見合いがしたいのか?藤堂冴子さんと交際したいのか?」
「兎に角一人入れてくれ」
「藤堂さんと付き合うなら、私が会わせてやるのだが、見合いがしたいのか?」
「そうだ」
元気の無かった雅治が急に元気に成って驚く泰三。
雅治は妹を助ける為に悪党の巣に飛び込んだ冴子に心を奪われていた。
前の彼氏は二年以上前に亡くなっている。
その彼氏とも半年も付き合っていない。
それなのに思い続けて、誰とも付き合わない冴子の心に惚れてしまったのだ。
でも冴子は自分が二年ぶりのSEXの相手だった事を記憶していない。
SEXは最高だったが、設定は最悪だったが、 あの感触、反応、 肉体どれをとっても雅治が過去に体験した事の無い物だった。
その日から身体にも心にも恋をしてしまった。
兼田が地下室で加藤を交えて、AV女優に薬を飲ませて錯乱状態にして、実験を始めていた。
「面白い機械を次々と開発するわね、玲奈の髪を切った美容椅子も面白かったけれど、これはどんな反応をするのかしらね」
「これは、自動SEXマシンだな」
女を友田と亀井と乾が抱えて、台に寝かせる。
手首を固定する女は目が虚ろ、撮影用のガスで酸素が出ると言って玲奈に吸わせたガスを吸わせていた。
足を大きく開かせて固定すると、腹にベルトを巻き付けて、 ピストン運動の長い棒の先にイボイボのペニスの形の物が付いて居る。
これは女によって変更が可能の様だ。
角度を調節して、先を女の膣に少し入れる。
「うぅ」相当大きい物だ。
「これは太いな」
「この女はSEX慣れしていますから、これ位が良いかと」ローションを塗り込んで、スイッチを入れた。
ペニスがゆっくりと入って行く。
「ああー」と声が出る。
「大きいから、止めて」
奥に入ったのかを確かめる加藤。
「もう少し入れて」また少し入る。
「奥に届いたわ」
その位置で同じ深さ同じ角度で何度でも動く、後は早さの調節だけだ。
「ゆっくり、動かして」
ピストンがゆっくり動き出す。
「ああー」
「ああー」と大声が出だす。
「少し早くして」ピストンが早く成る。
「ああー、いくー」
「だめーだめー」と叫び出す。
「もっと早く」速度があがる。
「やめてー、こわれるー」
「だめー、だめー逝っちゃう」
仰け反る女、膣から滴り落ちる愛液、軈て、身体は痙攣を起こしてしまったが、それでもピストンは動き続ける。
「これは、凄い、大抵の女は腰が抜けるな」
「この女もいつもはお芝居で仰け反るが、今は完全に気を失っていますよ」
「此処に冴子を寝かせたいな」と笑う兼田だ。
珠恵の挙式
13-19
日曜日、サンセットブライダルの式場には大勢の取材の人が駆けつけていた。
藤堂冴子がテレビの仕事以外で結婚式の司会をすると云う話題で、集まったのだ。
人気の高さが伺える。
テレビの特番で発表していたので、一般の見物客も大勢来ていた。
父親清水大治は感無量で朝から何度となく泣いている。
「先日は危ない処、助けて頂きありがとうございました」 と控え室の大治に挨拶に伺ったのだ。
「元気に成って良かった、今日は娘の為に態々来て頂いてありがとう」と手を握って礼を言う大治、とても日本一の暴力団の親分には見えない。
式が始まって、ドレスに身を包んだ冴子が 「本日、僭越ながら司会を務めさせて頂きます藤堂冴子と申します、何分テレビと違い、この様な場所が不慣れでございまして、お聞き苦しい点が有るかも知れませんお許し下さい」とお辞儀をすると拍手が巻き起こる。
式は進み
「新婦、珠恵さんの入場です、エスコートは男手一つで育てられたお父様の清水大治様です、 盛大な拍手でお迎え下さい」
音楽と共に珠恵が文金高島田でチビの禿の不細工な親父にエスコートされながら登場した。
組員は会場を取り囲む様に監視をしている。
全員礼服を着て、サングラスは御法度、 髪も普通の組員、暴力団と思われる人相の人間は排除されて、一般人が着たら、笑顔で接する様にと指示が出ていた。
幼少の頃の紹介の頃には、もう大治は公然と泣いていた。
誰もそれを笑う人は居ない、感無量だった。
会場では冴子が披露宴の進行を進める。
仲人が挨拶をして、新郎側の主賓の挨拶、新婦側の主賓の挨拶、乾杯の音頭と昔ながらの披露宴が進む、これは大治の希望でも有ったのだ。
大きなケーキに二人でナイフを入刀、カメラが一斉にフラッシュを、中には冴子を写すカメラマンも多数居た。
食事をしながらの、しばしの司会者の沈黙。
お色直しで仲人の夫人が珠恵の手を持って挨拶をして、会場を後にした。
司会者は暫しの休み、頃合いをみて、祝電を次々と披露する冴子。
此処はアナウンサー、素晴らしい、流れる様な読み方に会場から、拍手が巻き起こる。
次に新郎がお色直しに退席をする。
此処で冴子も衣装を急いで変更する。
戻るとお色直しをした新郎新婦の入場の案内
「各テーブルに、新郎新婦がキャンドルサービスで挨拶に参ります、是非激励のお言葉をお掛け下さい」
此処でまた写真を撮影する人が入り乱れる。
最後に大きなハートの蝋燭に点火して、二人が着席。
此処から、友人、上司のスピーチに歌が次々と披露されて盛り上がり、和やかに成っている。
暫くして新婦から、父大治への手紙が、珠恵が読み上げた。
一人で育ててくれた感謝の言葉で一杯だった。
司会の冴子が涙声に成って居たので場内のみんなが涙した。
勿論大治は大声で泣いていた。
暫く間を置いて花束贈呈にドレスとタキシードの二人は珠恵が阿倍律子に阿倍達郎が大治に手渡す。
「頼むぞ」と大治が達郎に握手を求めた。
お互い片親で苦労をして育てた大治が律子の手を握って握手をしていた。
最後に
「本当は、新郎達郎様から、本日ご列席のみなさまにご挨拶がございます」 と冴子が紹介して、四人が並んで、達郎が挨拶をした。
最後に冴子が、閉会の挨拶を述べて、両親と新郎新婦が並んで会場の入り口に来賓のお見送りをしたのだ。
普通なら暴力団関係の結婚式の司会をすれば、大変な事に成って、とてもテレビに出られない筈、週刊誌は何処も悪い事を書かない。
大治は色々な方面の人脈と人柄でその地位を築いていた。
警察も一目置く存在、その男が娘の結婚式で大泣きをしたのだ。
それを各誌は一同に人柄とか涙もろい、人情味が有ると褒め称えるのだ。
結婚式が終わって、静かに成った冴子の控え室にその大治がやって来て 「ありがと、最高の披露宴だった、ありがとうとう」手を握って感謝を述べた。
冴子も喜んで貰えて、嬉しい結婚式だった。
大治は式場を後にすると、親分の顔に戻って居た。
兼田は先日の一件以来、清水大治を良く思っていなかった。
だが相手は大きい組織、簡単に手が出せる力もない。
何かを仕掛けて失敗すれば、兼定会も自身も破滅するから、 だがチャンスは狙っていた。
兼田に面白い話が飛び込んで来た。
病院が売りに出ていると云うのだ。
個人の婦人科病院が院長の事故死の為に設備もそのままに売り出されて、新しく病院を開院されるなら、お得ですよ、だったのだ。
元々お産はしていなかった様で、 不妊、中絶、その他の婦人病専門だった様だ。
加藤が「もう、此処では、中々捕まえられません、そこを買っては如何でしょう」
「場所も横浜ですから、遠く無いです」
「お前達が開院するのか?偽医者が?」
「今更、患者は診られません、普段は何もしません、ビデオの撮影位でしょう、此処より相当いい絵が撮れますよ」
「新横浜と横浜の中間の住宅街で、少し本通りから離れて居るが、場所はどうだ」
「良いのでは、特に有名人には隠れて居て良いと思いますよ」
「よし、此処を買おう」
「例の機械も移動しましょう、新しく電気の治療器も着ていますよ」
「何だ!それは?」
「弱電流を流して、痺れさせるのですよ」
「おお、面白そうだ、移転して設置したら実験して見せてくれ」
兼田は楽しみが増えたと喜ぶのだ。
月曜日に久美も、美優も佐山もサンセットHDの株を冴子の指示の通りに売り抜けていて、勿論冴子も五万株を売っていた。
一万六千八百円寄り付きの値段で、買い気配で全員売ったのだ。
一万七千二百円から下落に転じて、一万三千八百円、冴子は二億五千万の利益を得た事に成る。
美優達は一千五百万儲けて天にも昇る気分に成っていた。
英子はこの金を元手に株を始めようと考えて、久美は自家用車を買うと決めた。
美優はうっとり眺めて居たのだ。
その後は一万二千円から一万四千円の往来相場に成って居た。
久美は大喜びで冴子にお礼の電話をして 「ありがとう、ございました、」
「良かったわね、儲かったでしょう」
「はい、車を買おうかと思っています、英子さんは株を始めるみたいですよ、佐山さんの奥様です」
「まあ、恐いわね」
「冴子さんの推薦銘柄から始めると話していました」
「美優さんは?」
「大金で頭が回らないそうですよ」
「まあ、それも大変ですね」
「私も少しは投資しょうかな!」
「中々、難しいですよ、腹八分目が中々出来ないのですよ」と笑った冴子、久美は冴子の助言に感心していた。
雅治の思惑
13-20
数日後、馬籠雅治が父泰三に「見合い頼んでくれた?」
「まだ、だよ!忙しいから中々会えないのだ」
「早く申し込まないと締め切りに成ってしまうよ」
「お前、熱心だな、良い子探して、結婚するのか?私は藤堂さんが良いと思うが、な!」
「お父さんが頼んでも、話しに乗って来ないと思うよ」
「そうなのか?じゃあ、もしデートしても良いと言われたら会うか?」
「そうだな、もしも会うと言ったら会うけれど、多分結婚には成らないよ」
「何故だ?」
「親父に義理立て会うからだよ」
「そうなのか?」泰三は息子雅治の考えが判らない。
数日後、事務所に行った泰三は、久々に冴子に会えた。
個人の確定申告の話しなので、冴子も真剣なのだ。
応接室で 「社長、少し儲けすぎですよ」
「沢山、税金を払わないと行けませんよ」
「これでも、会社からは、僅かしか貰ってないわよ」
「株が上手すぎですな」そう言って笑う。
「実はお願いが有りまして」
「改まって、何でしょう?」
「今度のラブサンセットのイベントに一人入れて欲しいのですよ」
「何方を?」
「息子ですよ」
「息子さんを!ですか?」
「そうです、三十歳に成るのに結婚も恋人も居ないのですよ」
「それで?」
「私としては、誠に厚かましいのですが、社長の様な方を奥さんにしなさいと言うのですが 、此処に会いに来ることも無いのですよ」
「先生買いかぶりですよ、私なんてとても息子さんの相手には相応しくないですよ」
「逆ですよ、息子には勿体ない、大金持ちで、お綺麗で、仕事も素晴らしい、兎に角私がもう少し若くて独身なら、諦めませんがね」
「先生冗談がお上手ですわ」
「息子に先生とデート出来たら、会うかと聞きましたら」
「もし会っても、親父に義理立てで会うだけで結婚は絶対に無いと言うのですよ」
「中々鋭いですね、当たっていますね」
「えー、息子の言う通りですか?」
「はい、私はまだ彼を忘れられません、今度のラブサンセットも成り行きで出ますが、全くお付き合いをする事はないでしょうね」
泰三はそう言われて、希薄だと思い息子の頼みだけを お願いして帰って行った。
泰三が帰ってから、冴子は心の中に泰三の息子雅治の言葉が引っかかった、
自分の心の中を見られた様で、気に成ったのだ。
ラブサンセットの催しは二月の終わりから、順次開催の予定で、申し込みが順次締め切られていた。
応募の数は膨大な人数に成って居た。
各地の参加者は無作為の抽選に成った。
唯、東京のテレビ中継の人選は履歴書を厳重に調べて、局とラブサンセットで吟味して決めるのだ。
勿論冴子の推薦の馬籠雅治は無条件で参加が決まっていた。
男性九十九人女性九十九人が選ばれて、一時審査を通過した各五十人が本選に出られるのだ。
最終的には男性五十人女性が五十一人に成る。
テレビの中継の収録は三月下旬で一番最後に行われる。
二月に成って、購入した病院の内装が行われて、元々有った設備に、新しい設備を設置して、看板には完全予約制と書かれていたが、電話番号も何も書かれていない。
防音の工事を行って、あの電気治療器、SEXマシンの設置、診察台には束縛のチェーンベルト、撮影の設備が備え付けられる予定だ。
「此処に、斉藤医師も来て貰って、撮影をして貰おう」
「此処は、何を?」
「此処は、調教ルームにする、予定だ、 檻を作って放り込む場所も作れる」
二階が住居に成って居たのでそこも改造をして使おうとしていた。
後一ヶ月を要して造り変える予定、加藤と兼田は一階の改装を見て満足そうに帰って行った。
加藤は再び真由を使って二人を捕らえる計画を練る。
今度は完璧に改造してやる、玲奈を先ずは捕らえて此処でSEX奴隷に仕立ててやろうと考えていたのだ。
玲奈はあの事件の後、週に数回オナニーをする様に成って居たのだ。
気持ちが良いのが、自分でも不思議だったが、気持ちの上でも、今までの様に極端に男性を拒絶しない。
これまでは、横に男性が座ると少し、間隔を取るのが無くなっていた。
真由はそれを感じていたのだ。
その真由に加藤が一度会いたいのだがと電話をしてきたのだ。
お前のした事を暴露すると言われたら、仕方が無かった。
真由は恐々加藤の呼び出しに応じた。
「別に怖がらなくても良い、言われた事をすれば今までと同じ様に何も起こらない」
「今度は何をすれば良いのですか?」
真由の耳にはあの別宅での出来事は耳に入っていなかった。
玲奈も前と変わらない、 それより男性拒絶が無くなって明るく成ったと思っていた。
あの日何の為に、玲奈を連れて行ったのか?不思議だったのだ。
局の社員の権藤も暴漢に襲われて車を取られたと言ったが車も返却されて、何が何か判らないのだった。
加藤は真由に二種類の薬を渡して、「これを指示したら飲ませるのよ」
「誰に!ですか?」
「それも連絡する」
「飲むとどの様に成るのですか?」
「それも、後程連絡する、今までと同じく、二人のスケジュールと行動を連絡しろ、これは小遣いだ」と加藤は十万の封筒を渡した。
「こんなに、貰って困ります」
「上手にやれば、もっとやる、暴露されるのと、小遣いが貰えるのでは、段違いだろう」
「はい」
「判ったら貰って帰れ」
袋には白の袋と透明の袋に粉の薬が入っていた。
睡眠薬?真由はその様に考えて持ち帰った。
翌日から二人のスケジュールと行動がメールで届く
(ご苦労だ、お前の銀行の口座を連絡しろ、これからは振り込む)
(もう充分です)
(まだ、これから頑張って貰わなければ、それとも辞めて、暴露を選ぶか?)
(いいえ)
こうして真由は泥沼に足を沈めて行った。
冴子の毎日は忙しい、殆ど休みが無い 、講演会、本の出版、サイン会、各地の証券会社に引っ張りだこの休日、平日はテレビ局と完全休日は月に二日程度に成って居る。
テレビの関係で中々地方の講演会には行けないのが現状だ。
年間で休めるのは連休の多い五月位、三月の末には、二日掛かりのラブサンセットの収録が待っている。
三連休の二日間がそれで無くなる。
それでも冴子には楽しいと言うより、忘れられるのが嬉しいのだ。
一人で時間が有ると新藤が蘇るから、それの方が辛いのだ。
一月の事件はすっかりと忘れていた。
唯、加藤を逮捕したい気持ちは有った。
だが今警察も動けない状態、自分の地位と有名に成りすぎたのが災いをして、逮捕の行動に出られない諸刃の剣状態だった。
二月も終わろうとしていた。
確定申告の書類を持って馬籠泰三がやって来て、先日の息子のお見合いパーティに優先参加の礼を言ってから、不思議な事を言い出した。
「実は家内が、息子の部屋を掃除していて、息子の引き出しを何気なく開けると、 藤堂さんの写真とか切り抜きが、一杯入って居るのですよ」
「えー、私のファンだったのですか?」
「それだけではありません、貴女が出された本も統べて、本棚に並んで居たのですよ」
「えー、素晴らしいですね」
「正月の特番のスタジオ見学に行ってから、変なのです」
「正月の特番?スタジオ見学?」冴子はあの悪夢を思い出していた。
特殊SEX器
13-21
三月の半ばに成って、横浜の偽病院は完成をした。
近くに宿泊用のマンションを借りて、昼夜の事に対応出来る様にした。
闇金の梅田が、金を返せないOLが居るのだが、中々の美人だから遊びに使わないか?と連絡が有ったのだ。
もう夜の仕事に行かされる事は梅田の中では決まっていた。
その前に兼田に提供して、SEX調教をして貰おうと考えたのだ。
梅田と手下二人に連れられて渡辺美由紀がやって来た。
スリムな身体の百六十センチ程で可愛い感じだ。
看板は斉藤クリニックと書いて有る、そこに二人に連れられて美由紀が入って来た。
「会長この子です」
「中々可愛いじゃないか」
斉藤を始めとして三人の看護師、加藤女医が見守る中
「早速、始めてくれ」
「私は何をされるの?」
「ソープで働くのに、子供出来たら困るだろ、出来ない様にして貰うのだよ」
「えー、困ります、お腹を切るのは」
「誰が身体を傷つけるのだ、売り物に成らないだろ、」
「そうよ、簡単に、リングを入れるだけよ、子宮内に、銅イオンを放出するプラスチック製の小さな器具を入れ、精子が卵子と遭遇して受精することを防ぐとともに、受精卵の着床を防ぐ方法です、1回装着すれば2~5年間効果が続きますよ。」
「此処で、ソープ嬢に成れる身体に改良してもらうのだよ」
「何を?」
「検査だよ」
友田と鈴木が診察室に連れて行く。
「まあ、此処の機械を見ていってくれ」
「中々良い病院ですね」
「二階にも調教ルームが有るのだよ」
「そろそろ、準備が出来ただろう、見物に行こう」
診察台に全裸で固定されて「何をするの?」
「手術よ」
「えー」と驚く美由紀、酸素マスクを持って、口に当てる。
「何、嫌-」酸素が、麻薬に変わる。
「もう良いわ」加藤が言って、マスクを外す。
「美由紀さん、判る?」
「は、は。。。。。」
「薬が効いた、みたいですね、此処ではクリトリスの手術とリングを入れます、SEXされますか?」
そう聞かれて「会長、如何ですか?悪く無い女でしょう?」
「梅田さんは?」
「私は、遠慮します」
「斉藤、お前奥さんに逃げられて、したいだろう?」
「は、はい」
「よし、加藤先生、俺と斉藤が遊ぶ」
友田が美由紀の陰毛を剃り始めた。
手術の為だ。
目が虚ろで何処を見ているのか判らない。
そんなに濃くない陰毛は素早く剃りあげられる。
「先生、冴子は剃られても興奮していましたが、この女は反応有りませんね」
「冴子は特別ですよ、中々あそこまで感度の良い女性は少ないですよ、まだまだ良く成るのでは?」
「あれ以上に?」
「もう、剃毛プレーは身体が覚えていますから、今度はじらして、じらして剃りあげると、それだけで逝くかもですね」
「本当か、最初手動のバリカンで興奮していましたから、今なら我慢出来ないでしょうね」
「面白い、早く捕まえたい、先日は中途半端だった、変な男が喜んだだけだったからな」
「玲奈も此処で手術をしてやりますよ、姉と同じ様に感度があがると思いますよ、あの新型の機械で昇天させてからね、今からこの子を実験してみます」
「低電流の装置か?」
「はい、それまでに、喜ばして下さい」
友田が剃り終わった陰部に電マを当てる。
胸には鈴木が電マ攻撃をする。
美由紀の口から「ああー」「ああー」と声が出ている。
「ゴム要るのか?」
「大丈夫です、洗浄しますから」
兼田がズボンを脱ぎ捨てて、診察台の美由紀に襲いかかった。
台の高さを調節して、自分のペニスを持って、挿入する。
「うぅ」と呻く美由紀、大きく腰を動かす兼田、「いいー、逝く」と叫ぶ美由紀、兼田は一気に果てた。
斉藤が待ちかねた様に、兼田に代わって、挿入する。
「うぅ」と言う美由紀、斉藤は久々で早い、美由紀の反応よりも早く終わった、早漏なのだ。
加藤は判っていて、笑いそうに成ったが我慢をして、洗浄作業に入る。
終わると、斉藤と二人の看護師に抱き抱えられて、奥の電気診察台に乗せられた。
乳首をクリップで挟む、クリトリスに器具を当てて、テープで留める。
脇腹、下腹部も留める、陰毛が有れば絶対に出来ない作業だ。
細い金属の棒の様な物をアナルに差し込む「うぅ」と反応が有る。
「スイッチを入れて、弱で」
「ああー、」と早速反応が有る。
身体は動かない、加藤が金属のバイブの様に成った物を手に持って、膣に入れた。
「ああー」
「まだ、電流入ってないけれど、太いから反応が有るのね」
そう言ってスイッチを入れると
「わーーーーー」と大声を発した。
身体全体が震えて居る、
「強に」友田がダイヤルを回す。
「ぎゃーー」と叫ぶと気絶してしまった。
「いきなりは駄目か」
「先生調節が難しいですね」
「そうね、感じる前に失神では、駄目ね、気が付くまで、そのままに」
美由紀を放置して、全員コーヒータイムに成った。
その時
(三月末の連休に横浜で、サブサンセットの収録が有ります、冴子は出演で玲奈は見学に成って居ます)と真由からメールが届く。
「会長、玲奈の誘拐は二十一日の金曜日に決まりです」
「そうか、何か有るのか?」
「横浜で見合いパーティの収録が有るそうです、金土です」
「近いな、冴子が出演するそうです」
「冴子も捕まえられるのか?」
「前回の方法は直ぐに警察が来ます、何か考えます」
「期待している」
「玲奈は救急車で此処に運ばせますよ」
「えーそんな事をして大丈夫か?」
「私は眼鏡にマスクで顔を隠して、友田以外の看護師と、斉藤先生なら判らないでしょう」
「加藤女医は大胆だ、だが一度先生に見込まれたら恐いですな、蛭の様に吸い付きますな」
「蛭ですか!会長も同じですよ、蛭ですよ、あの姉妹に吸い付いて離れませんから」
「我々は藤堂姉妹に吸い付く蛭ですか!ははは」
「そろそろ、あの女も気が付いたでしょう、電流の使い方を勉強してきます」
「わしは帰るよ、上手に成って楽しませてくれ」
SEXをして満足したのか兼田は海老名の自宅に帰って行った。
海老名の自宅は神明会が、交代で監視をしていた。
大治の命令で、交代で監視をしていたのだ。
何か有れば直ぐに出動出来る人数を用意していたのだ。
大治も、加藤もその事実は知らなかったが結果的には、横浜に場所を移して、大治の監視の外に逃れた格好に成った。
美由紀はその後も加藤達のおもちゃにされた。
電気診察台の使い方をマスターする為に何度も失神させられて、クタクタに成って、二階の檻に放り込まれた。
手術は翌日に持ち越しに成ってしまったのだ。
時間が無くなったのと、まだ、全員がマスター出来なかったから。来週末には玲奈を救急車で此処に運んで、行う事に成って居るのにと焦る、五人。
翌日漸くマスターをして、クリトリスの手術をされて、美由紀は梅田のチンピラと関西に戻された。
身体は疲労感と今後を考えると暗い美由紀なのだが、多分二週間後の仕事では喜びが増すだろうと加藤は笑っていた。
週末のラブサンセットの打ち合わせを月曜日の昼間に係の人数人が局に来て打ち合わせをした。
冴子は最初の紹介と最後の食事の場面だけで初日は終了。
で二日目に選ばれた数人のアタックを受ける段取り、最終選考迄は、冴子の意見は無。
選ばれた五人の中で若しも興味が有る男性が居たらお付き合いも大丈夫と云う段取り。
冴子も係の人間も、これはお祭りで冴子が客寄せパンダだと承知の上のイベントだから、冴子が付き合う男性が現れるとは誰も考えて居ないのだ。
ラブサンセットのお見合い
13-22
馬籠雅治には、久々に会える日が近づいていた。
名前を馬場雅治で登録をし、若しもの時の為に偽名にしたのだ。
紹介は馬籠泰三と書いていたから、選ばれて最後の本選には出場できたのだ。
会ったら何を話そう?自分の事は全く知らない冴子に何から話そう、そればかりを考える毎日だった。
会計事務所は十五日迄が仕事のピークで、漸く肩の荷が降りた心境の時だ。
しかし、今年の雅治のピークは今週末の土曜日なのだ。
木曜日、加藤が真由に「玲奈がラブサンセットに行くのは、何時?」と質問をしてきた。
「夕方の姉の登場場面だけです、選ばれた五十人と食事会が有るのです」
最初の冴子の登場は画像合成で終わるらしい。
「貴女は、玲奈と一緒に行けるのか?」
「はい、頼み込んで」
「そうか、上手くやったな」
「はい、沢山頂きましたから」
加藤は真由の口座に五十万を入金していた。
真由も始めは躊躇していたが、腹を括った様だ。
上手くいけば後五十万の話しに積極的に成ったのだ。
「事務所から会場に向かうのは何時だ」
「十六時には到着すると思いますが」
「横浜に向かう途中で透明の袋の薬を飲ませろ」
「半時間程で効く」
「どの様に成るのですか?」
「下腹が痛くなる、我慢出来ない程」
「救急車を呼ぶのだ、今から送る住所に掛かり付けの医者だと言って送り届けて貰うのだ」
「はい」
「姉に会わせる前に、救急車に乗せるのだ」
「判りました」
「病院は横浜だから、救急隊員も怪しまない、持病だと、婦人病だと耳打ちしたら完璧だ」
「はい」
真由の観察で姉妹の体調は調べて有った、加藤の企みは完璧なのだ。
雅治は金曜日張り切って会場に向かった。
冴子の紹介だと誰も居ないのに、拍手をして、盛り上がるのだ。
局の説明では合成で、藤堂冴子が来て居る様にするらしい。
雅治は笑ってしまった、その後笑えない状態に成っていた。
百人の男性の中から五十人が選ばれて、夕食会に成るらしい。
そこには藤堂冴子も参加して、インタビューは受けるが、話しは出来ない、明日個別に話が出来るのだ。
今夜の夕食会に残らなければ、明日は無いのだ。
藤堂冴子目的の男性が二十三人も居たのだが、今晩残れるのは五人、明日は冴子以外を指名する四十五人と合流出来るのだ。
十八人が落選に成る。
一般も女性が選ぶ五人、男性が選ぶ五人に入らなければ予選落ちだ。
男性の方の率が良い、百名の内二十三人が居ないのと同じだから。
ゲームが進んで、二十三人から選ばれるのは藤堂冴子に関する問題で最後まで残った五人と云うクイズだった。
雅治は思わず、微笑んで、自分はこの二ヶ月半、冴子の事は何でも調べていた。
心の中は判らないが、産まれた日、出身地、彼女の本も統べて読んでいた、受験勉強よりも頭に入っていた。
問題が始まる、出題する方は五十問プラス二十問を用意していた。
最初の問題は全員正解、二問目も正解、三問目で一人が脱落、四問、五問と進んでも誰も間違わない、そのまま十問目に突入、十一問目で一人減る。
十六問目で一人減る、○×だから、簡単なのかと主催者が焦る21問目から一人減り二人減りが始まった。
しかし三十五問目でも十人以上が残って居た。
四十四問目で八人に、だが五十問を終わっても、八人のまま、ここからは難問に成って居た。
局に入社で最初のテレビは天気予報?一人が間違えた。
後二人に成った、六十問目は超難問、冴子が始めて買った株式の銘柄はAKEBONO電気?
此処で一人が間違えて、六十五問目、主催者が焦る。
冴子の専用車の運転手は七十歳以下?
変な問題だった、殆ど判らない、みんなが適当に答えたが、雅治だけは×を出していた。
意外と雅治以外は全員間違いだった。
残った人で敗者復活に成って、次の問題で決着が付かない。
最終七十問目で、漸く決まったのだ、雅治は高み見物で愉快だ。
難関を突破して雅治は爽快な気分だった。
アナウンサーが
「馬場さんでしたね、素晴らしいですね、いち早くファイナル出場を決められて、あれはまぐれですか?」
「いいえ、知っていました」
「素晴らしいですね、その調子で藤堂冴子さんを射止める自信は?」
「はい、百%セントです」
「凄い自信ですね」
「はい、愛していますから、いや恋しています」
「その調子で本選も頑張って下さい」
「はい、頑張ります」
此処で一旦休憩、十七時にホテルの大会場で男女百名の食事会に成るのだ。
関係者の見学も十六時頃から集まって来るのだ。
その中に玲奈も入って居た勿論テレビには出ないが、面白そうだから見に来るのだ。
玲奈の乗る車は暖房がもの凄く強く成っていた。
風邪気味だと運転手に話していた真由。タイミングを見て、飲み物を出す用意をしていたのだ。
玲奈の好きなグレープフルーツのジュースだ。
時々用意して飲んでいたから、何も疑わないのを真由は知っていた。
薬を与えられた時の為に準備をしていた。
真由の用意周到な処だった。
「少し暑くない?」
暫くして、コートを脱いだ玲奈が言う。
「はい」と運転手が温度を下げると、時計を見る真由。
「何分で着く?」
「四十分程ですかね」
「そう」と真由はタイミングを待つ会場のホテルに到着して直ぐに、お腹が痛く成る予定、それが理想なのだ。
少し早い方が良いか!
「玲奈さん、暑かったら、これ飲みますか?」
「気が効くわね、グレープフルーツのジュースね」
「はい、乗る前に作ってきました」
ポットからコップに注ぐ真由、コップを受け取ると美味しそうに飲む玲奈。
「いつもながら、美味しいわ」と笑顔。、
暫くして運転手が
「僕も先程のジュース貰えませんか?」と言った。
躊躇する真由
「これは、玲奈さんの。。」
「良いわよ、私もう良いから、残って居たら差し上げて」
そう言われて仕方無くコップに出来るだけゆっくりと注いで
「はい、」と渡す、一口飲んで、コップ立てに置く、一気に飲まない運転手を見て真由は安心が顔に成る。
でもホテルが見えて来た頃には飲み干していた。
十六時半頃の到着の様だ。
真由は隠れて加藤に飲ました報告をした、
加藤は時間を計算して、到着は十七時半前後かと院内の全員に話した。
兼田と梅田は三階に居た。
下から連絡が有れば降りて行く予定なのだ。
久々に玲奈を抱けると二人は興奮していた。
ホテルに到着して、
玲奈が「トイレに行くわ」
「具合が悪いのですか?」
「お腹が少し痛いの」
「一度戻ってまた迎えに来ます、二十一時頃に」
「お願いします」局の運転手は帰って行った。
玲奈はトイレまで行くのが困難に成った。
「どうしたのですか?」
「お腹が痛くて歩けない」
「えー、」
「そこの、ソファに座って」
ホテルで目立たない場所に座る玲奈。
「ああー痛い、助けて」と顔面に汗が
「どの辺が痛いの?」
「下腹よ、痛い」ともがき苦しむ。
「救急車呼ぼうか?」
「お、ね、が、い」で気を失った。
相当痛いのだろう。真由は百十九番に電話をした。
救急車が到着の頃には、撮影が始まって、みんなは移動しているわね、完璧だと微笑んでいた。
二穴調教
13-23
痛みで気を失うのは想定外だったが、もうひとつ想定外が起こった。
それは局の運転手が腹痛で事故を起こして、道路が渋滞してしまったのだ。
救急車の到着が遅れて、中々来ない。
早く玲奈を積み込まないと、と焦る真由、まさか運転手の事故が原因だとは思っていなかった。
大広間に参加者が九十九人集まって、冴子がテーブルに着席して、食事が始まる司会者が「藤堂冴子さんを巡る争いを見事制された五人を紹介しましょう」とテーブルを紹介した。
「この中でも、クイズにいち早く正解されて、トップで勝ち抜かれたのが、馬場雅治さんです」
紹介された雅治がお辞儀をする。
「藤堂さんに関する難問を見事正解された五人に、藤堂さんから一言頂けますか?」
「はい、今先程質問を見せて頂きましたが、私でも忘れている事をお答えに成ったのに驚いています、明日も頑張って下さい」
冴子は白のイブニングドレス姿で眩しいので、四十九人の女性が霞んで見える。
「それでは、五人に豊富を一言ずつ聞きましょう」
順番にマイクを向けられるが、名前は言わない事に成って居る。
「余りの美しさに目が眩みました」と一人目。
「交際出来るのを楽しみにしています」
「話が出来るなんて夢の様です」
「いつもテレビで見ていましたが、実物は綺麗ですね」
「愛しています、恋しています」と最後の雅治だけが変な事を言った。
司会者が「お一人もう、プロポーズでしょうか?」と言って会場が笑いに包まれた。
今夜は食事だけで、アタックは出来ない。
男性のテーブルと女性のテーブルに別れて居るので、殆ど話しも出来ない。
食事が進んで司会者が「それでは、藤堂さんに五人にビールを注いで頂いて、明日の健闘の乾杯をしましょう」
冴子が上座のテーブルから五人のテーブルに来た。
遠くに救急車の音が聞こえるが、玲奈が乗せられて、ホテルを出発した音だったのだ。
グラスに注ぐのに、グラスを持つ手が震えていた五人。
雅治の直ぐ横に来て、乾杯をするらしい。
「それでは、明日の健闘を期待して乾杯」とマイクが言うと「乾杯」と小さな声で言う冴子。
雅治は抱きつきたい気持ちを押さえるのに必死だった。
テレビのカメラがそれを助けて、ライトが当たるので、それで雅治は理性を取り戻していた。
舞台では、歌手の歌が始まり、盛り上げる時冴子はいつの間にか消えていた。
控え室でお色直し、今度はチャイナドレスに着替えて登場して、意外と歌を披露したのだ。
会場から万雷の拍手を浴びて、雅治には眩しい一時なのだ。
明日は十時から、昼食を挟んで最後の決定の瞬間を迎えるのだ。
玲奈は救急車の中で気が付いたがお腹を押さえて苦しそう。
真由は玲奈が気を失っていたので
「この子は持病が有りまして、女性の病気で掛かり付けの医者が此処の斉藤クリニックです」とメモを渡していた。
酸素マスクを着けて、スカートを緩めて、ストレッチャーに寝かされて、お腹を押さえて苦しむ玲奈、もうすぐ到着ですとメールを送る真由。
「こんな、場所に婦人科有ったのだな」
「救急受けてないから、判らないよな」
そう話す救急隊員、暫くして到着した。
「休みなのに、開けたの?」
「はい、私が連絡しました」
「そうなんだ」
玲奈を運んで院内のベッドに寝かすと、救急車は帰って行った。
「着替えを持って、戻って来て」加藤が真由にマスク越しに言う。
「何時頃?」
「三時間」
「はい」真由は出て行った。
亀井がスカートを脱がせて上着も脱がせる。
「此処が痛い」
「痛いです、助けて下さい」
「女性の病気だね、痛み止めを打ちますね」
「お願いします、助けて下さい」
斉藤が注射器を持って亀井が腕を捲り上げて薬が打たれた。
直ぐに痛みが取れる薬と媚薬が打たれていた。
「直ぐに、痛みは消えますが、緊急手術に成りますね」
「そうなのですか?」
「女性の病気ですね」
「直ぐ、オペの用意をして」と二人の看護師に命じた。
暫くして「どうです、痛みは?」
「無くなりました」
「そうですか、相当強い痛み止めですから、切れるとまた痛みます、手術をしましょう」
「先生お腹を切るのですか?」
「いいえ、切りませんよ、膣と肛門から器具を入れて、手術をします」
「えー、肛門ですか?」
「麻酔をしますから、痛く無いですよ」
「は、はい」と沈む玲奈、二階でその様子をモニターで見る二人は笑っていた。
「先生準備が出来ました」
「浣腸の用意を」
「えー、浣腸!」
「浣腸をして、綺麗にしなくては、器具が入りません」
「は、はい」
ワゴンに乗せて浣腸器を持って来る鈴木。
「さあ、早くしましょう、痛み止めが切れる前に」
「はい、俯せに成って」
診察台の上で俯せに成る玲奈。
「腰を上げて、頭を下げて」
「尻を突き出して」
亀井がパンストと一緒にパンティを脱がす。
綺麗な白いお尻が突き出された。
クリームを指に着けて、肛門に塗り込む斉藤「うぅ」
「我慢して下さい、直ぐに終わりますから」そう言って浣腸器の先を玲奈の肛門に突き刺す。
「痛い」
「我慢して!」
注入される、加藤が横から見て、この子お尻もオーケーとサインを出した。
「はい、もう一本入れましょう」
「えー」と言う間に二本目が突き刺さる。
「うぅ」注入される。
亀井がアナルキャップを無理矢理ねじ込む。
「痛いーー」と叫ぶ玲奈。
「我慢して」こうして、浣腸が終わる。
額に汗が「トイレに、行かせて」
「我慢して!」
「お願い」
暫くして、亀井が一緒に行く。
「ひとりで」
「無理よ、栓を取らないと」
「恥ずかしい」
「病気だから仕方無いでしょう、早く治さないと」
そう言われて仕方無く、行く玲奈。
アナルキャップを少し緩めると「ドバー、ブー」と大きな音で便が排泄された。
泣き出す玲に「汚れたね」
パンストもパンティも一緒に踵から脱がされて、下半身が丸見え状態に成った。
「上もこれに着替えて」と手術用の服を渡す、玲奈は衝立の横に行って着替えた。
今から手術の不安とお腹の痛みの不安が交錯していた。
手術室には玲奈の想像を絶する手術台が有ったのだ。
「さあ、台に仰向けに寝て下さい」
玲奈が手術台に仰向けに寝ると「少し苦しい姿勢ですが、肛門と膣から器具を入れますので」
「はい」
腰があがって、両足が頭の上に上げられたので、海老の様な姿だ。
「恥ずかしいわね」とアイマスクを着けられて、身体が固定される。
何も見えない玲奈の足が大きく開かれる。
「あぅ」
肛門も膣も丸見え状態、二人が降りてきて、手術台の側に来た。
「始めます、楽にして下さい」
口に酸素マスクが着けられて、玲奈は大きく吸い込む。
気分が良く成って、意識が朦朧と成ってアナル拡張器を挿入して広げる。
「あっ」抜き取ると、アナルパールを挿入して、今度は膣にバイブを挿入する。
「ああー」
「大丈夫ですか?」
マスクの中で喘ぐ声が聞こえる。
玲奈の二穴調教が次々と行われて行く、意識が朦朧としている。
本人は手術で肛門と膣に何かが入って居ると認識しているから、我慢している。
媚薬の効果と意識朦朧の中、身体だけが覚えていた。
軈て身体を海老状態から戻して、「判りますか?」と問いかける斉藤。
「うぅ」と微かな反応、両足を抱えて、兼田が調節された台に身体を添えて、ペニスを濡れた膣に挿入した。
「うぅ」とマスク越しに反応がある。、
大きく腰を動かし始めると「ああー」「ああー」とマスク越しに聞こえて、段々大きく成る。
反応が良くなった玲奈の声がピークに成って兼田が終わった。
蘇る悪夢の館
13-24
ぐったりした玲奈を見て「わしは、穴の処女を頂きたい」
「社長、今日は無理ですよ」
「判っている、もう少し調教が進んでからで良い」梅田社長は元々、アナル好きの様だ。
玲奈を抱えてSEXマシンに寝かせて身体を束縛をして、ピストンの先が二本に成って玲奈の二つの穴を攻撃する様だ。
ぐったりとアイマスクの顔は項垂れているので、少し休ませて最後の仕上げの様だ。
冴子は会場で歌を歌って盛り上がっていた。
飛び入り参加で一般の人も歌って夜は更けて、明日の健闘を誓ってお開きと成った。
残った百人は二人一部屋でホテルに宿泊、明日は十時から、アタック開始に成る。
冴子も特別室で宿泊をして、付き人の佐藤と浜中も相部屋で宿泊している。
「玲奈さん来なかったわね」
「そうね、楽しみにしていたのにね」と二人の会話。
その頃玲奈は腰が砕ける程の強烈な責めを受けていた。
ピストンの先を膣と、アナルに合わせて、ローションを突起物に充分に付けて、ぐいーと押し込んだ。
「これは一番細いのよ」加藤が言う。
横の棚にはピストンの先煮付ける物が沢山並んで居る。
先の細くて長いもの、イボイボの着いた物、太い物、長い物、アナル用の玉が繋がった様な物二十種類程が置いてある。
玲奈は両方に入れられて、眠って居たのが起きた様だ。
アイマスクで見えない、まだ意識は朦朧として、身体は暑い状態が続いていた。
「うぅ」と言って目覚めると、ゆっくりと動かすピストン。
「ああー」「ああー」と大声が出て、仰け反る身体、長い髪を振り乱して「だめーだめー」「壊れる-」と叫ぶ、
無意識に発するのだ。
身体は汗で光っている。
ピストンの動きが速くなって「ああーああーああー」と言うと失神してしまった。
「逝き切ったね」
「身体を拭いて、終わろう」
「歩けないだろう、少しの間」
「紙おむつを履かせて、緩んでいるからね」アイマスクを外され、気を失っている玲奈。
髪は汗に塗れて身体も汗が噴き出ていた。
亀井と鈴木が綺麗に身体を拭く、紙おむつを履かせて、寝かせていたら、真由が服を持って戻って来て二人で着せる。
「どうなったのですか?」真由が聞くと「両方使える様に訓練をしたのよ」
「両方って?」
「前と後ろよ」
「アナルですか?」
「そうだ、この子は使えるから、訓練したのよ」
「恐いですね」
「もうすぐ、喜ぶわよ」
「それで紙おむつだったのですね」
「本人には手術で膣と肛門から器具を入れたと説明してある、来週、経過を見るからと言って来させるわ」
服を着て、眠る玲奈。
「もうそろそろ、目覚めるわ、私は消えるわ、見つかると困るから」加藤は兼田達と一緒に二階に消えた。
暫くして、目覚めた玲奈に「具合はどうですか?」
「先生、お尻が痛いです」
「そうだろうね、器具を入れたからね、紙おむつを履いているから、明日までそのままで」
「はい」
「手術中痛かったかな?」
「はい、少し、変な夢を沢山見ました」
「気にせずに帰りなさい、来週土曜日に経過を診ますから、来て下さい、明日から、お風呂も入れますよ」
「はい、ありがとうございます」と歩き難そうに、真由に付き添われて帰る玲奈。
翌日、朝十時から、各自のフリータイムに成って、色々な場所で数人が話し込む、男性一人に女性数名とか、その逆も有る。
冴子に対するアタックタイムは十時半から一人五分の短時間で終わる、
主催者も冴子も形だけのイベントだから、そんなに長時間、用意をしてないのだ。
一般の女性達が「私、あの馬場って人タイプなのよ」
「私も、よ!イケメンよね」
「アタック駄目かしら」そう言って二人が雅治に近づいて「お話良いでしょうか?」
「私も」
「困ります、僕は、藤堂さんと結婚するのですから」と真面目に答えた。
「えー、本気で考えているの?」
「少し、おかしいのよ、行こう」と二人は別の場所に行ってしまった。
時間に成って、中央の席に冴子が出て来てテーブルの前に腰を掛ける。
前に椅子が一つ置いて有る。
「では、最初の安藤さんから、どうぞ」と司会が告げて、冴子の前に座るが、緊張で殆ど喋れない。
「安藤さん、私の何処が好き?」
「す、す、統べてです」
「お仕事、出版って書いて有りますが、どの様な本ですか?」と微笑みながら聞く
「漫画が中心です」
「漫画ですか?私は殆ど読みませんわ」
殆ど会話は冴子のペースで進んで、最後に握手で終わった。
緊張で帰りの階段で足が縺れていたのだ。
二人目、三人目、四人目と殆ど同じ状態で、冴子に圧倒されていたのだ。
オーラがそうさせるのか?冴子自身の性格なのか?
「それでは、最後の方、馬場さんお願いします」
雅治が冴子の前に座ると軽く会釈をして「お久しぶりです」
「えー!」いきなり言われて冴子は驚いた。
記憶には全く無かったから「何処でお会いしましたか?」
「お正月の特番...」と言いかけると「ああ、会場に来られて居たかたでしたか、どうも有難うございました」と微笑んで言う冴子に「いえ、特番の後でお会いしました」
「特番の後?」冴子の顔色が変わった。
特番の後はあの地獄の館だったから「綺麗でした、私はその時から、貴女に恋をしてしまいました」冴子の顔に余裕が無くなっていた。
この人は暴力団?違うわね、じゃあ、誰?
「冴子さん、僕と結婚を前提にお付き合いをお願い出来ませんか?」
いきなりそう言われて、面食らう冴子。
履歴書を見ると事務職に成っている。
驚きの表情の冴子に「木崎さん、玲奈さんも一緒でしたね」
「貴方は!。。。。。」
冴子の頭に、木崎の言葉が蘇っていた、。。。。。。。。。。
「誰かもう一人一緒に捕まっていましたよ、救急車が来た時、混乱で居なくなりました、誰だったのでしょう?」。。。。。。。。
冴子は、この男性は私の裸を見たのだ。
剃毛シーン、加藤に責められている場面を見たのだ。
脅迫?違う?脅迫なら結婚を希望しない、お金の要求が妥当な事だ。
若しかして、付き合ってから揺するのか?冴子は色々な事を考えて居た。
司会者が「会話が進みませんが、時間に成りました、以上でアタックタイムを終わります」冴子は握手も忘れていた。
顔は笑って居たが、心は混乱していたのだ。
十一時半から、結果発表に成る。
カップルに決まった何組かが、ホテルの別室でフランス料理のフルコースに成って居た。
元々冴子の分は用意していないから、昼食は別の場所で用意されていたのだ。
時間が来て、男性に女性が告白するグループが始まる。
イケメンの男性に女性が五人、しかし、男性は別の女性が希望の様で決裂、他にも何組かがチャレンジをしたが、女性のアタックは全滅だった。
男性がアタックの方は、早々と二組が決まる。
その後は中々決まらない、結局二組で終了して、いよいよ冴子の番が来た。
「さて、藤堂冴子さんが、お付き合いをされる男性は、この中にいらっしゃるのでしょうか?」と司会者が盛り上げる。
昨日のドレスとは違って清楚な花柄のワンピース、黒髪はストレートに靡かせて、中央のステージに来る。
ステージの階段の下に並ぶ五人。
主催者は此処でお辞儀をして「ごめんなさい」で終わる筈だった。
「さて?それでは藤堂さんに結論を出して貰いましょう」音楽が盛り上げる。
私が強姦しました
13-25
音楽が終わると、冴子はお辞儀をしながら、歩いて階段を降りて、雅治の手を掴んだのだ。
「わーー」「おおー」と会場に響めきが起こった。
司会者も予定に無い行動に、言葉を失っていた。
「お。おめでとうございます、カップル誕生です」と大きな声をあげた。
早速インタビューに行く
「藤堂さん、馬場さんの何処に弾かれましたか?」
「強引さです」と微笑む。
「馬場さんは、今の気持ちは?」
「これからです」と一言で、笑顔を作る冴子と緊張の雅治。
冴子は、この雅治に色々聞こうとしていたのだ。
自分が意識の無い時に何をしたのかをその為に敢えて交際にしたのだ。
敗れた人達はこの場で立食パーティに成る。
此処で、結構カップルが出来るのだ。
告白ですれ違いが纏まる場合が多い、相手の気持ちを知っているから早い。
三組はホテルのディナールームに向かう。
冴子以外の二組は腕を組んで楽しそうで、冴子は雅治の横をよそよそしく歩くだけ会話は無かった。
「藤堂さん、有難うございました」始めて雅治が口を開いた。
「どうも」冴子はそれしか、言わない唯、強張った顔をしていた。
テーブルが用意されて、窓の側に三組のテーブルは有った。
お互いの話が聞こえない距離、それは、テレビが撮影する為に間隔を開けていたのだ。
まさか、此処に藤堂冴子が来るとはスタッフの誰も予想していなかったのだ。
「撮影は最初と最後、途中でインタビューです、それ以外は立ち入りませんので、ごゆっくりとお食事をお召し上がり下さい」
席に座ると、早速カメラが、三組の姿を撮影して、微笑む冴子。
料理が始まると「あの。。。」と言い出した冴子に、雅治が名刺を差し出した、受け取って見る冴子が「あっ、貴方は!」
「そうです、馬籠の息子です」
「何故?何故なの?」
「冴子さんに対する気持ちは本当です、信じて下さい」
「どう云う事なの?説明して下さい」
「僕は、あの日父に言われて、始めて貴女を見にスタジオに行きました、私は芸能人が遊んで居ると毛嫌いをしていました。父は貴女の事を、べた褒めで、口癖の様に付き合え、付き合えと言っていました。直に見て来いとスタジオの整理券をくれましたので、それであの日行きました。着物姿の貴女は美しかった、気さくな話し方に、自分が間違っていたのでは?の疑問と貴女に謝りたいと、放送が終わってから待っていました。すると血相を変えた貴女が車で走って行くのを何事か?と思い尾行しました、すると遠く海老名まで行きました。大きな家の近くに車を止めて、歩いて行く貴女を僕は付いて行きました」
「待って、判った」そう言って水を飲む冴子、此処からの話しは中々聞けない冴子。
「結論だけ教えて、私が強姦されたの?」と小声に成る。
「はい」と言う雅治、項垂れる冴子。
「あの親分に、レイプされたのね」
「違います」
「じゃあ、誰?もう一人の親分?」
雅治は指で自分を指す。
「えー!」急に大きな声に成る冴子、料理を持って来たウエーターが驚きの顔をする。
「嘘、でしょう?」
「本当です、冴子さんは私と結ばれました」
料理を食べるのを止めて考え込む冴子。
「驚きましたか?」
「当然よ、私は何も覚えて無いのよ」
「でも、僕には最高でしたよ」
「そんな事」と言って顔を赤くする冴子。
「女がね、親分に話して居ました、僕はその話を聞いて貴女を益々好きに成りました」
「何を話したの?」
「この冴子は今まで二人の男と数回しかSEXをしてないのですよ、前の男が亡くなって三年近くしていませんと言っていたから、真面目な人だと、それに愛していた人に今も愛を貫いているのだと思って胸が熱くなりました」
「貴方が私を襲ったの?」
「違いますよ、縛られて、無理矢理SEXを強要されたのです、でもそれはもの凄く良かったのです」
「止めてよ、私の意識の無い時の事は」
「じゃあ、意識が有る時に~~~私は冴子さんが忘れられない」
そこにカメラが来て、インタビューに「藤堂冴子さんを射止めた、イケメン馬場さん、今のお気持ちは?」
「最高です」
「それでは、藤堂さんは?」
「積極的で負けてしまいそうです」と微笑んだ。
冴子も身元が判って安心したのか、その後はうち解けて話しが弾んだ。
「冴子さんは、いつも、パイパンなのですか?」
「えー、何を言い出すの、違いますよ、あの時は、加藤に遊ばれたのです」
「恐い連中ですよね、僕も殺されると思いました」
二人はそのまま、木崎の車でホテルを後にして、「木崎さん私を覚えていますか?」
木崎は暫く考えて「若しかして、暴力団に捕られていた方」
「はい、馬籠雅治です、よろしく」
「若しかして、馬籠先生の息子さんですか?」
「はい」そう言って名刺を差し出して、木崎も名刺を渡す。
二人は渋谷のクラブに向かって、雅治の誘いに冴子が付いて来たのだ。
「あの時の、貴女の顔は最高でした」
「もう、止めて下さい、恥ずかしいから」
お酒を飲みながら過ごす一時
「藤堂冴子さんでしょう?」とホステスが言う。
「彼氏、イケメンね」
「彼氏お名前は?」
「馬籠です」
「藤堂さんとはお似合いね、美男美女ですね」と冷やかされて、土曜の夜は楽しい気分の二人だった。
冴子には、あの日他の連中に強姦されなかった事が嬉しかった、
そしてこれだけ、好き好きと言われて、悪い気はしなかった。
日曜日、冴子は暗い玲奈を見て「何か有ったの?」と山田に聞くと「金曜日に、体調を崩されて、病院に担ぎ込まれたらしいのです」
「何処が悪いの?」
「それが、お答えに成らないのです」
冴子が玲奈の部屋に行っても「今、会いたく無い」と拒絶する。
冴子は何が有ったのか心配に成ったが、明日事務所で坂田に聞いて見ようと考える。
身体が悪いのなら、医者に行かなければ行けない。
雅治から日に二回から三回のメールが届く。
冴子には悪い気はしないが、自分が意識の無い時にSEXして良かったと言われても、変な気分なのだ。
今朝も朝早く(おはよう)とだけのメールが届く(おはようございます)と返す。
冴子は、番組がまだ放送されていない事を忘れていた。
いつも生放送だったから、放送は明日の夜なのだ。
冴子は大変な騒動に成る事を想像もしていなかった。
テレビ局もあの様な結末を予想していなかった。
勿論芸能記者もノーマークだった。
明日の夜からの事を。
翌日、冴子は坂田真由を呼んで尋ねた。
「お腹の調子が悪くて、金曜日に病院に行きました」
「そうなの、それで?」
「治療を受けて腹痛は治りましたがまた痛くならないのか心配なのでは?」
「じゃあ、腹痛だったのね」
「はい」
「医者は何か言っていた?」
「精神的な物だと」
「じゃあ、暫くすれば治るのね」
「多分、今週も行く事に成って居ます」
「何処なの?」
「横浜です」
「遠いわね、何故?」
「社長のラブサンセットを見学に行く途中の出来事でしたから」
「そう、それで来なかったのね」
真由の上手な話しに何も疑わない冴子。
その話しは即刻加藤に連絡された。
先日の褒美で五十万貰った真由は完全に加藤の手先に成っていた。
アナルSEX
13-26
火曜日の番組の見出しに(清純派、知的美人藤堂冴子に恋人出現か?)テレビ局も大きなハプニングだと、内密にしていたのだ。
火曜日、局に行くと「藤堂さんの見合いの今夜ね」
「どうだったの?」
「見てのお楽しみ」と笑って居たのは、放送迄で夜の情報番組が始まる前に、局の電話が鳴り出して、スタッフも「冴子さん、凄い!恋人出来たのですね」
「お目でとう、イケメンね」と言われて、局には「あれは、本当か?」
「冴子命の俺はどうなるのだ」
「番組の中のやらせなのか?」との大反響。
驚いた下田が「藤堂君他局の番組なので、知らなかったのだが、どうする?」
「何か言いましょうか?」
「そうだな、全国の視聴者が固唾を飲んでいるよ、先程の番組だから」
「はい」
その話をしていると、暗い表情の玲奈が局に来た。
「どうしたの?元気を出しなさいよ、病気は治るわよ」
「心配で、心配で」
「大丈夫よ」と勇気つける冴子。
真由には加藤がもう一つの薬を土曜日の朝に飲ませる様に指示をしていたのだ。
番組の冒頭、後籐の話しから説明をする段取りに成って居た。
「先程他局の番組に藤堂さん出演されて、見事カップルに成られましたね、驚きました」
「いやー照れますね、偶然感じの良い方で、まだ会ったばかりで、何も判らないのですよ、いきなり断るのもいけませんし、少しお話でもしてみようかと思いまして」
「短時間では判らないから、もう少し時間が欲しい、そう言う事ですか?」
「はい、そうですね」
「視聴者のみなさま、もう少し時間が欲しいそうです、暖かく見守って下さい」
「おねがいします」と冴子が会釈をした。
番組は通常に戻った、局には「判った、見守るよ」
「番組の中の時間では判らないよ、頑張って」とか激励の電話が増加していた。
番組終了と同時に、局には芸能記者が押し寄せていた。
今までこの様な噂の無い冴子のスキャンダルに群がったのだ。
局の係が
「先程も番組の中で申しましたが、まだ報告出来る段階ではございません」と対応に必死だった。
冴子の携帯に(大変な事に成ったね、僕は偽名だったから、誰も来ないよ、上手に馬場を使って逃げてね)
冴子は、彼はこの状態を詠んでいて、偽名にしたのか、中々の男だわねと感心して、木崎の車でこっそりと逃げた。
冴子は住所を発表していなかった。
以前のマンションのままだったのだ。
その為沢山の取材陣がマンションを訪れてパニックに成った。
翌日の事務所にも取材の嵐、仕方が無いので、記者会見を金曜日に行うと発表したのだ。
冴子の人気の高さが伺える現象。
金曜日局のホールを借り切って、三時から記者会見を行った冴子。
「半時間で質問にお答えします」とマネージャーの福山が言う、手を上げる記者達。
「本当に、あの番組で始めて知り合ったのですか?」
「はい、全く存じませんでした」
「馬場さんは、実在しない人でしたが、ご存じでしたか?」
「えー、実在していないのですか?」
「局の資料は出鱈目でした」
「連絡は?」
「メールの交換位で会っていません」
「電話は?」
「しませんね」
「それじゃあ、進展は無いのでは?」
「実在していないのなら、嘘ですか?」
「いいえ、嘘では有りませんよ、私には本名も住所も教えてくださいましたから」
「えー、それでは、交際が始まっているのでは?」
「ですから、メールだけです」
「勿論、本当の名前は教えて貰えませんよね」
「もう少しお時間を頂いてお互いが話せる関係に成ればお話致します」
その後も時間迄延々と質問が続いた。
来週の週刊誌に掲載されるのだろう、冴子は改めて自分の人気の高さに驚いていた。
土曜日、真由が車で迎えに来る事に成って居た。
冴子は朝から講演会に出掛けて留守。
「おはようございます」と真由が家に入ってくる、ポットを持って「おはよう」憂鬱そうな玲奈。
「元気を出して下さいよ、玲奈さんの好きなグレープフルーツジュースを作って来ました」
そう言いながら、コップに入れた。
「山田が美味しそうね私もそれ、好きなのよ、残って居たら飲ませて」
そう言われてグラスに注ぐ真由、二人は一気に飲み干す。
「美味しい、上手ね」
「良い、果物使いますから、林檎を隠し味に使っています」
「成る程、また教えて下さい」
山田達に見送られて、二人は横浜に向かった。
半時間程走った時
「お腹が少し痛いわ」
「えー、また?」
「この前程では無いけれど、同じ場所が痛いわ」
「もうすぐ病院に到着しますよ」
「そうなの」と少しの痛みなのか堪えている。
「すみません、藤堂玲奈ですけれど」と真由が病院の窓口で言うと、亀井が「診察室へどうぞ」
真由は待合室で待つ、その時友田が「これでも飲んで待って居て」とコーヒーを持参した。
「ありがとう」と飲み出す真由、夕方まで眠らされたのだ。
斉藤が「どうですか?具合は?」
「今日に成って少しお腹が痛く成っています」
「今、痛いのですか?」
「はい、少し」
「それでは、早速診てみましょう」
「スプリングコートを脱いで、浣腸しますから、もう下は全部脱いで下さい」
「えー、また浣腸ですか?」
「膣から器具を入れるより腸からの方が痛みは少ないのですよ」
「は、はい」
玲奈はスカートを脱いで、パンストと一緒にパンティを脱いで、台に腹ばいに成った。
前回の事を覚えていた、クリームをアナルに塗り込む鈴木「あっ」と反応が有る。
斉藤が浣腸器の先を肛門に差し込む。
「うぅ」注入が始まる、苦しそうな玲奈。
横で二本目を亀井が持っている。
二階の部屋で眺める梅田、今日は自分が楽しむのだと、張り切っている。
兼田が今日は体調が良くないと、見学だけに成って居た。
二本目の注入が終わると、トイレに駆け込む玲奈、今日はアナルキャップを填めていない。
暫くして、バスタオルを巻いて戻って来た玲奈に「今日は、あの台に俯せに寝て下さい、上も脱いで、汚れるから」
春物のセーターを脱いでブラウスを脱ぐブラジャーを外して、バスタオルを巻き付けて、衝立の陰から出て来た。
お腹の痛みが浣腸で治ったのが良かったのか、玲奈は直ぐに台に俯せに寝た。
亀井が、バスタオルを外して、両手を下のパイプを持たせた。
これで手は動かないのだ。
腰が上昇する、お尻を突き出して、足を固定された。
ライトが玲奈のアナルを照らしている。
梅田達が二階から降りてきた、クリームを玲奈の肛門に塗り込む。
「うぅ」拡張器が入る。
肛門に媚薬と意識が飛ぶ薬が流し込まれた。
「あっ」と反応をする玲奈、拡張器を抜いて、大きめのバイブを入れる。
まだ薬が効いてないので痛がる。
梅田のアナルSEXの為に緩めているのだ。
振動が伝わると「あぅあぅ」と反応を始めた。
暫くして、下から、クリトリスに刺激を与える。
「ああー」
「ああー」と大声に変わった、
膣に光る物が見えて来た、鈴木が
「玲奈さん、玲奈さん」
と耳元で囁いても反応が無くなった。
「そろそろ準備して下さい」
「おお、玲奈の第二の処女貫通だな」
兼田が嬉しそうに見ている。
台の高さを調節して、バイブを抜き取る。
梅田が硬く成ったペニスを玲奈のアナルに先を挿入した。
その後玲奈の腰を持って一気に挿入した。
「ああーああー、痛い」と叫ぶ、構わずに腰を動かす梅田。
「うう」
「ああーああー、駄目、駄目、壊れる-」と叫ぶ玲奈、軈て梅田は果てた。
「良かった、最高だ」と満足顔、梅田が外したアナルから梅田の体液が流れ出ていた。
緩んだ玲奈の肛門が哀れに見えるのだ。
困る真由
13-27
玲奈は虚ろな目で何をされているのか判らない状態、三人に抱き抱えられて、ピストンSEXマシンに寝かされた。
角度を調節して、二本のピストンが、今日は、先日より少し太い、膣と肛門に合わせて、少し入れる。
「うぅ」と言う玲奈。
「角度はオーケーだ」ぐいと挿入する。
「あっ」、
そして機械を動かし始めた、膣とアナルが同時にピストンで突かれる。
「ああーああー」と大きな声に変わる。
徐々に早くすると「だめーだめー、壊れる」
「逝く、逝っちゃう」と大きな声で仰け反る玲奈、身体を避けようと動かすと、異なる場所に刺激が来て「ああーーーーー」と失神をしてしまった。
「身体を拭いて、服を着せて」
「もう、一、二度の調教で、完璧にアナルが好き成りますよ」と加藤が言う。
「来週も、楽しみだな」
兼田が嬉しそうに言うと「こんな、若くて綺麗な女の穴は初めてで興奮したよ、やみつきに成りそうだよ」
「ははは、梅田さんも東京に住めば良いのだよ」と笑いながら三人は二階に上がって行く。
「真由って子が起きるまで、眠らせるか?」
「そうね」
「起きそうに成ったら、このマスクを着けて、あの子が起きたら外せば、直ぐに起きるわ」
こうして二度目の恐ろしい調教が玲奈にされた。
真由が目覚めるのを確かめて玲奈は眠りから目覚めた。
前回と同じく紙おむつを履かされて、お尻の痛みに顔を歪めながら、真由と帰って行った。
真由は自分が居眠りしていた事に一抹の不安を感じていた。
玲奈はその日から益々暗く成ってしまった。
身体の違和感、アナルの異物感が残って居た。
冴子は日曜の夜、講演先から帰って、一人露天風呂に入って居た。
玲奈が部屋から顔を出して「お姉ちゃん、私体調悪いから、明日番組休んでも良いかな?」
「良いけれど、何処が悪いの?」
「お腹の調子が悪いの」
「そう、早く寝なさい、医者には行ったの?」
「うん」と元気の無い返事、冴子は医者に行っているのなら、直ぐに治るだろうと思っていた。
毎日の様に雅治からはメールが届く、悪い気はしない冴子。
土曜日に合いたいとの誘い。
今週の土曜日は先日彼岸に行けなかった新藤の墓に行く予定を立てていた。
でも花見も良いかも知れない、二週間振りに会うのも悪くわない。
冴子の心に雅治の存在が少し在ったのかも知れない。
火曜日も玲奈は体調不良で番組を休んだ。
水曜日に成って流石に不安に成る冴子「何処の病院に行っているの?」
「。。。。。。」何も言わない玲奈に冴子は明日事務所で坂田真由に聞こうと思う。
予想通り水曜日も玲奈は部屋から出て来ない。
困ったのは真由だった。
土曜日に例の薬を飲ませて、斉藤クリニックに連れて行かなければ成らないからだ。
加藤に相談をする真由、加藤もこの展開は予想していなかった。
もう一、二度あのマシンに寝かせれば、両方で遊べる完璧な身体に仕上がるから、梅田社長も待ちかねて来る。
加藤は、真由に土曜日、自宅に行ってでも薬を飲ませて、お腹が痛く成れば、仕方無く来るだろうと真由に命じた。
真由が土曜日は社長が休みで自宅に居る可能性が高い、加藤は強引で必ず隙が有るそれを狙えと命じた。
間隔が開くと徐々に戻ってしまう、玲奈の身体を計算して、加藤は強引だったのだ。
兼田は女だけではなく、関東進出の足がかりに、神明会を揺さぶろうと懸命に成っている。
真木を始めとして、幹部が対抗勢力だった五経連合の残党集めを積極的に進めていた。
冴子は四月の陽気に誘われたのか、雅治の熱意に負けたのか、土曜日花見に立川市の国営昭和記念公園一緒に行こうと誘われていた。
大体の桜の満開が終わった頃に見頃を迎えるからと言われて、まるで自分の様だと重ね合わせて笑って居た。
雅治は、始めて二人切りでデートに行けると喜んで、子供の様に土曜日を待っていた。
結局玲奈は今週全休に成ってしまって、冴子も局にお詫びを言って、恥ずかしい思いをした。
最初から一週間休めば良かったのだが、明日は来ますの連続だったから、立つ瀬がなかった。
土曜日に成って朝から、お出かけの準備の冴子、そこに真由が加藤に命じられてやって来た。
「おはようございます」山田が応対に出て「玲奈さんは?」
「部屋で休んでいますが?」
「困ったわ」と真由が言う。
そこに冴子が来て「おはよう、どうしたの?坂田さん」
「今日は玲奈さんを病院に連れて行く日なので」
「そうなの、待っていて、呼んで来るわ」
冴子が玲奈の部屋に行くと「坂田さんが病院に行こうと迎えに来ているわよ」
玲奈は布団に潜り込んで「行きたくない」
「どうして?今週具合が悪いって仕事休んだのに、病院に行かないと駄目じゃないの?」
「行きたくないの」と怒り出す玲奈。
冴子は戻って真由に「行きたく無いって言うのよ、どうしよう?困ったわね」
「私も困りました」
「もう一度連れて来るわ」
再び部屋に行く冴子に「あそこの病院、治る気がしないの、だから、行きたく無いのよ」と髪を掻き上げながら訴える。
「何の病気よ?」
「。。。。。。」
「言わないと判らないわよ」
「女の...女の病気だって」そう言うと布団を被ってしまった。
女の病気?婦人科?冴子は、玲奈が悩んでいるのだと悟った真由に「玲奈、今日は無理だわ、病状を貴女は知っているの?」
「詳しくは知りません」
「そうなの、何処の病院?」
「あの。.」答え難い真由。
「確か、横浜だったわよね」
「は、はい」
「私が聞きに行って来るわ」
「えー、行かれるのですか?」
「そうよ、誰も病状が判らないのでは、治せないでしょう?違う病院も考えないと、何処教えて」
「は、はい」と携帯から住所を探す真由、焦りの色が見える。
仕方無く教える真由、「判ったわ、電話をしてみる」と電話をするが誰も出ない。
「変ね、もう診察時間なのに、誰も出ないわ」
落ち着かない真由
「山田さん、坂田さんにコーヒーを入れてあげて」と真由はコーヒーを飲む事に成るが、困り顔。
「ゆっくり、していて、私行くから、木崎さん呼んで下さい」
「はい」
冴子はすっかり雅治との約束を忘れてしまっていた。
応接でコーヒーを飲む真由、電話をしたいが、直ぐに人が入って来る。
メールも危険だと、大人しくコーヒーを飲む真由。
「坂田さん、この病院は婦人科だけ?」
「そうだったと、思います」
「斉藤クリニックか」冴子はあの悪夢を思い出していた。
新藤の子供か、後籐の子供か不安の中の堕胎手術に行った事を、結局悪戯されて終わった。
それもこれも、みんな加藤女医の仕業、この斉藤と云う名前は何か引っかかるなあ、そう考えて居ると「木崎さんが来られました」と富永が呼びに来た。
「坂田さん、玲奈落ち込んでいるから、相手してあげて、一人で考え込むと益々悪いから、お願いするわ」そう言うと冴子は出掛けた。
花冷えがする、薄いブルーのスカートに白のブラウスの上にカーディガンの冴子は木崎の車に乗って出掛けて行った。
猿轡
13-28
「木崎さん、此処まで行くと何時に成る?」
「午前中には着くと思いますが」
「病院土曜日、休みとか午後休診多いから、昼前には着かないとね」
「どうされたのですか?お加減でも?」
「玲奈が通っている病院なのよ、本当は今日、診察日だったのだけれど行かないと言うのよ、それで病状を聞いて、他の病院で近くに、変わるかと思って聞きに行くのよ」
「そうですね、横浜は遠いですよね」
「本当は今日、新藤の墓に行く予定だったのよ、彼岸に行けなかったから」
「早いですね、一年が」お互いが新藤を思い出していた。
真由は加藤にメールをした。
(手違いで、社長の冴子さんが、行きました、昼前に着きます)とメールを送った時、玲奈が入って来たので慌てて電源を切る真由。
「怪しいな、慌てて切った、彼氏?」
「違うわよ」
「それより、お姉ちゃんは?」
「出て行ったわよ、デートかも?」
真由は敢えて病院の事を言わなかった。
玲奈が電話をすると、こじれて危険だったから、でも一応は電話をしなければ、加藤が怒っているのでは?の焦りが有った。
玲奈は暇で話し相手が欲しかった。
「何か飲み物貰って来よう」と玲奈が台所に行く。
グラスにグレープフルーツジュースを入れて二つ持って来た。
「トイレ」と言って行く急ぐ真由、その時にグラスを引っかけて、こぼれるジュース。
「あれ、そんなに急がなくても」とお盆からグラスをテーブルに置くと真由のポットが見える。
玲奈はポットのジュースを溢れた分を補充して、一杯に成ったと微笑んだ。
真由はトイレで電話を加藤にしたが出ない、その頃加藤は驚きと準備で大急がしだった。
「兼田会長、今日はびっくりですよ、玲奈の代わりに、冴子が来るのですよ」
「何!それは面白いじゃあないか、準備を怠りなく」
「はい、今大急ぎでしています、顔は隠せませんから、堂々と調教してやりましょう」
「そうだな、飛んで火に入る夏の虫だ」
看護師三人、加藤に斉藤、加藤、梅田が準備をしていた。
真由は連絡が出来ないので諦めてトイレを出て来る。
「いつも、貴女にご馳走に成るから、今日は飲んで、今日は風は冷たいけれど、もう暑いわね」
「電話してきたの?」
携帯を見て玲奈に言われて慌てて、グラスのジュースを飲む真由。
「そわそわ、しているわね、どうかしたの?」
「何も無いわ」
「美味しい?」
「美味しいわ」そう言って一気に飲み干す。
その時電話が、慌てて部屋を出る真由、玲奈は再びポットのジュースを入れた。
真由が今は電話が出来ないと切って戻って来た。
「どうしたの?汗が出ているわよ」と言うとまたジュースを飲み出した。
焦っていた真由は加藤の怒る声が頭に残っていた。
昨日もお金を振り込んで貰ったから、失敗は大変なのだ。
玲奈を連れて行かなかった事を怒られると思っていたからだ。
「真由さん、ジュースもう要らない?」
「もう結構です」
「美味しい?私も美味しいと思うわ、真由さんの作るグレープフルーツのジュース」
「ありがとうございます」
「自分でも飲むのでしょう」
「はい」
「この味よりも、それの方が美味しいわよね」とグラスを指さす玲奈。
「先程、溢れたので、そこのポットのジュースを入れたのよ、美味しかったのね、二杯も飲むから驚いたわ」
「えー」と慌てて自分のポットを見る真由、殆ど残って無い。
「私が、私が飲んだの?えー」と慌てる真由、直ぐに応接を飛び出す。
「どうしたの?」と玲奈が呼ぶのも聞かずに家を出て行った。
「あの、真由ですが、加藤女医は?」
「今、忙しいわ」と友田が応対する。
竹藪の側に佇んで「違うの、呼んで欲しいの、大変なの」
「何が?」と言いながら電話は保留に成ると、もう気分は腹痛の真由。
「先生、間違えて、私が腹痛の薬を飲んでしまいました、どうしたらいいでしょうか?」
「馬鹿ね、時間が来るまで無理よ、我慢しなさい」
「えー」
「それは弱い方だから、何とか我慢出来るでしょう、此処に来れば薬は有るけれどね」で電話が切れたが、真由は恐怖の顔に成っていたのだ。
そこに、馬籠雅治が気分良さそうに冴子を迎えに自宅に来た。
顔面蒼白の真由を見て「どうしたのですか?」
「お腹が痛い」
まだ痛くなってないのだが気分がもう痛みを誘っていた。
「此処の家で休ませて貰いましょう」
「いいえ、結構です」とても入れる状態ではない。
今入ると、玲奈にバレル恐れが充分有ったからだ。
「困ったな、どうしたら良いの?」
「此処に送って貰えませんか?」と自分のマンションの住所を携帯で差し出した。
「少し待って下さい」
雅治は、冴子に断りを言ってから行こうと、家に入った。
山田が、今、出ていると言われて、約束をわすれたのかな?
そうは思ったが取り敢えず真由を送ろうと車に乗せて出発した。
斉藤クリニックの前で
「社長、此処ですね」
「大きくない病院ね、玲奈は何故?此処に来たのかな?」
「一度坂田さんに聞いて見れば?」
そう言われて電話をすると、携帯が鳴る。
信号で止まった雅治が、番号を見る。
「それ、冴子さんの」と言う処で切れて、真由はお腹を押さえて、額に汗が滲み出ている。
「今の電話、藤堂冴子さんの携帯だよね」
「そうですか?社長ですから」と苦しそうに言う。
冴子は「電話に出ないわ、取り敢えず行って来るわ、悪いけれど待って居て」
「はい」
冴子が斉藤クリニックに入った。
「ごめん下さい」
「はい、あがってお持ち下さい」と大きなマスクの看護師が待合室を指さした。
「診察では。。。」と言いかけると、看護師が入り口に向かって入って、鍵を掛ける。
不思議に思う冴子、二人の看護師が来て
「診察ですね」と腕を持つ。
「違います」と振り払おうとすると、もう一人が片方の腕を捕まえる。
バッグが長椅子に置いたまま「何をするの?診察では無いです」
強い力で持たれて、診察室に連れ込まれる。
「自分から来るとは、馬鹿ね」
目の前に加藤が椅子に座って待っていた。
「貴女は加藤女医、妹の代わりに来るとは馬鹿だ、もう少しで調教が終わるのに、残念だが、冴子さんが来てくれて満足よ」
「そうですよ、お久しぶりです」斉藤が微笑みながら言う。
「貴方は斉藤」
「そうですよ、私の病院に患者さんとして、来て頂きましてありがとう」
「何を言っているの?馬鹿じゃない」
「馬鹿はどちらか直ぐに判ります」
「良く、判って貰う為に、今日ははっきり覚えて貰うわ」
「どういう事よ」
「自分の破廉恥な姿を見るが良いわ」
そこに兼田と梅田が入って来た。
「貴方達ね、妹を辱めたのは」
「その通り、今度はお前を調教してやる、この前は楽しめなかったからな、今回は充分楽しませて貰うよ」
「会長今回は薬を使いませんから充分に熟させてから、食べないと美味しくないですよ」
「貴方方にいたぶれるなら死んだ方がましよ」
「そんな、簡単には死ねませんよ、冴子さん、今日は思い切り楽しんで貰いましょう、腰が砕けるまでね」
両方の腕を掴まれて、鈴木が後ろから、隙を見て口に布をねじ込もうとする。
口を背ける冴子、斉藤が頭を押さえて、鼻を摘む。
「舌を噛まれると困るからね」
鼻を摘まれて口を開けると、布がねじ込まれた。
ゴムのマスクを上から被せると声が出ない。
長い黒髪を束ねた後頭部でマスクを留めた。
暴れる冴子を三人がかりで、カーディガンを脱がせて、手枷を鈴木が手首に着けると、両手を万歳の姿で、上のパイプにチェーンで引っかけて固定した。
「冴子さん、これで逃げられないわね、充分楽しんで貰うわね」
「うぅ」睨み付ける冴子。
「何怒っているの?貴女の大好きな事してあげるのよ、始めてでしょう、向こうに見えるのが電気治療室よ、あそこで充分身体を解して、会長達に抱いて貰うのよ、その頃には自分から望むわよ、抱いてってね」
首を振る冴子、高笑いの加藤女医、ニタニタと笑う面々、冴子に恐怖が始まろうとしていた。
強烈な調教
13-29
真由は自宅付近で気が変わった本当に痛く成って来たのだ。
顔面には汗が出て、とても時間迄我慢出来ない。
「お願い、助けて、我慢出来ない」
「此処に、連れて行って」と携帯を差し出して、そこには斉藤クリニックの住所が書いてある。
「他の病院は?」
「駄目、そこに行かないと治らないの、早く」
もう痛がるだけ、雅治は冴子の携帯に電話をする。
「変だな、出ない」
「急いで」
「僕も用事が有るのだよ、冴子さんに会わないと行けないのだ」
「冴子さんは、その病院に居ます」
「何!」
「どう云う事だ」
「加藤女医が。。。。」で気を失ってしまった。
車を止めた雅治が携帯のアドレスを探す、木崎さんだ。
「大変です、馬籠です」
「ああー馬籠さん、どうしたのですか?」
「そこの、病院は暴力団の巣です、加藤も居ます」
「えー、判りました、警察に連絡します、清水さんも呼びます」
「警察は駄目です、冴子さんの仕事が無くなります」
木崎は直ぐに以前教えられていた珠恵の携帯にかけた。
珠恵は直ぐさま、大治に連絡をして、大治は静岡県警の佐山に連絡をした。
大治は自宅を監視していたがこの病院は盲点に成っていたと悔しがったが、大至急行く、近くの部下を集めて乗り込む事にする。
雅治は取り敢えず現場に急ごう、大変な事態だ。
またあの地下室の様にするのだ。
今度は親分達に強姦される危ないと思った。
警察が行けば簡単だが冴子さんの仕事は無くなる。
雅治にはそれは出来ない事だ。
世間に醜態を晒せない。
木崎は焦って、病院の扉を叩いてしまったのだ。
「何の音だ」
様子を見に行く友田。
「冴子の運転手です」
「子分を呼ぶか」
兼田が携帯で部下達を呼んだ。
「中に入れてやれ、五月蠅い」
鍵を開ける友田。
「社長!」と叫ぶ、加藤が注射を冴子の腕にした処だった。
木崎の声に「うぅ」と声に反応をするが「爺、二階に上がれ」梅田に銃を突きつけられて、ゆっくりと二階に上がる木崎、木崎も自分が焦っていた事を後悔した。
暫くして
「檻に放り込んで来ました」
「馬鹿な爺だ」
「警察に連絡していませんかね」
「してないでしょう、この前も来なかったでしょう、冴子のスキャンダルだから、雑魚は来ますね」
「彼氏?」
「多分」と三人の会話を聞く冴子。
「良く聞こえるでしょう、いつもは此処で意識が飛ぶ薬を使うのよ、今日は貴女に噛みしめて貰おうと思ってね」
「うぅ」
「今の注射はね、感度が上がる薬よ、気持ち良く成るわよ、身体が暑く成って来るからね」
「うぅ」冴子は動けない身体を動かそうとするが、意識はしっかりしている。
「さあ、観客がお待ちかねよ!始めましょう」
スカートのベルトを、友田が外すと、スカートのホックを外してジュパーを下げる。
ストンと床に落ちる淡いブルーのスカート、足元から取り去る。
鈴木がブラウスのボタンを外す、いきなりブラジャーの上から乳房を掴む。
「うぅ」
「感度はどう?」
「良い、様ですよ」
背中のホックを外すと、白い乳房が服の間にチラチラと見える。
「恥ずかしいだろう、今からもっと恥ずかしい事をしてやろう」
ワゴンに、剃毛プレーの用具が並べられて持って来られた。
手動のバリカン、日本剃刀、シェイビング用のカップに刷毛。
それを見て首を振る冴子
「お前は、このプレーが大好きなのだよ、いつもは意識が無いのよね、今日はよく判るわよ」
「うぅ」と首を振る、黒髪が揺れる。
「早く、脱がせてくれと言っているよ」
友田がパンストを脱がして、つま先から抜き取る。
今度は白のパンティに指をかけて、一気に脱がす足から外すと、冴子は両膝を合わせている。
白い長い脚、黒々とした陰毛を隠すように、足を絡ませて、身体を屈めようとする。
斉藤が皮の太いベルトを持って来て、その絡ませた左の膝に巻き付ける友田、チェーンを金具に取り付ける。
冴子の左足が膝からあがって、片足で立つ、陰部が大きく開かれて、窮屈な体制の成った。
「うぅ」
今度は右の膝にもベルトが巻かれて、チェーンが、冴子の身体が宙に浮いて、下腹部が大きく広げられて、吊された。
「どう、気持ち良い?素晴らしいスタイルよ、鏡で見せてあげるわ」
「うぅ」
大きな鏡を冴子の下に持って来る
「沢山生えているわね、これから綺麗にしてもらうのよ、嬉しいでしょう、よく見たわね、でも恥ずかしいからね」と言うと鈴木が冴子にアイマスクを着けてしまった。
見えない事で一層感度をあげるのだ。
動けない冴子の手架せを外して、ブラウスとブラジャーを外して全裸にして、胸に皮のベルトを巻く、乳房だけが出るベルト、両手と胸が一緒に固定されて体重を支える。
「素晴らしい姿だな」
何も見えない冴子にも想像は出来たM字開脚の宙づりで、これから時間を掛けて、バリカンプレーをするのだ。
「うぅ」と唸る冴子。
亀井がバリカンを下腹部に当てると刈りだした。
「ジョキ、ジョキ」と音がする、陰毛が床に落ちる。
指で皮膚を引っ張って刈るのだが、最初だけで、後は中々刈れないが、それでもプレーとしては面白いのだ。
感じる冴子の陰部に光る物が見えている。
見えないので、感度が上がる、バリカンが何度も動く。
「ジョキ、ジョキ」
冴子の感度は益々上がっていく、床には少しの陰毛が落ちている。
軈て、バリカンが終わる頃には、冴子は気持ちが良く成っていた。
まばらに生える陰毛、刈れてない部分の方が多い。
そこに友田が刷毛でシェイビングクリームを大袈裟に塗る、
刷毛の先でクリトリスを突く、膣を撫でる。
「うぅ」
「うぅ」と反応をする冴子。
「良い反応でしょう、」
「最高の感度と身体だ、たまらん、早く入れたい」
鈴木が剃り始める「ジョリ、ジョリ」
「うぅ」と反応が早い、細かい部分に成ると「ジョリ、ジョリ」「うぅ」「うぅ」と剃刀に合わせて反応をする。
「剃毛プレーが好きなのですよ、アナルは全くですがね」
その時、携帯が震えて、兼田の部下が廻りに来た様だ。
時間を掛けて剃りあげると、つるつるのマンコが露出して、膣から愛液が流れて落ちた。
必用な陰部の刺激に冴子は興奮したのだ。
「見せてあげましょう」とアイマスクが外された。
瞳が暗闇から慣れる間に、鏡が前に置かれて「ほら、興奮して綺麗にして貰ったでしょう、これがクリよ」そう言って触る。
「うぅ」友田が両方に広げる。
「これが尿道、これが膣」そう言って指を入れる。
「うぅ」と首を振る冴子、長い髪が乱れる。
感じているが意識も有るので恥ずかしい、それがまた刺激に成って居る。
「もう、欲しいでしょう」そう言われて首を大きく振る。
「会長、まだ欲しくないそうですよ」
吊り下げられた身体が降ろされた、胸のベルトも外されて、冴子はフラフラで歩けないほど、足が痺れていた。
梅田が「よし、抱いてやろう」と冴子を抱き抱えて、隣の部屋に連れて行く。
「此処が、電気治療室よ」
「うぅ」
「そこに、寝かせて」
腹にベルトを巻いて、動けない様にして「これをすると、欲しがりますよ、堪えられませんから」
「そうなのか、楽しみだ」
手も足もV字に固定される、陰部だけが突き出した様に成っている。
本当はアナルにも電流を流すのだが、冴子はしらけるので、加藤はやらない。
金属の筒の様なペニスの形をした物が、大、小と二つある。
額にも電流パット二つ着ける。
乳首にクリップで挟む脇腹、腹、下腹部、そしてクリトリスに器具をテープで留める。
陰毛が無いので簡単に留められる、膣の両脇にも器具をテープで留める。
「準備は良い」
何度も練習をしたので、加藤も要領が判っていた。
「うぅ」と身体をビクビクさせる。
「感じてきたわ、少し強くするわ」
「うぅ」
「うぅ」と言いながら身体がビクビクする、髪を振り乱して首を大きく振る。
「さあ、細いのを入れるわ」
冴子の膣に挿入すると、いきなり仰け反る。
「あー」
「うぅ」と聞こえて、身体が大きく動いている。
もう、綺麗な黒髪が汗に塗れて、顔に付く、目が虚ろに成っている。
膣から、愛液が流れ落ちる。
「もの凄い状態ですね」
「大きいのに変えます」と加藤が細いのを抜き取ると、べったりと愛液が付いて色が変わっている。
太い器具を持って「もう少し上げて」
挿入と同時に身体が大きく動く、仰け反って長い黒髪が顔に絡まる。
暫く続けると、汗を吹き出しながら身体が仰け反って、取り付けた器具が外れて飛んだ時、白目状態に成って動かなく成った。
「これで、気が付いたら、もう一度逝かせてやりましょう」
「SEX出来るのか?」
「暫くすれば、自分から求めますよ、準備をされた方が宜しいのでは?」
早速ゴムを着け始める二人、もう既に大きく隆起していた。
心の重し
13-30
佐山達は、新幹線で横浜に到着していた。
内密の為、横浜県警には事後連絡にする予定だ。
五人はタクシーで目的の場所に向かって居た。
雅治は飛び込まずに待って居たが、もう我慢が出来ない。
一人で病院に突進していたが、沢山の手下に捕らえられてしまった。
中に連れ込まれた雅治「おお、またお前か、飽きないな、今日は見物だ、自分の彼女の強姦シーンは中々見られないぞ」猿轡の冴子は電気治療室で気を失っている。
白い肌に黒い長い髪が汗に、べた付いて、哀れな姿で眠る冴子を見て雅治はショックを感じた。
「まだ、クライマックスはこれからだ、良い所に来たな」
「この男もズボンを脱がせて、見せてやれ」
亀井が雅治のズボンを脱がそうとすると暴れる。
梅田が拳銃をこめかみに当てた「大人しくしな」
雅治は、ズボンもブリーフも脱がされて、「おいおい、立派じゃないか、興奮したか」と笑う梅田。
外では神明会の男達が大勢兼定会の組員に襲いかかって乱闘が始まっていた。
気が付く冴子を見て加藤が合図をする。
「うぅ」と呻き声を上げる冴子、大きな器具を挿入して、冴子が喘ぎ仰け反るのを見て興奮の三人。
「あああー」と聞こえる。
今度は電流を止める加藤、兼田が冴子とのSEXを楽しむ為に、足を外す、クリップも、クリトリスの器具も順番に外す、乳首のクリップも外す、腹のベルトと手のベルト以外を外して、涎で汚れたゴムの猿轡を外した時、表の扉が大きな音を立てた。
「何事だ!」
もうペニスを立てて、冴子に乗りかかろうとした瞬間だった。
「会長、神明会です」と部下の大声。
「急いでズボンを履く二人」入り口の方に向かう。
加藤と友田達の行動は変わって、逃げる準備に成っていた。
雅治の縄を解いて、自分達は逃走準備に成った。
雅治が自分で総てを解いて冴子に近づいてベルトを外して「大丈夫ですか?」と尋ねると「先生、入れて-、お願い、駄目なの」と言った。
雅治は自分の事だと思って、外の騒ぎを他所に大きなペニスを冴子の膣に挿入した。
「いいわー、いいわー」
雅治は騒ぎを忘れて腰を動かす、仰け反る冴子、長い髪が乱れに乱れている。
側に有る物を掴んで「逝くー逝くわ-、だめーだめよー」と叫んで失神すると、雅治も同時に倒れ込んだ。
その時「ズドーン」と銃声が鳴り響いた。
その音で失神していた冴子が目を覚ました。
「あっ、雅治さんが助けてくれたの」と抱きついた雅治も冴子を力一杯抱き締め会った。
静岡県警の五人が来て、梅田の銃が取り上げられた。
混乱の中、加藤達四人は二手に別れて逃走。
加藤は友田と右に亀井と鈴木は左に、亀井と鈴木の前に伊藤と一平が「もう、逃げられない」と一気に取り押さえた。
伊藤が二人に手錠を掛ける。
加藤は黒い服を羽織って、暴力団の中を抜けきった。
神明会の連中が粗、取り押さえた。
ナイフとか、棒を持つ兼定会を、素手で応戦、警察の手前、ナイフは持てない。
梅田は拳銃の所持で現行犯逮捕、兼田も監禁暴行容疑だ。
警察の三人が扉を壊して、中に入った。
「大丈夫ですか?」
冴子は漸く衣服を着て、雅治と寄り添っていた。
「二階に、木崎さんが捕らわれていると」聞いて、一平と伊藤が二階にあがって、写真を撮影して、木崎を檻から出した。
「大丈夫ですか?」
「はい、私は大丈夫です、社長は?」
「下に」
木崎は助けられて降りてきて「社長、大丈夫ですか!」と手を握った。
「馬籠さんが雅治さんが助けてくれたのよ」
「そうでしたか、ありがとうございます」と抱き会った。
「兼田さん、これは監禁の動かぬ証拠だ」と木崎の写真を見せた。
冴子を矢面に出さなくても逮捕が出来ると佐山は胸を撫で下ろして、神奈川県警に連絡をした。
そこに、遅れて清水大治が到着して「片づいていますね」
「助かりましたよ、お陰で逮捕出来ました」
「部下達は役に立ちましたか?」
「はい、大いに」
病院の中から、雅治に抱き抱えられる様に冴子が出て来た。
「大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございました」
「警察が来ますから、早く行って下さい」
佐山が冴子を、この場から消える様に進めて、木崎を残して二人は車で冴子の自宅に戻って行った。
友田と加藤だけが逃亡して、斉藤医師を始めとして他の全員逮捕で神奈川県警と佐山達が兼田の自宅に捜査に向かった。
家宅捜査、この自宅に居た乾も逮捕された。
乾は冴子を、病院から自宅に連れて来てから緊縛プレーを翌日から行おうと準備をしていたのだ。
家の中には、拳銃、刀、麻薬、裏ビデオ等が次々と発見されて、兼田の実刑は確実な状況。
冴子は自宅に帰ると、直ぐさまシャワーを浴びて、髪を洗って、お風呂に入った。
雅治も客間でお風呂に入って身体を洗っていた。
玲奈が「お姉ちゃん帰ったの?」
「今、部屋でお風呂に入られています」
「今頃?病院見に行ったのでは?」
「お客様も来られて居ます」
「誰?」
「馬籠先生の息子さんですよ」
「えー、あのラブサンセットの彼?」
「はい」
「何故?一緒?」
「判りません」山田が言う。
バスローブで頭にタオルを巻いて「玲奈、話が有るの」
「何?病院に行ったのでしょう?」
「玲奈の病気はもう全快だって、先生がもう来なくても、大丈夫だって」
「そうなの?もう治ったの?」
「そうよ、それから、坂田さんは急なのだけれど、辞めたわ」
「どうして?」
「実家のお母さんの具合が悪いらしいわ」
「そうなの、仲良かったのに、残念ね」
「それから、もうひとつ、雅治さんと付き合う事にしたの」
「テレビと同じ、じゃん」
「先生の許しが出れば、結婚するかも?」
「先生って?新藤さん?」
「そうよ」
「もう二年以上前に亡くなっているのに、許す?意味が判らない」
「明日、二人で墓参りに行こうと思うのよ」
「それで、来ているの?」
「ええ、まあ」
「ラブラブね、私も彼氏が欲しいわ」
「えー、玲奈、男の人嫌いなのでは?」
「それがね、最近ね、好きに成りそうなのよ」」
「それは、新発見だわね」
「だから、良い人居たら宜しく、ね!」
玲奈は病院に行かなくても良いので気分が晴れたのか、明るく成った。
とても、加藤と斉藤に弄ばれて、暴力団の組長に強姦されたとは、言えない冴子。
唯、男嫌いが治ったのが彼等の影響なのか?
それなら多少は功罪も有ったのか?不思議な感覚だった。
雅治はお風呂をあがると、山田の出した服に着替えて、帰りますと言って帰って行った。
冴子が電話で、明日一緒に行って欲しい処が有るの?と伝えていた。
翌日朝、馬籠雅治は、黒のスーツ姿で来た。
冴子も黒いワンピース姿で待って居る。
線香に花が用意されて、二人は揃って、海老名の新藤の墓に向かった。
春の陽気が照りつける墓地に住職が、準備をして待っていた。
「お彼岸に来られなくて」
「お忙しいですから」と言ってから、お経が始まる。
住職には馬籠が冴子の心を射止めた事が判った。
住職はお経が終わると二人を残して、墓地を去った。
「先生、遅く成ってすみません、今日は報告と許して貰おうと思って来ました、この方馬籠雅治さんと云うのよ、私、雅治さんとお付き合いをしたいの、許して貰える?」
「初めまして、馬籠雅治と申します、冴子さんとお付き合いをさせて下さい、先生の分も冴子さんを幸せにします」
そう言うと、二人はその場で抱き会った、キスをする二人。
新藤が亡くなって二年半、冴子に新藤の重しが消えた瞬間だった。
佐山に鈴木と亀井が今までの事を喋った。
それは意外な話しだった、
冴子を好きだった新藤、加藤と共謀して自分好みの女に調教しようとした。
そして彼は冴子に恋をして愛してしまった。
加藤達はお金を貰う為に、妹を強姦調教して、新藤達を眠らせて破産させた事、冴子が抱かれた男が新藤と雅治しか居なかった事実、佐山には驚きだった。
でも、その事は誰にも話さないで、自分の心に閉まった。
冴子の夢を壊したく無かったからだ。
月曜の夜、放送の二人は明るかった。
冴子も玲奈も気分が良かったのだ
心の重しが外れた二人だった。
完
2015,03,12
メインキャスターⅡ