風の便り
私の家屋、私の心に
そして、私の古い木製の窓辺に立ち寄った
閑古鳥、愛らしい旅人よ
眩い夕陽を背にして
おまえは美しい歌を歌っていた
夕陽のベールに包まれながら
光と影の織りなす
神秘の布となり
虚ろな眠りにあった私の心を
そっとおまえは包んでくれた
慈しみ、どれほど慕ったであろう
たとえる術なく
その歌声にひかれ私は手を差し伸べると
おまえは驚き たちまち飛び去った
そしてある日のあくる朝
私の枕元へ
一陣の風が吹き
光とともにふたたび、
あの懐かしい温かさが窓辺より射る
その歌声は私の夢であり そして私の喜びでもあった
拝啓
貴女の私の夢への来訪に、感謝と
斜陽の美しい、初夏の夢に
希望を添えて…
風をたよりに
敬具
風の便り