風の便り

風の便り

私の家屋、私の心に

そして、私の古い木製の窓辺に立ち寄った

閑古鳥、愛らしい旅人よ


眩い夕陽を背にして

おまえは美しい歌を歌っていた


夕陽のベールに包まれながら


光と影の織りなす

神秘の布となり


虚ろな眠りにあった私の心を
そっとおまえは包んでくれた


慈しみ、どれほど慕ったであろう
たとえる術なく

その歌声にひかれ私は手を差し伸べると

おまえは驚き たちまち飛び去った


そしてある日のあくる朝

私の枕元へ
一陣の風が吹き

光とともにふたたび、

あの懐かしい温かさが窓辺より射る

その歌声は私の夢であり そして私の喜びでもあった



拝啓


貴女の私の夢への来訪に、感謝と

斜陽の美しい、初夏の夢に

希望を添えて…
風をたよりに

敬具

風の便り

風の便り

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-15

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