君色(きみいろ)
人や言葉に色があるのなら僕はいつも君色でした。
初めて見る色に僕はあの日
目を奪われた。
春の風に舞うピンク色の花が
その色を際立たせた。
散っていく花びらのように
寂しげな君を見つけた。
離れた場所から見る君は
いろんな色に変わってく。
誰かの声色に合わせるように…。
そんな君の色を見てるうちに
恋をしていた。
僕がかける言葉はいつも無色で
君を何度もすり抜けた。
突然降りだした雨に
一本の傘が二人を近づけた。
二つの鼓動が雨の音を消していく…。
やがて雨はやみ、
雨上がりの空と同じ
オレンジに染まる二人がいた。
これからも僕の色は
君色です。
君色(きみいろ)