君色(きみいろ)

君色(きみいろ)

人や言葉に色があるのなら僕はいつも君色でした。

初めて見る色に僕はあの日
目を奪われた。

春の風に舞うピンク色の花が
その色を際立たせた。
散っていく花びらのように
寂しげな君を見つけた。

離れた場所から見る君は
いろんな色に変わってく。
誰かの声色に合わせるように…。

そんな君の色を見てるうちに
恋をしていた。

僕がかける言葉はいつも無色で
君を何度もすり抜けた。

突然降りだした雨に
一本の傘が二人を近づけた。
二つの鼓動が雨の音を消していく…。

やがて雨はやみ、

雨上がりの空と同じ
オレンジに染まる二人がいた。

これからも僕の色は
君色です。

君色(きみいろ)

君色(きみいろ)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-14

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