二重奏

時計

僕が手になろう。
だからキミの手はもう要らないね。

僕が足になろう。
もうキミは自分の足で歩く必要は無いんだ。

お外に出掛けたいときは僕が背負ってあげるし、林檎が食べたいときは僕がうさぎの形に切り分けてあげよう。

だからもうどこにも行かないで。
この部屋を出るなんて、二度と言わないで。

だってそうだろう?
キミは、僕の目になってくれるって言ったよね?
僕の耳になってくれるとも言ってくれた。

僕の両目をアイスピックで串刺しにしたのも、掃除機を使って僕の鼓膜を破ったのも、僕と同じ考えなんでしょう?
僕がどこにも行かないように。この部屋を出るなんて、僕が二度と言わないように。

二重奏

二重奏

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-14

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