あの星に手を伸ばせば

あの星に手を伸ばせば

あの日の大切な時間、大切な気持ち、いつか君に届くように。

あの星に想いを込めて…。

忘れられたぬいぐるみのように
うつむく君の横顔が今も忘れられない……。


二人好きだった歌の間に聞こえてくる
君の声はもうなくて
それは途切れながら
頭の中を通りすぎていく。

今、夜空に向かう白い息は
重なることなくひとつ舞い上がる。

あの日
届くはずもない星に
手を伸ばした僕と
届くと信じて微笑む君がいた。

あの頃の君を思えば思うほど
愛しくて
今の君を想えば想うほど
苦しくて。

君との夢を描けば描くほど
会いたくて
君の幸せを願えば願うほど
切なくて。

掴めなかったあの星は今もここにあるよ。
だから僕は今日も手を伸ばすから。

君がまた笑顔になるように…。
誰よりも笑顔でいられるように…。

あの星に手を伸ばせば

あの星に手を伸ばせば

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-12

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