紙の公園21~25

何故だ自分は何をしたのか、何もしてないはずだ…
答えは、簡単で単純だった何もしていなかったからだった。
遙人が思うに、部活の人と仲良くなる理由は「痛みの共有」である。
部活をやっていれば、辛いタイミングが誰にでも来る。そうゆう時に、仲間入ればとか仲間もやってるから、という理由で仲間意識が沸くからである。
それを遙人は、怠り過ぎたのだ。
仕方ないとも思ったが、遙人は絶望した、人の絆はこんな容易いものだったのかと…
遙人は、目の前が見えなくなってその場に倒れ込んでしまった・・・

遙人は、ベットで目を覚ました。起きているはずなのに視界が半分くらい真っ暗だった。
そこには、保険の先生がいた。
遙人は、視界が一部暗いのが不安になった。
遙人は、勇気を出して聞いてみた。
聞いてみるとストレスによるものらしい時間がたてば直るらしいが遙人は、凄く不安になった。

保険の先生は、顧問などに伝えようとしていたが遙人はその時こう言った。
「他の先生と生徒には言わないで欲しい」と駄目もとで頼んでみた。
正直、こんな理由で倒れたのも知られたくないと思ったからだ。
頼み込んだ結果、今回ばっかりは黙っててくれるらしいが次このようなことがあれば遠慮なく言わせて貰うとまで言われてしまった。
遙人には、それだけでも正直ありがたかった。

その後、病院に連れて行かれ入院することが決まった。
その日は、金曜日だったこともあり土曜日、日曜日の2日間は、入院となった。
そして、ベットに居ることを余儀なくされた。
遥人にとっては、別になんの苦でもなかったが、医者のカウンセリングだけがとても嫌でしかなかった。

カウンセリングが嫌だったのは、医者が、まるで傷を(えぐ)るかのようにいろいろ聞いて来たが、そのたびに発作の様なものがでた。
そして、もっとひどい時は、目の方まで悪くなり、しばらく見えないこともしばしばあったが、そんな時でも遥人は、本のページをそれでもめくり続けた。

紙の公園21~25

紙の公園21~25

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-08

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