幸涙 ~幸せで、涙いっぱいの恋~ ①

深音と優は、満開の桜の木の下で出会った。

深音の人生は、この優によって大きく変わることとなる。

満開の桜の木の下で、優と出会った。

その日から私の人生は変わろうとしていたのかもしれない



その日から早くも6年が過ぎ、私たちは小学6年生になった。

「6年間なんて、あっという間にすぎたね~!入学式の時のこと、まだ覚えてるよ~」

と、親友の侑李が私の目の前で言っていた。

「うん。そうだね~」

なぜか私は乗り気じゃなかったため、適当な返事をして、自分の席に座った。

「も~、深音ってばノリ悪いなあ!あ、優くん!」

ああ、優がきたのね。どーでもいいや

すると、優が私の目の前にきて「深音 おはよー!今日も一段と足太いな!」といって、私の目の前にある自分の席に座った。
「一言余計なの!!!!!!!!」



あーあ。あの日初めて出会った日はさ、

天使が舞い降りてきた!的な感じだったのにさ、何よ、今の態度、言葉遣い!天使じゃなくて悪魔じゃん!

私は、優の背中を思いっきり睨んでやった。

「どしたの、深音。なんか怖いよ」

と侑李が私に話しかけてきた。

「そいつはもとから怖いんだからほっとけ!」
優が話に入ってこなくていいのに勝手に入ってきた。

「もう!ほんっと一言余計すぎなの!!!!」
「へいへい」


そういうと優は前を向いて、他の男子と喋り始めた。

「ねえ、深音っ!優くんのことどうおもってんの?」

恋愛大好きの侑李がニヤニヤしながら聞いてきた。

「っは?何言ってんの、侑李!私6年間ずっと優と同じクラスだけど、恋愛感情ってもんは持ってないのよ!残念」
「もー!でも、嫌いじゃないでしょ!」

「え?ん・・・分かんない」
「その迷ってるってことは、嫌いじゃないってことなのよ!」

侑李は、なぜか私と優をひっつけたいらしい。

「はいはい!あ、でも優のことはほんっとに好きじゃないんだからね!?」

「はーいはい」
侑李は、笑顔のまま返事をした。

はぁ。みんなってどうしてそんな恋の話をするのかな
私だって、初恋はしたことあるの。
でも、小学生になってから恋より友情が大事みたいなことになってきて、
結局その初恋は諦めたんだよな

多分、今回も同じ。もし私が優を好きになっても、最後は諦めてはい終わり!
みたいな感じになるんだろうな

だから、私は一生、恋はしないと決めたの
こんなに辛い思いするならしないほうが、人生が楽に終えれる。
そう思ったからだった。

そこへ、私の男友達の順平がやってきた。
関西出身で、私が3年生の時に転校してきて、順平もずっと同じクラスだった。
今では、信頼できる男友達ということになった。

「なあなあ、深音!来週俺の誕生日なんやけどな?誕生日パーティー開くんや。深音もこんか?」
「あ、いくいく!」

深音はそっこう返事した。

パーティーってことは・・・おいしいおやつもたくっさん食べれるんだよな~
うふっ 楽しみ!

おっと、よだれが・・・。

すると、隣でクスクスと笑い声が聞こえた。
「深音ってば・・・食べ物につられただけでしょ」

と、侑李が私に話しかけてきた。

「え?ち、違うもん!大切な男友達の誕生日なんだから、祝ってあげないと!みたいな感じなの!」

「ふ~ん?」

ああ、なんかゴメン!順平~~~

「おい、いくのか?その誕生日パーティー?」

と、今まで存在を忘れていた優が話しかけてきた。
「うん。行くけど。それがどうかした?」
「いや、べつに」

どしたのかな、優?


深音は、うきうきで誕生日パーティーのことを考えていた。

地獄のパーティーになるとも知らずに・・・

幸涙 ~幸せで、涙いっぱいの恋~ ①

幸涙 ~幸せで、涙いっぱいの恋~ ①

幸せでも、どうにもできない恋ってあるんです。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-22

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