紙の公園 16~20

だめだ、体調が優れない。
公園による予定は無かったが、家まで持つ気がしない、なんとか公園にたどり着いた。
視界が少し霞んでいる。
またか…この感じ前にも・・・
遙人は、ベンチまであと少しのところで倒れてしまった・・・
起きた時、空は真っ暗だった、まだ目が見えてないのかと思ったが、そうではないようだ、ちゃんと上には、木がみえていた。
あれ? ベンチにたどり着いて無かったはずだが、なぜだ・・・


やはり背中が平らで、なんだか頭が凄く楽だ。起き上がろうとしたその時、
「あっ気がついたんですね、そこに倒れていたんで心配しました。」
話を詳しく聞くと、わざわざこのベンチまでなんとか引き上げてくれたらしい・・・ついでに膝枕まで・・・
こんな、数日喋っただけなのに・・・
まだ名前も知らないのに・・・
凄く心が熱くなった。
少女には、何度もお礼を言った。
だが、彼女は理由は、けして聞いて来なかった。
でもその代わりに彼女はこう呟いた
「言いたい時が来たら、いつでも言って下さいね…」

あの現象は、いつから思い出せばいいんだろう。
そうあの時は、桜がまだ散る前だ
うちの学校は、2年から進学クラスか普通クラスかを選ぶ時期がある。遙人は、学年で10位くらいの優秀な方だった。必然的に進学クラスに送られた。
そうなると、2年は基礎的な内容を叩き込むために部活の時間を使って補習をやるので部活は当然行けなくなる。
それでも、その時はただ泳ぐ時間が減るだけでなにも変わらないと思っていた・・・

そして、補習がはじまった。うちの学校は、特殊でみっちり補習があるのは2年の時だけで3年は、各自でやれとのことだった。だから2年は耐え3年は部活を必死に取り組む予定を2年の時から、考えていた。
それは、補習が始まってちょうど1ヶ月ぐらいたった時だった。たまたま補習もなく、久しぶりに部活によった。休みが急だったこともあり水着を持っていなかったが、見学するだけでも行こうと思った。
遙人は、気分よくプールへ向かった。

部活についた遙人は先生に挨拶をしてから更衣室に入った。そこには、沢山の一年生がいた。そうか遙人は、この景色を見て自分は先輩になったと初めて実感が湧いた。
感動してる遙人とは裏腹に多分この頃だと思う。同級生や先輩が誰1人として、話しかけて来ないのだ。
まだ気づいてないだけかなと思ったが、明らかにこちらを向いていても遠くから見られているだけだった。
その頃の遙人は、まだ気づかないまま話しかけたが、みんなの反応が薄い。そこでようやく遙人は気づいたのだ。
自分が避けられている事に・・・

紙の公園 16~20

紙の公園 16~20

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted