もぐちゃん

スチャ…。
「たくっ、めんどくせぇな」
《ア"~~~~~~~~~~……。》
「お前の相手は、この…俺だ!」
向かってくる化けモノに、その少年、瞳を赤く染め、刃を降り下ろした。――。
フッ…。
「あ~あ。単独行動は、慎めって言われてなかったっけ?」
「なんで、お前がいるんだよ!恭也!」
恭也は、秀麗な眉をひそめ、
「お馬鹿な誰かさんのお目付け役だから」
シレッといい放った。
「恭也、テメェ…」
腹のそこから声を出した。
「おお、怖い怖い」
たが、恭也は、口の端を少し上げただけだった。
「テメェ、いい加減に…」
「っつ、殺気!!」
二人は、一斉に飛び退いた。
ビュッ!ドドッ!…。
足元に矢が突き刺さった。
「なっ」
「チッ、誰だ!」
スッ…スチャ…。
「二人とも、帰還命令出てるよ」
姿を現したのは、穏やかな雰囲気を持つ少年だった。
「神楽ッ!お前今、本気で撃ったろ!」
「やだなぁ、僕がそんなことするわけないだろ?」
口角が上がっているので、間違いない。

「くくっ…ハハッ!」
恭也は、腹を抱えて笑っている。
『何がおかしいんだよ!』
悠紀斗と神楽の声が重なった。
「何ハモってるんだよ!ヤバい、笑い死ぬ。ぷっ!」
「わっ、笑うなよ!!」
「そうだね。それには、賛成かな?」
神楽が不敵に笑う。
恭也の顔つきが変わった。
「おいっ!神楽、後ろ!」
恭也が後ろを指指す。
「なっ!」
《ア"ア"~~~~~~~~~~~~~~………………。ヴァ"~~~~!」》
そこには、先程倒した鬼が、背中の傷口から赤黒い鮮血を滴ながら這いつくばり、3人を睨んでいた。
《キ…サマ……ラ…コロ…ス。我ラノ……敵ッ!》
鬼はとてつもない速ささで傷を回復し、恭也に飛びかかった。
ビュッ!
寸前のところでそれをかわす。
「チッ、おい。さっき、殺ったんじゃねぇのかよ!」
「知らねぇよ!俺は、ちゃんと…!」
《逃ガサン!!》
鬼は隙を逃さず、間髪いれずに容赦なく撃ち込んでくる。
ガッッ!
「ッぐう!!」
全身が軋む。それと同時に全身に激痛が走る。
「悠紀斗っ!」
神楽が叫ぶ。
「俺、こういうこと苦手なんだけ…ドッ!!」
ダンッ!
勢いよく地を蹴り、そして…、首にかけていたネックレスを外し、
「我が刃にて、断罪を下す。ソウルチャージ!!」
両手を前に掲げ、
「死神の鎌<ダークサイズ>」
眩い光と共に、漆黒の鎌が現れた。
「恭也っ!クソッ、援護する!」
神楽が矢を放った。
ビュッ!
ダダッ!!グサッ!!…。
《ア"ヴウ~~~~~~~~~~~…。キサマラ、許サン!!我ハ、<怒り>ヲ受ケ継グモノ、敗北ハ…》
「恭也、今だよ!」
「わかってる!…。行くぜ!龍の乱舞!」
鎌を一回転させると、青い炎が刃を包みこんだ。
そして、そのまま…。鬼に降り下ろした。
ビュッ!
《グア"ッ!…ゴフッ…カッ。》
ドサッ。
体を裂かれた鬼はその場に倒れ付した。
《コレデ、終ワッタト……思ウナヨ…!!》
そして、いきたえた。
「終わった?な。ハァハァ」
「うん……。ッ悠紀斗!!」

神楽がこちらへ駆けてくる。だが、指先ひとつ動かない。
「悠紀斗っ!大丈夫か?しっかりしろ!」
「ヤバいな。まともに喰らってたからな」
「だね。急いで連れて帰るよ!」
「チッ」
二人は、悠紀斗を抱えて、闇の中に消えていった。
――。第1章完結

もぐちゃん

もぐちゃん

初作品なので、まだまだ未熟ですが、よかったら読んでください。 続きもあるので、投稿されたら読んでください。

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-22

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