Philia

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フィリア・サーストは無痛症の女の子。
愛と痛みを求める哀れな子。
それは、そんな彼女が満たされるひととき。

愛と痛み

自分でも頬が弛緩するのが分かった。
喉からはしたない笑い声が溢れたけど、すぐ男の絶叫で掻き消される。

嗚呼、最高のハーモニーだわ。
きっと私の顔は今、恍惚の表情をしているでしょうね。
だって、こんなに満たされてる。

ふふふ。そんなに顔を歪めてさぞ痛いのでしょうね?
私も初めてこれをされた時は痛みでトびそうになったもの。
そりゃあ当然よ。
痛みを感じてもらわなければ困るわ。

今の私はもう、何も感じないけど。
貴方が羨ましい。本当に。

痛みで頭がショートして何も考えられなくなるとことか、傷口が焼けるように熱を帯びる感覚とか、叫ぶ度に喉が張り裂けそうになるあの感じ。
最高よね。とっても懐かしい。

どうして「やめて」だなんて懇願するの?
貴方には痛みを感じることが出来るのに?
愛してもらうことが出来るのに?

ずるい。ずるいわ。
私は何も感じないのに。
貴方みたいに痛みを感じることが出来れば、もう一度愛してもらえるのに。

何故「殺してくれ」だなんて言うの?
まだまだお楽しみはこれからよ?
私を愉しませてね。
そして、もう一度あの感覚を思い出させて。
最近自分の傷を見ても、どれ程の痛みだったか思い出せないことがあるの。
でも貴方のおかげで大丈夫そう。

私に、その痛みを、伝えてね。

Philia

Philia

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-12-06

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