美しい人

美しい人

にっと白い歯を見せて太陽みたいに笑う貴方を見て、泣きそうになった。

貴方の事を知る度に、私はまざまざと思い知らされるの。
私と貴方は不釣合いだって。
明るくて、笑顔が絶えなくて、常に全力で。
ほら、私とは全然違う。

ちょっと視界がぼやけて貴方の顔が歪んだら、貴方はぎょっとして私を見た。
動揺する貴方も愛おしい。
好きです。貴方が。どうしようもなく。

貴方にこの気持ちを伝えたい衝動を押し殺して、目にごみが入っただけだからと告げた。

美しい人

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  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-05

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