紙の公園 6~10

遙人は、その公園を後にした。
次の朝、遙人は今日も歩いて学校に行く事にした。いつもより早く行くのは、少し面倒だったが公園の事を思ったら少しも苦じゃなかった。
そして、学校も終わり例のごとく、部活をサボりゆっくりと公園に向かった、細道に入り藤棚を抜けあの公園のベンチが見えた。
でも昨日と少し違っていた。
今日、そこには少女が座って本を読んでいた。


その少女は、髪は長く黒髪が綺麗で彼女もまた本を読んでいた。
遙人は、心の中でクスリと笑った。
自分と同じ考えの人がいると思うと、凄く嬉しい気持ちになった。
遙人は、真ん中のベンチに腰かけ、ゆっくりと本を開いた。その瞬間、隣から声がした。
「SF小説が好きなんですか?」
そう少女が訪ねてきた。
内心凄くびっくりしたが、表面には現れて無いはずだ……
「いや、たまたま読んでいるだけです。」
何故この少女は、声を掛けてきたのだろう。

「すみません、突然声掛けて。」
「いえ、あなたはSF小説が好きなんですか?」
「いえ、ただその小説読んだことがあったので。」
今読んでいた本は[アンドロイドは電気羊の夢を見るか]と言う本で、少女が読む本だとは思わなかったから少しびっくりした。
その後はお互い話すこと無く日が暮れる前に遙人は、家に帰る事にした。
その少女の着ていた制服は見たことがなかったが、調べたら、意外と近くの女子校らしい。ずっと住んでいるのに、そんな事も知らないなんて今までなにを見てたんだろ、と考えたら少し可笑しくなった。

次の日も歩いて学校に行くことにした。あの公園に、自転車で行くのもいいと思ったが、藤棚を直ぐ過ぎるのは、勿体無いと思ったからだ。
学校は無事に何事も無く終わり、今日もそのまま公園に行こうとした。その時、声をかけられた。振り返ると知らない人がいた。
(誰だこいつ??)あっそういえば、部活の顧問だった、すっかり忘れていた。
他の生徒だったら、顧問の顔は忘れないだろう普通。
どうやら僕は普通の人じゃないらしいとっても残念だ。
そんなことより、目の前の人を対処せねば……

「何でしょう先生?」
少し戸惑いながら言った。
「今日も部活来ないのか?」
正直ギクッとした、なぜならこの先生は「今日も」っと言っているのだ。
流石にバレていたらしい。
「まぁ今日もちょっと用事が…」
少し無理が合っただろうか…
「なら仕方ないが」
誤魔化せた!
「でもお前、部活で何かあったのか?」
「いえ、まったく顔出してないのに何かなんてあるわけないじゃないですか。僕はここらで失礼します。」
僕は公園に足早と向かった。

紙の公園 6~10

誤字などあったので、直しました。
本当にありがとうございました。

報告してくれた方     言葉(ことは)さん     http://slib.net/a/17649
詩を書いてる人です。是非読んでみてください。 12月10日

また、誤字がありましので直しました。
本当にありがとうございました。

報告してくれた方     パトさん
                                    12月19日

紙の公園 6~10

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-05

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