王様と愉快な仲間達
ギャグを意識して書かせていただきました。
また、この作品はハイキュー‼︎の二次創作です。
初めて小説というものに挑戦したので、劣る所もあると思いますが、
暖かい目で読んで頂けると嬉しいです。
プロローグ
空は雲一つなく晴れ晴れとした快晴で清々しい朝だった。
ただ、例のアレさえなければ最高の日だったことだろう、と誰もが感じている。
その中に含まれる日向と影山も「はぁ…」と同時にため息をついた。
そうこの日、烏野高校の一部の生徒に魔の時間が刻一刻とせまっていたのだった。
お分かりいただけただろうか。“テスト返却”である。
>>1
「それでは、先日おこなったテストの返却をします。」
教室の中は生徒達のざわついた声でとても騒がしかった。
しかし、話す余裕すらない日向や影山はそれぞれ自分のクラスで途方に暮れていた。
それに比べ、特進クラスの月島、山口、谷地は落ち着いた表情を浮かべている。
ふと山口は、昨日の帰り道に1年だけで話していた会話を思い出し、思わず笑いそうになったがこらえていた。
時は、昨日に遡る。
部活を終え、時刻は午後7時を回っていた。
空を見上げると、もう日も沈んでいて、辺りは暗闇とかしている。いつもの帰り道、この日は丁度1年だけだった。
と、その時「俺、今回のテスト行けた気がする。」と影山が不意に呟いた。
「へぇーあの王様がねぇ。冗談は言わない方が身のためじゃない?」
「はぁ?!月島、なんだとゴラァ!!」
日常茶飯事であるこの会話。
しかし、なにかがおかしい。そう、あの影山がテストに関して自信に道溢れているなんてありえないことなのだ。
「そーだそーだ!なんで影山がそんなに自信ありげになってんだよ!明日、雨降るんじゃね?!」
すかさず、日向も参戦する。
「日向も人の事言えないよ?」
「山口ーそれはいっちゃだめだよ^^?」
どうやら触れてはいけないところだったようだ…と山口は瞬時に察した。
「えっと…ちなみに明日の天気は快晴だそうですよ!」山口の隣でカバンの中をガサゴソしていた谷地が携帯で天気予報を確認している。
「誰がそこまでやれと。」
日向のナイスツッコミを見事にスルースキルを使って回避した谷地は更に続けた。
「あっ、そうだ!!今、とってもグッジョブなこと思いついたんですけど…月島くんと影山くんがテストの点数で対決してみてはどうでしょうか?」
「えっ、そこまで俺、言ってないんすけど、谷地さん?」谷地の思いつきの一言でぽかんとした表情の影山に対し、月島は余裕の笑みを浮かべて「いーねーw僕は大賛成だよ?」と言った。
「だけどそれじゃ、あまりにも王様に勝ち目がなくて可哀想だから日向との合計点数で僕に勝てばなにかしてあげてもいいよ。ただしそっちが負けたら…」と言いかけていたところで影山が思わず口を挟む。
「同情すんじゃねーよ!!でも、それってホントか?」
「ツッキーが嘘つくわけないじゃん!!」
「そうかぁ?山口?なら、やってやる。」
「ふーん。さすが王様wそうこなくっちゃねw」
「あっ、あの影山が納得するなんて…!!明日はついに地球が滅亡しちゃうんじゃ…ていうか、合計点数ってえぇ?!俺も巻き込まれんのかい!!」
気づくのが少し遅し、日向。
「きっと、いや…多分?明日はあると思い…たいです!!諦めたらそこで試合終了なので!!」
「谷地さんww明日地球が滅亡しちゃったら笑い事じゃないからwwwまぁでも、もし滅亡しちゃったら王様のせいだねwww」
「これは理不尽。」
こんなことがあったわけで…まさにいろんな意味でのドキドキな1日が始まったのである。
>>2
いよいよ、自分の番がくる…と影山は決意していたところだった。
「影山」と先生に名前を呼ばれ、これから試合が始まるかのような緊張感を漂わせながら静かに席をたった。
「お前はもう少し頑張ろうな…。」
「ウイッス。(なにをだ?)」
答案用紙が返される。
「…!」
影山は思わず目を見開いた。
なんと……自己最低得点だったのである。
あれだけ自信があったのにこんな散々な結果だったことの苛立ちと同時に恥ずかしさが込み上げてきた。
あんな日のあとで、こんなもん見せたら馬鹿にしかされないじゃねーか…!!!!
キーンコーンカーンコーン
予鈴が教室内に響きわたり、一部の生徒は教室から廊下へとでていく。
休み時間、日向と影山は2人で密かに集まり、今日返ってきた答案用紙をこそこそとみせあっていた。
日向も同様散々な結果だったらしい。
2人は愕然としていた。
「もーどーすんだよこれ!!こんなんじゃ負け確だよ!!なんで昨日あんなこといったんだよ!!」
「なんでだろうな?勝てる気がしたから?」
「はぁー?!お前ほんと馬鹿だな!!確か、月島って特進クラスなんだろ?もうその時点で無理だって察しろよ!!」
「馬鹿が馬鹿に馬鹿っていうなボケぇ!!カバになんぞ!!」
「カバはそっちだろ!!」
これまた、いつもどおりの会話を繰り返していた時だった。
「今度は何やってんの?秘密会議?ww」
月島だ。
「見ればわかるだろ!!密かに集まって話し合ってんだよ!!」
「いや、だからそれを秘密会議っていうんだってば…っていうか、テストどうだったの?まぁ、予想通りの結果だろうけど。」
「予想通りの結果だから、今話し合ってんだろうが!!」
「おい、影山!!それ言っちゃ駄目なやつだろ!!悪かったってバレちゃうじゃん!!」
「へぇー。そんなに悪かったんだ?一体何点だったのwwまぁ、考えてもそんなの分かりきったことかーw」
「人の点数を勝手に考えるんじゃねーよ!!感じろよ!!!!!」
「影山って点数を感じとれるのか!?ほんの少しだけだけどお前の事見直したよ。」
「まあな。1度でいいから使ってみたかったんだ。でも、少しだけってなんだよ!!てか、そこはどうでもいいんだよ!!流せよっ!!」
「少しでも見直したんだからいいだろ?!それでも不満があんのかよ!!あと、流すって…なにを流すんだよ!!どこにも川なんかないじゃんか!!無理なこというなっ!!」
「二人の会話が全く噛み合ってないんだけど…ww」
こんなくだらない事を話しているあいだに時間はあっという間に過ぎ、休み時間が終わろうとしていた。
「じゃ、楽しみにしてるからw」と月島はいかにも嫌味たっぷりな言葉を残して去っていった。
「俺らもそろそろ教室戻るか。」と、影山も続く。
「そーだな。っていうか、結局どうすんだよ!!なんも決まってないじゃん!!」
「ジ、ジーザスッ…!!!!!!!!!」
>>3
「さて...お二人とも!!どうでしたか?」
谷地がそういうと、影山がすぐさま
「やっぱり俺、やめるわ」と続けて声にした。
「あれぇー?王様、あんなに自信あったのに?wもしかして、悪い点数を取っちゃったんでしょー?ww図星ww」
昼休みの出来事で分かりきっていることをわざわざ言う月島に影山のスイッチがこの瞬間に入ってしまったのだなこの会話を聞いていた谷地、山口、日向の3人ともが悟った。
「誰も、そうとは言ってねーよ!!合計点数なんだろ??俺らが勝てるに決まってるじゃねーか!!な?日向!!そうといえよ!!言わなかったら許さねぇ!!!!!!」
「必死だね、影山...。虚しく見えるよ...」
と、そこにいる全員が感じていたことを代表するかのように山口が呟く。
「か、勝つとか...負けるに...お、俺はどうなっても知らないからなっ!!」
日向含め誰もが思った。影山詰んだな…と。
見せあった結果は...お察しのとおりである。
「じゃー約束通り王様には僕の言うこと聞いてもらうからwww」
「はぁ?!月島、そんなこと一言も聞いてねーよ?!どういうことだよ!!!!」
「ツッキーはあの時、言おうとしたんだけど、影山が遮っちゃったんだよ。ねぇ、谷地さん」
「はい。確かに、私の記憶の中では言おうとしていたような...?」
「谷地さんまで...まじかよ...。」
「そうだ。マ○クに行って、最高の笑顔でスマイルくださいって言ってきてよ王様www」
ただえさえ、今の状態で苛立っている影山を御構い無しに、月島はとんでも無いお願いを要求してきた。
「…」
「なに黙っちゃってんのさw」
この時、影山の頭の中では、やりたくは無いけど、やらなかった場合、月島にまた腹立つことを言われ、今までよりバカにされるかもしれないと、自分でも珍しいと思うくらいには、思考を巡らせていたのだ。
「……あぁ」
「あぁ…って、まさかあの影山が?!」
日向も驚いてしまうこの展開に、谷地や山口も信じられないという顔をした。
「…こうなったらやるしか無いだろ…ボケ…」
ウィーン
マッ○の扉が開かれ、影山は静かに中へと入っていった。
「本当に、大丈夫なのでしょうか…」
「まぁ、なにかあったらその時はその時で…」
「山口、それじゃ手遅れなんじゃ…」
「僕は、知らないふりをするけどね…」
○ックの端で身を潜めていた4人は、影山のことではなく、影山がなにかをやらかしてしまうのではないか、という不安でいっぱいだった。
「あ、手が空いたので、次レジ変わりますよ〜‼︎」
と、その時、とても聞き覚えのある声が中から聞こえてきた。
「ま、まさか…この声は……大王様…??」
「日向それはないんじゃないかな、多分……
だってあの人がマッ○で働いているなんて…」
「ゲッ、なんでトビオがこんなところにいるのさ〜?!」
谷地の言葉を遮るかのように、その声は、青葉城西高校の及川本人のものだったのだ。
「…は?え…?お、及川さんこそ……なんで…」
いきなりのご登場に影山も予想外だったのだろう。頭の整理が追いついていないようだった。
「ん〜まぁ、ちょっとね。あ、ご注文はなに?一応トビオは今、お客さんなんだからはやくいって欲しいんだけど」
「…あ、はい……あの…す、スマイル…下さい」
影山は、精一杯の笑顔を見せていった。
「え、なにその笑えてない笑顔。まあでも、まさか、あのトビオが及川さんのスマイルを要求してくるなんてね〜…感動した‼︎あ、少しだけだけどね‼︎」
意外にも及川は、普通にいつもの及川スマイルを見せたのだ。
「あ、ありがとうございます…それでは…」
「ハイハーイ!じゃあね、トビオ。」
>>4
「とりあえずさ、よかったじゃん、知ってる人で‼︎」
「山口くんの言う通りだよ‼︎まさか、あの人がいるとは思わなかったけど…」
「そうだよ、影山‼︎大王様だって、躊躇うことなくスマイルしてくれたんだしさ‼︎」
「まぁ〜、王様にしては、大進歩なんじゃないの…?」
予想以上にダメージが大きかったのか、表情一つ変えない影山に、月島までもが慰めの言葉を
かけいたのだった。
「……なんで、及川さんが……」
「大王様だって、マ○クで働くことぐらいあるだろ‼︎」
「マ○クよりも○ンタッキー派だって前まであれほど言っていたのに…‼︎」
「……っ‼︎」
影山が勢い良く起き上がるとそこは自分の部屋だった。
「夢だったのか…変な夢を見てしまった…」
しかし、なぜこんな夢を見てしまったのか自分には見当もつかなかった。
ただ、影山は世界は今日も平和だと思ったのだった。
王様と愉快な仲間達
ここまでこの作品を読んでいただき、ありがとうございます。
これからも、投稿するとおもいますので、よろしくお願いします。