ひとりぼっちとはんてんもく。

外の色は緑色。これで二度目の高校での初夏が来たのに気づいた。

「あぁ…怠い。」
誰に聞かれることもない独り言を床に向かって落として、前を向く。

二度目の夏が来るというのに私には相変わらず友達はいなかった。
最近流行りの『私に友達が出来ないのは全部お前らが悪い』ということにでもしたいが私の周りでは夏休みの予定を皆順調に立てていた。

おかしいのはやっぱり私か。
お気に入りのヘッドフォンAKGのK107を耳にかけた。
音の渦にでも巻き込まれてば、少しは楽になるだろう、なんて楽観視しながら、流れて来た曲は最近お気に入りのバンドの新曲だった。

「……好きさ、好きなのさ愛してる。……かぁ。」
「新曲?」

あまりに突然声が聞こえたから、反応が遅れて誤魔化すみたいに声の方に微笑んだ。

「……そ、、そうだよ!部活?」
「そうそう。牧野も?」
「うん。」

同じクラスの最近話すようになった男の子。私なんかに挨拶してくれる珍しい人だ。
少しの沈黙が怖くなって足早にこの場から去ることを決意させるまで5分とかからなかった。

「…新曲、いいよね!じゃあね!」
「…おー。」

私がクラスのリア充の女の子みたいに振る舞えれば、他に話す方法もあっただろうに。

手をひらひら振りながら去っていく男の子をみながら出た結論はヘッドフォンの中から聞こえた。

『1000回唱えても何回唱えてもきっと届かぬ』

「………ばっかみたいな恋。」

続きを一人歌ってヘッドフォンを付け直した。

ひとりぼっちとはんてんもく。

ひとりぼっちとはんてんもく。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-27

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