コズミックブルー

「先生、さようならー」

「おー、気をつけて帰れー」

「あー、恭ちゃーん!バイバーイ」

「ちゃん付けは止めとけー」

「えーそこかよーウケる」

帰りの時間は、慌しい。
大体、学校というものは3つのグループに分かれるものだ。

1つは、明るくキャピキャピ、いつでも仲間とワイワイしているグループ。
2つめは、割といつも静か〜に穏やか〜に過ごしている地味なグループ。
3つめは、どちらにも属さないグループ、グループというか、個。

私は3つめに該当する、人と関わり方が分からなくていつも単独行動の個、だ。

「・・・・・本、・・・・橋本」

「は、はい」

「カバンのチャック全開ー」

「あ・・・・・ありがとうございます・・・・・」

「ん、気いーつけて帰れー」

残念ながら、私が通う高校は名門校でも、進学校でもなく、
いわゆる" バカ"でも通える、校則も緩ければ、レベルも低い高校だ。
頭が金髪の子もいれば、まつ毛がタランチュラ(つけまつげ)みたいな子もいる。

そんな自由度の高い学校だからか、
この学校には「カメラ部」なるものがある。

お父さんの影響で、中学生の時に一眼レフを触ってから
すっかり虜になってしまった私は、本当は写真の専門学校に行きたかった。


だが中学を卒業した年齢で受け入れてくれる専門学校なんて、こんな田舎にあるはずもなく、都会に出る事をお父さんが許してくれる訳もなく・・・・・
進路に悩んでいた所、その頃の担任の先生にこの学校をし、か、た、な、く、提案されたのだった。

コズミックブルー

コズミックブルー

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-27

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