王道ラブコメなんて信じない6

野菜の音

「部長と副部長を決めておけよ。私は用事があるから先に部室行ってろ」
そう言われて重い足取りで部室に向かった。

「で、その子をどう思ってるの?
「不思議な子だなーって思ってます」
何だ?急に高校生っぽいことをしてるな。そんであの女は『柏田深雪』だ。普通の見た目の普通の女子だ。普通過ぎて特筆すべきことがない。
「ただいま戻った。で、何の話をしてたんだ?」
「あ、柏田さんから相談事を聞いてたの」
「そしたら、いつの間にか恋バナになってたんだよね。薫?」
名前で呼ぶ仲になったのか。委員長と不良の百合は案外在り来たりだぞ。
「うちに話を振るな」
不良はそっぽ向いてる。そういやあの金髪がいないな。聞いてみるか。
「で、この部活の創設者は?」
「奥の仮眠室で寝てるよ。部室のセットで夜中まで起きてたらしいし」
なんだ。寝てるだけか。つまらないな。
「へぇ。そうなんだ」
棒読みで返事したら
「聞く気ないなら聞くなよ」
と睨まれながら言われた。いや、睨まなくたっていいじゃん。
「ま、相談系はそっちに任せるよ。あと、部長も決めとけって先生が言ってたから、その二人に任せたよ」
他力本願な発言をしたら。いや、面倒だからただ丸投げしただけだけど。
「はぁ!?なんでうちらで決めなきゃいけないの?創設者にでも、やらせておけばいいじゃん!」
と、キレ気味。睨むな。これ言えば意見を変えるかな…?
「内申点上がるよ?」
「あ、やっぱ、うちが副部長で要が部長ね」
早いな。手の平の返しが早くて残像が見えるレベルだ。
「早く決まってよかった。とりあえず俺は高校の掲示板サイトに探偵部のサイトを作ったり探偵部のサイトのリンクを貼ったりしてるから」
パソコン業務ならやる。それが俺。
「了解しました」
「皆さん普段と違いますね。何か仲いいですね」
「喋らないんじゃない。喋る必要が無いからな普段は」
至極簡単な理由だ。

残念。まだ終わらないよ。前回が短いからその分頑張るみたいだ。主に作者がね。
「柏田さんの好きな子ってのは誰なの?」
そんで恋愛相談してる。適当に聞いてるか。業務も終わったし
「え?い、いや。言えませんよ恥ずかしいし内緒です」
まぁ、そりゃそうだろうな。埒明かないし助け舟出すか。
「委員長。好きな人を特定しなくても解決する方法はあるだろ。好きな人の性格とか、好きな物とか色々あるじゃん」
「俺で例えると好きな物は本とかあと甘い物だな。性格は…」
そういうと部室のドアが開き
「陰険 卑屈か?」
と明らかな悪口を言われた。まぁ間違ってないけど。率直に言われるとへこむ。
「先生。ノックしてから入って下さい。そしてそれは、悪口です」
「あぁ、スマンなこの部活用の報告書を置いておくぞ」
対して誠意のない謝罪を聞き流そうとしたら、聞き流せない単語が聞こえた。
「報告書?先生。そんなの使わなくてもいいのでは?他の部活も特にしてないし」
「一応、形としてだ。解決できなかったり重度だったらカウンセリングの方に回す為だ。て事で後は任せた」
報告書という名のA4判のプリントを置いて部屋から出て行った。
「まぁ、そんな感じで上げてくれるか?」
話を元に戻して話を進めた。
「性格は普段はおちゃらけてるけど根は真面目で優しい人です。好きなのは動物系ですかね?」
そんな奴うちの学校にいるのか?そんな絵に描いた様な不良が。
「うーん。どんな感じなのかな?」
「テレビで見るよくある不良だねー」
残念。俺の方がその発想を先に言っていた。というか寝ていたせいもあるのか金髪のアホ毛のアホさが増している。
「あ、金髪起きたんだ。で、ヤンキー代表に聞くけどそんな感じの人に心当たりあるのか?」
「誰がヤンキー代表だよ。心当たりある人って吉宗くんくらいしかいないよ?」
俺が聞いたら、ツッコミながらも答えてくれた。『石谷吉宗』名前だけなら聞いたことある。腕っぷしだけが強そうなヤンキーだ。金髪の真逆みたいな性格をしている。徳川吉宗と似てるから俺は将軍と密かに呼んでる。
「石谷将軍だっけ?」
「将軍は余計だと思うよ」
しまった。つい出てしまった。まぁいい。
「で、ゴロ谷将軍がどうしたの?」
「確かに名前の語呂がいいけど、それは酷いでしょ?柏田さんに謝りなさい」
怒られた。
「ごめんね」
「意外と素直なんだな」
俺だって根は良い奴(自称)だ。
「じゃあ、三億くれ」
「前言撤回。土に帰れ」
「橋本さん。クソ宮くん。うるさい」
「「すいませんでした!」」
面白い感じで話を進めたら怒られた。不良睨むな。
「で、石谷くんと付き合いたいの?告白すれば?」
唐突に金髪が言った。お前みたいに軟派な奴ばかりだと思うなよ。
「早過ぎるだろ」
俺がそう言うと委員長が「あっ、」と言った。文面にするとエロく聞こえてしまうが気のせいだ。心が汚れてるに違いない。
「ラインを交換したら?星宮くんの知り合いに仲介業者みたいな人いたでしょ?」
「あぁ、足尾か。今は放課後だしいないかもしれないぞ?」
『足尾遥』校内諜報員と言っても過言じゃないくらい女子生徒では学校一の情報通だ。いつもアンパンとコーヒー牛乳片手に捜査してる。いや、本当にこの学校ツッコミどころ多いな。嘘だと思うだろ?現実なんだよ。
「てか、ラインを交換しなくても誕生日を知っていればいいんじゃないか?」
好きな人ならそれくらいは知ってるんじゃないかと思って聞いてみた。
「柏田さんは石谷くんの誕生日は知ってるの?」
委員長が聞くと。いや、俺の質問無視?俺が先に言ったよ?泣くよ?
「一応知ってますよ。12/24です」
「「「「………」」」」
俺も含め4人が黙りアイコンタクトを交わすと
「え?な、何か変なこと言ったかな?」
「石谷はあんた事をどう思ってるかなんて分からないしプレゼントもやめとけよ」
「えっ!?な、何でっ!?」
「クリスマス直前に何かあると悲しくなりますよ?」
「クリスマス過ぎてからでも遅くはないよねー」
「だな」
皆で否定すると
「み、皆さん手のひらを返すような対応するんですか…」
「今すぐ付き合うのは厳しいし、ラインの交換くらいなら足尾に頼んで何とかしておくよ」
「は、はぁ…。と、とりあえずありがとうございます」
4人はこう思ってた「クリスマス前にカップルを出す訳にはいかない」と…。そりゃ気が合うはずだ。

王道ラブコメなんて信じない6

王道ラブコメなんて信じない6

ひねくれ者とその仲間達が起こす不思議な物語

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-22

CC BY-NC-ND
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