アーモンド

綾崎

天邪鬼だからか頑張らなくて良いんだよ、と言われるとかえって頑張らなければと思える。

アーモンドの食感が苦手だ。歯と歯の間で擦れたときの感じが気持ち悪い。モッツァレラチーズも似たような理由で苦手だ。

高校が嫌いだ。高校にいる友人が嫌いなわけではない。むしろ好ましい人の方が多い。行けば行ったでなんとなく過ごせるものだ。ただ、やはり行くまでが辛いのだ。人の目が気になる。人から発せられる言葉が怖い。人の腹のなかをひたすら探って探って、笑って笑って、結局は何もわからない。気がかりなことがあると高校は突然おぞましいモンスターに変貌する。実際は大したことではないのだろう。僕の杞憂だ。

締切が得意ではないらしい。締切が刻一刻と近づくにつれて、自分の寿命も少しずつ削られていく気がする。中途半端な完璧主義なのだろう。やるからには徹底しないと気が済まない。逆に徹底できなければ、やる意味がないと思ってしまう。徹底しなければ!徹底しなければ!僕は動けなくなってしまう。中途半端が許せない僕は最終的に何も得られない。

保険が好きだ。これがだめならこっちにしよう。こっちはきっとだめになるからこっちに力を注ごうか。二兎を追う者は一兎をも得ず。昔の人は賢い。よくもまぁぴったりな言葉を作ったものだと感心させられる。だが、状況説明は出来ても心情の説明は彼らにも難しかったのかもしれない。この苔色の沼の底のような僕の中心は表現できない。

きっと真っ白な部屋がいけないのだ。青っぽい照明がいけないのだ。いたって健康なのによく顔色が悪いと言われる。かえってそうだったら良かったのに。病弱だったら毎日気ぜわしくして神経をすり減らす必要もなかったかもしれなかったのに。



呼吸をつづける僕は何なのだろう

アーモンド

アーモンド

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-19

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