シランの花

シランの花

愛斗

はじめて書きました。
よろしければ最後まで読んでいただけると嬉しいです

互いに忘れないように

「じゃあ、そろそろ行くね」

君は微笑みながら言った
電車のアナウンス、少しずつ近づいてくる君が乗っていく電車
12月の空に二人、白い息を吐いては消えていく

ここに来るまでにどのくらいの時間があっただろう
君は思い出話やこれからの話をしてくれていたのに
僕はというと少し下を向いたまま何も言葉にできずにいる

最後の最後で僕は何がしたいんだろう
微笑みながら必死に寂しさを殺している君に何をするつもりだったんだろうか

電車はすでに到着していたが僕にとってはその数秒間が何時間と長く感じた
音を立てて電車のドアが開き君が進む

何をするんだろう
決めてたはずだろう

何て言うんだっけ
そんなの最初から分かってるくせに

じゃあ言わなきゃ
手遅れになって後悔するのはやめだ

「待って!!」

離れていく君の手をつかみ今まで言えなかった言葉を言う
声は震えて、目の前は滲んでいても関係ない

「また必ず会おう、約束だから!絶対だから!」

頭で考えた言葉じゃなく口からこぼれ出た言葉をそのまま君に伝える

「だから……忘れないでね」

滲んだ視界から見えた君の顔は恐らく僕なんかよりもしわくちゃでおかしな顔をしていた

過ぎ去った電車
顔を袖で拭ってから僕も駅を後にする
ぽっかり空いてしまった穴は簡単には埋まらないだろうけど
帰りがけに見たシランの花を横目に
また会えることを祈った

シランの花

はじめて書いてみました。
シランの花言葉は「互いを忘れないように」だそうです。
まだ拙い文章だと思いますが読んでいただきありがとうございました。

シランの花

花言葉で短編シリーズ1 僕は最後に何がしたかったんだっけ

  • 小説
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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-17

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