しろいまる

星と共に、黒と共に

白い体を闇に浮かばせて。

やっと、やっと姿をあらわせた貴方は

静かに星と子守唄を。

やがて来る朝への鎮魂歌を。




星とは随分長い付き合いらしい。

実際彼自身も星だ。他の星とは違う、特別な存在

うさぎだって飛び跳ねるように

どこまでも美しいその姿に身をゆだねて溶けてしまいたい

闇に飲まれんとするその体を支えてあげたい


朝という死に鎮魂歌を送りながら自身も静かに去るその儚さに


いつもただただ胸を打たれる。


貴方はいつから其処にいるのですか


いつから、私を照らしてくれるようになったのでしょうか




太陽とはよく言い争っている。

奴の光が、貴方を闇の世界で一つ、大きく目立たせて。

そのくせ昼間は奴のほうが良く光るもんだから、貴方は見えなくて。




でもそれはとても素敵、素敵だ。

太陽はさびしがり屋なんですよ

夜を歌う貴方を羨ましいと言っていた。


だからどうか、夜のほんの少しの間だけ


光をまとって歌を歌ってください

しろいまる

しろいまる

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-18

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