Sentimentalität

白と黒の境界で詠い続ける少女は

その瞳を閉じるたびに何を見るのだろう

幾千もの争いの記憶か

数多の人々が夢見た楽園か

幾人がどんなに問おうとも

少女はただただ詠い続ける

まるで楽園を追放された人類を哀れむように

まるで煉獄へ向かう人々を哀れむように

少女の詠声はこの世界のどんなものよりも澄み渡り

そして聞く人々全ての心を痛ませた

これからも少女は詠い続けるのだろう

その幼き命尽き果てるまで

Sentimentalität

Sentimentalität

何故、彼女は壊れたように詠い続けるのだろうか。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-18

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