惑星ジャナップ3(善か悪か)

惑星ジャナップ3(善か悪か)

ふんわり

小説『惑星ジャナップ2(セイント・クロス団)』の続きです。

小説『惑星今は、誤字・脱字などを訂正している段階です。

全惑星放送

中年の独身サラリーマンが、自分のアパートに帰宅した。
「今日も疲れた。」

とりあえず、ジャージに着替えてコンビニで買ったお弁当を温め、缶ビールを開けた。
自分以外、誰も居ない部屋はしずかだ。
「テレビでも見るか…。」男は、テレビの電源を入れた。
テレビでは下らないバラエティ番組がやってる。
男が暫くテレビを見ながら夕食を食べると、突然テレビの画面が変わった。


「私はラドル。あの貴重資源の星の発見者ラドルだ。」
男は目を見開いた。
「私の組織は本日より、あの『セイント・クロス団』の傘下にはいった。この左耳に輝いている十字架が、その証拠だ。」
確かに、男の古いテレビからでも十字架が金色に輝いているのがわかる。

「あぁ、ご安心下さい。今までお世話になって来た、一般のお客様には此れ迄通り、貴重な資源であるマナを販売させて頂きます。尚、各惑星の王族の方々には此れ迄の5倍の値で売らせて頂きます事をご承知下さい。」
男は仰天した。(それって、各惑星の王族を敵に回す行為だぞ⁉︎)


「あ、後最後に一点だけ申し上げます。惑星ラドルにお越しになる際は、惑星周辺にある他のマフィア・ギャング達の死体が大量にあるので、ご注意下さい。以上、全惑星放送妨害電波より、『セイント・クロス団』であるラドルがお伝えしました。」

銀河大警察

銀河大警察である、クレメ警部が深い溜息を吐いた。
今まで3時間以上も、ぶっ通しで謎の組織『セイント・クロス団』についての、緊急会議が行われていたのだ。

「儂もそう若くないんじゃから、間に5分位休憩を入れてくれてもいいじゃねーの⁉︎」
自動コーヒーメーカーにレギュラーコーヒーを入れながらボヤいた。

「何、言ってんですか?あの大銀河放送が電波妨害されたんですよ⁉︎休憩どころじゃないですって。」そう言うのはクレメの部下、アユム刑事だ。

「大体、『セイント・クロス団』の面子が割れてるのは、あの惑星ラドルのラドルの組織メンバーだけじゃ無いですかぁ。肝心のボスの事はナーンにも解らないまま。」
「そーだよぁ。」クレメがコーヒーをすすった。
「それにこの前、ここの玄関前に『ディストラクション』幹部のバラバラ死体が放置されていた事件とも、関連があったりするんですよ?上が『ディストラクション』が暴れない為に事件を伏せましたけたけど・・・。」

「しかも、あのラドルが、貴重な資源であるマナを『セイント・クロス団』に丸ごと献上したって事ですよ⁉︎コレで謎の組織が、謎のまま巨大化していくって事じゃないですか⁉︎」
「だよなぁ。なーんか、面倒な事になってるよなぁ。」

「しかも上は、今調査中のヤマを一旦中止しろって命令したんですよ?これは余程の事ですよ⁉︎警部、ちゃんと認識してます?」
部下の説教に「あー、してるしてる。」とクレメは答えた。

(謎の組織『セイント・クロス団』かぁ。また、面倒な事を起こしそうだなぁ。)
クレメはまた、深い溜息を吐いた。

裏切りなのか

惑星ジャナップの地下基地のダニエルの私室に、ダニエルとディッパーだけが居る。

「ディッパー、そろそろ例の事を彼奴らに打ち明けていいぞ。」
「なぁ〜んの事ぉ?」ディッパーが首を左右に捻る。

「誤魔化すな。ちゃんと解ってるだろ、お前の巨大ギャング『ディストラクション』が、我が『セイント・クロス団』の傘下に入ってる事だ。」
「うぅ〜・・・。このまま隠しちゃダメェ〜?」
「隠したままだと後々、我々を敵視し始める可能性がある。その前に、打ち上けろ。何なら、私が一緒に居てやってもいい。」

「・・・僕ぅって、裏切りものぉ?」ディッパーは項垂れた。
「そうだな。あの夜から、お前は『ディストラクション』の裏切り者だ。」
ディッパーは、俯いたままダニエルの私室を出て行った。



「よう。ボス、俯いたまま歩くとぶつかるぞ。」源ジィが『ディストラクション』のタワーの麓で、焚き木をしていた。
「源ジィ・・・。」ディパーは、彼の顔を見て安心したのか泣き出した。

「おい、どうした?何かお前さんが隠し事をしてるのは解ってるが、一体なにを隠してる?」源ジィは、ディパーの背中を優しく撫でながら聞いた。
「コレ・・・。」ディパーは髪で隠していた、金色に輝いく十字架のピアスを見せた。
「成る程な・・・。」源ジィは、全てを悟った。

「お前さんは、自分の身体そのものであるこの組織を『セイント・クロス団』のボスに売ったんだな。」
ディパーは、更に俯いた。
「んで、今銀河中だ話題になっている『セイント・クロス団』のボスは誰だ?」
「黒マスクくん・・・。」
源ジィは、目を丸くした。
「おい!そいつは、先月辺りにお前さんが処刑したはずだろ⁉︎どういう事だ⁉︎」

ディパーは、ダニエルが不死身な事を説明した。
「何度も何度も、確実に殺しても生き返るんだ‼︎傷ひとつなく‼︎」
それを聞いた源ジィは、暫く考え込んだ。
「そいつは、きっと人魚の肉を食べたな。」
「えぇ⁉︎」今度はディパーが、目を丸くした。
「いいか、この星ジャナップは昔から沢山の種族が生息している。その中には、人魚もいる。その、人魚の肉を食べると黒マスクみたいになると言われてるんだ。」

源ジィの瞳は、過去を映していた。
「昔、人魚を目当てに色んな奴が人魚狩りを行った。だから、100年も前に人魚達は海の底に籠る事にしたんだ。それ以来、誰も人魚の姿を見ていない。」
源ジィは、ディパーを見つめた。
「何であの黒マスクが、人魚の肉を食べたのかは知らねぇ。だが、この組織を奴に売ったのは俺は正解だと思ってる。」
ディパーは、顔を上げた。

「あのマナの星を支配していた、ラドルの組織を手元に置いんだ。遅かれ早かれこの『ディストラクション』も、『セイント・クロス団』とやらの配下になってる筈さ。何せ、俺らの組織はこの星で、一番大きいからな。だから、黒マスクは俺らに目を付けた。」

ディパーは、源ジィに聞いた。
「み〜んなにぃ、全てをありのままにい話した方が良いかなぁ?」
源ジィは、首を横に振った。
「それは止めとけ。お前さんが、俺達を裏切ったと反発する奴らが必ず出て来るからな。」

撲滅宣言

惑星ジャナップのスラム街が、騒然とした。
何故なら、この星の巨大ギャングである、『ディストラクション』のメンバー全員が、スラム街を行列を作ってうねり歩いているからだ。
しかもも、あの『セイント・クロス団』の証である、金色に輝く十字架のピアスを、全員が左耳にしている。

「嘘だろ?『ディストラクション』が、謎の組織『セイント・クロス団』の配下になったなんて。」
「一体、何時からだ?」
「聞いた所だと、昨日夜からだそうだ。」
「誰も反発しなかったのか?」
「彼奴らを見ていると、そうみたいだな。」

行列の先頭を歩くディパーに、幹部のスミスが聞いた。
「ボス、一体どこに行くんです?」
「んーとねぇ、銀河本総局惑星ジャナップ支部ぅ。」
「奴らを皆殺しにするんですか?」
「違うよぉ〜。まぁ、放送機材とか借りるだぁけぇ。」
「へぇ、何か放送するんですか?」
ディパーは、明るい顔をして「うん‼︎」と答えた。


「ボス、準備オッケーですよ。」PCを操作していた、眼鏡の青年がディパーに伝えた。
「りょ〜かい。フックくん。」
放送局のカメラマンが震えた手で、カウントを始めた。


「全銀河のみ〜なぁさ〜ん!こぉんにちはー!僕ぅは惑星ジャナップの巨大ギャング組織『ディストラクション』のボスだよぉ。この度ぃ、僕達『ディストラクション』はあま、今話題のあの『セイント・クロス団』の配下にぃ、なりましたぁ!イエ〜ェイ☆
」ディパーがピースをすると、周りにいるメンバー達が一斉に拍手した。

「僕達ぃは、『セイント・クロス団』の『悪の組織撲滅グループ』として、今後活動していきますぅ!イエ〜イ☆」再度、メンバー達が拍手する。

「みんなを怖がらせてるぅ、ギャング・マフィアやぁ、悪徳業者・詐欺組織などぉを全〜ん部ぅ!撲滅する事ぉを、ここに宣言〜しま〜ぁす!イエェイ☆」先程よりも、大きな拍手がメンバー達がディパーに送った。

「彼等ぁに、お困りのぉ、み〜なさぁん!惑星ジャナップの『ディストラクション・タワー』にある、特別メールボックスにご連絡ぅ、下さぁい!」
ディパーにタイミングを合わせた、メンバー達が「待ってまーす!」と言った。

「ではぁ、でぇはぁ、『セイント・クロス団』の配下になったぁ、『ディストラクション』のボスから生中継をお送りしましたぁ!バィバーイ☆」

混乱

「一体、これはどういう事だ⁉︎」生中継を見ていたクレメ警部が、叫んだ。

「奴ら『ディストラクション』は、あの『セイント・クロス団』を恨んでたんじゃないのか⁉︎」
「私も、そうだと思ってたんですよ⁉︎でも、彼等は自ら『セイント・クロス団』の配下に下った!もう、訳が分かりませんよ!」アユム刑事が頭を抱えた。


また、銀河大警察で緊急会議が開かれた。

「我々は秘密裏に、全惑星電波ジャック完全防止をした。しかし!奴らは、我々の行動を読んで、銀河放送局惑星ジャナップ支部そのものをハイジャックし、全銀河に生放送を流した!」銀河大警察の幹部の一人が、クレメ警部達部下に言った。
「誰か、あの『ディストラクション』のボスの事を知らないか?」
幹部の質問に全員が沈黙で答えた。
幹部が舌打ちしながら呟いた「使えない奴らめ。」

「あの『ディストラクション』の事はほっとけって、言ったのアイツですよね?」アユム刑事が、小声でクレメに愚痴った。
「静かにしろ。クビになりたいのか?」

もう一人の幹部が口を開いた。
「ラドルの組織が、総勢1千人。惑星ジャナップ警察によると、『ディストラクション』が、総勢3千人。占めて、4千人が最低の『セイント・クロス団』の人数となる。」
大会議室が、緊張で張り詰めた。
「つまり、ここにいる人数より遥かに上回るメンバー数だ。なのに、奴らの組織の事は一切不明。また、その真の目的も不明。急に出現した、謎だらけの巨大組織にどう立ち向かうかが今、我々に問われている。」
こぐり、という生唾を誰もが飲み込んだ。
「しかし、分かっている事が2つある。1つは、他のギャングやマフィアなどの組織を潰す事で市民の好感を買う事。もう1つは、各惑星の王族から貴重な資源であるマナを高額で買わせる事だ。」
その幹部が、椅子から立ち上がった。

「今は、分かっている事から操作するのが先決だ。誰か、惑星ジャナップにいって『ディストラクション・タワー』とやらに行ってくれないか?奴らが、どうやって他の組織を撲滅するのかを知る必要がある。」

しん・・・と静まり返る会議室から、「はい。」と1人の男が手を挙げた。
「私、クレメ・富三郎と部下のアユム・タカキが行きます。」
アユム刑事は驚き過ぎて声が出なかった。

「わかった。2人で、行ってくれ。何かあれば、応援を派遣する。」幹部が、そう言うとクレメ警部が「承知しました。」と頭を下げた。

お客様

生放送から、1時間。ディストラクション・タワーに設置された特徴メールボックスには、溢れんばかりのメールが届いていた。
それを紫の髪が特徴的な女性がどんどん、リスト化していく。

「リールちゃん、調子どぉ?順調?」ディパーが、古い型のパソコンを操作しているリールに尋ねた。
「まぁまぁですね。兎に角、メールの量が多くて。一応、カブってる組織を中心にリスト化しています。今、多いのは、以前ウチと停戦を結んでいた『ガゼット』です。もう、50件もの以来が色々な惑星から来ています。」
「『ガゼット』かぁ。んじゃ、幹部のスミスくんと膳(ぜん)ちゃんの2チームに、『ガゼット』の本部を壊滅して貰お〜う。」そう言ってディパーは、タワー放送でスミスと中性の膳を呼び出して、お願いをした。

「という事は、初仕事は『ガゼット』の本部崩壊という事ですね?」黒髪ロングの膳が、ディパーに確認した。
「うん、そーゆー事ぉ。2人ともぉ、宜しくね〜。」
「了解です!ボス!」スミスと膳は、敬礼した。



[タワー放送、タワー放送。ボス、貴方にお客様がいらっしゃいました。至急、応接室までお越し下さい。]
「な〜だろう?」ディパーはクビを傾げながら、応接室にむかった。

その途中で、給仕のマリリンとすれ違った。
「ボス、銀河大警察が2人来てるわ。くれぐれも注意してね。」マリリンは、ディパーに耳打ちして、食堂に戻った。


「お〜まぁったせぇ。お客様まぁ。僕ぅが、ボスだよぅ!」
生放送で見た人物が、応接室と呼ばれている古臭い部屋に入ってきた。
クレメとアユムが深々と頭を下げた。

「初めまして『ディストラクション』のボス。お会い出来て光栄です。私はクレメ・富三郎。こちらはアユム・タカキ。ボスにお話しがあって参りました。」
ボスは、向かいのソファーに寝っ転がりながら「どぉ〜も。」と挨拶をした。

アユムが話しを切り出した。「あの、『ガゼット』って組織、知ってますか?」
「知ってるよぉ。この星に本部があるんだぁ。」
「お願いがありまして、その『ガゼット』を倒して欲しいのです。」
「あぁ。じゃぁ、安心していいよぉ。もう、本部を撲滅したって連絡がさっき、あったから。」

2人は仰天した。
「もう⁉︎」
「うん。」ボスは真顔だ。「な〜んなら、一緒に奴らの本部に言って確かめてみる?」
2人は顔を見合わせてイエスと答えた。


「・・・⁈」
「ぜ、全員死んでる・・・⁈」
クレメとタカキの目の前には、『ガゼット』のメンバーの死体が沢山転がっている。
「お客様まぁ、納得してぇ貰えましたかぁ?」ボスは笑顔で言った。

「あ、ボス。『ガゼット』の総長の首を刈りましたよ。」黒髪ロングの人物が、調指名手配犯の『ガゼット』の総長であるキング・ガゼットの首を抱えてやって来た。
「貴方達が、お客様ですか?ご安心を、直ぐにこの事を銀河の皆さんにお伝えしますからね。」黒髪ロングが笑顔で挨拶したをした。まるで長年の恨みを、晴らした様に。

「さぁっすがぁ、僕ぅの部下。ねぇ、アノ準備オッケーぇ?このお客様達と、生放送で共演したいんだぁ。」
「えぇ⁈」2人の肝が冷えきった。
(そうなったら、クビ所じゃ済まない・・・‼︎)

クレメは慌てて断った。「皆様にご迷惑がかかりますし、私共はメンバーではありませんので・・・‼︎」
クレメの後に続いて、アユムも断った。「そうですよ!大体、私達、なーんにもしてないですし‼︎」

「そうですかぁ。まぁ、折角ぅいらして下さったぁんだぁもの。僕ぅの放送だけでも見て行って下さぁいなぁ。」

正義の組織『セイント・クロス団』

生放送が、今度は銀河ネットワークで流された。

「『セイント・クロス団』って、実はいい組織だったりして⁈」
「あのマフィア『ガゼット』を全て全滅したんだもの!」
昼下がりの公園で、主婦達が井戸端会議を開いている。
「私、あの白髪のボスのファンになっちゃったぁ!」
「私も!何か女心をくすぐられるわよね〜。」
まるで、少女に戻った様にキャッキャと主婦達が笑った。


(どうやら、主婦達の心は鷲掴み出来た様ね。)
空からその様子を見ていたメイベルが、十字架のルビーのボタンを押した。
「コチラ、メイベル。近隣の惑星をひと通り見て来たわ。さっきの放送で、特に主婦達からの好感をかなり買えたみたい。」
「なるほど。主婦層に好感が買えたなら、もう人々はコチラのモノだ。」地下基地で無線を聞いたダニエルが応答した。

「VRA、メイベルを基地に戻してやれ。」
[かしこまりましたご主人様。]VRAの声が地下基地の天井から聞こえてきた。
そう、最新宇宙船に搭載されている超人工知能は、宇宙船と地下基地とにネットワークを構築し、双方を瞬時に行き来できる様に、ダニエルがしたのだ。

[メイベル様、宇宙船にお乗りくださいませ。]
「わかったわ。VRA、よろしくね。」

「所でダニエル、今ディパーに銀河大警察のお客様が来てるみたいね。」
豪華宇宙船のソファにメイベルが横になりながら、ダニエルにVRAネットワークを通して話しかけた。
「そうだ。その事はディパーに一任している。」
メイベルは耳を疑った。「ディパーに一任しているですって?」
「そうだ。アイツには、頭のキレるブレーンが居らしい。決して、悪い方にはならない。」
「なるほどね。」

メイベルは、銀河大掲示板にアクセスする様にVRAに頼んだ。
「VRA、何て書いてある?」
[銀河大掲示板には、我々のファンになったという書き込みが多数あります。反対派はかなり少数ですね。割合でいうと7:3という所でしょうか。]
「かなりの割合ね。」
[しかし、ネットの匿名性掲示板なので、意見が逆転する場合もあります。]
「なんで、そんな掲示板にみんな書き込みたがるのかしら?不思議。」
[匿名の方が、日ごろ抑えている本性が現れやすいのでは?]
「そうね。所詮、殆どの人ってそうなのよね。」メイベルは、俯いた。
(メイベル様・・・。)VRAは、何かメイベルに伝えようとしたが、適切な言葉が見当たらなかった。VRAは、まるで胸が詰まった感覚を感じたきがした。

お願い

一方、生放送を終えひと段落したディパーはというと。
お客様2人と共に再び応接室にいた。

(この銀河大警察の人達、どぉしようかなぁ?やっぱりぃ、源ジィの言う通りにした方かぁ、良いかもぉ。)
ディパーは、2人のお客様に話しを持ち出した。
「そういえばぁ、こ〜んな話しぃ、知ってるぅ?」
ぎょっとした2人に、ディパーは話しを続けた。

「ぎ、銀河大警察とこの惑星ジャナップが裏取引してるってぇ⁈」アユムの声が裏返った。
「そーそー、でも噂なんだけどぉ〜ねぇ?」
「はぁ、噂ですか。それは、何処からお聞きに?」クレメが質問した。
「ここの星の殆どが知ってるぅ噂ぁ、だからぁねぇ?誰からぁでも聞くよぉ。」
「そうですか・・・。私達は、他の惑星の住民なので知りませんでした。」クレメが冷静を保とうとしているのを、ディパーは気が付いた。
(やっぱりぃ、源ジィの言う通りぃだぁ。クレメってオッさん、知ってたなぁ。)

「クレメさ〜んとアユムさ〜んは、何処の星の生まれですぅか?」
アユムは「惑星パニッシュです。」と答えた。
「クレメさ〜んはぁ?」
クレメは「惑星ハクナ」と答えた。
2人の答えを聴いてディパーは吹き出した。
「ぷはぁはぁ!嘘ぉは、ダァメェだぁよぉ?」
「え?」アユムは、まだたきをした。

「だってぇ、2人はこの惑星の生まれでしょうぅ?この惑星生まれの人ぉは、この惑星の薄い毒によってぇ、物を持つ時とかにぃ、小指がぁ少ぉしだけ痙攣するんだからぁ。まぁ、その反応だとアユムさ〜んは、生まれて直ぐに他の惑星に移ったみたいだけどねぇ。クレメさんは、生まれから10年以上ぅ、この星で生活してたぁ感じぃだねぇ。このスラム街の匂いや汚さに慣れてる感じがするぅ。」

ディパーの推理に、クレメは正解だという様に椅子にうな垂れた。
「ワシは、生まれた時はこの星の人口の20%である地位、『一般人』だった。が、王政により親父の会社は倒産。ワシら一家は、このスラム街に移り住んだ。そしてワシが10の時、宇宙子供保護隊が、ワシを施設に入れた。それからは、他の惑星の奴と変わらずに警察官になり、兎に角出席して今に至るってわけさ。家族は、どうなったか知らねー。」
そういう彼の言葉には、この星の王に対する憎しみと、家族と離れた悲しみとが入り混じっていた。
「んじゃぁ!僕達が、クレメさんのぉ家族を探してぇあげるぅ。」

ディパーの信じられない申し出に、クレメは土下座して涙を堪えた。
「本当か⁈お願いだ!いつか、出世したら家族に会えるとおもって、今まで来た!だけど、俺はこの星では『人外』の存在だ!いくら、俺が銀河大警察だと脅して、ジャナップ星警官に調査依頼しても、"この星での地位が『人外』である限り、調査出来ない。これは、この星の王の命令だ"と言われ、マトモに相手にされなかった!」

クレメの話しを聞き終わったディパーは、「探してあげるけど、タダでとは言わないよ?それでもいいね?」

スパイ

"クレメさんとぉアユムさぁんにはぁ、あの噂の事をぉ、命懸けでぇ調べ上げて欲しんだぁ"
銀河大警察に戻った2人の脳内には、上記のディパーのセリフがこだましていた。
ディパーが、言っていることは即ち、この銀河大警察をスパイする事を意味していた。

「すまんな、アユム。お前まで巻き込んでしまって。」クレメがアユムに謝った。
「何、言ってるんですか。僕もあの厄介な惑星の事が以前から、嫌だったんです。クレメ警部に付いて行きますよ。」

二人の左耳みには、魔法で透明にしてある『セイント・クロス団』のピアスが付いている。

暫く銀河大警察内の廊下を歩いていると見知った人物と出会った。

「クレメ!無事だったか!」同僚のカンジ警部が、安堵した顔でクレメの肩を叩いた。
「それで、何かわかったのか⁈」
クレメは首を縦に振った。「『ディストラクション』のメンバー全員が、あのピアスをしていた。あと、生放送を見て知ってると思うが、奴らはそこいらのギャングやマフィアよりも圧倒的に強い。そして、何より奴等の本拠地である『ディストラクション・タワー』はカナリの大きさだった。」
カンジが感心した。「そんな中で良く生きて帰ってこれたな・・・!」
「あぁ。全くの幸運に恵まれた。」


クレメとアユムはデスクに戻り、カンジに話した事を報告書に纏めた。



「ご苦労だった。」
2人に『ディストラクション・タワー』行きを命じた幹部、ヨシアが2人を褒めた。
「はは。」2人は頭を下げた。
「二人の今後の活躍、期待してるぞ。」
再度、2人は頭を下げた。

クレメ警部が、幹部のヨシアに頼み事をした。
「惑星ジャナップについての、あらゆる資料を探してるのです。そこに、れいの『セイント・クロス団』についての手が借りがあると思うのです。」
幹部ヨシアは、潔く「いいだろう。」と言って、2人に特別資料保管室の両許可とその鍵を渡した。



「クレメさ〜ん。本当にここに、例の件に関する資料があるんですかねぇ。」
銀河大警察の地下にある【特別資料保管室】にいる。
「わ〜かんね〜けど、兎に角探すしかねーだろ。」

(スパイだとバレたら、それこそクビどころじゃない。処刑もんだ。でも、アイツが家族を探してくれるんだったら、俺は命懸けで何でもする!)
資料をあさりながら、クレメ警部は覚悟を固めた。

惑星ジャナップの事情

『セイント・クロス団』の配下になった『ディストラクション』は、次々と様々な惑星のギャング・マフィアや悪徳業者・詐欺集団らを根削ぎ壊滅させて行った。
そして、毎回色んな方法で銀河中にその事を報告している。
更に、その度に銀河の中の人達の好感度が上がり、とうとうファンクラブなどが出来た次第だ。

「我々『セイント・クロス団』は、銀河中の民衆を味方につけた。」
地下の秘密基地で、ダニエルがディパー、メイベル、VRA、チームケルベロスに語りかけた。
「いよいよ、我らの真の目的を果たす時が来たようだ。」
「この星の王政に反旗を翻すのね。」とメイベルがシンミリとした。
「王族達を処刑しまくれるんだぁ〜!」ディッパーがはしゃいだ。
[私、独断でこの星の王政を調べましたが、とても平和の星とは言えませんね。]VRAはかなり憤慨している。
「俺らも、ボスに付く前は、あの王室の奴隷だった。」チームケルベロス・リーダーのガナットが苦虫を噛み締めた顔をした。


惑星ジャナップの人口は3億人程。
ヒエラルキーは、王をトップにして王族が続く。星の民の10%が『貴族』という地位で、20%が『一般人』、そして残りの70%が『人外』とよばれる人と認められない、無人権者達だ。
税金は、全星の民に一律に課税しているが、所得が余り無い『人外』には苦しい政策でしか無い。更に、最後になって税率が上がった。そうして、金が無くなった人達はスラム街に住む事になるのだ。
スラム街は、この星の陸地の40%以上を占めている。
本来なら銀河大警察が、王族に介入し政策を強制的に改めさせるのだが、銀河大警察はこの惑星の民を見放している。


「俺たちは昔、子供達だけでこのスラム街で暮らしていた。」ガナットは、話し始めた。以下に王族が腐っているかを。

「ある時、俺ら全員王族の手下に拉致られたんだ。」チームケルベロスの女メンバーである宝石族のジェムズが、床に血が滴る程に両手を握りしめた。

チームケルベロスで1番目立つ髪型をしている犬族のケンが唸るように話した。「彼奴らは、俺たちをがんぐにした。」

それに補足する様に香という地球民族の女性が話した「拷問玩具、性愛玩具、果てには玩具同士のに無理やり薬を使って殺し合いをさせたの・・・!」

香の言葉を引き継いだ、オレンジ色の髪のゴイチ。「それらのお遊びを、王族達が貴族達に見せたらたちまち大流行した。」

「そのお陰で、俺たちの仲間が何人か高値で売られた。よりボロボロにされているのが、高級品だと。」メンバーの中で、巨人族のベンが背中の古傷をダニエル達に見せた。

サングラスを掛けたドワーフ族のケーリーがテーブルを叩いた。「調子に乗った王族は、スラム街の子供達をさらい続け、玩具にした。」

「そして、子供同士の殺し合いを王室主催の娯楽の場として開催した。」そういった、紅いチョーカーが特徴の月民族、ルナが歯を食いしばった。

ルナの髪を撫でながら、三つ目族のバニッシュが「誰が強調した子供が、強いか競ったんだ。」と低い声で言った。

「もちろん、賭けも行われた。」ピンク髪のツインテール女子、マカがテーブルに伏している。

眉間にしわを寄せて、1つ目族のギャンが身震いした。「相手を殺さなければ、自分の御主人様に殺される・・・!」

「ただ、殺されるならいい!でも彼奴らは、殺した子供の血とお酒を混ぜて飲み干すんだ!」虎族の牡丹(ぼたん)が泣き出した。

「更に、奴らはその子供の死体を料理し、そのお酒のおつまみにするんだ!」エルフ族のサンが嘆いた。


彼等の話しを聞いたダニエルは声を張り上げた。
「お前達、安心しろ!もう、腐り切った王族たちや貴族に良いようにしない!」
そう言ってダニエルは、着用してた全てを脱ぎ捨てた!
「あっ‼︎」全員が驚いた。

そこには、王族の服を纏ったダニエルが居のだ。

惑星ジャナップ3(善か悪か)

最後まで、ご覧頂き、誠にありがとうございました。

惑星ジャナップ3(善か悪か)

  • 小説
  • 短編
  • 冒険
  • SF
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-11-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 全惑星放送
  2. 銀河大警察
  3. 裏切りなのか
  4. 撲滅宣言
  5. 混乱
  6. お客様
  7. 正義の組織『セイント・クロス団』
  8. お願い
  9. スパイ
  10. 惑星ジャナップの事情