春風に押されて 4
調理実習当日
ボクたちはバスで移動した
流石にバスで近くに座れることはなかったけど、
とにかくボクはハイテンションだった
そして隣の「ハーフの友達」もハイテンションだった
現地に着くと、さっそく火を焚いて、米を炊くことになった
火は僕が付けることになった
「オレの実力観てろよ!」
そんな風にオレもボクも調子に乗っていた
だけど、それが失敗だった
火がつけようとしてもつかない、
いや、つけられなかった、
じっと見られてる、あの子に、
期待されてる、荷が重すぎる、無理だ、
一回失敗した、
もうダメだ、無理だ、どうしようもない、ボクにはできない、
もう点くはずもなかった、
目の前が真っ暗だった、
ダサいと思われる、終わりだ
「ださwおまえつけるとかいってたじゃんwww」
案の定あの子に言われた、もう終わりだ、
「じゃあおまえやってみろよ!」
これでできなければ仕方ないってなると思ってた、でも、
「あ、ついた!」
女子2人で点けてしまった、もうダメだ、
そこから先はあんまり覚えてない
たしか、あの子とカレーの味見で間接キスしたのが嬉しかったはずだけど
それもどんな感じだったかまったく覚えてない
その日の残りの時間、ボクはふさぎ込んで、全部オレに任せてたから、
春風に押されて 4