春風に押されて 4

調理実習当日
ボクたちはバスで移動した
流石にバスで近くに座れることはなかったけど、
とにかくボクはハイテンションだった
そして隣の「ハーフの友達」もハイテンションだった

現地に着くと、さっそく火を焚いて、米を炊くことになった

火は僕が付けることになった
「オレの実力観てろよ!」
そんな風にオレもボクも調子に乗っていた
だけど、それが失敗だった
火がつけようとしてもつかない、
いや、つけられなかった、
じっと見られてる、あの子に、
期待されてる、荷が重すぎる、無理だ、
一回失敗した、
もうダメだ、無理だ、どうしようもない、ボクにはできない、
もう点くはずもなかった、
目の前が真っ暗だった、
ダサいと思われる、終わりだ
「ださwおまえつけるとかいってたじゃんwww」
案の定あの子に言われた、もう終わりだ、
「じゃあおまえやってみろよ!」
これでできなければ仕方ないってなると思ってた、でも、
「あ、ついた!」
女子2人で点けてしまった、もうダメだ、
そこから先はあんまり覚えてない


たしか、あの子とカレーの味見で間接キスしたのが嬉しかったはずだけど
それもどんな感じだったかまったく覚えてない

その日の残りの時間、ボクはふさぎ込んで、全部オレに任せてたから、

春風に押されて 4

春風に押されて 4

  • 小説
  • 掌編
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  • 冒険
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-18

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