君の笑顔と心身分離

君の笑顔と心身分離

ふらふらと揺れる僕の影は
君の隣にあった筈なのに

いつの間にか行き場をなくして
僕の後ろをただただついて来る

ゆらゆらと揺れる君の影は
もう僕の隣にはいなくて
君の影の隣には
あの子の影が笑ってて

手を伸ばしたのに掴めない影
すれ違って行ってしまった君の心

触れたくて
知りたくて

毎日に残る君の面影
耳に残ってる君の聲

まもりたくて
聞きたくて


だから僕は
紺のフレームの外の君を
紺のフレームの中から眺めて

心の中で手を伸ばし
心の外で目を逸らす

僕の唇は弧を描く
その度に心には雨が降る

差すべき傘も見当たらず

僕の影すら見えなくなった

僕はもう
心に嘯くことしかできない

それでも僕は

笑う

嗤う


ただ、君の笑顔を守る為に

君の笑顔と心身分離

僕の存在は
君の笑顔を曇らせてしまうから

ありがとうございました。

君の笑顔と心身分離

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-13

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