春風に押されて 3


席替え、、
あれ以来しばらくオレはでてこなくなった
いや、相変わらずあの子に話しかける時だけオレになってる

でも勝手に体を使うことはなくなった


そういえばあの子は髪の毛を切った
ショートにした、
恐ろしく可愛かった
なんでいままでショートにしなかったのかが不思議なくらいだった



それと、
運動会は何もなく気が付いたら終わった感じだった

でも、応援団になって目立てば振り向くかもと思って
気が付いたらオレに任せて応援団になってた

まぁ、でも、それだけ、何もなかった
プラスもマイナスも

いや、一つだけ会った

運動会が終わるころ、夕方くらいにおきた

偽告白手紙をおくられた
「誰もが恋する女の子」と、「ハーフの幼馴染」の二人がやったみたいだった、
おどろいた、こわくなった、でも、
なれていた、
人は人をだまして遊ぶものだ、

でも、あの子の目にはそんな邪念がまったく見えなかった、
ますます好きになった



野外調理実習
離れた所へ行って野外料理を作るという企画だ
と、いってもボクはボーイスカウトに通っていて、
火は自分ですぐにつけられるし、一人でも米を炊いて、カレーを作れる。
だから何も特別なことはない。はずだったんだけど、
クラスの班で買い物から全部、するらしい、
運動会の件があって「誰もが恋するあの人」の事はすこしこわくなった
でも「ハーフの友達」は相変わらずおもしろくて人懐っこい性格をしているから
あまり気負いはしなかった
まずは買い物だった、班員だけで先生抜きに行くことになった。
チャンスだ!そう思った、最近はオレが現れなくなったので
自分でアタックする勇気ができてきた気がする
最初は駅前の大型スーパーに行こうってなった

それじゃぁだめだ、みんな同じところだ、
他の人がいるとあんまりじっとは見ていられないし、
向こうは他の人の方に気がいってボクなんて相手してくれないだろう
「あのさ、駅よりもうちょっと奥に行くと安いスーパーがあってさ!そっちいかない?」
我ながら名案だと思った、人目につかなくって、
学校からの距離もそっちの方が遠い、
つまり長く一緒にいられて他の班のやつのこともきにしなくていい
「えー?駅前の方でよくない??」
「いや、安い方がいいって、ほら、デザートとかもいっぱい買えるし!」
「かわんないよ、それに自分たちの金じゃん、これ結局」
「いいから行くんだよ!」
「やだ!」
口論になりかけたけど、
「ハーフの友達」は安い方がいいというボクの意見に賛成してくれた
「誰もが惚れるあの人」はボクがあの子のことを好きなのを知っているから賛成してくれた
成功だ!
内心死ぬほど嬉しかった

まぁ、でも今回の一連のことが後々あの子からのからかいの種になるとは思わなかった
というよりも、あの子がそんなに性格が悪いとは、まだ知らなかった

春風に押されて 3

春風に押されて 3

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-18

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