ときめきに さよならを

あの頃が 一番 よかった すきだった

「あの人は、あなたのことを選んだのに どうしてあなたはそれをやめたの。 そのおかげで今は私にものだから 別にいいんだけどね」

その女の人は私にことを とても嫌いなのだろう 

とてつもなく、しょうもない 質問をなげかけてきたのだった


私だって 好きだった 彼の事

でも、好きだからといって結婚できるわけも、死を見届けてあげたり、もらうことができるわけもない この現実をどうして彼女はわからないのだろうと不思議に思った

きっと彼女にとっては、私なんてバカな女なのだと思う

年下で 天然ぶって ピンク色の服なんて着て 本当に憎たらしくおもっているのだと思う


いつのまにか 誰かを思う気持ちなんて もうどこかにきえてしまっていた

私はいったいどこにいくというのだろうか

私が私でなくなってきているのは、私がこの世界と同化をするようになってきたからだろうか

同化  そうでもしなくちゃ こんな世の中 こんな現実を私は素直に受け止めることなんて できなかったのだろう


「本当に ここまで頑張ってきて よかった 全部わたしの努力が報われたわ」

女がまだぶつぶつと 醜い言葉を紡いでいた

私はその言葉を 満面の笑みで「ええ  ええ」と返しているのだった


そうよ、彼は私のこともあなたのことも好きなんかじゃないのにね

私もこの女と同じなのだと思う

彼に ときめいて 一緒にいたくて 頑張ってきたのかもしれない


もういいじゃない

何のためにこれからを生きるのか

私はもう 若くなんてないのだから

ときめきなんて捨てたっていい


「あなたが幸せになってよかった 安心した そんなふうに思えてよかった。」

私と私の約束


好きな人を見送る秘密の言葉

私は、私は、ときめきをすてったて


私を崩壊させるわけにはいかないの

ときめきに さよならを

ときめきに さよならを

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
更新日
登録日
2015-11-10

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted