華と俺
今、俺はお花見をしている。
まさに百花繚乱。
綺麗だ。
俺は、最凶のケンカ師。
そんな俺でも花を愛でる心はあったのだ。
……と、どんなキッカケで、お花見をしようと思ったのかだが。
それは、ケンカ。
なにせ俺は、最凶のケンカ師なんだからな。
時間は小一時間前に遡る。
俺は、鉄パイプやら金属バットを持った集団に囲まれた。
あちらこちらでケンカをしまくっていたから大勢の人間に恨まれていたのだ。
そして多勢に無勢。武装もしている。
それからはご想像通りだ。
俺は、ボコボコにされ、死んでしまった。
そして、ここで、強制的にお花見をしているというわけだ。
そう。
…――ここは死後の世界。
嗚呼、それにしても綺麗なお花畑だな。
花と俺、了。
華と俺