ランプの精・The third
時は「アラジン」の話の数千年後のこと。
魔法のランプなんて願いが叶うなんてと馬鹿にしていた。
でもこの世界にはまだ「ランプの精」がいたのだ。
とても小さなスケールの。
僕は佐津川 葵。
趣味はアンティーク雑貨屋めぐり。
こんな極普通の僕がなぜこんな奴のおもりをしなければいけなくなったのは数日前に遡る。
数日前、僕はいつものようにアンティーク雑貨屋めぐりをしていた。すると棚の上のその変なランプが目にとまった。「アラジン」を思わせるような、インドカレーの入っているようなあの形の。僕はそのランプに神秘的ななにかを感じ、買ってしまったのだ。
家に帰りランプのふたを開けると変な煙が漂いはじめたすると青い精霊が見えたのだ!
「はじめまして御主人様。私、ランプの精と申します」
「ご、御主人様!?
…寝よう!これは疲れからの幻覚だ!では」
「ちょちょちょーっと待ってくだされ。御主人様、ここは現実の世界なのです。あなた様が幻覚をみているわけでもないのです。私が現れたこと以外は世界になんの変わりもございません。」
「お前が現れたこと以外ってそれが大きな問題なんだけど!」
「御主人様、落ち着きくださいませ。」
「落ち着けるか!!」
「まあまあ、カツ丼でも食べて。」
「警察か!」
「改めまして私、ランプの精と申します。名刺をどうぞ。」
「名刺あんのかよ!」
「私、御主人様の願いを5つだけ叶えることができます。」
「え?普通3つだけど?」
「はい。誠に5つ叶えることができます。」
「すげえ。お前、どっかの名家か?」
「はい。実はあのジーニーの孫にあたります。」
「エエエエエエエ!!!!」
「驚く程のことでもありません。ただお爺様がすごいだけでございます。」
「じゃあ最初のお願いだ。僕を大金持ちにしてくれ。」
「…」
「おい!」
「あ、すみません。少し耳が遠くて…」
「ケッ、ジーニーの孫だからといってそんなことできないか。」
「誠に申し訳ございません」
「じゃあ新しい洗濯機くれ!母さんが欲しがってるんだ。」
「すみません。耳が遠くて…」
「お前何が出来るんだよ!!」
「飴玉くらいなら出せます…。」
「あ、飴玉!?しょぼい!!もういい。飴玉出せ。」
「かしこまりましたぁ!!」
ポン
もう一つ目の願いは消えてしまった。
ランプの精・The third