正仏 保(せいふつ たもつ)の生物講義
正仏 保(せいぶつ たもつ)先生
軽い気持ちで農家に婿養子に入ったが、いつもぼんやりしてあまり農作業の役に立たないため肩身の狭い思いをしている。
名階一族の端くれとして、生物専攻の教職。
怠け者だが、生物には詳しい。
生徒
どうしても理系の学部に入りたいが成績が悪いので親が家庭教師をつけてくれた生徒。
表1
表1です。
文章のみですと見にくいため、画像としてUPさせていただきます。
表2
表2です。
表3
表3です。
表4
表4です。
表5
表5です。
表6
表6です。
表7
表7です。
表8
表8です。
表9
表9です。
表10
表10です。
表11
表11です。
表12
表12です。
表13
表13です。
*”74”補足:中脳は「眼球運動」の中枢です。
視覚情報の中枢は大脳です。
表14
表14です。
生物の全範囲を網羅するには図表を見る!
「はじめまして。正仏保です。生物を教えます。図表持ってますか?」
「はい。これです。」
「『実教出版社』の?教科書で指定されているの?」
「そうです。」
「じゃあ、ページ数とか、きっと同じだな。p10~p15にかけて、グラフや図がたくさん載ってるから。これが、生物の全範囲を網羅したグラフ集です。これを全部理解できたら、重要事項は大体マスターしたと思っていいから。で、上がそのグラフの意味とかです。番号も同じ図表ならきっと一緒だと思うから。」
「はい!」
「詳しいことが知りたいと思ったら、すぐに図表を見て調べてね。その際参考にするのはページの下の方に書いてある重要語句です。これと同じ語句を探して、太字で書いてあるところを一個一個追って行けば、自然と分るようになるから。つなげて書いてあるのは、違う言葉でも同じ意味、という事だからね。」
「はい!!」
「分からない単語が出てきたら、索引を引いてね。で、その語句のページを開いたら、やっぱり重要語句を見つけて追っていけば、自然と分るようになるから。難しい試験だって、図表の小さい表とかから出されるんだよ。教えてないことは出ないんだ。基本。」
「はい!!!」
「分かるようになって余裕が出てきたら、最後の方のp330~p335の、重要語句の解説を呼んで、自信をつけてね。」
「はい!!!!」
「じゃ、授業を終わります。受験勉強頑張ってね。ぐっどらっく。…いやあ、いい生徒さんでしたよ。奥さん。」
「あら?もう授業終わりですか?」
「はい。もうこの生徒さんなら自力で頑張れそうです。」
「ちょっと待ってくださいよ先生! 僕まだ何にも教わってませんけど!」
「勉強の仕方を教えたよ。生物は基本暗記と理解だから。この暗記も理解すればすんなり頭に入ってくるはずだから、大丈夫。」
「それに僕まだ『はい』ぐらいしか言ってませんけど!」
「うん。いい返事だった。」
「先生この後予定でもあるんですか!」
「ないよ。家に帰る。」
「じゃあもうちょっと授業してってくださいよ!」
「え?授業要る?」
「要ります。」
「どんな授業?」
「ほら、単元ごとの詳しい解説とか…。」
「長くなるよ。何回も来ることになるし、お金かかるけどいいの?え?最初からそのつもり? うん。分かった!」
「…先生、本当に教師ですか?」
「うん。」
「本当に? 現役の?」
「うん。」
「教え欲とか、感じられないんですけど…。それになんか授業終わった途端にすごいのんびりした感じで…。」
画像で表が見にくい方たちのために文章でもUPいたします。
①温度と酵素活性
① 温度が高くなるほど酵素はよく働く。
② けれど生体の酵素は、最適温度を超えると働きが鈍る。(タンパク質でできているから。熱変性する。)
③ 無機の触媒は温度を上げるほどよく働く。
②pHと酵素活性
① 生体の酵素には最適㏗値がある。
② 最適㏗を外すと、やっぱり変性する。(タンパク質だから)
③ アミラーゼ(唾液)は㏗7(中性)。トリプシン(膵液)㏗8(塩基性)。ペプシン(胃液)㏗2(強酸)。
③細胞の浸透圧と吸水力
① 吸水力=浸透圧(水を吸い込もうとする力)―膨圧(細胞壁が膨らむのを食い止める力)
② 低張液(水に近い)では水を吸い込んで水に近づこうとする。=パンパンに膨れ上がる。
③ 高張液(濃い溶液)では、水を出して濃くなろうとする。=縮んで細胞壁から離れる。(=原形質分離)
④ 体細胞分裂とDNA量の変化
① 細胞は分裂して自らの複製を作る。間期と分裂期に分かれる。
②[間期] G1期→S期→G2期。DNA量を増やして分裂に備える。複製はS期。G1とG2は準備期間。
・[分裂期] 前期→中期→後期→終期 に分かれる。染色体出る→並ぶ→分かれる途中→分かれて境目もできる。完了。
⑤ 基質濃度と反応速度
① 酵素が2倍なら反応速度は2倍。
② 基質が濃くても酵素の量で最大速度は決まる。
⑥ 陽生植物と陰生植物
(「⑧光の強さと光合成速度」も、これと同じ。)
① 見かけの光合成量=光合成量(CO₂吸収量)―呼吸量(CO₂排出量)
② 「光補償点」は、見かけ二酸化炭素を出してない光量。
「光飽和点」は、それ以上光を強くしても光合成量が変わらない光量。
③ 陽生植物は呼吸も多いが、強い光を利用して光合成が多い。
陰生植物は呼吸も控えめだが、最大光合成量も控えめ。弱い光でも光合成が多い。
⑦ 呼吸スペクトルと作用スペクトル
① 植物は持っている光合成色素によって、吸収する光スペクトルが違う。(主:クロロフィルa/b→青・赤 カロテン→補助)
② 基本吸収するのは赤色光(600~700nm)と青色光(400~500nm)(赤色=直射日光。青色=日陰の光。散乱に強い)
③ 吸収した光を効率よく利用しているかのグラフ。青色の方が効率よし。(弱い光なので、より有効活用している。)
④ 緑色光は吸収せずに跳ね返す。ゆえに、植物は緑に見える。
⑧ 光の強さと光合成速度
解説済み(⑥)
⑨ CO₂濃度と光合成速度
① 光合成速度を決めるのは、光の量と二酸化炭素の量と温度。
② 二酸化炭素が多くても、光が少なければ速度は横ばい。(光の量が限定要因)
⑩ 温度と光合成速度
① 光合成速度を決めるのは光の量と二酸化炭素の量と温度。
② 温度が高くても、高すぎると速度は下がる。(失活するから)
③ 光が弱ければそんなに速くならない。(光の量が限定要因)
⑪ 減数分裂とDNA量の変化
① 間期のS期にDNA量が2倍になるのは体細胞分裂と同じ。
② 「第2分裂」あって、間期なしでもう一度分裂する。
(ゆえにDNA量は半分になる。)
③ DNA量が半分だから、2個合わさって1個になれる。(これが生殖細胞)
⑫ CO₂分圧と酸素解離曲線
血球ヘモグロビンには下の2つの特徴がある。
だから肺ではCO₂を下して酸素と結合し、組織では酸素を下してCO₂を回収できる。
① CO₂の多いところでは酸素を放して代わりにCO₂と結合。
② O₂の多いところではCO₂を放して酸素と結合。
⑬ 食後の血糖量の変化
① 食後はインスリンが増えてグルカゴンが下がる。
(血糖値が上がるので。インスリンは糖を蓄え、グルカゴンは使う)
② 糖尿病患者は、インスリンが出ないので、血糖値は高いまま。
(糖尿病患者は糖を吸収できないのでやせ細る。)
⑭ カニの塩類濃度調節
① 濃い塩水でしか生きられないカニ、ほぼ淡水でしか生きられないカニ、どっちでも大丈夫なカニがいる。
秘密は「塩類調節能力。」 カニの体液は海水よりやや低張。この塩分濃度あたりに調節できなければ生きていけない。
ケアシガニは能力なし。塩水濃度がそのまま体液濃度。(海のカニ)
ミドリイソガザミはほぼ淡水ならOK。濃い塩水は無理。(河口のカニ)
モズクガニは能力バリバリ。淡水でも海水でも大丈夫。(移動するカニ)
⑮ 体液性免疫の2次応答
体液性免疫=菌を覚えて抗体で攻撃する能力。
① 2回目に同じ菌が来たときは早くて攻撃力も高い。
⑯ 視細胞の分布
① 「盲斑」に視細胞なし。(視神経の通り穴)
② 「黄斑」に錐体細胞がたくさんある。(色を見る。)
③ 他はかん体細胞が多い。(白黒を見る)
⑰ 神経の活動電位
① 神経は普段はマイナスで、刺激があると一瞬プラスになる。で、またマイナスになる。
(理由)ナトリウムが入ってプラスに。カリウムを出してマイナスに戻る。カリウムチャネルはまたカリウムを取り込んで補充し、次の刺激に備える。
⑱ 筋肉の単収縮
① 潜伏期→収縮期→弛緩期
要は少しタイムラグがあった後、縮んで伸びてで約0.1秒。
⑲ 筋肉の収縮
① 1/10秒以上の素早さで連続刺激を加えると、一つの大きな収縮(完全強縮)が起きる。
*筋肉は縮むしかできない。伸びるときは、反対側が縮まるという事である。
②それほど高頻度でなければ、「不完全強縮」となる。
③筋肉はある一定以上に縮まない。
⑳ オーキシンの濃度と器官の成長
① 植物の成長ホルモン「オーキシン」人工的に作れば「インドール酢酸」
少なめなら根が、多めなら茎が伸びる。
(「成長抑制」は、成長しにくいというだけで、縮むわけではない。)
㉑日長と開花
① 植物の中には、日陰時間を計って、花を咲かせるかどうかを決めているものがいる。
② 短日植物は暗期が長いと、長日植物は暗期が短いと花が咲く。
③ 問題は「連続暗期」の長さで、途切れると連続にならない。
④ 遠赤色光を途切れたすぐ後に当てると、途切れたことにならない。植物はそれを「暗期」とみなす。
㉒1日の暗期と開花
① キーとなる暗期の長さを、「限界暗期」と呼ぶ。
㉓生産構造図
① 植物を茎(非同化器官)と葉(同化器官)に分けて高さごとの量をグラフにしたのが「生産構造図」。
② 上の方にしか葉っぱのない「広葉型」と、全体に葉っぱのある「イネ科型」。「広葉型」は、下の方が暗くて、「イネ科型」は、下の方まで光があるので、下にも葉っぱがつく。効率よし。
㉔気候とバイオーム
① 同じ気温でも、雨が多いか少ないかでそれぞれの植生決まる。
けれど本当にこれを理解するには、「バイオーム名」を理解する必要がある。
「熱帯・亜熱帯多雨林」=ジャングル。密林。一年中雨が降る。
「雨緑樹林」=一年中夏だが、冬の代わりに乾季がある。雨の時だけ茂って、乾季には葉が落ちるので、「雨緑樹林」。
「サバンナ」=熱いけど雨がない。ライオンのいる草原。
「照葉樹林」=まあまあ暖かく、雨も多い。冬はあるけど葉は落ちない。「照葉樹林」の森。クスノキとか。
「硬葉樹林」=地中海性気候。冬そんなに寒くならないが夏に乾季が来る。夏季の乾燥に強い固い葉。オリーブの木とか。
「夏緑樹林」=冬寒い。秋に紅葉して落葉する。関東以北これ。
「ステップ」=暖かめで乾燥している。モンゴルの草原とか。
「針葉樹林」=寒い環境でも耐えられるモミの木とかの森。
「ツンドラ」=低温の上に雨が少ない。土も少なく、地衣類・コケ類のみが生息する厳しい環境。冬砂漠みたいなもの。
「砂漠」=一年中暑くて雨もない。結果土がなく、砂のみ。サボテン等乾燥に強い植物や雨と同時に生えて花が咲いてすぐ枯れる一年草植物とかが転々と生える。
㉕自然浄化
① 汚水にはアンモニアが多い。
② アンモニアは細菌・原生生物が植物の利用可能なNO₃⁻(硝酸塩)やPO₄³⁻(リン酸塩)に変えてくれる。
③ だから下流は藻類が多くて酸素も多い。
㉖ケイ藻類の個体数の年変化
① ケイ藻類の限定要因「無機塩類」「光の強さ」「温度」特に無機塩類の量が限定要因。
② ケイ藻類は植物プランクトン。増えれば無機塩類は減る。
③ 温度が低いと植物プランクトンが増えないので、冬に無機塩類は増えて、春になると一気に消化されて減る。
㉗個体群の成長
① 動物は最初は指数関数的に、倍倍に数が増える。
② でも環境が許す数には限りがある。(環境収容力)。食物、空間、排泄物等、やがて数は一定数で止まる。(密度効果)
③ だから実際には、途中で横ばいのグラフになる。
㉘生存曲線
① 生存曲線は、「何歳ぐらいで一番死ぬか」の曲線。
② Ⅰ親の保護の手厚く、初期では死なない逆L字型。(ヒトとか)
③ Ⅱ死亡率一定の右下がり型。(鳥類とか)
④ Ⅲ卵をたくさん産んで初期にたくさん死ぬ。L字型。(魚とか)
㉙ゾウリムシの種間競争
① 同じ生活空間、同じ食べ物の2種を培養すると、片方が絶滅する。
㉚被食者と捕食者の関係
① 被食者と捕食者は、食べる者が減れば食べ物が増え、食べ物がが増えれば食べる者が増え、食べる者が増えれば食べ物が減るという、交互に山谷を描くが、どちらも絶滅はしない。
かなりシビアなグラフ。
㉛セントラルドグマ
① DNA→RNAの順で複製が起こり、逆はないという説。(実際はある。エイズ菌とかがこれをやる。)
② DNA=核の中に入って入る情報。
転写=DNA→RNAにコピー
mRNA=タンパク質合成用の移動式情報。m=メッセンジャー
翻訳=DNA/RNAの配列通りにアミノ酸を並べてタンパク質を作る。(合成は「リボソーム」がやる)
㉜イモリの目の形成と誘導の連鎖
① 胚発生には「誘導」が存在する。
② くっついている細胞を、分化させる(形成体)物質を出す。
③ 目は外胚葉からできるが、「原口背唇部」が「神経管」を誘導し、神経管からできた「眼杯」が、「水晶体」を誘導し、「水晶体」が「角膜」を誘導する。という、3部構成になっている。
㉝オルニチン回路
① 肝臓で、有害なアンモニアを尿素に変える。回路の名前。
② 材料は、「アンモニア」「CO₂」「アスパラギン酸」。
③ 「アスパラギン酸」がいろいろ変化して「アルギニン」に。
④ 肝臓のミトコンドリア内でやる。
㉞光合成
① 光化学系・ヒル回路系→電子伝達系→カルビン・ベンソン回路
② 光化学系・ヒル回路で、光エネルギーを使って、電子とH⁺ができる。
③ 電子伝達系で、エネルギーを取り出す。ADP→ATPへ。
④ カルビン・ベンソン回路で、作ったエネルギーを使って、グルコース(C₆H12O₆)を作る。
C5にCO₂を足して2×C3を作るか、C3にCO₂を足してC4にして離れた場所まで運び、C5にCO₂を足すか、2種類ある。(C3植物とC4植物)(C4の方が効率が良い。)
㉟窒素同化
① H⁺と電子を取り出すのを、水からではなく、アンモニア(NH₄)から取る。あとは、カルビン・ベンソン回路に回して、炭酸同化でグルコースを作るのは同じ。
② NO₂⁻(亜硝酸)を作る亜硝酸菌、NO₃⁻(硝酸)を作る硝酸菌がある。土の中にいて、アンモニアを植物の利用可能な形態に変えてくれている。(アンモニア→NO₂⁻→NO₃⁻と変わる。)
㊱呼吸
① 解糖系→クエン酸回路→電子伝達系 の3部構成
② 化学式は、C₆H12O₆+6O₂→6H₂O+6CO₂+38ATP
グルコースを酸素を使って二酸化炭素と水に分解し、エネルギーを取り出す。(好気呼吸。ほぼミトコンドリアがやる。)
③ 解糖系は、細胞質基質で。C₆H12O₆を半分に分割。(乳酸)
④ クエン酸回路からはミトコンドリアで。ミトコンドリアは乳酸の変化した「ピルビン酸」(C3)しか受け付けない。それが色々と操作を受けて「クエン酸」(C6)になるところから始まるので、「クエン酸回路」。ここでH⁺がたくさんはがれる。
⑤ 電子伝達系は、解糖系とクエン酸回路ではがしたH⁺を、たくさん、ミトコンドリアの2重膜の間に溜め込み、一気に出すときのエネルギーを利用して、ADP→ATPに変える。
実はこの時のエネルギー変換は、風車のようにくるくる回転する酵素がやる。
㊲呼吸と発酵
① 解糖系を行うのは、動物だけではない。菌もやる。
役に立ってくれる乳酸菌や酵母菌は、これしかやらない。
② グルコースを半分割のピルビン酸に変える。その後、アルコールにしたり、乳酸にしたりする。発酵菌はここまででストップ。役に立ってくれている。酸素も必要ない。
㊳血糖量の調節
① 血糖値は上げるほうが重要なので、たくさん「上がれ」という指示する臓器がある。
視床下部(交感神経)→副腎皮質(アドレナリン)
すい臓A細胞(グルカゴン)
脳下垂体前葉(ホルモン)→副腎皮質(糖質コルチコイド)
② 「フィードバック」というシステムがあり、血糖値が上がれば指示をやめる。
③ 血糖値を下げるのは1臓器のみ。
視床下部(副交感神経)→すい臓B細胞(インスリン)
㊴炭素の循環
① 生産者も消費者も分解者も石油の燃焼もすべてCO₂をだす。
② CO₂をO₂に変えるのは、生産者の光合成のみ。
・窒素は植物に必要である。土中に取り込む経路は2つ。
㊵窒素の循環
① 窒素固定細菌が、空気中からとりこんでNH₄⁺にする。
② 分解者が死骸や排泄物をNH₄⁺にする。
③ それをさらにNO₂⁻やNO₃⁻にする菌がいる。(硝酸菌・亜硝酸菌)。この形になって初めて植物が利用できる。
④ 土中には、NH₄⁺をN₂に戻して空中に出してしまう脱窒素細菌もいる。
㊶マーグリスの5界説
・生物全般を5界に分ける。いまではこの分け方が一般的。
① 植物界 ②動物界 ③菌界(従属栄養・胞子)(カビ・キノコ)④原生生物界(単細胞・真核生物)(植物プランクトンのケイ藻類とか)
⑤ 原核生物界(原核生物)(バクテリア・細菌)
*ウイルスはここに入らない。無生物と生物の間にいる。
㊷ペプチド結合
① アミノ酸は20種類。
② 1個=アミノ酸 10個以上=ポリペプチド 立体的=タンパク質
③ アミノ酸→ポリペプチド(「ポリ」=たくさん)になるときのくっつき方、化学的な呼び名が、「ペプチド結合」。
④ 詳しくは、アミノ基+カルボキシ基―H₂O=ペプチド結合。
くっつくときに水が抜ける。(N・H・C・O)
㊸ATPの構造
① アデノシン=五角形「リボース」+塩基「アデニン」
② +リン酸3つ(2つだとADP) Tは“tri”(3) Dは“di”(2)
㊹植物細胞の構造
① 動物細胞と同じもの→核・ミトコンドリア・細胞膜
② ちがうもの→葉緑体・液胞・細胞壁
㊺ミトコンドリア
① これがなければエネルギー不足で死んでしまう。また、これがあるから呼吸する必要がある。太古の昔に嫌気性細菌と好気性細菌が合体して共生して今があるともいわれる超重要器官「ミトコンドリア」(ちなみに五界説のマーグリスが共生説を唱えた。)
② 2重膜、独自のDNAを持ち、核に頼らずに自己増殖する不思議器官。
③ 膜の中が「マトリックス」膜と膜の間が「クリステ」。間にたくさんのH⁺をためこんで、一気に放出するエネルギーをATPに貯めて使う。(これが「電子伝達系」) マトリックス内で、「クエン酸回路」を行う。
㊻葉緑体
① 植物が持っている光合成器官。人類初め、酸素を必要とするすべての生物がこの葉緑体のお世話になっている。先祖はミトコンドリアと同じように光合成細菌シアノバクテリアが細胞に共生したのではないかと言われる。ミトコンドリアと同じく、自分のDNAを持ち、自己増殖する。
② 小さな袋が「チラコイド」。袋が積み重なると「グラナ」。
袋じゃない所は「ストロマ」。
③ 「チラコイド」に光合成色素がある。光化学系や電子伝達系を行う。
④ 「ストロマ」で、「カルビン・ベンソン回路」をやる。
㊼原形質分離
① 細胞膜は半透膜なので、塩分が濃いところに入れられれば、水が抜けて縮み、薄いところに入れられたら水が入って破裂する。
② 動物なら「縮む」と「破裂」だが、植物細胞は細胞壁があるので少し違う。
③ 細胞壁は全透性なので、細胞膜みたいに縮みも膨らみもしない。破裂を食い止めるし、縮めば細胞壁は細胞から離れる。離れるのが、=「原形質分離」
㊽中期染色体
① DNAがX型の、太い「染色体」となるのは、核分裂の時だけである。
② その大きな特徴は、「動原体」と「テロメア」である。
③ 「動原体」は、ここに紡錘糸がくっついて、両極に分かれていくときに使う。ちなみに紡錘糸は、横腹にくっついて、染色体を二つに引きちぎる。(真正面にくっつかない)
④ 「テロメア」は、2つの役割がある。1.染色体が他の染色体とくっつかないように分かれ目になっている。2.分裂のたびに短くなって細胞が何回分裂したかわかる。人なら50回で、テロメアがなくなり、分裂が停止する。
クローン羊のドリーは、生まれた時からテロメアが短かったので、寿命が短かった。がん細胞では短くならない。
㊾体細胞分裂(植物細胞
① 基本、④の動物の細胞分裂と同じ。違う点は2つ。
1. 紡錘糸が出るときに、動物細胞では「星状体」ができるが、植物ではできない。
2. 細胞が分かれるとき、動物はくびれて外から分かれるが、植物は細胞板ができて、中から分かれる。
他は同じ。
㊿反保存的複製の証明
① DNAはタンパク質の合成に必要だが、実際に作る時に使うのは、「転写」で作ったRNAであり、DNAは保存されている。
② じゃあ、「DNAは保存用で、全然変わらない?」→実はちょっとずつ新しくする。分裂するときに、分けないとしょうがない。
DNAが「2本鎖」で「相補的」な事の意味がここにある。
2本鎖を1本ずつにして、それぞれの塩基に合う塩基を並べれば、元の「2本鎖」が2本できる。
③ 実験では、重ための15のNで標識して、分裂後のDNAに、均等に振り分けられていることを証明する。
51.呼吸商の測定
①呼吸商とは=CO₂(出す)/O₂(吸う)の値。
炭水化物1.0 タンパク質0.8 脂肪0.7と、消費する栄養素によって変わるので、呼吸商で呼吸基質が分かる。
② 求め方=水酸化カリウムを入れておくと、CO₂をすべて吸収してくれるので、水酸化カリウムありと、なしとで、空気の出入りの量を調べればわかる。
・体細胞分裂と違う特徴は2つ。
52.減数分裂(動物細う胞)
① 間期なしで、2回連続分裂する。
② 相同染色体が、「対合」する。本来なら、分裂の際に2つに裂かれるが、相同染色体2つが「対合」するため、第一分裂では、相同染色体が分配されるだけ、第二分裂で、2つに裂けて分けられる。
③ 実はこの「対合」の時に、遺伝子の組み換えが起こる。
・精子は生殖細胞であるのに、精細胞となった後に、しっぽがつき、頭もつき、エネルギーもある程度持って、動く。
53.精子の構造
① 精原細胞→精細胞までは、普通の減数分裂のあと「変態」する。
② 頭部(先体/核)→中片部(ミトコンドリア)→尾部
先体で卵膜を破り、中の核を卵に入れて受精が完了。ミトコンドリアはそれまでのエネルギー用。尾部を振って運動する。
・胚発生の観察では、カエルとウニがよく使われる。どっちもたくさんとれるし、カエルは大きくて、ウニは透明で、観察しやすいから。途中で一部を取ったらどうなるか、移植したらどうなるか等の実験も多数行われ、「頭と体が二つあるオタマジャクシ」「眼が変なところにもう一つあるオタマジャクシ」等の恐ろしい結果もあるが、人間でないので、問題なし。
よく使われるために、試験にもこの2つが頻出。(特にカエル)
54.カエルの原腸胚
① 胚発生は大まかに次の順序で行われる。
卵割→胞胚腔(中の空洞)→原腸(陥入して原腸となる。)
② この途中で、「外胚葉」「中胚葉」「内胚葉」に分かれる。
③ この3つはそれぞれ次のように分化する。
「外胚葉」=神経系・表皮
「中胚葉」=骨格・筋肉・心臓・腎臓
「内胚葉」=呼吸器官・消化器官の上皮=内臓と分泌腺
*要は、この3つに分かれてくると、他のものになりにくい。
④図は、原腸が形成される途中。
陥入の入り口「原口」(最終的には肛門になる)、原口の上部分「原口背唇部」(「形成体」であり、実は超重要部位)、穴にふたをするようにできる「卵黄栓」。
④ カエルでは、胞胚腔の上が「外胚葉」、下が「内胚葉」、原腸の陥入後、原腸と外胚葉がくっついたところが「中胚葉」となる。
・ウニの「外胚葉」「中胚葉」「内胚葉」の分かれ方は以下の通り。
55.ウニの原腸胚
① 胞胚腔ができて、中に細胞が遊離する。胞胚腔が「外胚葉」、中の遊離細胞が「中胚葉」(骨になる)となる。
② 陥入が起こって原腸ができる。原腸が「内胚葉」となる。
56.カエルの尾芽胚
①ある程度分化してから、横割りではなく、縦割りした時の断面図。この頃になると、前後に伸びておたまじゃくしっぽくなる。
②後からちがうものに分化するものがたくさんある。
()内に「外胚葉」「中胚葉」「内胚葉」の区別。
神経管(外)=脳・脊髄・神経、目になる。
脊索(中)=退化してなくなる。
体節(中)=真皮・骨格筋(筋肉)・骨格になる。
腎節(中)=腎臓・生殖腺等になる。
側板(中)=心臓・血管・内臓筋等になる。
体腔(中)=体壁と内臓のすきま
腸管(内)=呼吸器官の上皮・内臓・消化器官の上皮になる。
57.イモリの原基分布図
①受精すると、動物極(上)・植物極(下)ができる。
②胞胚腔もできる。この頃になると、どこの細胞が何になるか、細胞の移動の予測がつく。これを図にしたのが、「原基分布図」。
58.イモリ初期原腸胚の移植と誘導
①陥入の入り口・原口、原口の上の部分「原口背唇部」。「原口背唇部」が、周りの細胞群の分化を誘導する「形成体」である。
②移植片の周りに、「神経管」「腎節」「体節」「脊索」(中)「腸管」(内)等が形成され、もう一つの頭ができる。
59.イモリの目の形成
①脳から眼胞ができ、眼胞が眼杯となり、眼杯が網膜となるが、眼杯にくっついている表皮は水晶体に分化し、目の玉ができる。
つまり、眼杯が水晶体を「誘導」する。眼杯は「形成体」である。
60.中胚葉誘導
① 中胚葉は内胚葉とくっついている時のみ、中胚葉となる。
② 中胚葉を誘導するのは、内胚葉である。
61.被子植物の配偶子形成
①「配偶子」=DNA量を半分にした、生殖用の細胞。
生殖と言っても、雄雌の区別がないときもある。
被子植物の配偶子は、特徴がある。
②花粉:花粉母細胞→花粉四分子→3核3細胞の花粉へ
③ 胚のう:胚のう母細胞→胚のう細胞→8核7細胞の胚のうへ
62.有胚乳種子と無胚乳種子
①そもそも胚乳は、胚のうの中央細胞と花粉の精細胞が受精して生まれるが、発芽等はしない、3nの発芽を助ける養分である。
②胚乳が消失する種類がある。代わりに子葉(発芽部分)そのものに、栄養を蓄えている。マメ科、アサガオ、クリ等。
63.ヒトの心臓の構造
①左右に分かれる。上の心房と、下の心室にも分かれる。
②右から入って左から出る。心房に入って心室から出る。
③心臓から出るのが動脈、入るのが静脈。だから、肺動脈は、動脈だけど汚い血液で、肺静脈は、静脈だけどきれいな血液。
④逆流を防ぐために弁がある。
⑤拍動を指揮するのは、「洞房結節」と呼ばれる部位である。
64.ネフロンの構造
①腎小体:糸球体(ボール状になった毛細血管)+ボーマンのう(糸球体をくるむ)血液をこして細尿管に送る。
=このあたりで水、アミノ酸、グルコース、Na⁺を再吸収。
②細尿管(原尿を送る管)+まきつく毛細血管
=水、Na⁺、K⁺、Cl⁻を再吸収
①と②をあわせて「ネフロン」
③集合管(細尿管の原尿を集めてぼうこうへ送る)
=水、Na⁺を再吸収。
*とにかく原尿から再吸収。有効成分を吸い取られ、濃縮されて尿ができる。血液はきれいになって腎静脈から出ていく。
*濃縮率を知るのにつかわれるのは「クレアチニン」である。
再吸収されないので、どれだけ尿が濃縮されたかわかる。
65,心臓のかん流実験
①心臓は交感神経で拍動し、副交感神経で抑制される。ここまでは電気刺激。
②でも神経と神経の間は、物質で伝達する。交感神経は「アドレナリン」副交感神経は「アセチルコリン」
③だから、抑制してアセチルコリンを出している心臓の体液を他の心臓に移すと、アセチルコリンで抑制される。
66.免疫グロブリンの構造
①免疫グロブリンとは、免疫のB細胞が発射する、特定の抗原を攻撃する抗体のことである。
②Y字型をしている。H鎖とL鎖があり、各B細胞が持っている遺伝子をランダムに選んで、いろんな先っぽの形(抗原結合部位)を作り出す。先っぽは2つできる。2つとも同じ形。
③S-S結合(ジスルフィド結合)でつながっている。(化学的説明)
67.ヒトの眼球の構造
①光を通す関係:「角膜」「水晶体」「ガラス体」
②筋肉関係:「毛様体」(筋肉)+「チン小体」(毛様体と水晶体をつなぐ腱)(水晶体の厚さを変える)「虹彩」(光の量を調節するしぼり)
③情報関係:「網膜」(視細胞の集合)「視神経」(脳へ伝える)「盲斑」(視神経の通り道・何も見えない部分)「黄斑」(色を見る視細胞が密集するところ)
68.網膜の構造
①4層構造
②(光) 視神経細胞(脳へ)←双極細胞←錐体細胞(色)・かん体細胞(白黒)←色素細胞(ここで光が像を結ぶ)
*注意!光が入ってくるのと逆方向で情報伝達する。
69.ヒトの耳の構造
①外耳:「耳殻」(耳たぶ) 「外耳道」(耳の穴鼓膜まで)
②中耳:「鼓膜」(音波を振動にする。太鼓の皮みたいな)
「耳小骨」(骨3つ・「あぶみ骨・きぬた骨・つち骨」 形が似てるからの名前だそうだが現代人には元の名詞からわからない。振動を増幅してうずまき管に伝える。)
③内耳:うずまき管 中にはリンパ液と音波を感じ取る「コルチ器」があり、最終的に、刺激はうずまき管にくっつく聴神経に伝わる。
うずまき管には「半規管」なる3ループの管がついており、こことうずまき管内の「前庭」で体の傾きを知る。
70.うずまき管の構造
①うずまき管はその名の通り、巻貝みたいにになった一本の管。
2重管になっており、外リンパと内リンパである。
②外リンパに耳小骨から振動が伝わる。
③内リンパに聴細胞がならんでいる。おおい膜が聴細胞をたたいて振動を伝える仕組みである。
④鼓膜&耳小骨とは「前庭窓」でつながり、ふたたび「正円窓」を抜けて音波は鼓膜側へ返ってくる。
71.有髄神経
①神経は大本の「核」が星形で、そこから足(「軸索」)が伸びてあちこちに刺激をつたえる。
②有髄神経の一番の特徴は鞘(「髄鞘」)があることである。この鞘のおかげで、「跳躍電導」という、ジャンプ伝達を行うことができる。「活動電位」は、「ランビエ絞輪」を飛び飛びに伝わるために、無髄神経より電導速度はずっと早くて、電気量も少なくて済む。
③「髄鞘」の名前は、中枢神経では「グリア細胞」、末梢神経では「シュワン細胞」で、神経細胞とは別細胞である。
72.シナプスでの伝導
①細胞は、細胞内では電気で刺激を伝えるが、細胞―細胞間で伝えるときには、物質を使う。
②物質のやり取りをする末端を「シナプス」、隙間を「シナプス間隙」と呼ぶ。
③物質は、「アセチルコリン」(副交感神経)、「ノルアドレナリン」(交感神経)など。時々TVとかでも聞く名前。
73.脊髄の構造と反射
①反射は中枢まで刺激が伝わる前に、体が動くもの。脊髄で、感覚神経と運動神経が直接つながる。
②背側から入って腹側へ伝わる。「背中で思う」と覚えられる。
③介在神経が間に入ることもある。
④受容器は感覚を受容する。効果器は筋肉とか。
白質は神経線維の集まりで、灰白質は神経体の集まり。つまり灰色の方が重要。
「灰色の脳細胞」という表現は間違ってない。
74.ヒトの脳の構造
①脳は脊髄から、ひとつながりにつながっている。
脊髄→延髄→中脳→間脳→大脳で、先に行くほど高等?になる。
②「大脳」=新皮質・古皮質+原皮質(「大脳辺縁系」)・髄質と、皮の集まり。 皮の方が重要で、脊髄とは逆に、皮が灰色。
「間脳」=視床+視床下部のあるところ。ホルモンと自律神経を操り、体の恒常性を保っている。
「中脳」=眼球の中枢。
「延髄」=呼吸、心臓、消化、等を司る。ここが壊れたら生きていけない。
75.骨格筋の構造
①基本単位「サルコメア」 区切るもの「Z膜」
②「アクチン」「ミオシン」からなり、「アクチン」がミオシンの間を動いて、筋肉は収縮する。
③観察の時、アクチンだけだと明るいので、「明帯」ミオシンは暗いので、「暗体」と呼ばれる。
④Caイオンが収縮のカギを握る。
76.オーキシンの発見
①オーキシンは植物ホルモンの名前。先端部で作られて下へ下りる。→先端がないと光の方へ伸びない。
②暗い方を下りていく性質がある。+オーキシンが多い方が成長する。→結果明るい方へ伸びる。(光屈性)
③雲母片でオーキシンがおりないように妨害すると、光よりもオーキシンの多い方が伸びる。
④オーキシンを寒天に吸わせて、他の植物の先端に乗せても働く。(=乗せた方が伸びる。)
77.短日植物の花芽形成
①㉑で仕組みはだいたい解説済み
②花芽形成には、「フロリゲン」という植物ホルモンが必要。
③「フロリゲン」は葉で光を感知して作られ、師管で運ばれる。=葉を短日処理にさらさないと、花芽形成しない。
④「フロリゲン」さえあればよい。=ほかの木で作られたフロリゲンでも花芽形成する。
78.植生の遷移
①荒れ地でもほおっておくと、苔が生え→草が生え→低木が生え→陽樹が生え→混交林となり→最後には陰樹林となる、という説。
②コケ類・地衣類が、まずわずかに土壌を作り、水をためることで、草が生えられる土地になる。
③草が生えると、やがて木が生えるだけの土壌と水が溜まり、やがて高木も生えるほどになる。
④陽樹林の林ができると、暗いので、陰樹の苗木しか育てなくなる。
⑤最終的には陰樹林となる。これが「極相林」。
79.各栄養段階におけるエネルギーの流れ
①高次消費者が生きていくためには、かなりの量の生産量がいる。
②ほとんどは呼吸で熱エネルギーとして消化される。
正仏 保(せいふつ たもつ)の生物講義
高校の時の生物の先生に感謝申し上げます。
それから、熱意を込めて図表を作ってくださっている方たちにも感謝いたします。