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だって、まだ何も知らないんだ
恋の仕方も愛され方も
井戸よりも狭い場所で
あの青空を見上げている

あいしてあいされて
さよならを覚えて
夢物語でいまを生きる
僕よ 僕の手をとれ

このまま沈んでいくには
あまりにも僕は無知だった

それでも確かに朽ちていく
僕の中にサメがいる

君の名前を知りたい
いつか僕のことを呼ぶ君の名前を

さよならってなんだ
どうしていつも未来は
僕を置いて行くのだろう

まだ何も知らない
知らないのに
僕はおとなで
生きなきゃダメなんて

せめて、君の名前がしりたい
頭文字だけで構わないから
君を運命にするために



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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-30

Copyrighted
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