淋しさ
誰もいない。
さみしいことこの上ない。
いつものことだから、もう。
慣れたさ。
外を歩けば、周りは人だらけだ。
自分は一人だが、
たいていの人間はだれかを連れて歩いている。
若い女や疲れ果てたサラリーマン。
ひどいありさまだ。
いや、
この世界を嘆いているわけではない。
私という存在がひどいありさまだと言っているのである。
偽の笑顔に身を包み、頭の中では何を考えているやら。
人間という生物は恐ろしい。
もしかしたら、私のようなモノがまだほかにもいるかもしれない。
びくびくとおびえながら
そんなことはおくびにもださず
ひそみ、笑っているかもしれないのだから。
近づきたくないのだ。
だからもう、帰りたい。帰りたい。
こんなところにはもう一分一秒もいられない。
泣いてしまいそうだ。
私は一人だ。
守りあえる仲間どころか
存在の認知さえ…。
見てほしくなどない。
忘れてくれ。
そのほうが私、は生きやすいのだから。
淋しさ