イリアス
2010/10/2日 『イリアス』 兵庫芸術文化センター
この舞台が始まって間もなくして内野さんのスキャンダルが大きく報じられた。
W不倫と飲酒運転疑惑だって・・・(>0<)
もしかしたら公演が中止になるかも?・・・、と思ったが何とか続けられた、で行って来ました。
内野さんの事は又後ほど語ることにして、まずは舞台のお話から・・・。
原作=ホメロス
演出=栗山民也
脚本=木内宏昌
音楽=金子飛鳥
出演
アキレウス=内野聖陽
ヘクトル=池内博之
オデュッセウス=高橋和也
アンドロマケ=馬渕英俚可
カサンドラ=新妻聖子
パトロクロス=チョウソンハ
アガメムノン=木場勝己
プリアモス王=平幹二郎
コロス・・・女性5名
「イリアス」とは「トロイア(イリオス)の詩」を意味する。
紀元前13世紀ごろに起きたとされるトロイア戦争を描いた物語である。
・ ・・とプログラムの冒頭に書いてあるので引用して置く(笑)
なんせ3000年前の物語りだそうだし、私の不得手なギリシャ劇だし・・・。
ただこの物語は叙事詩を口述で後世に伝えられたのだそうだ。だから台詞がとてもわかりやすく、スッと心に入ってくるな、と感じた。
あらすじを簡単に・・・。
ギリシャ連合軍がトロイを攻めて10年経つがいまだ決着がつかない。
そんな中ギリシャ連合軍の総大将アガメムノンの傲慢さに対しギリシャ軍の最強の戦士アキレウスは反発し戦線を離脱する。
アキレウスの母の女神ティティスにギリシャ軍が窮地に落ちうるよう祈る。このようにギリシャ劇には人間と神が混在しているので判り難い・・・(>へ<)
これもパンフに書いてあった事なのだけれど、女神である母親がアキレウスを不死身にする為に足を持って冥界の河に浸すのだが
掴んでいた部分だけが水がかからず普通の肉体が残っってしまった。これがアキレウスの急所となり後にここをやられて命を落す事になる。
これがアキレス腱の由来だそうだ。
トロイアではプリアモス王の息子ヘクトルが最前線で戦う事を決意し、ヘクトルの活躍で勢いずくトロイア軍。
崩壊寸前のギリシャ軍を見かねてアキレウスの親友のパトロクロスはアキレウスの鎧を身につけアキレウスの軍を率いて戦うがヘクトルを深追いし過ぎて無残に殺される。
パトロクロスの死を嘆き悲しむアキレウスは親友の復讐のために戦場へ戻る事を決意する。
ヘクトルとの凄まじい決闘の末ヘクトルを倒しその亡骸を野に晒して獣の餌にすると宣言する。
だがヘクトルの妹カサンドラはヘクトルの遺体は決して傷つかない、と予言する。
このカサンドラもトロイアの守護神であるアポロンの求愛を拒絶した為預言者となるのだがその予言を誰も信じないという悲しい女性。
やがてプリアモス王が我が子の遺体を引き取る為に敵の陣地にたった一人で現れる。アキレウスは王の子を思う父親の愛に打たれてヘクトルの遺体を清めて返すよう指示する。
ヘクトルの遺体にすがって慟哭するプリアモス王・・・、声を上げて泣きくずれる平さんの姿から我が子を失なった親の悲しみがひしひしと伝わってきた。
ここからカサンドラの独り言、・・・イリアスの物語はここで終わる。だがギリシャ軍は海岸に大きな木馬を残して退却した。トロイア軍はその木馬を戦利品として城内へ引き込んだところ木馬の内部に隠れていたギリシャ軍によって滅ぼされたのだと語る。この戦略を練ったのはギリシャ軍の知将オデュッセウス。
イリアスの舞台は重厚な配役によって見応えのある作品になっていたと思う。休憩を含めて3時間余りの舞台をダレさせもせず台詞も明瞭で内容がストレートに伝わってくるのは流石だなと思った。ただ内野さんはむき出しになった肩から腕や足の筋肉は鍛えられてとても綺麗だったけど、目がくぼみ頬はこけ、痩せたな?!という印象を受けた。
今まで色んな所で語られてきた立派な言葉が一瞬にして全て飛び散ったような今回のスキャンダル、私も心底がっかりしている。
公演の真っ最中に起きた出来事、共演者や関係者にも大変なご迷惑を買えた今回のスキャンダル、この後始末をどうされるのか・・・?、私も注視している。
イリアス