窓の向こう

窓の向こう

ごはんを食べることは好き

だった

かな

かしら

水を与えればそこでただ育っていく花や木や草や
スイッチを押せばすぐに沸騰する電気ケトルや
淀んだ湖のふちを飾るレースとしての朝靄

ヨーグルトを流し込むと
半導体がゴロゴロと音をたてる

カーテンの向こうでは
人々がせっせと歌っている
多分、踊っている

ゴロタという名の人々

スピーカーから太鼓の音
男たちは声を揃えてウィッウィッウィッ
どことなくワッショイに通じるものがある

毎日飽くなきワッショイ

11時の問いかけ

水の、大きい粒がたくさんと
小さい粒がたくさん
こちら側は暖かく
奇妙なにおいがする

靄の中を犬を連れた人が歩いている
生意気そうな娘はウサギを追いかけたが
その結果、彼女は退学となったのであった

空白期間が恐ろしく、私は机に向かう

芥子の花をつけられない自分を
私はどう思っているのだろうか

To Whom It May Concern

ここにあるもの、
ぜんぶあげますよ
ぜんぶあげます
ぜんぶ、
あげてしまいたい

すべてのものにかんしゃをしながら
すべてのものをかなぐりすてたい

thanks thank you thank you very much
VERY MUCH

it's too much
but I don't know what it is
Oh...

P.S.
私は元気です。

ミキサー

ぽちゃぽちゃぽちゃぽちゃぽちゃぽちゃぽちゃぽちゃ
ぽちゃ

気が抜けてしまったなあ
図書館に行こうかな、
あの混んでる図書館に
それとも、図書館に行こうかな
あの混んでる図書館に

今日はシーツと布団カバーを洗った
どのくらいの頻度で洗うものなのか
気になって意味もなく検索してしまった
意味のないことはわかっているのに
なぜなら以前にも同じことをしているのだから

怖い
安心
安全
恐怖
漠然とした

ともかく今日は
久しぶりに雨音を心地よいと思った

受動体

もしもしもしもしかして
気づいてしまったのですかー
わたくしのさいていな
さいていさいあくな
さいあくのなれのはて

果て
はてはて
どうしたものか

もしもし
ずっと待っているんです

窓の向こう

窓の向こう

日記のように、少しずつ一人連詩を書いていきます。 基本的には縦書きを想定して書いています。 チャプター3: 2015年11月1日 チャプター4: 2015年11月20日 チャプター5: 2015年12月10日 チャプター6: 2016年1月30日

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-28

Copyrighted
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  1. 窓の向こう
  2. ゴロタという名の人々
  3. 11時の問いかけ
  4. To Whom It May Concern
  5. ミキサー
  6. 受動体