Alice*world

パチリ。
眠たさにフラフラしながら部屋の電気のスイッチを入れた。
時刻は午前2時半を過ぎている。
こんな時間まで釣りをしている人間がどこにいるだろうか。いや、いるのかもしれない。
それでも数えられる程しかいないだろう。
周平は釣りをしていた。だが釣れなかった。
ここまで釣れないのはいつぶりだろうか、と思いつつも釣りを続けた。
周平は釣りが好きだった。そして得意でもあった。だからこそ、ここまで釣れないのはおかしいと思った。
あたりがいつも以上にしんとしていることに気がついた。だが、そこまで気に止めなかった。釣りに集中出来ているのだ、と自分に言い聞かせた。
いつのまにか午前1時を過ぎていた。眠いしもう帰ろうと思った。
民家がいつもより暗く感じた。いや、暗く感じたのではなく本当に暗いのだ。
ただ一つ、街灯だけが明るく光っていた。
家に着いて寝室を覗いたが、誰もいなかった。そういえば両親は旅行していたんだ、と他人事のように思った。
とにかく眠たかった。だから道具を置いて寝よう、と思った。
いささか眠たかった。電気を付けた。その瞬間眠ってしまった。
次の日の朝、

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  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • アクション
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-15

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