キャバレー
2010/2/6・7日 『キャバレー』 梅田芸術劇場
訳詞・演出=小池修一郎
CAST
藤原紀香=サリーボウルズ
諸星和己=MC
阿部 力=クリフォード・ブラッドショウ
高嶺ふぶき=フロイライン・コスト
戸井勝海=エルンスト・ルードリッヒ
杜けあき=フロイライン・シュナイダー
木場勝己=ヘル・シュルツ
ストーリー(プログラムより)
1929年ナチズム台頭前夜のドイツ・ベルリン。退廃的なムードの漂う街に一つのキャバレーがあった。その名は『キット・カット・クラブ』 ひたひたと忍び寄る不穏な時代の空気を忘れるかのように、そこでは夜毎欲望むき出しの刹那的な宴が繰り広げられていた。セクシーなMCが卑猥なショウの幕開けを告げる。
売れないアメリカ人作家クリフォードは作品の題材を探して放浪を続けベルリンへと足を踏み入れた。列車で出会ったドイツ人エルンストの紹介で、クリフは女主人シュナイダーが経営する下宿屋に腰を落ち着ける。そこには心優しきユダヤ人の果物商シュルツ、水兵相手に身体を売る娼婦コストらが住んでいた。
大晦日の夜キット・カット・クラブを訪れたクリフはキャバレーの美しい歌姫サリー・ボウルズと出会う。彼女と意気投合するかたわら、クラブのボーイからも熱い視線を送られるクリフ。どんな欲望も満たす刺激的なベルリンの生活に、彼は瞬く間に溺れて行った。オーナーとの愛人関係が切れると同時にクラブを首になったサリーはクリフの部屋に転がり込み、いつしか二人は恋仲となる。やがて妊娠が判明したサリーとの生活費を稼ぐため、クリフはエルンストに頼まれた怪しげな運び屋の仕事を引き受ける。クラブではMCが金が全てと歌っていた。
一方秘かに愛を育んでいたシュナイダーとシュルツは、その仲をコストに知られたことをきっかけに、結婚を決意する。仕事だけを頼りに長年独身を貫いてきたシュナイダーにもようやく春が訪れたかに見えた。しかし婚約パーテイの日、シュルツがユダヤ人であることを知ったエルンストは、シュナイダーに結婚を考え直すよう警告する。エルンストはナチスの党員だった。女性としての幸せよりも生き抜くこと選んだシュナイダーはシュルツとの婚約を解消し、シュルツは一人去っていく。
ドイツ中に広がる狂信的空気に恐れを抱いたクリフは、故郷のアメリカに戻って家族でまともな生活を送ろうとサリーを説得するが・・・。
不吉な時代の足音は、もはや耳をふさぐ事の出来な轟音となってすぐそこまで迫っていた。
昨年の9月の『狭き門・・・』から5ヶ月振りの観劇、その間膝の手術など色々有ったけど、又観劇できる体の状態になれたのが一番嬉しい!
今回の舞台は戸井さんがご出演と言うことで取ったチケットだけど、藤原紀香さんがミュージカルに挑戦と言う話題が大きかった作品。その紀香さん、力一杯の歌を聞かせて中々の熱演だしスタイルは勿論抜群に素晴らしいんだけど、台詞の喋方も甘ったるくて舌足らずで、今ひとつ感動が沸かなかったなぁ。クリフ役の阿部さんも残念ながら全てがイマイチ(笑)
このクリフが最後に兵士の服を着て銃を持って人殺害するシーンがあったが、その意味が未だに不明。
この主役の二人よりも、むしろ輝いて見えたのが年老いた二人の恋!ユダヤ人のシュルツを演じる木場勝己さんが温かくて人が良くて優しくて、オマケにとっても可愛かった(爆)歌も声も良いし音程もしっかりとしているし第一木場さんが歌うなんて思いもよらなかったので正直びっくりした! シュナイダーが辛いだろうと下宿屋を出て行く決意してクリフに挨拶に来て、去っていくドアから最後にニコッと笑う笑顔に、悲しいシーンの筈なのに心がホッこりした。シュナイダーを演じる杜けあきさんも元宝塚とは思えない老女(^^)を上手く演じていた。身体が太めに見えるよう下着を巻き付け身振り手振りもすっかり老女になりきって、でもそれがとっても良かったと思う。
お目当ての戸井さんの歌が少なかったのが残念だったけど、でも高嶺ふぶきさんとのデュエットは力強くてよく響いてやっぱりステキだなと思う。願わくばもう少し戸井さんの歌のシーンが欲しかったな!
MCを担当する諸星さん、おしろいと紅で顔半分をぬり、チョット道化という感じ、だが観終わったてみればもしかして彼が主役?と勘違いするほどの歌あり踊りありの露出度だったなぁ。お猿の彼女とツーショットで踊る(?)ローラースケートの技は素晴らしかったね!光GENNJI時代からお得意だったのだそうだ。 ローラースケートを取り出すと待ってましたとばかりに拍手が沸く。リーピーターがかなり居るみたい。そしてこの場面が拍手が一番大きかったかも・・・(^^♪
左の膝は大阪遠征の後遺症で今もこわばったままだけれど、でもやっぱり私は生の舞台が好き! 舞台の余韻はやっぱり心地良い。
キャバレー