カオスな奴らと三日月荘。【深緑と赤熱。深緑編】

どうも、ともしびです。
今回は見てくれている方々をとんでもなく待たせてしまい、申し訳ございません。
PCの故障、モンハンの新作発売、スプラトゥーンにガチハマり、僕の右手首骨折、職場体験先からの学芸会への招待etc...など
大量の悲劇(?)が重なってこうなってしまいました。
ツイッターに申しました「三本同時投稿」ですが
どれだけ頑張っても僕には無理でした。
とりあえず一月中に投稿することはできたので
まぁよしとしたいと思います。

再会と出会い

三日月荘にて…
草平「なんで俺の部屋にいるんだよ…」
琅夜「暇だから」
銀「どうせいても困んないでしょ?」
ジュニア?「銀につられてきた」
草平「てか、一哉さんは?」
ジュニア「一晩中ゲームしてたから寝てる」
草平「そうか」
なぜか、草平の部屋に
琅夜と何時ぞやの二人組と新キャラが来ていた。
琅夜「蛇屋と弟子もなんで来てんの?」
蛇屋「暇だったし」
この黒髪の中身長の男は蛇屋亮輔(ヘビヤリョウスケ)
弟子「暇だったし」
この弟子と呼ばれた、銀メッシュの男は銀野真弘(ギンノマサヒロ)
草平「お前がいうな。いくら三日月荘の部屋が一つ一つ広いからって、毎回毎回俺の部屋に集まるな」
その時草平の部屋のチャイムが鳴る。
草平「誰だ。ハーイ今出ますよ〜っと」
草平がドアを開けるとそこに茜音がいた。
茜音「ヤホー」
草平「なぜきた」
茜音「なんか銀さんとジュ兄きてるって聞いたから」
草平「琅夜か」
琅夜「違うぜ〜」
亮輔「俺だ」
草平「お前かよ」
茜音「ジュ兄〜!」
ジュニア「おー茜音じゃん」
茜音「久しぶりぃ」
銀「テーブルの上にたい焼きあるよ」
草平「なんか、揃っちゃいましたね」
琅夜「そうだなぁ」
ジュニア「確かにな、元『ミカゲ』の主力たちが」
銀「僕らも引退しましたからね〜。一哉さんも引退しましたし、そろそろ他の奴らもダメになる頃じゃない?」
琅夜「そういえば、イタリアはどうでした?」
ジュニア「ああ。あっちもこっちとそんな変わんねぇよ。見掛け倒しだけの雑魚どもだ。武器は持ってるがな」
琅夜「なら、俺も連れてってくれたらいいじゃん!!!!俺もリアルなマフィアとか見たかった!!!!」
草平「落ち着け戦闘狂」
真弘「師匠落ち着いて〜」
琅夜「だってさぁ、散々あっちは危ないからお前は残れって言われてたのにさァ、いざ行ってみたらそうでもないってさぁ」
真弘「ほらほら落ち着いて〜」
ジュニア「…真弘、いつも『弟』をすまんな」
真弘「いや、こうなることを承知で僕は琅夜くんに弟子入りしたんですし」
ジュニア「さすが、ミカゲの『ギルティー』だ」
草平「ああ…出ましたねその厨二ネーム」
亮輔「そーそーとか『リザイア』って呼ばれてたもんね〜」
草平「そういうお前は『毒牙』って呼ばれてたんじゃん」
琅夜「あー、俺なんだっけ」
真弘「『グリード』ですよ」
琅夜「そうか。『兄貴』は『右翼』だっけ」
ジュニア「そうだな。銀は『月食』だったぞ」
そんなこんなで話してるとまたチャイムが鳴る

トラウマ

草平「あれ、誰だ」
琅夜「いや、知らんがな」
草平「いや、返答を求めてるわけじゃない」
草平がドアを開けるとそこには
麗奈と来伊がいた。
麗奈「やっほー」
来伊「…………」
草平「どうした?」
琅夜「あらら、どうしたのさ?」
麗奈「なんか、そーくんの部屋が賑やかだったからお客さんでも来てるのかなと思って」
草平「確かに来てるけど、来伊はなぜ?」
来伊「なんでもいいじゃん(プイッ」
麗奈「琅夜くんが浮気してないか、ずっと気にしてたから連れてきた」
来伊「ちょ」
琅夜「俺が?浮気?ないないない」
来伊「…本当に?」
琅夜「どんだけ心配してんだよ。そこまで俺が信用できないか?」
来伊「いや、そういうことじゃ…」
琅夜「今、来てるのは昔ながらの知り合いだよ」
銀「おーい、ろー?誰かきてんのー?」
来伊「!?この声は…」
来伊は強引に草平のディフェンスを崩し、部屋に土足で上がる
来伊「やっぱり!」
銀「あらら、来伊ちゃんじゃん。おっひさー」
来伊「いや『おっひさー』じゃないでしょ!兄さんは!?」
ジュニア「…自分の家で寝てる」
来伊「一体、何をしてるんだか…」
草平「とりあえず、靴を脱げ」
とりあえず、みんなでちゃぶ台を囲んで座ってみた。
麗奈「えーっと、とりあえず状況を整理しましょう。昔、来伊ちゃんを助けたジュニアさんこと李月(リツキ)さんは琅夜くんのお兄さんで」
来伊「本当なの?」
来伊はちょっと膨れっ面だ
琅夜は困ったように頬をぽりぽり掻いている
李月「…まぁそうだな」
琅夜「つーか、知り合いだったんか」
麗奈「はいそこ!授業中に喋らない!」
草平「授業してねぇだろ。それ以前にお前教員免許持ってねぇじゃん」
来伊「ツッコミが細かい」
李月「思った」
琅夜「思った」
麗奈「で、茜音ちゃんとそーくんとろーくんと蛇屋くんはミカゲという団体の一員だったと」
亮輔「せやで」
麗奈「で、そのミカゲとやらのリーダーが来伊ちゃんのお兄さんと」
来伊「そうだね」
麗奈「それでは説明してもらいましょう。ミカゲって一体、『何』なんですか?」
この言葉を麗奈が発した途端、周囲が凍りつくように黙った
麗奈はこの時点でミカゲというのはこの人たちのトラウマでもあるんだと
李月「…!やっべ」
すると李月が慌てて、帰り支度を始めた。
琅夜「兄貴どうしたの?」
李月「お前も急げ!『集会』に遅れるぞ!」
琅夜「真面目にやべぇやつじゃん!早く行くよ!」
麗奈「集会とは?」
草平「たまにあいつらの親戚で集まって集会を開くらしい。遅れると罰ゲームが待ち受けてるらしい」
麗奈「へぇ」
茜音「琅夜は2回くらいその罰ゲームで女装させられたよ」
麗奈「へぇ…って女装!?」
茜音「写真あるけど見る?」
来伊「見る」
茜音は最新機種のスマートフォンを取り出し
三つ程度あるアルバムの中から『ろーの黒歴史』というアルバムを開き
写真を麗奈と来伊に見せる。
麗奈「ファッ!?」
写真に写っていたのは赤い瞳の赤髪。
紛れもなく琅夜だ。
しかし女物の服を着ている。
5歳か6歳くらいだからかすごく似合ってる。
麗奈は自分でこんな服を着てもここまで似合うことはないと思うほどに
麗奈「これ、本当にあの琅夜くんなの!?」
茜音「私と一緒に写ってるのもあるよー」
画面を横にスクロールすると小さい頃の蛇屋と茜音と草平と女装した琅夜が写っている写真が出た
琅夜は泣きじゃくって逃げようとしているが、蛇屋が腕を掴んで離さない
茜音は嬉しそうにカメラに向かってピースしている。草平は退屈そうにそれを眺めている。
全員が小さい頃がとてもかわいい。ついついニヤけてしまいそうなほど
麗奈「みなさんかわいいですねー」
茜音「琅夜はこの時、一週間くらい学校に来なかったねー」
亮輔「そりゃそうだろwあんな格好してたらなw」
草平「…ばれたらあいつにクッソ怒られるぞ」
茜音「BMNだよそーへー」
草平「なんだそれ」
茜音・亮輔「バレなきゃ 問題 ない」
草平「あのなぁ…」

親戚で集まる集会は大体危険

茜音たちが草平の部屋で雑談している頃…
李月「今からじゃどうしても遅れちまうぞ!」
琅夜「遅れたくないならパルクールするしかないだろ!」
そう言って琅夜は迷いなく非常階段を登り出す。
李月「落ちる時どうすんだよ!」
琅夜「ケースバイケース(時と場合による)だ!」
李月「考えなしか!」
そういいつつも李月もあとを追いかけるように登る。
最上階に着くと琅夜が問う
琅夜「今回の会場は?」
李月「市民会館だ」
琅夜「じゃあこっちだな」
琅夜は市民会館の方角を向き
建物から建物へと飛び移る
琅夜「こっちの方角でビルを四つ飛び越えたらすぐそこだ。ただビル一つ一つがクッソでかいんだ!全速力でこいよ!」
李月「久しぶりの競争と行こうか!」
琅夜「おう、位置について…よーい…ドン!」
掛け声と共に二人は走り出す。屋上にあるアンテナや植物などを飛び越え
四つ目のビルを越えるところで二人は飛び降りた
なんの躊躇もなく。笑いながら。
李月は壁に足を付き走り出した。
琅夜は体を大の字にして、抵抗を作っている。
李月の方が早く着地したが、速度の『重み』というものに耐えきれず、クラウチングスタートのような姿勢でじっとしている。
琅夜は素早く地面に手をつき、前転した。
壁に思いっきり背中をぶつけたがそれでも立ち上がる。
それと同時に李月も立ち上がる。
琅夜「相変わらず頑丈なやつ」
李月「お前もな」
と二人で見つめ合っていると二人の後頭部に衝撃が来た。
???「あんたら何やってんの?」
琅夜「いってぇな!このクソビッチが!」
???「あ゛!?うるせぇよクソガキ!お前こそ何してんの!?」
このまぁまぁ長身の女性は『極野皐月(ゴクノサツキ)
明らかに染められた跡のある黒髪に、目は緑色でつり目である。
琅夜「遅刻したくないから奥の手でダッシュしてきただけですが?」
皐月「ですが?じゃねぇんだよ!馬鹿かよお前!?」
琅夜「今更かよ」
李月「本当に今更だな」
皐月「ダメだ…この兄弟…馬鹿という現実を受け入れてる…」
そんなやりとりをしていると奥から皐月を呼ぶ声がする。
???「おーい皐月ー。李月と琅夜きたー?今の状態でいなかったら完全に罰ゲーム行きだよー」
皐月「お、お前らも罰ゲーム行きd」
言い終わる前に李月と琅夜はすでに中に入ろうとしていた。
琅夜「ごめ〜んwよく聞こえなかったわ〜wwもう一回お願いできる〜?www」
そういいつつも琅夜は容赦なく扉を閉める。
皐月「き、キサマァァァァ!!!!!」
皐月の断末魔は町中に響き渡った。

目的と過程

草平の部屋にて
麗奈「ところでさっき聞けなかったんですが」
草平「なんだ」
麗奈「『ミカゲ』って一体、なんのための団体なんですか?」
この言葉を聞くと部屋の雰囲気が一気に凍りつく。
麗奈「…いや、あの、こんな空気にされても困るんですが」
茜音「…………たいの?」
麗奈「え?」
茜音「本当に知りたいの?」
麗奈「そんなにヤバイものなんですか?」
茜音「聞くなら覚悟を決めて聞いて」
麗奈「はい…」
麗奈が頷くと、亮輔が語り出す。
亮輔「ミカゲは親からの虐待、犯罪歴、孤児院などの問題を持った子供を保護して、警察やテロ組織などから守る団体だ」
麗奈「どうして、その子たちは警察やテロ組織に狙われるんですか?」
亮輔「その子たちの中にごく、稀に心の底から願ったことを叶えてしまう子がいるからだ」
麗奈「つまり?」
亮輔「例えば、とある子が銃で撃たれそうになっているとする」
麗奈「はい」
亮輔「その子が心の底から『助かりたい。助かってこいつを殺したい』なんて願ったらどうだ?」
麗奈「…どうなるんですか?」
亮輔「撃たれた銃弾が撃った方に急に跳ね返って撃ったやつを撃ち抜く」
麗奈「そんな…」
亮輔「実際のこの現場は俺が目撃した。その子は自分のその力が怖くなり自殺した。」
麗奈「なんでそんな…」
亮輔「普通は持っていない力を持ってしまうと人間は恐怖を覚えるものだ。実際にその力を得てしまった奴らは、力が目覚めた時に暴走して、殺されたか、自殺をした」
麗奈「力ってどんな力なんですか?」
亮輔「それは来伊も一度見たことがある、李月さんも力の伝承者だからな」
来伊「つまり、あの時見た李月さんの右肩が赤く光りだした現象は…」
亮輔「力の解放…とでも言うのかな。李月さんは完璧に力を制御している。だから今も生きている」
麗奈「警察がそれを狙う理由は?」
亮輔「おそらく、戦争の兵器にでもしたいのだろうな」
麗奈「そんな…」
草平「…生憎なことに俺と琅夜も力の伝承者だ」
来伊「え?」
麗奈「嘘…」
草平「一度だけ、俺は力が発動したことがある。琅夜はほぼ常時発動しているようなもんだ」
来伊「どういうこと?」
草平「あいつのミカゲでの呼び名は『グリード』。強欲と言う意味だ。あいつは人の能力を読み取り、コピーしてしまうということだ」
亮輔「今は完全に抑えることができているがな」
草平「一時期はなんでもかんでもコピーしてしまってたな」
亮輔「あれは大変だった」
草平「これを知っているのはミカゲの奴らとお前ら二人だけだ。絶対に誰にも言うな。口にも出すな」
麗奈「でも」
麗奈が言い終わる前に草平は口を挟む
草平「これは俺と琅夜と李月さんだけじゃない。ほかの四人の能力者まで危険に晒してしまう可能性のあることだ」
麗奈「はい…」
そして、部屋に沈黙が訪れた。
先ほどの話のせいで漂う重い空気、やたらと険しい草平、亮輔、茜の表情
『こんな時にこそあの琅夜が入ればいいのに』
部屋の中にいる人は誰もがそう思った。
しばらくして、亮輔、茜、来伊は帰って行った。
部屋には草平と麗奈の二人だけ。
沈黙に耐えきれなかったのか麗奈が突然、口を開く
麗奈「草くん…」
草平「…なんだ」
麗奈「草くんと琅夜くんに何があったの?」
草平「やっぱり話すべきなんだろうな
…」
麗奈「うん。教えて」
草平「俺は琅夜に起きたことは知らない。それでもいいか?」
麗奈「うん」
草平はゆっくりと息を吸い話し出す…

緑の風。

俺は二歳の頃に親父が死んで、母さんと爺さんと婆さんの家に住み移った。
爺さん婆さんは厳しい性格だったから、あんま好きじゃなかった。
かといって別に母さんも好きではなかった。
一日中、部屋にこもって親父の写真を見て泣いてるだけだったから。
母さんの顔なんて親父の死以来一度も見たことがなかった。
いつも学校へ行って戻ったら街をぶらぶらするだけの生活だった。
そんな時に俺の運命をこじらせた張本人と出会った
いつもどおり家に帰った俺は500円しか入ってなかった財布と家の鍵を持って
街をぶらつきに行った。
しばらく歩いてるとパトカーが異常なほどに多いということに気づいた。
いつもなら見かけることはまずないし、見かけたとしても一台しかない。
さらにしばらく歩くと路地裏のゴミ箱に隠れるようにして人がいたんだ。
そいつは明らかに顔を隠していた
草平「誰かいるんですか?」
???「警察もわからなかったこの場所を見つけるって君はすごい才能を持っていますね。」
俺はその言葉に怯えたことを覚えている
???「うん。葉一郎さんによく似ています」
葉一郎は俺の親父の名前だった。
名前だけは墓石にも彫ってあったから覚えてる。
草平「どうして、父さんの名前を?」
???「私のことは龍凱(リュウガイ)と呼んでください。葉一郎さんとは古い付き合いでしたから」
龍凱はじっと俺を見つめてからこう言った
龍凱「やはり…君も力の伝承者ですか…」
草平「え…」
龍凱「いえ、気にしないでください。どうせ時期に分かることです」
するとパトカーのサイレンの音が響く。
龍凱「ここら辺もそろそろ潮時ですか…草平くんまたお会いすることがあれば」
そういって龍凱は路地の奥へ歩いていく
俺は龍凱を怪しい奴程度にしか認識してなかったからその場を離れて家に帰ろうとした。
いつの間にかだいぶ家から遠いところにいたみたいで
家に着く頃にはもう夕暮れだった。
チャイムをおしても誰も出なかったから
鍵を取り出してドアを開けてたんだ。
ドアを開けても誰もいない。奥の方に行くと…
そこには二つの死体と死体の胸に突き刺さった包丁の取手についたメモだ
草平「ッ!!!!!!!!!!!!………………」
俺は唖然とするしかなかった。まさか自分の目で死体を見ることになるなんて思ってもいなかったし想像もしてなかった。
だけど俺が唖然して恐怖を感じたのはただの一瞬だけ。
深呼吸をして、俺は冷静にメモを手に取った。
メモには『これを見たら屋上に来い』と書いてあった。
母さんの部屋にも行こうかと思ったけど、どうせあるのは死体だろうと思っていかなかった。
俺が当時住んでいた家はマンションタイプだったから屋上も当然あった。
入れるか入れないかなんてどうでもよかった。
俺が屋上の鍵ももっていたからな。
階段を二段飛ばしで登って屋上に着くとそこには
写真でしか見たことがない親父がいた。
葉一郎「よぉ、草平。大きくなったな」
草平「誰だお前は」
葉一郎「親父の顔も忘れるとは…なんてな。覚えてないのもしょうがない。なんせ俺は死んだことになってるからな。」
草平「『ことになってる』ってことは何か目的があって死んだっていうことにしたんだろ?その目的はなんだ」
葉一郎「勘がいいな。さすがは俺の息子だ。俺の目的はな。『お前』なんだよ」
草平「どういうことだ」
葉一郎「知らなくてもいいさ…なぜならお前はここで死ぬんだからな」
死という言葉に俺は恐怖を抱いた。
葉一郎はその様子を見ると俺に襲いかかってきた。
俺は目を瞑った。怖かったし、何より力の差が圧倒的すぎると思ったから。
でも、一向に痛みはやってこない。
恐る恐る目を開けてみると、オレの目の前には龍凱がいた。
葉一郎は苦しそうに脇腹をおさえている。
葉一郎「てめぇ!何をしやがる!龍凱!」
龍凱「私は何もしてませんよ?したのはそこのちっちゃい坊やですよ」
葉一郎の後ろにはいつの間にか赤髪の少年が立っていた。
少年は言葉の一つも発さずに葉一郎の肩、脇腹、腹、などの部位を蹴り続けていく。
やがて、葉一郎は倒れた。誰がどう見ても葉一郎があの少年に勝つわけがないと断定できる試合だった。
倒れた葉一郎は息を切らしながらも、俺を殺しに行こうとなんどもしたが
なんどやっても赤髪の少年に止められてしまう。
するとあれだけ無言を貫いていた少年が
赤髪の少年「そろそろいい加減にしないと…殺すよ?」
と、殺気をむき出しにして言う。
葉一郎は短く悲鳴をあげると一気に黙り込んだ。
龍凱「……くんありがとうございます。草平くんも大丈夫ですか?」
草平「あ、うん…ありがとう」
多分、あの赤髪の少年の名前を言ったんだろうけど聞き取れなかった。
赤髪の少年「で、こいつも能力者だけど奪っていいの?」
龍凱「はい大丈夫ですよ」
赤髪の少年「わかった」
そういうと赤髪の少年はどこからとこなくライターを取り出して、
葉一郎に火をつけた。
赤髪の少年「イズ、ファースィ、ジ、ジーラ」
そういうと炎はまるで飼い主と再開した犬のように、少年の手に吸い込まれるようにして消えていった。
赤髪の少年「ツバメか…龍凱。こいつの能力はそこのやつのと同じだ。移植するか?」
龍凱「それではそうしましょう。草平くん、少し熱いだろうけど我慢してね」
そういうと赤髪の少年は右手で銃を作って俺の方に向けて「バーン」と効果音までつけて撃った。
確かに熱かった。全身が焼けるように熱かった。

改革、革命。

草平「その日から俺は特別な力を得た。しかもそれだけじゃない。能力者が誰かもわかるようになった」
麗奈「その赤髪の少年って…まさか…」
草平「いや。琅夜じゃない」
麗奈「なぜ言い切れるのですか?」
草平「テンションが違った」
麗奈「納得しました」
草平「その後に琅夜が急に屋上に現れたんだ。息を切らしてな」
草平は懐かしむように少し口角を吊り上げて笑った。
草平「それで俺に向かってこう言ったんだ…『やっと仲間を見つけた』ってね」
麗奈は琅夜らしくない言動だと思った。「普段見てる琅夜なら、もっとワァーっと一方的にたかりそうだな」と
草平「それから、俺は家を出て、琅夜と李月さんと和也さんのいるミカゲに入った。それだけだ…って何笑ってんだ」
草平は軽くPONと麗奈の頭を叩く
麗奈「だって…」
麗奈は少し間を置いてから言った
麗奈「そーくんがとっても幸せそうに笑ってたから」
草平は驚いた顔から一瞬で子供のような笑顔になった。
そして、二人で会話していると時は経ち、時刻は既に0時過ぎ。
麗奈「あ、いけない。それそれ帰らなきゃ」
草平「おう、どうせなら送ろうか?」
麗奈「どうせ向かい側だしいいよいいよー」
草平「なら言い方を変える。『俺に送らせろ』」
と普段の草平とは明らかに違うキリッとした声でいう
麗奈「ッ…!」
麗奈はいつもとは違う草平の言動に対して耳まで真っ赤に染め上げて
麗奈「お、お願いします//」
草平「じゃあ行くか」
草平は麗奈に手を差し出すと麗奈もその手に自分の手を乗せる
麗奈を送った後に草平は部屋に帰るとベッドにうずくまった
草平「(ヤバいヤバいヤバいヤバい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい忘れろ忘れろ忘れろ)」
と思ってそのまま眠りにつきましたとさ。
めでたしめでたし。




現場を目撃したやつら
琅夜「(草平よ…お前も立派になったな…)」
李月「(ここの住人は全員がこうなのか…)」
修也「(今度は草麗かよ…)」
理樹「(俺は何も見てない)」
雅也「平和ですね」
琅夜「みんな脳内で話してたのに、雅也さんだけ声に出すんですか」
雅也「あっ…………」
修也「メタい(確信)」

カオスな奴らと三日月荘。【深緑と赤熱。深緑編】

【来伊の中の人のコメント】
「どうも、来伊の中の人です。ドSじゃないです。
何故か物語の中でもドS扱いされてますが、ドS要素が皆無に見えるのはオレだけでしょうか…。
ホント、投稿ペースはよろしくないってかもはや失踪してるような感じでしたが、ちゃんと毎月上げることを願ってます。
ぶっちゃけ物語中貧乳言われてましたが貧乳じゃありませんちゃんとありますカス火コラ。
まあ内容は濃いし何より厨二的な感じになっているので日常とは何だったのか…」

最近、僕は三日月メンバーの中の人たちに「ともしひ」とか「カス火」、「弱火」とか
言われちゃってるんですけどこれ改名したほうがいいですかね(錯乱)

カオスな奴らと三日月荘。【深緑と赤熱。深緑編】

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • SF
  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-10-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 再会と出会い
  2. トラウマ
  3. 親戚で集まる集会は大体危険
  4. 目的と過程
  5. 緑の風。
  6. 改革、革命。