ヒトリヨガリ

秋風まとう季節に思い出す 数年前の君と過ごした記憶
出逢いは鮮烈で涙目の小さな君 抱き締められずにいられなかった

小さな身体で大きな愛をくれた 傷だらけの心を隠しながら
何度離れようとしたんだろう その度に引き止めていたけど

今はただ君の面影探す日々 恋した気持ちが零れ落ちる
甘かったんだろう考え方が 君を失う日が来るなんて

思えば振り回してばかりだった 愛を伝えてもないくせに
同じ気持ちでいると自惚れていた 一途な恋は見事に崩れ去った

君の心はきっと限界だったんだ 気付けなかった罪は重く哀しい
腕をすり抜けて消える愛しい君 追いかけることが出来なかった

想い出に変わる二人の時は永遠に ガラスのように脆い恋だった
本音ではもっと傍に居たかった さよならすら言えないまま

小さな君を包み込む瞬間が 何より幸せで愛を感じていた
忘れられても想い出にならなくても良いと思える
独りよがりな恋の結末は 後悔だけが切なく響き渡る
どうか君よ幸せでいて…これから先もずっとずっと

いつか君が流した涙は今は僕に 滲む景色にあの笑顔が重なる
引き裂かれそうな気持ち抱いて 今そっと君の影と手を離す

ヒトリヨガリ

ヒトリヨガリ

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-23

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