それはざあざあと。

幸福は、みつかりませんか?

毎日私達に降り注ぐもの。

幸福には限りがあるのだと、以前は思っていた。
思うので、自粛に務めていた。

やれ、甘いものを控える。外出時間を控える。関わる人間を最小限にする。買い物をいっさいしない、など。

小規模にすればするほど、読書量は増え、知識が募っていく。
新たな知恵がついていき、私という人間は豊かになっていった。

反対法則の原理を唱えたのは誰であったか?

私達の生活には、幸福が潜んでいる。
何もなくとも、ただ笑えばいい。
話せばいい。作ればいい。可愛がればいい。

体ひとつとボロ切れのような服一枚、パンが一片あれば生きていける。

一歩外に出れば、幸福は病を突き破り、私達の頭の上に降り注ぐのだ。

今日も創造して見せよう。明日も作って見せよう。
絶えず努力する事を誓おう。

私は今日も大口叩いて、法螺吹きと呼ばれながら机に向かい、花に水をやり、家族を愛す。

幸せなんて、どこにいても作り出せるものだ。
自分がそれを請うならば、作り方を教えてあげよう、と、私は床を拭きながら、一人頭で考えた。

朝、掃除して、食べて本を読む。
昼、テレビをつけて食事を取る。その後は3時まで待ち、ドラマの再放送を見る。
言いたい事は日記に書き、発表する。交流などしなくていいのだ。ただ、発表する。読者数は見ず、言いたい事を書く。
スマホを見る時間を控える。誰かの世話を焼く。

夜、お腹が空いた頃に質素なご飯を一汁一菜食べる。

その繰り返し。そこに愛する存在があればいい。

それだけの生活を望んでいる。
毎日外に出よう。子供の笑い声に微笑もう。木々の安らぎに身を任せよう。
空が晴れたことを慶ぼう。

それだけで充分だ。

それはざあざあと。

日々思うこと。

それはざあざあと。

幸せの探し方。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-21

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