幻蝶
2012/4/10 広島アステールプラザ
内野さんから気持ちが離れ、この舞台の事も余り関心が無かったのだが
友人から良い舞台だったよ!と背中を押され、観劇に飢えていた私は、
たちまちその気になって急遽チケットを取った(笑)
当然、座席は悪く2階の中ほど・・・、舞台は遠かったーー!
広島は1日のみの公演だからか客席は殆ど埋まっていた。
若い女性が多かったな・・・(>へ<)
だが配られたチラシの中に内野さんの写真が大きく載ったフアンクラブへの勧誘のチラシを発見!
もしかして、会員減ってる・・・?(笑)
脚本=古沢良太
演出=白井晃
CAST
内野聖陽=戸塚保
田中圭=内海真一
七瀬なつみ=安藤
中別府葵=ユカ
細見大輔=村木
大谷亮介=吉永
STORY(プログラムより)
とある山の中
捕虫網を手にした二人の男の姿があった。戸塚保と内海真一。
彼らは”蝶屋”と呼ばれる筋金入りの蝶マニア。
幻の蝶「シロギフ」を探す為に朽ちた山小屋で共同生活を送っているのだ。
捕獲の名人である戸塚は豪快な無頼派、一方、卵から蝶を育てる飼育派の真一は
捕獲下手な引きこもり青年。
年齢も性格もまるで違う二人は中々噛み合わない。
そんな二人の蝶探しに図らずも巻き込まれていくのが、山を管理する不動産会社のOL
・安藤と旅回りのストリッパー・ユカ、そして蝶を買いに現れた、日本一の虫ブローカー・吉永。
戸塚から借金を取り立てる、町のボランティアを名乗る村木。
「幻の蝶」をめぐり、それぞれの思いは交錯してぶつかり合い、関わってはすれ違う。
彼らは「幻の蝶」に出会うことができるのか。
そして、彼らが本当に信じたいものとはーーー。
舞台は背景に北アルプスかと思われる遠くの山なみが描かれ、その前に作られた森の木立で舞台全体を覆っている。
上手に2人が暮らす山小屋のセットが見える。
このセットが状況に応じて出たり引っ込んだりするようになっている。
その山小屋で戸塚(内野聖陽)が、一生懸命真一(田中圭)を話に引き込もうと必死で話しかけている。
風呂へ入ろう・・・と(笑)
舞台下手にドラム缶のお風呂が見えていて、自分は服を脱いで、どうしても話に乗ってこない真一の服も脱がせようと捕まえて・・・、
まるで女でも襲うように俺に身を任せろと迫る戸塚。
二人ともお尻丸出しのストリップ状態・・・、客席は大爆笑。
この辺りの内野さんは手馴れたモンといった状態で、ハチャメチャな男を楽しく演じている。
そして真一を演じる田中さん、ドラマではよく見かける顔だが舞台では始めてだ。、
内気で頼りなげな真一をとっても上手に演じていた。
最初は子供のように幼く、やがてユカと知り合い最後戸塚の死を看取る頃は随分大人になっていた。
その成長の様を相応な声色と演技で見せる。とっても良かったよ!
真一に家族の写真を見せる戸塚。妻と息子だと・・・。真一は両親は居ないという。
女性に興味を示さない真一を勉強の為だとストリップへ誘う戸塚・・・、そこで踊っているのがユカだ。
このユカを山小屋へ招いて真一とくっつけようと企む。
そんな戸塚の借金の取り立てに来る村木、借金の額は500万だという。
蝶の買取に来る吉永は表面は戸塚の親友のように振舞っているが、
戸塚が居ない所で真一に戸塚の悪口を言う男。
そんな吉永に真一は戸塚だけが「シロギフ」が居ると言う自分の言葉を信じてくれたのだと話す。
そこへ山の持ち主である不動産やに勤める安藤(七瀬なつみ)が現れ、ここから即刻退去するようにと宣言される。
だが戸塚に蝶取りに誘われた安藤さんが突如として完全装備で蝶取りに参加してくる(爆)
そして突然戸塚に抱きつきキスをする??
ストリッパーのユカも真一とペアになり何故かこちらはスカートを履いて蝶取りに参加(笑)
この4人が良い雰囲気で、後から思えば4人にとって一番幸せな時だったのだ!
真一がマムシに噛まれる場面がある。
病院に運ばれて一晩で退院してくるが、絶対にそんなに早く良くなる訳は無いんだよ。
あのくらい噛まれればそのまま死ぬか、病院で手当てを受けても退院までに100日は罹るし、後々も後遺症が残る。
この脚本家はマムシに噛まれるって大変だって事知らないんだなーーー、と思ったよ(笑)
頭が痛いと言っていた戸塚には深刻な病が隠されていた。
突然戸塚は死んだ!
12才になると言っていた息子は7歳の時戸塚の所為で死んでいて、それが原因で妻とは離婚していると吉永は言う。
負ぶってでも連れて行ってくれ、といった戸塚の言葉通りに、真一は戸塚を負ぶって「シロギフ」を探しに行く。
終わり頃になると戸塚と真一の関係は親子のように見えてきた。
床に横たわる死んだ戸塚の周りにガソリンを撒いて火を放ち、一人山小屋を離れる真一が客席に下りたとこで舞台は終わった。
果たして「シロギフ」は居るのか居ないのか・・・?
判らないままに・・・。
カーテンコールが何度も行われた!
良い舞台だったな!
何度も何度も笑いの起きる舞台だったけど、でも登場人物は皆哀しい運命を背負って生きているのよね!と
しみじみと考えさせられる舞台だった。
幻蝶