MENI。NE、MENIYDUST././

そして僕は高いところにいた

辛い現実から目を背けるまではよかった
透明な空間に辛いを置いていったら
いつの間にか辛さしか見えなくなっていた。
大丈夫です。大丈夫です。
繰り返したのは口だけで。
内壁から剥がれ落ちていった僕の体内には、「心だったもの」がバラバラになって落ちていた。
目が見えるからいけないんだ。
裁縫道具の中から取り出した赤い糸と針で目を縫い付けてしまった。
何も見えなくなった。
耳が聞こえるからいけないんだ。
銀色の玉を耳に押し込んだ。
何も聞こえなくなった。
感覚なんかがあるからいけないんだ。
僕は浴びるようにアルコールを摂取した。
前と後ろと上と下がよくわからなくなって、言葉も離せなくなった。
やっと出来上がった気がした。
できるだけ無に近づいた僕には希望の光の代わりに希望の闇がミエタ。
何も消えないから心臓の音が良くキコエル。
どこ?どこ?音が聞こえた。音が聞こえた。ほら。ほら。みて?すごい・
ミエタ。もういいや。うん。いいや。イインダ。

MENI。NE、MENIYDUST././

MENI。NE、MENIYDUST././

タスケラレマシタクダサイ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-16

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