王道ラブコメなんて信じない4

「探偵部か、理事長は何か言っていたか?」
「「顧問に任せた」と言ってました」
「なるほど、じゃあ探偵部に決定するぞ」

ファミレスでのしてやられた事件の翌日。昼休みに屋上に集合と召集メールもといLINEが来て委員長、不良が屋上に来ていた。俺はバックれて図書室で本でも読もうかと思ったら図書室に委員長が何故かいて脅迫じみた事を言われ屋上に連行された。委員長の情報量の多さに負けた。ぼっちには不可能なことだ。クソが…。
そして、召集した張本人の金髪が現れて
「そんな感じで『探偵部』設立ー」
と言った
「「早いよっ!」」
委員長と不良が声を揃えてツッコミが入った
「いや、決まるの早すぎだろ」
「流石に早すぎじゃないですか?」
流石に図り過ぎだ。
「部室は『第二相談室』を使うから放課後に来るように」
「うちらの話完全にスルーされてる…」
めんどくさいし、委員会があるから終わったらそのままバックれるか。

「以上です」
委員会終わったし帰るか。俺はカバンを持って図書室を出て下駄箱に向かった。
「家帰ったらスクフェスやるか、モンストやるか迷うなー」
「逃げるつもりか…、地獄か部室かどちらに行きたい?」
不良が下駄箱で待ち伏せしていた。何で俺は監視されてんだ?
「部室に来ないなら星宮をぶちのめすしかないのか残念だ」
いやいや、待て、女がそんな発言は良くない。
「とりあえず落ち着け?とりあえず来週行くから」
「ゴールデンウィーク過ぎたら完全に忘れてるだろ。つべこべ言わずに来い」

第二相談室に着いたが…
「で、ここはお前の部屋か?」
明らかにスケットダンスみたいな事になってるぞ。がっこうぐらしする気か?
「違うよー。人が来なかった時は暇になるだろうから用意したんだよ。色々あると便利でしょ?」
「まぁ確かにそうだけど」
「ゲーム機系完備。冷暖房も完備。仮眠室もある仮眠室は2DKだよ。ネット環境もあるよ」
色んなのが完備してあるな。どうでもいいが完備と甘美は似てるな。意味違うけど用意周到か甘いお菓子かだけど…。
「ここは学校なのか?都の税金はこんなのに使われるのか?」
不良はため息をつきながらボヤいてた。
隣で委員会がメガネをキラリと光らせ(比喩でもなく部室の光がメガネに反射してるだけだが)ゲームソフトが置いてあるラックを見てから
「フフフ…。中々いい趣味してますね…ゲーム系があれば問題ないですよ!これだけゲームがあれば私は毎日行きますよ!」
そうか、この女ゲーマーなのか、我が愚弟が神と崇めていたな。くだらない。
「樫村。限度ってものがあるだろ」
西宮先生か…。『西宮悠子』この探偵部の顧問でうちのクラスの担任だ。数学科の教師だけあって言うことはかなり理論的。ついでにいうと35歳独身だ。どうやら最近好きな人が出来たとか…、どうでもいいがな。
「あ、先生もどうですか?お茶入れますよ」
「もてなすな。一人目の依頼人を連れてきたぞ」
前髪が長くて顔がよく見えんがまぁ、陰気そうな奴だ。俺も人のことは言えないが…。
「早速来ましたね。そこの椅子に座って話そ?」
「うちも、手伝える事があるなら手伝うよ」
「星宮、お前には客が来てる応接室で待ってるぞ」
「客?俺にですか?誰だろう…」
客?一体誰なんだろう…。まぁ、少しの間席を外すという名目上でサボれるな。
「鞄は置いておけ」
「はい…」

王道ラブコメなんて信じない4

王道ラブコメなんて信じない4

ひねくれ者とその仲間達が起こす不思議な物語

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-15

CC BY-NC-ND
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