レベッカ

2008/6/21・22日 『レベッカ』シアタークリエ

脚本・歌詞=ミヒャエル・クンツェ

音楽=シルベスター・リーバイ

演出=山田和也

Cast

山口祐一郎=マキシム・ド・ウインター

大塚ちひろ=「わたし」

シルビア・グラブ=ダンヴァース夫人

石川 禅=フランク・クロウリー

吉野圭吾=ジャック・ファヴェル

治田 敦=ベン

阿部 裕=ジュリアン大佐

『メタルマクベス』青山公演以来2年ぶり、久々の東京遠征でした。

今回の劇場「シアタークリエ」は昨年の11月にオープンした新しい劇場、そして泊まったホテルも同じく11月劇場オープンに合わせて造られた良い眠りがコンセプトだという「レム日比谷」、上京する前からネットで部屋が狭いと言われていたので覚悟はしていたのだが・・・(笑)確かに広くはなかったが、部屋に入ると目を奪われたのがガラス張りになっていて煌々と灯りのついたシャワー室とトイレと洗面台・・・(-_-;) でもこのおかげで部屋が広く見えていたのだろうと思った。調度品や配置のセンスも素晴らしかったし、今まで寝られれば良いと無味乾燥な部屋でも我慢してきた事を思うと、とてもゆったりと良い気分で泊まる事が出来た。お値段は朝食つきで¥15,000と今までの観劇遠征用のホテルから考えると少しお高いかもしれないが、場所は帝国ホテルの筋向いだからこの場所なら決して高くは無いと思うよ(^-^)又泊まりたいと思った! そして劇場では、膝が痛くて階段を一段ずつ上がり降りをする私の姿を見て、係員の方がご親切にも身障者用のトイレへ案内して下さった!

今回の遠征は劇場でもホテルでも気持ち良く過ごせたし、友人と昼食に食べた日比谷シャンテ地下のインド人が経営する本格カレーもとても美味しくて、どれをとっても素晴らしく満足のいく2日間でした?

さて久々の東京遠征で観たのはミュージカル『レベッカ』、何でこれを観に東京へ行ったか・・・?  それは内緒(笑)

題名の『レベッカ』はマキシムの亡き妻に当たる人だが名前は出てくるが舞台には登場しない。物語はサスペンス風に進んでいく。

物語は「わたし」と言う一人称で語られていくので「わたし」は名前で呼ばれる事は無い。

舞台はモンテカルロのホテルのロビー、わたしはヴァン・ホッパー夫人の付き添いでホテルを訪れるが物事に不慣れな私は夫人からお小言ばかり頂戴している。そんな所へ大富豪のマキシム・ド・ウインターが現れ、わたしは彼に一目ぼれしてしまう。ヴァン・ホッパー夫人が風邪を引いて部屋で引きこもっている間にマキシムと私はお互いに惹かれあい、夫人がニューヨークへ戻ると宣言したのをきっかけに二人は結婚してマキシムの館、イギリスの大邸宅マンダレーへ帰ってくる。だがそこにはマキシムの亡き妻「レベッカ」の存在が館の隅々にまで色濃く残っていた。

そして家政婦頭のダンバース夫人のレベッカに対する異常なまでの思い入れに驚かされる事になる。このダンバース婦人を演じるのがシルビア・グラブさん、上下真っ黒のドレスにキュッと引きつめた髪、にこりともせず、慇懃に受け答えはするが、「レベッカ様」の領域へは一歩も入れさせないぞ!という気持ちがありありとわかる。シルビアさん歌もどすの利いたスゴイ迫力で歌う「レベッカ?」の言葉には怖いくらいの気迫がこもっていた!(^^) 以降様々な形でダンバース夫人の嫌がらせが続くのだが、しかしそれが返って私を強くさせる事になる。私の大塚ちひろさんがこの辺りの成長振りを見事に演じ分けていたように思う。山口さん演じるマキシム、さすがに恰幅がよく堂々と大富豪を演じているが、このマキシム、色んなことに苛立って度々切れる(笑)

一幕の終わり頃ダンバース婦人の助言に従ってパーティで私が着た純白のドレスはレベッカの物だった。階段からドレスを纏って下りてくる私の姿を見てマキシムは烈火のごとく怒る何でそんな物を着ているのだっ、すぐに脱ぐのだぁっ! この切れる時に時山口さんの声がひっくり返るんだなぁ?!それも度々(笑) こんな声はいままで余り聞いた事がないので意外な感じがした。この場面で1幕が終わる。

2幕はダンバース夫人がわたしに「あなたはミセス・ド・ウインターにはなれない!出て行きなさい!」と追いたて崖の上まで追い詰めた時、難破船が見つかった合図がなる。

その沖の船からレベッカの遺体が見つかりれマキシムが疑われる。殺人か、事故死か、自殺か・・・? この辺りから俄然サスペンス様相が強くなり始める。

レベッカには敵わないと言う私にマキシムはレベッカを憎んでいたと打ち明ける。美貌に惹かれて結婚したが結婚した夜にレベッカは宣言した。妻としては完璧に演じるけどそれ以外は自由にさせてもらうと。レベッカは何人もの愛人がいて堕落しきっていたと。マンダレーを受け継ぐ子供が出来て嬉しいでしょう、と凍りつ様な微笑を浮かべたと。そんなレベッカを突き飛ばし船へ乗せて沖に出しそこに穴を開けたのだとマキシムは打ち明ける。そんなマキシムを私は抱きしめる。知っているのは私達だけなのよと・・・。ここで完全にマキシムと私の立場は逆転してしまったようだ。2幕になるとわたしの意識の変化を表すように衣装が赤に変わり、次第に強くなっていくわたしの表現を大塚さんはとても上手く演じていたと思う。

マキシムと私、年齢差はかなりあるはずなのに、ダンバース夫人の嫌がらせに立ち向かいながら自分がマンダレーの女主と自覚し始めた私は、次第に大人びて強くなっていく。

屋敷内にあるレベッカの物を全て運び出しレベッカの面影を消し去ってしまい、そしてダンバース夫人にミセス・ド・ウインターはこの私だと宣言する。

レベッカの死因を巡って従兄弟でありレベッカの不倫相手でもあったジャック・ファベルは自分に待っていてくれと手紙を残しているのに自殺するはずが無いという。そして海岸にいつもいる浮浪者のベンが全てを知っているとその場に引き出すがベンは何も知らないと否定する。

ジャックファベルを演じる吉野圭吾さん、細??い! 今回は憎たらしいほどの悪役です(笑)だからミュージカルであってもダンスは無いだろうと思っていたのに、あったよ?!それもかなり長く・・・(^^)/^ やっぱり踊る吉野さんはカッコいいなぁ!

この最後のくだりはもう公演が終わっているので完全にネタバレです(^-^)/

この物語の結末は最終的に産婦人科医の証言でレベッカは末期癌で余命6週間と言われたことが判明し、マキシムはレベッカが自分を道ずれにしたかったのだという。レベッカは自殺だったと断定される。

舞台の最後はあの広大な館マンダーレが炎に包まれその中にダンバース夫人の姿が・・・、もう館の中にレベッカの面影を見出す事が出来なくなって絶望した彼女の放火だったのか?

こんなシーンで終わった「レベッカ」

石川禅さんとか阿部裕さんとか歌の上手な人を贅沢に揃え、劇中の挿入歌も多くて確かにミュージカルではあるけど、なぜかストレートプレイの舞台を観ているような感覚だった。

主役であるはずの山口雄一郎さんが霞んでしまうほど大塚さんは存在感を示したし、シルビアさんをはじめ回りの人達もみな上手かったなぁ?! 中々面白かった!

レベッカ

レベッカ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-01-09

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