王道ラブコメなんて信じない3

各々が食べ終わると各々で話をしていた。
「そのフォアグラ意外と美味しかったね」
「だろ?また来た時に食べてみなよ」
「で、何で俺らを呼んだんだ?」
「君達は部活に入ってるかい?」
と金髪が言うと、
「入ってない」
と俺が言い
「私は漫研部に入ってます」
「うちも漫研に入ってるけど」
と二人が言った。
不良が部活入ってるとか意外なんだよな。委員長みたいな見た目地味子なら漫画研究部なんて似合いそうだがこんなビッチが漫画研究部なんて根暗の巣窟みたいな部活にいるとか意外すぎる。
「後半は声に出てたし、ビッチ言うな。てか、先輩が誘ってきたから入ったんだよ」
「見た目地味子って、酷くないですか!?」
「ま、そんなことはどうでもいいが金髪は何部なんだ?」
そういうと金髪はこちらを見て
「え?いや、部活に入ってないけど」
と言った。サッカー部かテニス部に入ってそうなイメージがあったのだが案外意外だな。主にイメージとしてはチャラそうとかリア充臭いって言うのがある。
「話変わりますけど橋本さんもあの部長に誘われたんですか?」
「あの人同じ中学だったし、断ったら面倒だからね」
「じゃあ、二人は今の部活は楽しいと思う?」
「「全く楽しくない」」
「理由は?」
「想像していたのと全く違うからです」
「吉岡と同じだ」
俺が思索にふけっている時に女子二人が話をしていたが、金髪のアホ毛がピンと動き出すと金髪が話し始めた。
「それじゃあ都合がいいね!ようやく本題に入るよ。理事長に頼まれて生徒の悩みを解決する場所が少ないから部活として作って欲しいんだよ。その為に三人を呼んだんだよ。まぁ、星宮くんが来なそう事を予想して吉田さんに頼んで呼んで貰ったんだよ」
「面倒くさがりで他力本願で捻くれ者の星宮くんを呼ぶには私がいいとの事で。まぁ、橋本さんも呼ばれてたのは意外でしたが…」
ようやく分かった。違和感の正体が。飯と女に釣られるほど低レベルになってしまった自分が悔しい。しかし俺だって反論はする。
「そんなめんどくさいことしたくないし、悩み相談場所ならスクールカウンセラーの人が週1でやってるじゃん」
と、返すと
「週1じゃ足りないらしいよ。それと、逃げようとしたら先生に報告しておくよ?」
と返され、俺はあっさり折れた。あの女に絡まれるのだけは勘弁して欲しい。
「要するにスクールカウンセラーの代わりになる部活を作るってことですか?」
「うん。そういうことだから、3人には部員になってもらいたいんだよ」
不良はスマホを弄っていたが、金髪がそういうと
「…。はぁ!?何でそんな面倒なことをしなきゃいけないの!?」
「あ、そういえば顧問は生活指導部の西宮先生がやるらしいから単位も上がるかもしれないよ?」
不良が少し黙り込み考え
「……。気が変わったやるぞ。それより部活の名前は何にするんだ?」
「ネーミングセンスのプロに聞いてみたら?」
俺がスマホ弄ってたら何故か視線を感じて顔を上げると三人が俺を見ていた。
「……。えっ?俺に聞いてるの?なんで?小説書いてるから?」
「うん」
金髪がそう頷いた。アホ毛も連動して頷いていたがあれは生きてるのか?
「そうだな…。カウンセリングだと分からないけど伝わりやすいものか…。探偵部は?」
昔書いたプロットにそれっぽいのがあったから引用しただけだが…。まぁ、速攻拒否されそうだが…。
「いいね、ちなみに理由は?」
あれ?拒否されないのか?まぁ、いいか。
「探偵は人の依頼を受ける。つまり、それだ」
「なるほど、よし!明日西宮先生に話してくるよ」
そう言うとお開きになり、金髪の奢りになって解散した。
ラノベみたいな展開になりそうだな。
「現実は小説より奇なりか…。先人も俺みたいな体験をしたのか…」

王道ラブコメなんて信じない3

王道ラブコメなんて信じない3

ひねくれ者とその仲間達が起こす不思議な物語

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-05

CC BY-NC-ND
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