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愚痴
愚痴を言った。
大変そうだね、と少しうれしそうに友人は言った。
優越感を持ったようだった。
私が言ったそれはただの愚痴で、「あるある、そんなこと」「大丈夫だよ」と言ってもらえたら気がすんだのに。
友人はまるで私を恵まれない不幸な人扱いをする。
まるで私が人生の大事な選択を間違えたかのようにいつも言う。
そう扱われるたびいつも後悔して、「言うんじゃなかった」「もう愚痴を言わないぞ」と心に誓うのだけど、不安で心がいっぱいになると決まって友人に愚痴ってしまう。
私にはもう彼女しか親しい友人がいないのだ。
そして、私は自分の人生に自信がない。
自分は幸せである、と上辺では思っていても、心の底ではたぶん違う。
だから簡単に自分の中の基準がゆらぐ。友人の一言で。
私は不幸なのだ、と、心の奥の、知りたくない感情が顔を出す。
そうなのかな?そんなことないと思うけど…だけど…
そんな風に揺らいだ後、心が落ち着くまで数日かかる。
荒れた水面が平穏を取り戻すまで時間がかかってしまうように。
そして心の基準の平穏をとり戻した後、必ず思う。
友人も幸せではないのだ、と。
だから私は繰り返すのだ。
幸せではない友人に、幸せではない話をすることを。
ただただ共感して欲しくて。
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