静かに聞いて

あなたって人

あなたって人は 煩い人。
その煩いは 若者が騒ぐ 煩いではなく 静かであって煩い。
私よりも経験しているくせにあなたはあなたしか知らない。知らないゆえに
押し付けがましいのよね。うんざりしちゃう。

そしてあなたは フラフラしていて止められないのよね。
知らないうちにどこかへ行っては 蝶のように、魅力という鱗粉を花に撒いてくる。
あたかも 「なんにもしていないよ」そんな顔で。

甘え上手なあなた。さらには憎めないのよね。

本当にうんざりしているのよね。

わかっているのかしら。私よりも美しいあなた。

煩いの


本当に煩いわ、どうしてわからないのかしら。
私は今 あなたに甘えているのよ。

そっと力強くだきしめていればいいのよ。
苦しくなるくらい。

簡単なことなようにも思えるのだけれど。

はいはい、あなたは普通じゃないのよね。
人とは違うのよね。
変わっている自分が好きなのよね。
わかっているわよ、何度も言わないで。

いいから早く抱きしめなさいよ。馬鹿ね。

ほら、また


どこへいっているのかしら。

あぁ、この子、きっと彼に惚れてる。 女の勘って意外と侮れないのよ。
あなたまた甘えたんでしょう。わかるのよ。
付き合い長いんだから、それくらい。

本当に甘えるのが上手いんだから。殴るわよ。

私言っておくけれど 不幸の勘はすぐに当たるの、すごいでしょう?
嬉しくもないんだけれど、ね。

じゃあ、ズバリ当てるわね。

あなたの次の恋人は その子よ。

好意のある子は相手との連絡は途絶えさせないの。

そして満更にでもないあなたは溺れていくの。

ねぇ


私たちはいつからあなたの思う当たり前になったのかしら。
私たちはどこまで連れ添っても互いが死ぬまで寄り添っても

当たり前にはならないのよ。

そうね、それを人は奇跡と呼ぶかしら?
運命と呼ぶかしら?

どちらも同じね。

名前で呼び合ったりどちらからでもなく求め合ったり
愛おしいと感じてキスをしたり、時には不安になって抱きしめたり

そんな愛に溢れたことはもう 私たち にはないわね。

我が侭


あなたは私に我が侭だと言うけれど失礼ね。

あなたが釣った魚に餌を与えないだけじゃない。

そんな事言うなら私に 与えてみればいいじゃない。

こっちを向いて


あなたはいつも私に横顔しか見せないじゃない。

あなたの顔、どんなだったかしら。

思い出せないのよ。


なぜそんな皮肉言うのかって?


あなたの顔が見たいからよ。

たまには私の顔を見なさいよ。
そうすれば、あなたの「わからない」がわかるはずよ。

そう、女心の一部をね

我慢はもう疲れたの


あたし意外と我慢強いの。

それでも限度があるのよ。

フラフラしているあなたを我慢して待つのは 疲れたの。


でもきっと我慢することに慣れてしまって また待ち続けるの。

煩いわね、そうよ、言い訳よ。

静かに聞いて


ねえ、知っていたかしら?
私、あなたのこと好きなのよ。


そう、好きなの。


あなたの心の中を全て私で埋め尽くしたいくらい好きなの。
私の心を見せてあげたいわ。

あなたでいっぱいだもの。


ねえ、愛する人、どうか私と幸せになって

静かに聞いて

女心をストレートに書いてみました。

静かに聞いて

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-30

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  1. あなたって人
  2. 煩いの
  3. ほら、また
  4. ねぇ
  5. 我が侭
  6. こっちを向いて
  7. 我慢はもう疲れたの
  8. 静かに聞いて