またあそぼう

自分の子供時代を思い出しながら読んでみてください!

毎年送られてくる年賀状で、少しずつ大きくなっていくあなたの姿をみると、いつも会いたいと思うのです。

幼稚園から帰るとすぐにあなたの家へ行って、一緒に暗くなるまでたくさんのことをして遊んだね。秘密基地を作るために木を集めたり、みかん畑にこっそり入って、みかんをとったり。本当にたくさんのことをしたね。お母さん同士も仲が良くて、お互いの家でご飯を食べたり、時にはいっしょに泊まったり、私たちはいつも一緒にいた気がする。あのころ、私たちは何も知らなかった。悩みも、苦労も、何も知らなかった。ただ、毎日が楽しくて、楽しくて、たまらなかった。でもね…。

いつだったかな。あなたは、私の1つ年下だったから、私が小1であなたが年長さんのとき。
「来年から、一緒の小学校だね」って言ってた時に、あなたは大阪へ行ってしまった。お父さんの転勤だったと思う。その頃の私は、まだ小さくて、大阪がどんな所加か、どのくらい遠いのか知らなかったから、船で引っ越していくあなたを見送りながら、「またあそぼう」ってそう言ったんだ。

それからもう9年。私はこの春、高校生になります。あれからあなたとは、一度も会っていない。もしかしたら、私のこともあなたは、忘れているかもしれません。
それでも、年に1回母あてに送られてくる年賀状をみると、やっぱり言いたくなるのです。
「またあそぼう」と。

またあそぼう

またあそぼう

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-09

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