秋2
カーテンが半分開いた部屋の窓の外からは沈んでいく赤い夕陽が見えた。太陽の周りは橙色に輝いていて、空の青さと混じり合い、白く薄い雲が広がっていた。身を起こして手を伸ばし、窓を開けると、冷たい空気が部屋の中に吹き込んできた。九月ももうじき終わりで夏が過ぎてからまだそれほど日は経っていないが秋の到来を予感させた。部屋は少しずつ冷たくなっていった。
ベッドの中には裸のまま深い眠りに落ちている彼女がいた。彼女の名前は由衣といって大学の頃に知り合った女性だった。圭介は布団を肩までかけて、由衣の横でぼんやりと彼女の寝顔を眺めていた。
秋2